災害後に眠れない・不安が続く方へ|自律神経を整える漢方養生と体質ケア

宮崎・川南町の漢方薬局ほどよい堂|防災と養生の健康コラム

災害ストレスと自律神経の乱れ|避難生活で眠れない・不安・胃腸不調を整える順番

地震・台風・大雨・停電・断水・避難生活のあとに、眠れない、不安が強い、動悸がする、胃腸が落ち着かない、体がだるい。そんな不調は「気持ちの弱さ」ではなく、体が命を守るために警戒モードへ入っているサインかもしれません。

この記事では、災害ストレスで乱れやすい自律神経を、現代医学と中医学の両方から整理し、避難生活でも実践しやすいセルフケア、薬膳・腸活・漢方の考え方をお伝えします。

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災害ストレスと自律神経の乱れを漢方の視点で整えるイメージ
災害後の不調は、自律神経が「休むモード」へ戻りにくくなっているサインかもしれません。

災害後の不調は「弱さ」ではなく、体の警戒反応です

災害時の体は、命を守るために自然と緊張状態へ入ります。現代医学では、交感神経が高ぶりやすく、休息・消化・睡眠を担当する副交感神経へ切り替わりにくくなる状態と考えられます。

中医学では、突然の恐怖や不安によって「気」の巡りが乱れ、肝・心・脾に負担がかかりやすいと考えます。ここでいう脾とは、胃腸を中心とした消化吸収の働きのことです。

まず大切なのは、がんばりすぎないこと

災害後は、眠れない・食欲が出ない・涙が出る・音に敏感になるなど、普段とは違う反応が出ることがあります。まずは「安全を確認する」「息をゆっくり吐く」「体を冷やさない」「少しずつ水分をとる」ことから始めましょう。

まず確認したい危険サイン|セルフケアより相談を優先する目安

養生や漢方は、体調を整えるための選択肢です。ただし、次のような症状がある場合は、セルフケアだけで様子を見すぎず、医療機関・避難所の保健師・専門相談員へ相談してください。緊急性が高いと感じる場合は、ためらわず119番へ連絡してください。

医療・専門相談を優先したいサイン
  • 胸の痛み、強い息苦しさ、意識がぼんやりする状態がある
  • 動悸が強く、胸苦しさ・めまい・失神を伴う
  • 顔や手足の片側の動かしにくさ、ろれつの回りにくさがある
  • 眠れない状態が続き、日中の生活に大きく影響している
  • 強い不安、パニック、涙が止まらない状態が続く
  • 片足だけの痛み・赤み・強いむくみがある
  • 水分が取れない、尿が極端に少ない
  • 持病の薬が切れた、または服薬を中断している
  • 子ども・高齢者・妊婦・産後の方で、明らかに様子がいつもと違う

とくに避難生活では、水分不足・長時間同じ姿勢・睡眠不足が重なりやすくなります。気になる症状があるときは、早めの相談が安心です。

自律神経を立て直す順番|安全・呼吸・温め・水分・胃腸

災害ストレスのあとに大切なのは、いきなり完璧な健康習慣を目指すことではありません。体が警戒モードに入っているときは、負担の少ないことから順番に整えます。

最初の合言葉は「まず、吐く。温める。少し飲む。」

  1. 安全確認:今いる場所が安全か確認する
  2. 呼吸:無理のない範囲で、吸うより吐く息を少し長くする
  3. 温め:首・お腹・足首を冷やさない
  4. 水分:一度にたくさんではなく、こまめに飲む
  5. 胃腸:温かい汁物・おかゆ・味噌汁などから始める

現代医学の視点

強いストレス下では、交感神経が優位になりやすく、睡眠・消化・血流・呼吸のリズムが乱れやすくなります。まずは呼吸と体温を整え、体に「今は少し休んでも大丈夫」と伝えることが大切です。

中医学の視点

災害ストレスは、気滞=巡りの詰まり、気虚=エネルギー不足、脾虚=消化吸収力の弱りとして現れやすい状態です。土台となる脾胃を守ることで、気血水が巡りやすくなります。

