アトピー性皮膚炎と漢方|かゆみ・乾燥を体質から整える薬膳と腸活の考え方
漢方薬局ほどよい堂の健康情報
アトピー性皮膚炎と漢方|標準治療と体質改善を組み合わせる整え方
アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能、免疫の過剰反応、かゆみによる掻き壊し、乾燥、汗、ストレス、食事、睡眠などが重なって悪化しやすい慢性的な皮膚トラブルです。
大切なのは、炎症を抑えるケアと、再燃しにくい体の土台づくりを分けて考えることです。
アトピー性皮膚炎は「皮膚だけ」の問題ではありません
アトピー性皮膚炎は、よくなったり悪くなったりを繰り返しやすい疾患です。赤み、乾燥、かゆみ、ジュクジュク、掻き壊しなどの症状が表に出ますが、背景には皮膚バリア、免疫、睡眠、ストレス、胃腸の状態、食生活などが関係します。
ほどよい堂では、皮膚症状だけを見て判断するのではなく、現代医学の標準治療を大切にしながら、中医学の体質分類と薬膳・腸活を組み合わせて、再燃しにくい土台づくりを考えます。
- 赤み・熱感・ジュクジュクが強い時期は、まず炎症を抑えることが大切です。
- 乾燥・かゆみ・繰り返す湿疹には、体質や生活リズムの見直しも重要です。
- 漢方・薬膳・腸活は、標準治療の代わりではなく、体づくりの補助として考えます。
まずは自分の体質を整理してみませんか?
「湿熱タイプなのか」「乾燥・血虚タイプなのか」「胃腸の弱りが関係しているのか」で、養生の方向性は変わります。
最新のアトピー治療は「ステロイドだけ」ではありません
現代のアトピー性皮膚炎治療では、保湿によるスキンケア、ステロイド外用薬、タクロリムス軟膏、JAK阻害外用薬、PDE4阻害外用薬など、外用薬の選択肢が広がっています。
中等症以上で外用治療だけでは十分にコントロールしにくい場合には、生物学的製剤、JAK阻害内服薬、紫外線療法などが検討されることもあります。薬の選択は、症状の程度、年齢、部位、既往歴、妊娠・授乳の有無などによって変わるため、必ず医師・薬剤師に相談しましょう。
漢方相談で大切にしているのは「皮膚科の薬をやめること」ではありません。まず炎症とかゆみの悪循環を抑え、そのうえで食事・睡眠・胃腸・ストレス・体質を整えることです。
標準治療と漢方はどう組み合わせる?
赤み、ジュクジュク、強いかゆみがある時期は、炎症を早めに抑えることが重要です。そのうえで、乾燥しやすい、胃腸が弱い、ストレスで悪化する、冷えやすいなどの体質背景を整理し、漢方・薬膳・腸活で整えていきます。
ステロイド外用薬は急にやめてもいい?
自己判断で急に中止すると、炎症が再燃しやすくなることがあります。使用量や塗り方、減らし方は医師の指示に従いましょう。漢方は、標準治療と並行しながら体質の偏りを整える選択肢として考えるのがおすすめです。

漢方ではアトピーをどう考える?
