その痛み、同じ痛みではありません|重だるい・張る・刺す・しびれる痛みを漢方で体質別に解説
痛みの種類と漢方|重だるい・張る・刺す・しびれる痛みを体質別に解説
肩こり、腰痛、関節痛、神経痛、しびれ。ひとことで「痛み」と言っても、原因や体質背景は人によって異なります。 漢方では、痛む場所だけでなく、痛み方・悪化するタイミング・冷え・湿気・ストレス・胃腸の状態まで含めて考えます。
- 重だるい痛み
- 張るような痛み
- 刺す・しびれる痛み
まず確認|この痛みは医療機関を優先してください
漢方は、慢性的な痛みや体質背景を考えるうえで役立つ選択肢のひとつです。 ただし、痛みの中には、早めに医療機関で確認した方がよいものもあります。
- 急に強い痛みが出た
- 手足の麻痺・脱力・しびれの急な悪化がある
- 排尿・排便の異常を伴う腰痛がある
- 胸痛、息苦しさ、冷や汗を伴う
- 発熱、強いだるさ、腫れを伴う
- 転倒・事故・強い外傷のあとに痛みが続く
- がん治療中、骨粗しょう症、免疫抑制状態などがある
病院で大きな異常がないと言われた痛みでも、冷え・胃腸の弱り・栄養不足・ストレス・睡眠不足などが重なると、 痛みを感じやすい状態が続くことがあります。ここからは、現代医学と中医学の両面から、痛みを整理していきます。
現代医学で見る痛みの3タイプ

痛みは「場所」だけでなく「痛み方」から見ることが大切です。
現代医学では、痛みを大きく「侵害受容性疼痛」「神経障害性疼痛」「痛覚変調性疼痛」という視点で整理することがあります。 これは、痛みの原因やケアの方向性を考えるうえで大切な分類です。
炎症、けが、筋肉や関節への負担などによって起こる痛みです。 打撲、捻挫、筋肉痛、関節の炎症、ぎっくり腰のような痛みがここに含まれます。
神経の圧迫や傷つきなどが関係する痛みです。 ビリビリ、ジンジン、電気が走るような痛み、しびれを伴う痛みとして感じられることがあります。
明らかな組織損傷や神経損傷だけでは説明しきれない慢性的な痛みです。 睡眠不足、ストレス、不安、疲労などで痛みを感じやすくなることがあります。
一般的に、3ヶ月以上続く痛みや繰り返す痛みは、慢性痛として考えられます。 痛みの場所だけでなく、生活習慣や体質背景まで見ることが大切です。
中医学で見る痛み|不通則痛・不栄則痛

中医学では「巡らない痛み」と「養われない痛み」に分けて考えます。
中医学では、痛みを「通じなければ痛む」「養われなければ痛む」と考えます。
中医学には、痛みを考えるうえで大切な言葉があります。
不通則痛:気・血・水の流れが滞ると痛みやすい
不栄則痛:血や潤い、栄養が不足すると痛みやすい
つまり、痛みは単に「そこが悪い」というだけではなく、巡りの悪さ、冷え、湿気、栄養不足、胃腸の弱りなどが重なって起こることがあります。 ほどよい堂では、痛みを「栄養・循環・吸収」の3本柱からも見ていきます。
| 中医学タイプ | 痛みの特徴 | 背景のイメージ |
|---|---|---|
| 気滞 気の巡り停滞タイプ | 張る、場所が移る、ストレスで悪化 | 緊張や我慢で巡りが詰まりやすい |
| 血瘀 血の巡り停滞タイプ | 刺すような痛み、固定痛、夜に悪化 | 血の巡りが滞り、局所に痛みが出やすい |
| 痰湿 余分な湿タイプ | 重だるい、むくむ、雨の日に悪化 | 湿気や胃腸の弱りで重さが出やすい |
| 寒湿 冷え湿タイプ | 冷えると悪化、温めると楽 | 冷えで巡りが縮こまり、湿で重くなる |
| 血虚 血の不足タイプ | 筋がつる、こわばる、疲れると悪化 | 筋肉や腱が養われにくい |
| 陰虚 潤い不足タイプ | ほてり、乾燥、夜間に気になりやすい | 潤い不足で熱感や過敏さが出やすい |