避難生活で起こりやすい不調チェック

災害時の不調は、ひとつだけでなく複数が重なりやすいのが特徴です。今の状態を大まかに把握して、優先順位を決めていきましょう。

睡眠の乱れ|眠れない・途中で目が覚める

物音・余震への不安・避難所の明るさ・人の気配により、脳が休みにくくなります。まずは「目を閉じて横になるだけでも休息の一部」と考え、眠ろうと焦りすぎないことが大切です。

  • 吐く息を長めにする
  • 首元・お腹・足元を冷やさない
  • 寝る前にスマートフォンで情報を見続けない
  • 温かい飲み物を少量とる
胃腸の乱れ|食欲不振・下痢・便秘・胃もたれ

中医学では、脾=消化吸収の働きが弱ると、気血を作りにくくなると考えます。災害時は冷たい食事・早食い・水分不足・緊張が重なり、胃腸が乱れやすくなります。

  • 一口30回を目安によく噛む
  • 温かい味噌汁・野菜スープ・おかゆを活用する
  • 海藻・きのこ・豆類など、発酵性食物繊維を少しずつ取り入れる
  • 乳酸菌などのプロバイオティクス、食物繊維などのプレバイオティクスも無理なく取り入れる

下痢や腹痛が強いときは、食物繊維や発酵食品を無理に増やさず、水分補給と医療相談を優先してください。避難生活では「食べる量」だけでなく「吸収できる腸」を守る視点が大切です。

巡りの乱れ|冷え・むくみ・肩こり・足のだるさ

長時間同じ姿勢が続くと、血液や水分の巡りが滞りやすくなります。中医学では、瘀血=血の巡りの停滞、水滞=水分代謝の停滞として考えます。

  • 足首をゆっくり回す
  • かかとの上げ下げをする
  • ふくらはぎを軽くさする
  • こまめな水分補給を意識する
  • 可能であれば短時間でも歩く
災害後の24時間を養生で整えるイメージ
災害直後は、24時間の中で「飲む・温める・休む・少し動く」を小さく回すことが大切です。

中医学でみる災害ストレスの5タイプ

同じ災害ストレスでも、人によって出方は違います。ほどよい堂では、症状だけでなく、背景にある体質を見ながら「証」を組み立てます。証とは、体の状態を中医学的に整理した見立てのことです。

陰陽五行と中医学の体質分類イメージ
中医学では、気・血・水、陰陽、五臓六腑のバランスから体質を見立てます。
気滞タイプ|緊張・不安・胸のつかえ・ため息が多い

気滞とは、気の巡りが詰まりやすい状態です。災害後の不安や緊張で、胸やみぞおちがつかえる、ため息が増える、肩こりが強くなる方に見られやすいタイプです。

養生では、深呼吸、軽いストレッチ、香りのよい食材、温かい飲み物が助けになります。漢方では、気の巡りを整える証に用いる方剤を検討します。

気虚タイプ|だるい・声が小さい・食後に眠い

気虚とは、エネルギー不足タイプです。避難生活で食事や睡眠が乱れると、体力が落ち、朝からだるい、動くと疲れる、食後に眠くなる状態が出やすくなります。

養生では、温かく消化のよい食事、よく噛むこと、無理な運動を避けることが大切です。漢方では、脾胃を補い、気を作る証に用いる方剤を検討します。

心脾両虚タイプ|不安・眠れない・胃腸が弱る

心脾両虚とは、心=眠りや精神活動、脾=消化吸収の働きがともに弱りやすい状態です。不安で眠れない、考えすぎる、食欲が落ちる、胃もたれしやすい方に見られます。

養生では、情報を見続けない時間を作る、温かい汁物をとる、寝る前にお腹を冷やさないことが大切です。漢方では、気血を補い、心身を落ち着かせる証に用いる方剤を検討します。

陰虚タイプ|ほてり・口の渇き・寝汗・神経過敏

陰虚とは、潤い不足タイプです。ストレスや睡眠不足が続くと、体の潤いが消耗し、ほてり、口の渇き、寝汗、眠りの浅さ、イライラが出やすくなります。

養生では、辛いもの・お酒・夜更かしを控えめにし、黒ごま、豆腐、山芋、白きくらげ、梨など潤いを補う食材を取り入れます。漢方では、陰を補い、熱感を鎮める証に用いる方剤を検討します。