中医学では、アトピー性皮膚炎を「皮膚に出ている体内バランスのサイン」として見ます。証を組み立て、背景を考え、治則と養生を決める流れで整理します。
湿熱タイプ:赤み・熱感・ジュクジュクが強い
皮膚が赤い、熱を持つ、ジュクジュクする、汗や湿気で悪化しやすいタイプです。中医学では、余分な熱と湿が皮膚にこもっている状態と考えます。
治則は、清熱利湿・解毒。黄連解毒湯は、赤みや熱感が強い熱証に用いられる方剤です。竜胆瀉肝湯は、湿熱が強く、炎症傾向がはっきりしたタイプに使われることがあります。
血虚・陰虚タイプ:乾燥・粉ふき・夜のかゆみ
皮膚がカサカサする、粉をふく、ひび割れやすい、夜にかゆみが強いタイプです。肌を潤す材料や血の栄養が不足している状態と考えます。
治則は、養血・滋陰・潤燥。当帰飲子は、乾燥肌とかゆみが続く血虚タイプに用いられる方剤です。温清飲は、乾燥と熱感が混在するタイプに使われることがあります。
脾虚タイプ:胃腸が弱く、肌の回復が遅い
食後に眠い、胃もたれしやすい、便がゆるい、疲れやすい、肌の治りが遅いタイプです。中医学では、脾=土の働きが弱く、気血を十分につくれない状態と考えます。
治則は、健脾益気・化湿。補中益気湯は、気虚があり疲れやすいタイプに用いられる方剤です。六君子湯は、胃腸虚弱や食欲低下を伴う脾胃虚弱タイプに使われることがあります。
気滞タイプ:ストレスで悪化しやすい
イライラ、不安、緊張、睡眠の乱れがあり、ストレスでかゆみや赤みが悪化しやすいタイプです。中医学では、肝の気の巡りが滞り、熱やかゆみにつながると考えます。
治則は、疏肝理気・清熱。加味逍遙散は、ストレス、イライラ、のぼせ、女性周期の乱れを伴う気滞化火タイプに用いられる方剤です。
薬膳と腸活で「肌をつくる材料」を整える
皮膚は日々入れ替わっています。だからこそ、塗るケアだけでなく、肌をつくる材料を整えることも大切です。ほどよい堂では、栄養・循環・吸収の3本柱で考えます。
1. 栄養:細胞は食べたものでしか作られない
たんぱく質、良質な脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、フィトケミカルは、皮膚の材料として大切です。カロリーは足りていても、これらが不足している状態は新型栄養失調と考えられます。
2. 循環:栄養と酸素を肌に届ける
血の巡りが滞ると、肌に必要な栄養や酸素が届きにくくなります。軽い散歩、湯船、深呼吸、肩首をゆるめる習慣は、気血の巡りを助けます。
3. 吸収:食べるだけでなく“吸収できる腸”を育てる
腸活では、プロバイオティクス、プレバイオティクス、バイオジェニックスを三位一体で考えます。発酵性食物繊維、海藻、きのこ、豆類、味噌汁、野菜スープを毎日の定番にすると、胃腸の土台を整えやすくなります。
まず1つ変えるなら「1口30回を目安によく噛むこと」。よく噛むことは消化のスイッチになり、中医学でいう脾=土の働きを助ける養生です。

アトピー養生は「3日・3週間・3ヶ月」で考える
体は常に入れ替わっている動的なシステムです。短期間で全てを変えようとせず、3日・3週間・3ヶ月の時間軸で整えていきましょう。
3日:かゆみと刺激を減らす
爪を短くする、汗を放置しない、入浴後すぐ保湿する、刺激の少ない衣類に変えるなど、掻き壊しを減らす工夫から始めます。
3週間:生活のリズムを整える
睡眠、食事、排便、ストレス、皮膚症状の変化をメモし、自分の悪化パターンを見つけます。味噌汁や野菜スープを増やし、よく噛む習慣を整えます。
3ヶ月:体質の土台を見直す
肌だけでなく、疲れやすさ、冷え、便通、睡眠、ストレス耐性も一緒に確認します。栄養・循環・吸収の3本柱で、再燃しにくい体づくりを目指します。
アトピー・乾燥・かゆみを体質から見直したい方へ
ほどよい堂では、薬剤師が中医学の体質診断をもとに、漢方・薬膳・腸活の方向性を一緒に考えます。まずはLINEからご相談ください。
食事制限は自己判断でやりすぎない
「アトピーだから卵・乳製品・小麦を全部やめる」といった極端な食事制限は、栄養不足につながることがあります。特にお子さんの場合、成長に必要な栄養を減らしてしまう可能性があります。
まずは、甘い飲み物、菓子パン、揚げ物、加工食品の頻度を見直し、味噌汁、ごはん、魚、豆類、野菜、海藻、きのこを増やすところから始めましょう。
甘いものを完全に禁止する必要はありません。飲み物で甘味をとる頻度を減らし、水・お茶・薄い味噌汁へ置き換える、甘味はできるだけ噛んで食べる形にするなど、続けやすい工夫が大切です。
肌の外側からのケアも大切に
乾燥しやすい肌は、内側の栄養・腸活だけでなく、外側からのスキンケアも大切です。洗いすぎ、こすりすぎ、熱いお湯、乾燥した空気は、皮膚バリアに負担をかけやすくなります。
