避難生活で口内炎・肌荒れが治らない方へ|栄養不足のサインと対処法を薬剤師が解説
薬剤師が解説|災害時の口と肌の養生
避難生活で口内炎・口角炎・肌荒れが起きたら、栄養不足だけに決めつけず、水分・食事・口腔ケア・休養を一緒に見直しましょう。
災害後は、おにぎりやパン、麺類などの主食に食事が偏りやすく、タンパク質、ビタミン・ミネラル、食物繊維が不足しやすくなります。一方、口内炎や肌荒れには、乾燥、睡眠不足、ストレス、口の中の傷、衛生環境、持病や服用薬なども関係します。

この記事の結論
- 発災直後は、まず安全な水分と食べられる食品でエネルギーを確保します。
- 数日以上続く場合は、主食に魚・大豆・海藻・乾物などを「1品足す」ことから始めます。
- 口腔ケアは少ない水でも続け、治りにくい口内炎やしこり、出血は医療機関を優先します。
- クロレラや玄米酵素は、通常の防災食を整えたうえで、食べ慣れた補助食品として備えます。
避難生活で口内炎・肌荒れが起きたら、まず確認したい5つ
口内炎・口角炎・唇の乾燥・肌荒れは分けて考えます

口内炎
口の中の粘膜に炎症や潰瘍ができ、食べ物・飲み物・歯ブラシが触れるとしみる状態です。口の中をかんだ傷、乾燥、疲労、ストレス、感染症、栄養の偏りなど、原因は一つとは限りません。
口角炎
口の両端が赤くなり、切れたり、かさぶたができたりする状態です。乾燥や唾液の刺激、入れ歯、細菌・真菌、栄養状態などが関係することがあります。
唇・口の乾燥
飲水不足、口呼吸、空調、薬の影響、緊張などで起きやすくなります。唾液が少ないと、口の中の自浄作用も低下しやすくなります。
肌荒れ
乾燥、摩擦、入浴や洗濯の制限、ほこり、睡眠不足、精神的ストレス、持病などが重なります。栄養だけでなく、皮膚を清潔にして保湿する視点も必要です。
口内炎は「栄養の偏りを見直すサイン」にはなりますが、症状だけからビタミンや鉄の不足を特定することはできません。繰り返す場合は、貧血、消化器疾患、薬の影響なども含めて医療機関へ相談しましょう。
避難生活で口と肌のトラブルが起きやすい5つの背景

1.食事が炭水化物中心になりやすい
災害直後は保存しやすく配布しやすい主食が中心になります。まずエネルギーを確保する意味では重要ですが、数日以上続くと、タンパク質、ビタミン・ミネラル、食物繊維、良質な脂質が不足しやすくなります。
カロリーは足りていても、細胞の材料や調整に必要な栄養素が不足する状態を、ほどよい堂では「新型栄養失調」の視点で整理します。
2.水分を控え、口の中が乾きやすい
トイレへの不安や飲料水の不足から水分を控えると、口腔内・唇・皮膚の乾燥、便秘、体調不良につながることがあります。水分制限が必要な病気がある場合は、医療スタッフの指示を優先してください。
3.歯磨きや入れ歯の清掃が難しくなる
断水時でも、歯ブラシがある場合は少量の水で磨き、汚れた歯ブラシをティッシュなどで拭き取りながら続けます。日本歯科医師会は、約30mLの水を少しずつ使う方法を紹介しています。
歯ブラシがない場合は、口腔ケア用シートや濡らした清潔な布で、歯・歯ぐき・舌を傷つけないように拭きます。
4.睡眠不足と複数のストレスが重なる
疲れの原因を、物理的ストレス(音・寒暖差)、化学的ストレス(煙・におい)、生物的ストレス(感染)、心理的ストレス(不安)、社会的ストレス(役割・人間関係)に分けると、対策を考えやすくなります。
短い睡眠、深く息を吐く、軽いストレッチ、人やペットとのつながり、音楽、情報を見る時間の制限など、複数の休養パターンを組み合わせます。
5.持病、服用薬、感染症などが影響する
