避難所で眠れないときの対策|“自律神経”を落ち着かせる方法
避難所で眠れない時の不眠対策|災害時の睡眠・自律神経を守る方法
避難所や車中泊避難で「眠れない」「何度も目が覚める」「寝ても疲れが取れない」と感じる方へ。 災害時の不眠は、気合いや根性だけで解決するものではありません。 光・音・寒暖差・不安・胃腸の乱れ・情報ストレスが重なり、自律神経が休まりにくくなることで起こりやすくなります。
眠りを守ることは、体力・判断力・回復力を守ること。
この記事では、薬剤師・中医薬膳師の視点から、避難生活で実践しやすい不眠対策を 現代医学・中医学・腸活の両面からわかりやすく解説します。
最終更新:2026年7月|漢方薬局ほどよい堂 健康コラム

目次
- 1 避難所で眠れないのは「弱さ」ではなく自然な反応
- 2 まず試したい避難所の睡眠対策7つ
- 3 不眠・不安・胃腸の乱れが続く方へ
- 4 睡眠薬・寝酒・カフェインの注意点
- 5 子ども・高齢者・持病のある方の注意点
- 6 中医学でみる災害時の不眠タイプ
- 7 腸を整えることは、眠りの土台を整えること
- 8 3日・3週間・3ヶ月で整える睡眠の土台
- 9 漢方薬や健康食品は「体質に合わせて」備える
- 10 医療・保健スタッフに相談したいサイン
- 11 よくある質問
- 12 まとめ|眠りを守ることは、回復力を守ること
- 13 災害時の不眠・不安・胃腸の乱れを体質から整えたい方へ
- 14 関連ページ
- 15 この記事を書いた人
- 16 参考情報
- 17 監修者・免責事項
避難所で眠れないのは「弱さ」ではなく自然な反応
災害直後に眠れないのは、心が弱いからではありません。 体が危険に備えている自然な防御反応の一つです。
大きなストレスを受けると、体は交感神経が高まりやすくなります。 交感神経とは、活動・緊張・警戒に関わる神経です。 そのため、避難所で横になっても、体の中では「まだ休んではいけない」というスイッチが入りやすくなります。
「今夜こそ寝なければ」と考えすぎると、かえって緊張が強まり、眠りに入りにくくなることがあります。 災害時は、完璧な睡眠を目指すよりも、横になる・目を閉じる・短く休むなど、 回復できる時間を少しずつ増やすことが大切です。
災害時に不眠が起こりやすい主な原因
- 避難所の照明やスマホの光で、体内時計が乱れやすい
- 人の声・足音・いびき・物音で、脳が休まりにくい
- 床の硬さ、寒さ、暑さ、乾燥などで体が緊張する
- 余震・家族・今後の生活への不安で、考えごとが止まらない
- 食事や水分の変化で、胃腸が乱れやすい
- ニュースやSNSを見続けて、脳が興奮しやすい
まず試したい避難所の睡眠対策7つ
避難生活では、理想的な寝室環境を作ることは難しい場合があります。 それでも、光・音・冷え・呼吸・胃腸・情報を少し整えるだけで、体は休息モードに入りやすくなります。
光を減らす
避難所では照明やスマホの光で、体内時計が乱れやすくなります。 アイマスク、タオル、帽子などで目元に入る光を少し減らしましょう。 寝る前のスマホは明るさを下げ、ニュースやSNSを見続けないことも大切です。
朝は、できる範囲で外の光を浴びると、体内時計が整いやすくなります。
音を減らす
音は自律神経を刺激します。 耳栓、タオル、衣類などを使って、耳周りの刺激を少し減らしましょう。 完全に静かにできなくても「少し減らす」だけで、緊張が和らぎやすくなります。
首・お腹・足を温める
冷えは、体の緊張や胃腸の弱りにつながります。 中医学では、胃腸の働きを脾(ひ=消化吸収の中心)として考えます。 脾の土台が冷えると、気血水の巡りが乱れ、眠りも浅くなりやすいと考えます。
腹巻、ブランケット、靴下、レッグウォーマー、カイロなどで、首・お腹・足首を優先して温めましょう。
吐く時間を長くする呼吸
緊張している時は、呼吸が浅くなりやすいです。 まずは1分だけ、3秒吸って、6秒吐く呼吸を試してみましょう。