瘀血タイプ|肩こり・頭痛・冷え・足のむくみ

瘀血とは、血の巡りが滞りやすい状態です。避難生活で動く量が減ったり、冷えたり、水分が不足したりすると、肩こり、頭痛、足のむくみ、冷えが出やすくなります。

養生では、足首運動、ふくらはぎの刺激、温め、こまめな水分補給が大切です。漢方では、血の巡りを整える証に用いる方剤を検討します。

3日・3週間・3ヶ月で考える回復の目安

ほどよい堂では、体を「壊れて終わり」ではなく、常に入れ替わっている動的平衡のシステムとして考えます。災害後の養生も、すぐに完璧を目指すのではなく、時間軸を分けると取り組みやすくなります。

まず3日

呼吸・水分・体温・排便・睡眠を確認します。温かい汁物、少量ずつの水分、足首運動、情報を見すぎない時間を意識しましょう。

次に3週間

食事・睡眠・排便リズムを少しずつ戻します。よく噛む、発酵性食物繊維、味噌汁、軽い散歩などを毎日の定番にします。

そして3ヶ月

体質の土台を整える時期です。栄養・循環・吸収の3本柱を見直し、必要に応じて漢方・薬膳・腸活を組み合わせます。

※回復のペースには個人差があります。3日・3週間・3ヶ月は、無理なく見直すための目安です。

ほどよい堂が大切にしている3本柱

災害後の体調管理では、何かひとつだけを頑張るよりも、栄養・循環・吸収を同時に見直すことが大切です。

1. 栄養

細胞は、食べたものでしか作られません。カロリーは足りていても、タンパク質、良質な脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、フィトケミカルが不足する「新型栄養失調」に注意が必要です。

2. 循環

血が巡ると、栄養・酸素が全身に届きやすくなります。冷え、むくみ、肩こり、足のだるさがある方は、温めと軽い運動を組み合わせましょう。

3. 吸収=腸活

食べるだけでなく、吸収できる腸を育てることが大切です。プロバイオティクス、プレバイオティクス、バイオジェニックスを三位一体で考え、腸のバリアを守ります。

毎日の定番

味噌汁、野菜スープ、海藻、きのこ、豆類、発酵性食物繊維を無理なく取り入れましょう。よく噛むことは、消化のスイッチを入れ、脾を助ける基本です。

悲しみ・不安・緊張が強いときの休養設計

災害後の休養は、ただ寝るだけではありません。ストレスには、物理的ストレス、化学的ストレス、生物的ストレス、心理的ストレス、社会的ストレスがあります。疲れ方に合わせて、休み方も組み合わせることが大切です。

災害後の悲しみや不安に寄り添う養生イメージ
悲しみや不安があるときは、ひとりで抱え込まないことも大切な養生です。
災害後に取り入れたい休養パターン
  • 睡眠の休養:横になる、目を閉じる、短時間でも休む
  • リラックスの休養:深呼吸、温かい飲み物、香り、音楽
  • 軽い運動の休養:足首運動、散歩、肩回し、ふくらはぎ刺激
  • 栄養の休養:温かい汁物、消化のよい食事、よく噛む
  • つながりの休養:家族、友人、地域の人、ペットとの時間
  • 情報の休養:ニュースやSNSを見ない時間を決める
  • 創作の休養:書く、描く、整える、手を動かす

災害時の甘い飲み物・人工甘味料との付き合い方

避難生活では、甘い飲み物や菓子パン、加工食品に頼らざるを得ない場面もあります。完全に避けることを目指すよりも、頻度と置き換えを決めることが現実的です。

  • 甘い飲み物は「1日何本まで」と決める
  • 水・お茶・薄い味噌汁・白湯に置き換える時間を作る
  • 甘味はできるだけ「噛んで食べる形」にする
  • 空腹で一気に甘いものを飲むより、食事と一緒に少量にする
  • 胃腸が弱っているときは、冷たい飲み物を控えめにする

漢方薬・健康食品は「体質に合わせて」選びましょう

漢方薬は、同じ「不眠」「不安」「胃腸不調」でも、体質や証によって選び方が変わります。たとえば、冷えて弱っている方に巡らせるものを強く使いすぎたり、ほてりが強い方に温めるものを重ねすぎたりすると、合わないことがあります。