糖尿病、貧血、消化器疾患、自己免疫疾患などがある場合や、一部の薬を服用している場合は、口や皮膚の症状が起きやすくなることがあります。薬は自己判断で中止せず、お薬手帳を持って医療スタッフへ相談してください。
発災後の食事は、時間軸で優先順位を変えます
1発災直後
安全な水分とエネルギーの確保を優先します。食欲がない場合は、おかゆ、ゼリー状食品、ビスケット、ようかん、バナナなど、少量でも食べやすいものを利用します。
2数日以上
主食にタンパク質・海藻・豆・乾物・果物を一品ずつ足します。全部を一度に整えず、入手できる食品から始めます。
口内炎が痛むときの食べ方
- 熱すぎるもの、辛いもの、酸味や塩味が強いもの、硬いものは控えめにします。
- おかゆ、豆腐、茶碗蒸し、柔らかい煮物、スープなど、刺激の少ないものを選びます。
- 普段は1口30回を目安に噛みますが、痛みが強いときは回数にこだわらず、柔らかくして少量ずつ食べます。
- 甘い飲み物を使う場合は場面と回数を決め、可能なら水やお茶も一緒に取り、口の中に糖分を残しにくくします。
水と熱源があり、塩分・水分制限に問題がなければ、味噌汁やスープは水分と食品を一緒に取りやすい方法です。豆、海藻、きのこ、卵、高野豆腐などを加えると、一物全体に近い食べ方を取り入れやすくなります。
非常食は「禁止」より、主食に1品足す
避難生活で毎食を理想的に整えるのは難しいものです。まずは、手元にある主食へ一つ足す発想で、細胞を「つくる・守る・巡らす」材料を増やします。
| 補いたいもの | 備蓄しやすい食品例 | 取り入れ方 |
|---|---|---|
| タンパク質 | サバ・イワシ・ツナ缶、肉缶、豆缶、高野豆腐、魚肉ソーセージ、常温保存豆乳、大豆食品 | おにぎりやパンだけの食事に、1品添えます。 |
| ミネラル・食物繊維 | 焼き海苔、乾燥わかめ、ひじき、切り干し大根、干しきのこ、豆、雑穀 | 汁物やレトルト食品に少量ずつ加えます。 |
| 良質な脂質・エネルギー | ナッツ、すりごま、魚缶、個包装の油脂食品 | 少量でエネルギーを補いやすいため、食欲が低いときにも活用します。 |
| 食べ慣れた補助食品 | クロレラ、玄米酵素など | 通常の食事の代わりではなく、ローリングストックの補助として使います。 |
腸活と中医学の「脾=土」から、吸収できる土台を考える
中医学では、食べ物を気・血・津液へ変える消化吸収の働きを「脾」と表現します。脾は五行では「土」。土が整うことで、栄養や潤いを全身へ届ける土台ができると考えます。
腸ケアは「3点セット+バリア」の視点
- プロバイオティクス:善玉菌を含む食品
- プレバイオティクス:菌のエサになる食物繊維・オリゴ糖
- バイオジェニックス:発酵などで生まれる有用成分
- 腸管バリア:睡眠、ストレス、食事の偏りにも配慮する
ただし、避難生活の肌荒れを腸内環境だけで説明することはできません。水分、口腔・皮膚のケア、睡眠、持病の管理も同時に確認します。
クロレラ・玄米酵素は「普段から食べ慣れた補助食品」として備える
クロレラ(バイオリンク)
ほどよい堂では、クロレラを「緑のまるごと食品・細胞の基礎食」と位置づけています。タンパク質、クロロフィル、ビタミン・ミネラル、食物繊維、多糖体などを含む食品として、食事が偏りやすい時期の補助に使います。
純国産のチクゴ株、一貫管理、研究報告、消化吸収への配慮などを確認し、体調に合わせて維持量・しっかり整える量を段階的に考えます。
注意:ワルファリン服用中の方は、ビタミンKの影響があるため自己判断で摂取せず、必ず医師・薬剤師へ相談してください。