ポイントは、吸うことよりも吐くこと。 吐く時間を長くすると、体が休息モードへ切り替わりやすくなります。
「夜に必ず寝る」にこだわりすぎない
避難所では、夜にまとまって眠れないことがあります。 その場合は「眠れる時に眠る」という考え方も大切です。
昼間に安心できる時間があれば、10〜20分だけ目を閉じる、横になる、家族に見守ってもらうなど、 短い休息を積み重ねましょう。
胃腸を休ませる食べ方にする
睡眠と腸はつながっています。 胃腸が荒れると、体が落ち着かず、眠りに入りにくくなることがあります。
寝る直前の食べすぎ、甘い飲み物だけの食事、冷たい飲み物のとりすぎは控えめに。 温かい味噌汁・野菜スープ・お粥などを選び、1口30回を目安によく噛むことで、 脾=消化吸収の働きを助けやすくなります。
情報を見る時間を区切る
災害時に情報は必要です。 しかし、ニュースやSNSを見続けると、脳と自律神経が休まりません。
「情報確認は朝・昼・夕方だけ」「寝る前は画面を閉じる」など、時間を区切りましょう。 不安をゼロにするのではなく、刺激を少し減らすことが目的です。
不眠・不安・胃腸の乱れが続く方へ
災害時の不眠は、環境だけでなく、体質・胃腸・自律神経・血の巡りも関係します。 「自分はどのタイプか知りたい」「漢方や薬膳で備えたい」という方は、まずは体質チェックから始めてみてください。
睡眠薬・寝酒・カフェインの注意点
災害時の不眠では、「とにかく寝なければ」と焦ってしまうことがあります。 ただし、睡眠薬・お酒・カフェインの扱いには注意が必要です。
普段から睡眠薬を使っている方は、自己判断で急に増やしたり、中断したりしないようにしましょう。 災害時は、ふらつき・転倒・脱水・持病悪化のリスクも高まりやすいため、医師・薬剤師・避難所の医療スタッフに相談してください。
お酒は一時的に寝つきが良く感じることがありますが、眠りを浅くし、夜中や朝方に目が覚めやすくなることがあります。 「眠れないから飲む」が続くと量が増えやすいため注意が必要です。
コーヒー、緑茶、紅茶、エナジードリンクなどのカフェインは、眠りに影響することがあります。 災害時は睡眠が乱れやすいため、夕方以降は水・白湯・薄い味噌汁・ノンカフェインのお茶などに置き換えましょう。
持病がある方、常用薬がある方は、お薬手帳・残薬・主治医情報を手元に置いておくと安心です。 避難時の薬の相談がスムーズになりやすくなります。
子ども・高齢者・持病のある方の注意点
子どもが避難所で眠れない時
子どもは、不安をうまく言葉にできないことがあります。 寝床に行きたがらない、ひとりで寝るのを怖がる、夜泣き、幼児返り、日中ぼーっとするなどが見られることがあります。
叱るよりも、手を握る、声をかける、絵本を読む、いつもの寝る前ルーティンを少し再現するなど、 「いつもの安心」を作ることが大切です。
高齢者の不眠とせん妄に注意
高齢者では、不眠だけでなく、急な環境変化や睡眠不足によるせん妄に注意が必要です。 せん妄とは、意識や認知が一時的に混乱する状態です。
- 急に会話がかみ合わない
- 場所や時間が分からない
- 夜に興奮する
- 徘徊する
- 昼夜逆転が強い
- 普段と様子が明らかに違う
このような変化がある場合は、睡眠薬だけで解決しようとせず、早めに医療・保健スタッフへ相談しましょう。
持病がある方の睡眠不足
高血圧、糖尿病、心臓病、呼吸器疾患、睡眠時無呼吸症候群などがある方は、睡眠不足で体調が悪化しやすくなることがあります。 いつもと違う息苦しさ、胸の痛み、強いだるさ、血圧や血糖の乱れがある場合は早めに相談してください。
中医学でみる災害時の不眠タイプ
中医学では、不眠を「脳だけの問題」とは考えません。 気・血・津液、五臓六腑、とくに肝・心・脾・腎のバランスから見ていきます。 ここでは、災害時に起こりやすい代表的なタイプを紹介します。
気滞タイプ:気が張って眠れない