気・血・水のバランスから、痛みの背景を見ていきます。
痛みの感じ方でわかる体質タイプ
痛みの体質を考えるときは、「どこが痛いか」だけでなく「どんなふうに痛いか」が大切です。 以下は、漢方相談でよく確認する痛み方の目安です。
重だるい痛み|痰湿・湿痺タイプ
ズーンと重だるい痛み、むくみ、体のだるさ、雨の日や湿気で悪化しやすい場合は、 痰湿・湿痺タイプとして考えることがあります。
背景には、胃腸の弱り、冷たい飲み物、甘いもの、運動不足、湿気の影響などが関係しやすくなります。 養生では、温かい汁物、味噌汁、きのこ、海藻、豆類、発酵性食物繊維を意識します。
張る痛み|気滞タイプ
張る、つっぱる、場所が移る、ストレスや緊張で悪化する痛みは、気滞タイプとして考えることがあります。 肩首の張り、胸や脇のつかえ、お腹の張りを伴うこともあります。
養生では、深呼吸、軽い散歩、ストレッチ、香りのよい食材を取り入れることがおすすめです。 紫蘇、陳皮、柚子、三つ葉などは、気分の巡りを助ける食材として薬膳でも使われます。
刺すような固定痛|血瘀タイプ
針で刺すような痛み、場所が固定している痛み、夜に気になりやすい痛みは、血瘀タイプとして考えることがあります。 冷え、長時間同じ姿勢、過去の打撲やケガ、運動不足などが関係することがあります。
養生では、湯船で温める、長時間同じ姿勢を避ける、1時間に1回立つ、軽く歩くことが大切です。 妊娠中や出血傾向がある方は、活血系の素材や漢方は慎重に考える必要があります。
冷えると悪化する痛み|寒湿・陽虚タイプ
冷えると痛みが強くなる、温めると楽になる、雨や寒さで関節がこわばる場合は、 寒湿・陽虚タイプとして考えることがあります。
養生では、冷たい飲み物を控えめにし、薄い味噌汁、スープ、生姜、ねぎ、根菜類などを活用します。 首・お腹・足首を冷やさないことも大切です。
筋に沿う痛み・つりやすい痛み|血虚タイプ
筋がつる、こむら返りがある、目が疲れる、爪が割れやすい、眠りが浅い、疲れると痛みやすい場合は、 血虚タイプとして考えることがあります。
現代栄養学では、たんぱく質、鉄、ビタミンB群、マグネシウム、良質な脂質などの不足も関係します。 カロリーは足りていても必要な栄養が不足する「新型栄養失調」の視点も大切です。
ほてり・乾燥・夜間に気になる痛み|陰虚タイプ
ほてり、寝汗、乾燥、口の渇き、夜に気になりやすい痛みがある場合は、 陰虚、つまり潤い不足タイプとして考えることがあります。
養生では、夜更かしを控える、辛いもの・アルコールを控えめにする、黒ごま、豆腐、白きくらげ、山芋、れんこんなどを取り入れるとよいでしょう。
自分の痛みタイプを知りたい方へ
痛みの感じ方には、体質のヒントが隠れています。 まずは東洋医学的体質セルフチェックで、気虚・血虚・気滞・瘀血・陰虚・陽虚・痰湿・湿熱の傾向を確認してみませんか。
痛みタイプ別|漢方処方の考え方
漢方薬は「痛みの場所」だけで選ぶのではなく、体質、冷え、胃腸、疲労、ストレス、睡眠、舌や便通などを合わせて考えます。 以下は代表的な考え方の一例です。
| 漢方処方 | 検討される証のイメージ | 痛みの特徴 |
|---|---|---|
| 疎経活血湯 | 気血の巡りが滞り、湿や冷えが絡むタイプ | 腰痛、関節痛、神経痛、しびれを伴う痛みなどに用いられることがあります。 |
| 桂枝加朮附湯 | 冷えと湿が関節や筋肉に入り込むタイプ | 冷えると悪化し、温めると楽になる関節痛タイプに検討されます。 |
| 薏苡仁湯 | 湿が強く、重だるさを伴うタイプ | 関節の重だるさ、湿気で悪化しやすい痛みに検討されます。 |
| 芍薬甘草湯 | 筋の急な緊張やつりが目立つタイプ | こむら返りや筋肉の急なつりに用いられることがあります。 |
| 桂枝茯苓丸 | 血瘀が目立つタイプ | 固定した痛み、冷えのぼせ、月経トラブルを伴うような瘀血傾向に検討されます。 |
| 逍遙散・加味逍遙散 | 気滞が目立ち、ストレスで悪化しやすいタイプ | 張る痛み、肩首のこわばり、気分の波を伴う場合に検討されます。 |
痛みを繰り返さないための養生|栄養・循環・吸収
痛みを体質から考えるとき、ほどよい堂では「栄養・循環・吸収」の3本柱を大切にしています。 痛む場所だけでなく、細胞をつくる材料、血の巡り、腸で吸収できる力まで整えることが大切です。
たんぱく質、良質な脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、フィトケミカルを意識します。 カロリーは足りているのに栄養が不足する「新型栄養失調」に注意しましょう。