クロレラを薬剤師に相談する玄米酵素(玄米×麹)
玄米と麹を取り入れた食品は、普段の食事と組み合わせながら、食物繊維や発酵由来の成分を取り入れる選択肢です。避難時だけ急に始めるのではなく、平常時から味・量・お腹との相性を確認しておきます。
胃腸が弱い方は、いきなり多く取らず、少量から様子を見ることが大切です。持病、アレルギー、服用薬がある方は事前に相談してください。
玄米酵素の特徴と始め方を見るローリングストックで失敗しにくくする4つの確認
- 平常時から食べ、味と体調への相性を確認する
- 開封後の保存方法と賞味期限を確認する
- 水がなくても摂れるか、飲み込みに問題がないか確認する
- 持病、アレルギー、妊娠・授乳、服用薬がある場合は専門家へ相談する
中医学では、症状だけでなく「証」を組み立てます
口内炎という一つの症状でも、寒熱・虚実・胃腸の状態・ストレス・乾燥の程度によって養生は変わります。以下は避難生活で重なりやすい代表的なパターンです。
脾気虚タイプ|消化吸収力が落ちたタイプ
証の目安:食欲低下、食後の眠気、胃もたれ、疲れ、軟便、顔色がすぐれない。
背景:脾=土の働きが弱り、食べ物を気・血へ変える力が落ちている状態です。
治則・養生:補気健脾(胃腸を支えてエネルギーを補う)を基本に、温かく柔らかい食事を少量ずつ。冷たい飲食や脂っこい食品を取りすぎないようにします。
血虚・陰虚タイプ|栄養・潤い不足タイプ
証の目安:唇・肌・口の乾燥、顔色が白い、めまい、眠りが浅い、ほてり。
背景:血=栄養と、陰=潤いが不足し、粘膜や皮膚を養いにくい状態です。
治則・養生:養血滋陰(血と潤いを補う)を基本に、魚、大豆、ごま、海藻、卵などを無理のない範囲で取り入れます。
肝鬱化火タイプ|ストレスで熱がこもるタイプ
証の目安:イライラ、不安、寝つきの悪さ、赤く痛む口内炎、顔のほてり、胸や喉のつかえ。
背景:気の巡りが滞り、ストレスが熱へ変化した状態として考えます。
治則・養生:疏肝理気・清熱(気を巡らせ、余分な熱を冷ます)を基本に、深く息を吐く、短時間歩く、情報から離れる時間をつくります。
漢方薬を検討する場合は、舌・便通・食欲・冷え・熱感・睡眠・服用薬などを確認して、どの証に用いる方剤かを整理します。
セルフケアより医療機関・救護所を優先したい症状
- おおむね2週間たっても治らない、または何度も繰り返す
- 強い痛みで水分や食事が取れない
- 発熱、強いだるさ、広範囲の発疹、水ぶくれを伴う
- 口内炎が多数ある、急に増えた
- 硬いしこり、ただれ、白色・赤色の変化、しびれがある
- 出血が続く、飲み込みにくい、話しにくい
- 顔や唇の急な腫れ、息苦しさがある
口の中の気になる症状は、歯科、歯科口腔外科、耳鼻咽喉科などへ相談します。息苦しさや急な腫れなど緊急性がある場合は、救急要請を優先してください。
3日・3週間・3か月で「防災栄養」を習慣にする
水、食べられる主食、タンパク源、歯ブラシ・口腔ケア用品をそろえます。症状の改善を保証する期間ではなく、行動を立て直す最初の区切りです。
魚・豆・海藻・きのこ・乾物、玄米酵素やクロレラなど、家族が食べられる食品を日常で試し、ローリングストックにします。
年齢、持病、アレルギー、嚥下機能、服用薬、ペットの備蓄まで見直し、家庭ごとの防災食を更新します。
からだは常に入れ替わる動的平衡のシステムです。短期間で結果を急がず、3日で行動、3週間で習慣、3か月で土台を見直す考え方で、無理なく続けます。
避難生活の口内炎・肌荒れでよくある質問
Q1.口内炎ができたら、栄養不足と考えてよいですか?