ほどよい堂では、漢方薬を1包から購入できるため、まずは少量で体との相性を確認することもできます。持病のある方、服薬中の方、妊娠・授乳中の方は、必ず医師・薬剤師などの専門家にご相談ください。

災害ストレスが強い方は、ひとりで抱え込まないでください

災害後は、体だけでなく心にも大きな負担がかかります。「眠れない」「涙が出る」「不安で落ち着かない」「家族のことが心配で休めない」などが続くときは、相談することも大切な養生です。

ほどよい堂では、漢方×薬膳×腸活の視点から、今の体質に合わせた整え方をご提案しています。自律神経の乱れ、胃腸の弱り、眠りの浅さ、冷え、むくみ、不安感などが気になる方は、お気軽にご相談ください。

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よくある質問

Q. 災害後に眠れないのは普通ですか?

大きなストレスのあとに眠れない、不安になる、動悸がすることは珍しくありません。ただし、つらさが強い場合や長引く場合は、無理をせず医療機関や専門相談につなげることが大切です。

Q. 自律神経を整えるために、最初に何をすればいいですか?

まずは吐く息を少し長くする呼吸です。次に体を冷やさないこと、こまめな水分、温かい汁物、短時間の足首運動を組み合わせると、体が休むモードへ戻りやすくなります。

Q. 中医学では災害ストレスをどう見ますか?

気滞=巡りの詰まり、気虚=エネルギー不足、心脾両虚=不安と胃腸弱り、陰虚=潤い不足、瘀血=血の巡りの停滞などに分けて考えます。証によって、温める・巡らせる・補う・休ませる順番が変わります。

Q. 漢方薬は災害時の備えになりますか?

体質や症状に合えば、日頃からの備えとして役立つ場合があります。ただし、持病や服薬中の薬、妊娠・授乳、強い症状がある場合は、医師・薬剤師に相談してから選ぶことが大切です。

Q. 胃腸が弱っているとき、何から食べるとよいですか?

温かい味噌汁、野菜スープ、おかゆなど、消化に負担をかけにくいものから始めましょう。よく噛むことは、消化のスイッチを入れ、脾=胃腸の働きを助けます。

参考情報

本記事は、厚生労働省などの災害時の健康管理情報を参考にしながら、漢方薬局ほどよい堂の漢方・薬膳・腸活の視点でまとめています。

記事の内容は一般的な健康情報です。強い症状がある場合、持病がある場合、服薬中・妊娠中・授乳中の方は、医師・薬剤師などの専門家へご相談ください。

この記事を書いた人

河邊 甲介|漢方薬局ほどよい堂 代表
薬剤師・中医薬膳師・薬膳素材専門士。宮崎県児湯郡川南町で、漢方×薬膳×腸活の視点から、栄養・循環・吸収を軸にした健康相談を行っています。

所在地:〒889-1301 宮崎県児湯郡川南町川南26197-1(峠の里内)
電話:0983-32-7933

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本記事の信頼性を高めるため、監修者情報と免責事項をまとめています。 体質の整理(中医学)と、現代の栄養学・生活習慣の視点を両輪で扱い、誠実な表現を心がけています。

Supervisor / Reviewer

監修者情報

ほどよい堂|漢方×薬膳×腸活のトリプルメソッド(監修者紹介イメージ)

監修:河邊 甲介(薬剤師/中医薬膳師/薬膳素材専門士/ペットフーディスト)
漢方薬局「ほどよい堂」代表

宮崎県川南町にて、漢方 × 薬膳 × 腸活のトリプルアプローチによる健康相談を行っています。 体質の言語化と、日常で“続く整え方”をセットでご提案しています。

  • 栄養:細胞は“食べたものでしか作られない”
  • 循環:巡りが整うと、酸素・栄養が届きやすくなる
  • 吸収(腸活):食べるだけでなく“吸収できる腸”を育てる
漢方相談 薬膳(食養生) 腸活(消化吸収) セルフケア設計
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療・処方の代替ではありません。 症状が強い/長引く/不安が大きい場合は、医療機関・専門家へご相談ください。

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  • 妊娠中・授乳中・服薬中・通院中の方は、自己判断での実施を避け、必ず確認してください。
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