長時間同じ姿勢を避け、軽い散歩、ストレッチ、湯船で温める習慣を取り入れます。 血の巡りは、筋肉・関節・神経を養う土台です。
中医学では胃腸を「脾=土」と考えます。土が整うと、気血水が巡りやすくなります。 味噌汁、野菜スープ、海藻、きのこ、豆類、発酵性食物繊維を日々の定番にしましょう。
痛みは睡眠不足、心理的ストレス、情報過多、人間関係、役割負担でも強く感じやすくなります。 睡眠、軽い運動、リラックス、人やペットとのつながり、創作や娯楽も大切な養生です。
まず1つ変えるなら「よく噛む」
1口30回を目安によく噛むことは、消化のスイッチを入れ、脾を助ける基本の養生です。 胃腸が整うと、食べたものを気血に変えやすくなり、痛みを繰り返しにくい体づくりにつながると考えられます。
痛みと腸活|「吸収できる腸」を育てる
慢性的な痛みを考えるとき、腸の状態も無視できません。 腸は栄養吸収の場であり、免疫や炎症バランス、メンタルの安定にも関わると考えられています。
| 腸活の視点 | 内容 | 毎日の工夫 |
|---|---|---|
| プロバイオティクス | 善玉菌そのもの | 発酵食品、乳酸菌、味噌、ぬか漬けなど |
| プレバイオティクス | 善玉菌のエサ | 海藻、きのこ、豆類、野菜、発酵性食物繊維 |
| バイオジェニックス | 菌が作る有用成分や、体に役立つ成分 | 発酵食品、クロレラ、玄米酵素などを体質に合わせて活用 |
| 腸バリア | 腸の守る力 | 睡眠、ストレスケア、よく噛む、甘い飲み物を減らす |
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体質に合わせて、漢方・薬膳茶・腸活・栄養サポートを組み合わせることで、毎日の養生を続けやすくなります。
よくある質問
痛みに漢方は使えますか?
痛みの種類や体質によって、漢方が選択肢になることがあります。 ただし、急な激痛、麻痺、しびれの急激な悪化、排尿排便異常、発熱、外傷後の痛みなどがある場合は、 まず医療機関での確認が大切です。
疎経活血湯はどんな痛みに使いますか?
疎経活血湯は、気血の巡りが滞り、湿や冷えが絡むような関節痛、腰痛、神経痛、筋肉痛、しびれを伴う痛みに用いられることがあります。 ただし、体質に合うかどうかの確認が大切です。
雨の日に痛みが悪化するのはなぜですか?
中医学では、湿気が気血の巡りを妨げる「湿痺」として考えることがあります。 重だるい痛み、むくみ、胃腸の重さ、体のだるさがある方は、痰湿タイプとして養生を組み立てることがあります。
ストレスで痛みが強くなることはありますか?
あります。ストレスや緊張が続くと、筋肉がこわばり、痛みを感じやすくなることがあります。 中医学では、気の巡りが滞る「気滞」として考えることがあります。
痛みを繰り返さないために何から始めればよいですか?
まずは、よく噛む、冷たい飲み物を減らす、温かい汁物を増やす、軽く歩く、睡眠を整えることから始めましょう。 痛みの養生は、栄養・循環・吸収の土台づくりから考えることが大切です。
痛みの体質相談は、ほどよい堂へ
「痛み止めだけに頼りたくない」「冷えや湿気で痛みが悪化する」「病院では大きな異常がないけれどつらい」 そのような方は、痛みの場所だけでなく、体質・胃腸・睡眠・ストレス・栄養状態まで一緒に確認してみませんか。
漢方薬局ほどよい堂について
漢方薬局ほどよい堂は、宮崎県川南町にある「漢方×薬膳×腸活」を軸にした漢方相談薬局です。 痛みや不調を、単なる症状だけでなく、気・血・水、胃腸、栄養、巡り、生活習慣のバランスから丁寧に見ていきます。
体は日々入れ替わる動的なシステムです。 3日で体感の変化、3週間で習慣の変化、3ヶ月で体質の土台の変化を目安に、無理なく続けられる養生をご提案します。
漢方薬局ほどよい堂|宮崎県児湯郡川南町川南26197-1 峠の里内|電話:0983-32-7933
本記事は、漢方・薬膳・腸活に関する一般的な情報提供を目的としたものです。 病気の診断・治療を目的とするものではありません。 痛みが強い場合、急に悪化した場合、しびれや麻痺、発熱、排尿排便異常などを伴う場合は、医療機関にご相談ください。 漢方薬や健康食品の使用は、体質・服薬状況・持病・妊娠授乳の有無などを確認したうえでご検討ください。
この記事の監修者
漢方・薬膳・腸活の視点から、
薬剤師が内容を確認しています。
現代の医学・栄養学と中医学の両面を大切にしながら、
日常生活に取り入れやすい情報提供を心がけています。