栄養の偏りは一因になり得ますが、それだけではありません。口の中の傷、乾燥、ストレス、睡眠不足、感染症、持病、薬の影響なども考えます。繰り返す・長引く場合は医療機関へ相談してください。
Q2.水が少ないときも歯磨きは必要ですか?
可能な範囲で続けることが大切です。日本歯科医師会は、約30mLの水で歯ブラシを濡らし、汚れをティッシュで拭き取り、少量ずつ2~3回に分けてすすぐ方法を紹介しています。
Q3.口内炎が痛いとき、何を食べればよいですか?
おかゆ、豆腐、茶碗蒸し、柔らかい煮物、刺激の少ないスープなどを少量ずつ選びます。熱いもの、辛いもの、酸味・塩味の強いもの、硬いものは痛みを強める場合があります。
Q4.クロレラや玄米酵素で口内炎は治りますか?
どちらも食品であり、口内炎を治療するものではありません。基本の防災食、水分、口腔ケアを優先し、食事が偏りやすいときの補助として、平常時から食べ慣れたものを備えます。
Q5.どのくらい治らなければ受診すべきですか?
一般的な口内炎は1~2週間程度で落ち着くことがありますが、おおむね2週間以上治らない、硬いしこり、出血、しびれ、飲み込みにくさなどがある場合は、早めに歯科・歯科口腔外科・耳鼻咽喉科へ相談してください。
Q6.漢方薬は1包だけでも相談できますか?
ほどよい堂では、体質や服用薬を確認したうえで、漢方薬を1包から相談できます。口内炎という症状だけで決めず、寒熱・虚実・胃腸・乾燥・ストレスなどを整理して選びます。
「何を備え、何から整えるか」を薬剤師と整理しませんか
ほどよい堂では、漢方×薬膳×腸活の視点から、体質、持病、服用薬、食生活、ご予算に合わせて、続けられる養生の優先順位をご提案します。相談だけでも大丈夫です。
参考にした公的・専門機関の情報
この記事の監修者
漢方・薬膳・腸活の視点から、
薬剤師が内容を確認しています。
現代の医学・栄養学と中医学の両面を大切にしながら、
日常生活に取り入れやすい情報提供を心がけています。

SUPERVISOR
河邊 甲介
薬剤師/中医薬膳師/薬膳素材専門士/ペットフーディスト
漢方薬局「ほどよい堂」代表
宮崎県川南町の漢方薬局「ほどよい堂」で、 漢方 × 薬膳 × 腸活の視点から
健康相談を行っています。
体質だけでなく、食事・胃腸・生活習慣まで一緒に整理し、
無理なく続けられる養生を考えていきます。
ほどよい堂が大切にする3つの土台

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症状だけで判断するのではなく、 体質・食事・胃腸の状態・生活習慣などを 一緒に整理しながらお話を伺います。

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免責事項
本記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、 医師による診断・治療・処方の代替を目的とするものではありません。
- 体質・症状・既往歴・服薬状況などにより、 適切な対応は異なります。
- 症状が強い場合、急激に悪化した場合、 長期間続いている場合は、 医療機関への受診をご検討ください。
- 妊娠中・授乳中・服薬中・通院中の方は、 漢方薬・健康食品・サプリメント等を利用する前に 医師・薬剤師などの専門家へご相談ください。
- 掲載内容は、 新しい知見等に応じて更新・変更する場合があります。
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