気滞(きたい=巡りが詰まるタイプ)は、緊張や不安で気の流れが滞っている状態です。
- 胸がつかえる
- ため息が多い
- イライラする
- 肩や首がこる
- 寝る前に考えごとが止まらない
養生は、吐く呼吸、軽いストレッチ、情報を減らすことが中心です。 漢方では、気の巡りを整える方剤を検討することがあります。
気虚タイプ:疲れすぎて眠れない
気虚(ききょ=エネルギー不足タイプ)は、体力や回復力が落ちている状態です。
- だるい
- 食欲がない
- 声に力がない
- 少し動くと疲れる
- 眠いのに眠れない
養生は、温かい汁物、少量ずつの食事、短い休息をこまめに入れることが中心です。 胃腸が弱い方では、脾を補う方剤を検討することがあります。
心脾両虚タイプ:不安と胃腸の弱りが重なる
心脾両虚(しんぴりょうきょ=不安と胃腸の弱りが重なるタイプ)は、避難生活で起こりやすいパターンです。
- 不安で眠れない
- 食欲が落ちる
- 動悸がする
- 夢が多い
- 便がゆるい、または便秘する
- 疲れが抜けない
養生は、胃腸を守る温かい食事、よく噛む、安心できる人との会話、無理のない休息が中心です。 漢方では、心と脾を補う方剤を検討することがあります。
陰虚タイプ:潤い不足でほてって眠れない
陰虚(いんきょ=潤い不足タイプ)は、体の潤いが不足し、熱がこもりやすい状態です。
- 手足がほてる
- 口が渇く
- 寝汗をかく
- 眠りが浅い
- 焦りやすい
養生は、夜更かしを避ける、辛いもの・アルコールを控えめにする、潤いを補う食材を意識することです。 ただし、災害時は食材が限られるため、無理なくできる範囲で整えましょう。
腸を整えることは、眠りの土台を整えること
ほどよい堂では、胃腸を脾=土として大切に考えます。 土が整うと、気血水が巡り、体の回復力や睡眠の土台も整いやすくなると考えます。
現代の腸活では、善玉菌を意識するプロバイオティクス、善玉菌のエサとなるプレバイオティクス、 菌が作る有用成分に注目するバイオジェニックスの視点があります。 避難生活では完璧な食事は難しくても、温かい汁物・発酵食品・食物繊維・よく噛むことを意識するだけでも、 胃腸を守りやすくなります。
甘い飲み物だけで済ませず、温かい味噌汁・スープ・白湯を一緒にとること。 体を温め、胃腸を休ませやすくなります。
1口30回を目安によく噛みましょう。 よく噛むことは、消化のスイッチを入れ、脾の働きを助ける養生です。

3日・3週間・3ヶ月で整える睡眠の土台
体は常に入れ替わっている動的なシステムです。 災害時の不眠対策も、1回で完璧に整えるのではなく、段階的に立て直していきましょう。
横になる時間を作る、首・お腹・足を温める、吐く呼吸をする、温かい汁物をとる。 最初の3日は、完璧な睡眠よりも「体を守る」ことを優先します。
朝は光を浴びる、昼に少し動く、夕方以降のカフェインを控える、夜はスマホを暗めにする。 小さな習慣を戻すことで、自律神経が整いやすくなります。
栄養・循環・吸収を整え、細胞の土台を育てる時期です。 体質に合わせて、漢方・薬膳・腸活・栄養の備えを見直しましょう。
1. 栄養:細胞は食べたものでしか作られない
2. 循環:血が巡ると栄養と酸素が届く
3. 吸収:食べるだけでなく、吸収できる腸を育てる
漢方薬や健康食品は「体質に合わせて」備える
災害時の不眠や不安に対して、漢方薬や健康食品を備えておきたい方も多いと思います。 ただし、漢方薬は「症状名」だけで選ぶより、体質や背景を見て選ぶことが大切です。
たとえば同じ「眠れない」でも、気が張って眠れないタイプ、疲れすぎて眠れないタイプ、胃腸が弱って不安が出るタイプ、 ほてりや乾燥があって眠れないタイプでは、養生や選ぶ方剤が変わります。
ほどよい堂では、漢方薬を1包から購入できるため、いきなり大きな単位で買うのが不安な方も相談しやすくなっています。 体質に合うか、飲みやすいかを確認しながら、無理のない備えを一緒に考えます。

