八綱弁証で陰証・陽証セルフチェック|冷え・のぼせ・疲れを漢方薬剤師が体質別に解説
陰証・陽証セルフチェック|八綱弁証でわかる陰陽タイプと整え方
冷えやすい、のぼせやすい、疲れやすい、眠りが浅い、胃腸が弱い。こうした不調は、漢方では「陰陽のバランス」から整理することがあります。
陰陽とは、からだを単純に「冷え性」「暑がり」と分けるものではありません。中医学では、からだの働き・熱・活動性を陽、潤い・血液・体液・休む力を陰として捉え、今の不調がどちらに偏っているのかを見立てていきます。
目次
まずは無料で体質相談
「冷えとのぼせが両方ある」「自分が陰証か陽証かわからない」そんな方は、自己判断で漢方薬を選ぶ前に、現在の状態を一緒に整理してみましょう。
まず結論|陰証・陽証の違い
陰証は、からだの働きや温める力が不足し、冷え・だるさ・胃腸虚弱・むくみ・軟便などが出やすいタイプです。中医学では、気虚・陽虚・脾虚などを背景に考えることがあります。
陽証は、熱・炎症・興奮・こもりやすさが前面に出るタイプです。のぼせ、口渇、便秘、イライラ、目の充血、赤み、熱感などが目立つことがあります。
ただし実際の体質は単純ではありません。冷えるのに顔がほてる、疲れているのに眠れない、胃腸が弱いのにイライラするなど、陰と陽が混ざるケースもあります。

3分セルフチェック|あなたは陰寄り?陽寄り?
次の項目で、当てはまるものを数えてみましょう。セルフチェックはあくまで目安です。症状が強い場合や長引く場合は、医療機関や専門家に相談してください。
- 手足が冷えやすい
- 温かい飲み物を好む
- 疲れやすく、朝からだるい
- 食後に眠くなりやすい
- 胃もたれ・軟便・下痢をしやすい
- むくみやすい
- 顔色が白っぽい
- 声が小さく、気力が続きにくい
- 舌が淡く、歯形がつきやすい
- お腹を温めると楽になる
- 顔や体がほてりやすい
- 冷たい飲み物を欲しやすい
- 口が渇きやすい
- 便秘しやすい
- 尿の色が濃い
- イライラしやすい
- 目が赤くなりやすい
- 寝つきが悪い、夢が多い
- 舌が赤い、舌苔が黄色っぽい
- 熱感や赤みのある不調が出やすい
陰証寄りが多い場合は「温める・補う・胃腸を立て直す」方向を考えます。陽証寄りが多い場合は「熱を冷ます・巡らせる・潤す」方向を考えます。半々の場合は、陰陽が混ざっている可能性があります。
八綱弁証とは|漢方体質診断の基本
八綱弁証とは、からだの状態を表裏・寒熱・虚実・陰陽という4つの軸で整理する中医学の基本的な見方です。
表裏|不調が浅いか、深いか
表裏は、不調が体表に近いところにあるのか、内臓や深い部分にあるのかを見る軸です。風邪の初期のように表に出る不調もあれば、胃腸・睡眠・慢性疲労のように内側から整える必要がある不調もあります。
寒熱|冷えの性質か、熱の性質か
寒熱は、冷え・温めると楽・軟便などの寒のサインか、ほてり・口渇・便秘・赤みなどの熱のサインかを見ます。ただし、冷えとのぼせが同時にあるケースもあるため、全体像で判断することが大切です。
虚実|不足か、こもり・滞りか
虚実は、からだの力が不足しているのか、余分な熱・水分・滞りが強いのかを見る軸です。疲れやすい虚のタイプと、張り・便秘・イライラが強い実のタイプでは、養生の方向性が変わります。
陰陽|全体のバランスを見る最終整理
陰陽は、表裏・寒熱・虚実をまとめた全体像です。最初から「私は陰証」と決めるのではなく、冷え・熱・疲れ・胃腸・睡眠・便通・舌・ストレスなどを合わせて整理していきます。