SUPERVISOR
河邊 甲介
薬剤師/中医薬膳師/薬膳素材専門士/ペットフーディスト
漢方薬局「ほどよい堂」代表
宮崎県川南町の漢方薬局「ほどよい堂」で、 漢方 × 薬膳 × 腸活の視点から
健康相談を行っています。
体質だけでなく、食事・胃腸・生活習慣まで一緒に整理し、
無理なく続けられる養生を考えていきます。
ほどよい堂が大切にする3つの土台

まずは、今のお悩みを
一緒に整理してみませんか?
「漢方が自分に合うのか分からない」
「何から変えればよいか迷っている」
という段階からご相談いただけます。
体質・食事・生活習慣を整理し、
今のあなたに合った整え方を一緒に考えます。
購入を前提とした相談ではありません。
※相談だけで終了しても大丈夫です。 商品の購入を無理におすすめすることはありません。
メディア掲載実績
漢方薬局「ほどよい堂」は、
雑誌『Tarzan』にも掲載されました。
第三者から紹介された実績も、
安心してご相談いただくための一つの参考としてご覧ください。

雑誌掲載は、ほどよい堂の取り組みを知っていただくための 第三者評価の一例として掲載しています。
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症状だけで判断するのではなく、 体質・食事・胃腸の状態・生活習慣などを 一緒に整理しながらお話を伺います。

宮崎県川南町の自然豊かな環境
ほどよい堂は、
宮崎県川南町の自然豊かな場所にある漢方薬局です。
落ち着いた環境で、
ゆっくりご相談いただけます。
免責事項
本記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、 医師による診断・治療・処方の代替を目的とするものではありません。
- 体質・症状・既往歴・服薬状況などにより、 適切な対応は異なります。
- 症状が強い場合、急激に悪化した場合、 長期間続いている場合は、 医療機関への受診をご検討ください。
- 妊娠中・授乳中・服薬中・通院中の方は、 漢方薬・健康食品・サプリメント等を利用する前に 医師・薬剤師などの専門家へご相談ください。
- 掲載内容は、 新しい知見等に応じて更新・変更する場合があります。
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