医療・保健スタッフに相談したいサイン
次のような場合は、セルフケアだけで抱え込まず、早めに相談してください。
- 4週間以上、不眠が強く続いている
- 悪夢や強い不安が続いている
- 日中の眠気やだるさで生活に支障がある
- 高齢者で、混乱・興奮・昼夜逆転などがある
- 動悸、息苦しさ、胸痛がある
- 持病が悪化している
- 睡眠薬やお酒の量が増えている
- 家族から見て、普段と明らかに様子が違う
災害時は「まだ大丈夫」と我慢しがちですが、早めに相談するほど立て直しやすくなります。
よくある質問
Q. 避難所で眠れない時、睡眠薬を増やしてもいいですか?
自己判断で増やすのは避けましょう。 ふらつきや転倒のリスクもあるため、医師・薬剤師・避難所の医療スタッフに相談してください。
Q. 眠れない時、お酒を飲んでもいいですか?
寝酒はおすすめしません。 一時的に寝つきが良く感じても、眠りが浅くなり、夜中や朝方に目が覚めやすくなることがあります。
Q. 夜に眠れない場合、昼寝してもいいですか?
災害時は夜にまとまって眠れないこともあります。 昼に安心できる時間があれば、短く休むことも大切です。 「眠れる時に眠る」という柔軟な考え方で、回復時間を積み重ねましょう。
Q. 子どもが避難所で眠れない時はどうすればいいですか?
叱らず、安心できる声かけや寝る前のルーティンを作りましょう。 手を握る、絵本を読む、添い寝をするなど、普段に近い安心感を作ることが大切です。
Q. どれくらい眠れなかったら相談した方がいいですか?
不眠が4週間以上続く、日中の不調が強い、悪夢や強い不安がある、持病が悪化している場合は、 医療・保健スタッフへ相談してください。
まとめ|眠りを守ることは、回復力を守ること
避難所で眠れない時は、気合いで寝ようとするよりも、環境・神経・胃腸を少しずつ整えることが大切です。
- 光を減らす
- 音を減らす
- 首・お腹・足を温める
- 吐く呼吸をする
- 夜にこだわりすぎず、眠れる時に休む
- 温かい汁物で胃腸を守る
- 情報を見る時間を区切る
眠りは、体を修復する時間です。 そして中医学では、胃腸=脾の土台が整うことで、気血水が巡り、回復力が働きやすくなると考えます。
ほどよい堂では、災害時の体調管理も、栄養・循環・吸収=腸活の3本柱で考えます。 不眠・不安・胃腸の乱れが気になる方は、体質に合わせた備えを一緒に整理していきましょう。
災害時の不眠・不安・胃腸の乱れを体質から整えたい方へ
「何を備えればよいかわからない」「睡眠薬だけに頼るのが不安」「漢方や薬膳で災害時の体調管理を考えたい」 という方は、ほどよい堂へご相談ください。
参考情報
本記事は一般的な健康情報です。強い症状がある場合、持病がある場合、服薬中の場合は、医師・薬剤師・避難所の医療スタッフへご相談ください。
監修者・免責事項
本記事の信頼性を高めるため、監修者情報と免責事項をまとめています。 体質の整理(中医学)と、現代の栄養学・生活習慣の視点を両輪で扱い、誠実な表現を心がけています。
Supervisor / Reviewer
監修者情報

監修:河邊 甲介(薬剤師/中医薬膳師/薬膳素材専門士/ペットフーディスト)
漢方薬局「ほどよい堂」代表
宮崎県川南町にて、漢方 × 薬膳 × 腸活のトリプルアプローチによる健康相談を行っています。 体質の言語化と、日常で“続く整え方”をセットでご提案しています。
- 栄養:細胞は“食べたものでしか作られない”
- 循環:巡りが整うと、酸素・栄養が届きやすくなる
- 吸収(腸活):食べるだけでなく“吸収できる腸”を育てる
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療・処方の代替ではありません。 症状が強い/長引く/不安が大きい場合は、医療機関・専門家へご相談ください。
- 体質・状態・既往歴により、最適な対処は異なります。
- 妊娠中・授乳中・服薬中・通院中の方は、自己判断での実施を避け、必ず確認してください。
- 記事内容は、予告なく更新・変更する場合があります。

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