陰証タイプの特徴と整え方
陰証タイプでは、からだを温める力や、気血を作る力が不足していることがあります。特に大切なのは、脾=胃腸の立て直しです。
中医学では、脾は食べたものを気血水に変える土台と考えます。現代的に言えば、食べるだけでなく「消化・吸収できる腸」を育てることが大切です。
陰証タイプの養生ポイント
- 冷たい飲み物を減らし、常温・温かい飲み物を増やす
- 味噌汁、野菜スープ、根菜、豆類、きのこを毎日の定番にする
- 1口30回を目安によく噛み、消化のスイッチを入れる
- 朝食を抜きすぎず、胃腸にやさしい温かい食事から整える
- 睡眠不足・過労を避け、休養を戦略的に組み込む
陽証タイプの特徴と整え方
陽証タイプでは、熱・興奮・炎症・こもりが前面に出やすい傾向があります。辛いもの、揚げ物、アルコール、夜更かし、ストレス過多が重なると、熱がこもりやすくなります。
陽証タイプの養生ポイント
- 辛いもの・揚げ物・アルコールを続けすぎない
- 夜更かしを減らし、からだの熱を落ち着かせる時間を作る
- 香味野菜、緑黄色野菜、豆腐、海藻、きのこを取り入れる
- イライラをため込まず、散歩や深呼吸で気の巡りを整える
- 冷やしすぎではなく、潤しながら熱を逃がす食べ方を意識する
陽証だからといって、冷たいものばかりに偏ると胃腸を弱らせることがあります。胃腸が弱い方は、温かい汁物や加熱調理を基本にしながら整えましょう。

冷えとのぼせが同時にある人へ
「足は冷えるのに顔はほてる」「疲れているのに眠れない」「口は渇くのに胃腸は弱い」このような場合、単純な陰証・陽証ではなく、陰虚内熱や上熱下寒のような混合タイプも考えます。
陰虚とは、からだの潤い不足タイプです。潤いが不足すると、相対的に熱が浮き上がり、ほてり・寝汗・口渇・不眠・焦りなどが出やすくなります。
この場合、強く温めるだけでは合わないことがあります。また、冷やすだけでも根本的な潤い不足は整いません。潤す・胃腸を守る・夜の休養を整えるという視点が大切です。
脾胃・腸活から整える陰陽バランス
ほどよい堂では、からだを「壊れて終わり」ではなく、常に入れ替わっている動的なシステムとして考えています。細胞は、食べたもの・吸収できたものを材料にして、少しずつ入れ替わっています。
体感の変化
まずは温かい食事、よく噛む、甘い飲み物を減らすなど、小さな変化から始めます。
習慣の変化
味噌汁・野菜スープ・海藻・きのこ・豆類を定番化し、胃腸の土台を整えます。
体質の土台の変化
栄養・循環・吸収を整え、気血水が巡りやすいからだ作りを目指します。
腸活は3つをセットで考える
プロバイオティクス|善玉菌を取り入れる
発酵食品などを通して、腸内環境を支える菌を取り入れる考え方です。味噌、ぬか漬け、納豆などを無理なく続けることが大切です。
プレバイオティクス|善玉菌のエサを増やす
発酵性食物繊維、海藻、きのこ、豆類、野菜などは、腸内細菌のエサとして役立つと考えられています。毎日の味噌汁や野菜スープに入れると続けやすくなります。
バイオジェニックス|菌が作る有用成分を意識する
腸内細菌が作る成分にも注目する考え方です。腸のバリアを守る視点、いわゆるリーキガット対策も含めて、食事・睡眠・ストレスケアを整えることが大切です。