玄米由来のスキンケアに関心がある方は、ほどよい堂の関連ページもご覧ください。
よくある質問
Q. 漢方でアトピーは治りますか?
漢方は体質や生活背景を整える選択肢の一つですが、アトピー性皮膚炎を必ず完治させるものではありません。炎症が強い時期は皮膚科治療を優先し、漢方・薬膳・腸活は再燃しにくい土台づくりとして考えるのがおすすめです。
Q. ステロイドをやめたい場合、漢方に切り替えてもいいですか?
自己判断で急に中止すると悪化することがあります。まずは医師の治療方針に沿って炎症を落ち着かせ、そのうえで体質改善の補助として漢方を検討しましょう。
Q. アトピーに腸活は必要ですか?
腸内環境と免疫の関係は研究されていますが、腸活だけでアトピーが治るわけではありません。食物繊維、発酵食品、たんぱく質、良質な脂質を整え、吸収しやすい胃腸を育てる養生として取り入れるのがおすすめです。
Q. 薬膳茶はアトピー体質にも使えますか?
体質に合わせて選ぶことが大切です。赤みや熱感が強い湿熱タイプ、乾燥が目立つ血虚・陰虚タイプ、胃腸が弱い脾虚タイプでは、選ぶ素材の方向性が変わります。ほどよい堂では、体質に合わせたオーダーメイド薬膳茶をご提案しています。
ほどよい堂の関連ページ
アトピー性皮膚炎のケアは、皮膚だけでなく、体質・食事・睡眠・腸内環境まで含めて整えることが大切です。気になるページからご覧ください。
まとめ
アトピー性皮膚炎は、皮膚バリア、免疫、かゆみ、生活習慣、ストレス、腸内環境などが複雑に関わる疾患です。
漢方・薬膳・腸活は、標準治療の代わりではなく、炎症を抑える治療と並行して、再燃しにくい体の土台を整える方法として考えると取り入れやすくなります。
ほどよい堂では、アトピーを一律に見るのではなく、湿熱・血虚・陰虚・脾虚・気滞などの体質を整理し、食事・睡眠・スキンケア・腸活まで含めて、続けやすい整え方をご提案しています。
本記事は健康情報の提供を目的としており、医師の診断・治療に代わるものではありません。強い炎症、出血、感染が疑われる症状、急な悪化がある場合は、早めに医療機関を受診してください。漢方薬や健康食品を使用中の薬と併用する場合は、医師・薬剤師にご相談ください。
監修者・免責事項
本記事の信頼性を高めるため、監修者情報と免責事項をまとめています。 体質の整理(中医学)と、現代の栄養学・生活習慣の視点を両輪で扱い、誠実な表現を心がけています。
Supervisor / Reviewer
監修者情報

監修:河邊 甲介(薬剤師/中医薬膳師/薬膳素材専門士/ペットフーディスト)
漢方薬局「ほどよい堂」代表
宮崎県川南町にて、漢方 × 薬膳 × 腸活のトリプルアプローチによる健康相談を行っています。 体質の言語化と、日常で“続く整え方”をセットでご提案しています。
- 栄養:細胞は“食べたものでしか作られない”
- 循環:巡りが整うと、酸素・栄養が届きやすくなる
- 吸収(腸活):食べるだけでなく“吸収できる腸”を育てる
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療・処方の代替ではありません。 症状が強い/長引く/不安が大きい場合は、医療機関・専門家へご相談ください。
- 体質・状態・既往歴により、最適な対処は異なります。
- 妊娠中・授乳中・服薬中・通院中の方は、自己判断での実施を避け、必ず確認してください。
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