漢方薬を選ぶときの注意点
漢方薬は、症状名だけで選ぶよりも、証に合わせて選ぶことが大切です。同じ「冷え」「不眠」「便秘」でも、体質や背景が違えば、選ぶ方剤も変わります。
気虚・脾虚タイプ|疲れや胃腸虚弱が中心
気虚はエネルギー不足タイプ、脾虚は消化吸収力の弱りタイプです。補中益気湯や六君子湯など、気を補い胃腸を支える方剤が検討されることがあります。
陽虚タイプ|冷えが強い
陽虚は温める力の不足タイプです。真武湯や人参湯など、冷えや水分代謝の弱りを考えて使われる方剤が検討されることがあります。
陰虚タイプ|ほてり・寝汗・潤い不足
陰虚は潤い不足タイプです。六味丸系や滋陰を目的とした方剤が検討されることがあります。強く温めすぎるとかえって合わない場合もあります。
気滞・熱タイプ|イライラ・張り・熱感
気滞は気の巡りが滞るタイプです。熱感やイライラが強い場合は、疏肝や清熱を目的とした方剤を検討することがあります。
持病がある方、妊娠中・授乳中の方、複数の薬を服用中の方、症状が強い方は、自己判断で漢方薬を選ばず、医療機関や専門家に相談してください。
漢方薬は1包から相談・購入できます
「まずは試してみたい」「自分に合うか確認したい」という方へ。ほどよい堂では、体質や現在の状態を確認しながら、漢方薬を1包からご案内しています。
ほどよい堂の養生軸|栄養・循環・吸収
ほどよい堂では、漢方・薬膳・腸活を組み合わせ、栄養・循環・吸収の3本柱から体質を整えることを大切にしています。
栄養|細胞は食べたものでしか作られない
カロリーは足りていても、タンパク質、良質な脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、フィトケミカルが不足している状態を、ほどよい堂では「新型栄養失調」として重視しています。
循環|血が巡ると栄養・酸素・いのちが届く
気血水の巡りは、冷え・こり・疲れ・肌・睡眠などにも関わる大切な土台です。軽い運動、深呼吸、入浴、休養を組み合わせて、巡りやすいからだを目指します。
吸収|食べるだけでなく“吸収できる腸”を育てる
胃腸は中医学でいう脾=土の働きです。土が整えば、全身の気血水が巡りやすくなります。よく噛む、温かい食事、味噌汁、発酵性食物繊維を毎日の定番にしましょう。
よくある質問
Q. 陰証と陽証は一生変わりませんか?
変わります。体質の傾向はありますが、季節・睡眠・食事・ストレス・年齢・月経周期・生活リズムによって、表に出るサインは変化します。
Q. 冷え性なら必ず陰証ですか?
必ずしもそうではありません。足は冷えるのに顔はほてる、冷えるのに便秘する、冷えるのにイライラする場合は、陰虚内熱・気滞・瘀血などが関係することもあります。
Q. 陽証タイプは冷やせばよいですか?
冷やしすぎは胃腸を弱らせることがあります。熱を冷ますだけでなく、巡り・潤い・睡眠・ストレスケアを合わせて考えることが大切です。
Q. 漢方薬は自分で選んでも大丈夫ですか?
軽いセルフケアの範囲なら参考になりますが、持病がある方、薬を服用中の方、妊娠中・授乳中の方、症状が長引く方は専門家に相談してください。
Q. 相談すると何がわかりますか?
陰証・陽証だけでなく、気虚・血虚・陰虚・陽虚・気滞・瘀血・痰湿・湿熱などの視点から、現在の不調の背景を整理し、漢方・薬膳・腸活の方向性をご提案します。
陰陽タイプで迷ったら、まずは相談
体質はひとつの症状だけでは判断できません。冷え・ほてり・便通・睡眠・胃腸・舌・ストレス・生活習慣を合わせて見ていくことで、今の状態に合った養生が見えてきます。
まとめ|陰陽は、からだを整えるための地図
陰証・陽証は、単なる冷え性・暑がりの分類ではありません。からだの働き、潤い、熱、巡り、胃腸の状態を合わせて見るための大切なものさしです。
まずは、冷え・ほてり・汗・口渇・便通・睡眠・舌・疲れ方を観察してみましょう。そのうえで、食事・腸活・睡眠・休養を整えることが、体質改善の第一歩になります。
漢方薬局ほどよい堂について
漢方薬局ほどよい堂は、宮崎県川南町にある漢方相談薬局です。漢方・薬膳・腸活の視点から、栄養・循環・吸収を整える健康相談を行っています。
所在地:〒889-1301 宮崎県児湯郡川南町川南26197-1
電話番号:0983-32-7933
本記事は一般的な情報提供を目的としています。診断・治療を目的とするものではありません。急な症状、強い痛み、発熱、息苦しさ、血便、急激な体重減少、長引く不眠や強い不安などがある場合は、医療機関へご相談ください。
監修者・免責事項
本記事の信頼性を高めるため、監修者情報と免責事項をまとめています。 体質の整理(中医学)と、現代の栄養学・生活習慣の視点を両輪で扱い、誠実な表現を心がけています。
Supervisor / Reviewer
監修者情報

監修:河邊 甲介(薬剤師/中医薬膳師/薬膳素材専門士/ペットフーディスト)
漢方薬局「ほどよい堂」代表
宮崎県川南町にて、漢方 × 薬膳 × 腸活のトリプルアプローチによる健康相談を行っています。 体質の言語化と、日常で“続く整え方”をセットでご提案しています。
- 栄養:細胞は“食べたものでしか作られない”
- 循環:巡りが整うと、酸素・栄養が届きやすくなる
- 吸収(腸活):食べるだけでなく“吸収できる腸”を育てる
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ほどよい堂では、体質(気・血・津液/陰陽・寒熱など)の整理と、食事・生活の整え方をセットでご提案しています。
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療・処方の代替ではありません。 症状が強い/長引く/不安が大きい場合は、医療機関・専門家へご相談ください。
- 体質・状態・既往歴により、最適な対処は異なります。
- 妊娠中・授乳中・服薬中・通院中の方は、自己判断での実施を避け、必ず確認してください。
- 記事内容は、予告なく更新・変更する場合があります。

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