お屠蘇(とそ)の意味と由来、作法、作り方~健康と長寿の祈りを盃に込めて、新たな一年を迎えよう~
お屠蘇とは?意味・由来・作法・作り方を漢方薬剤師が解説|屠蘇散の中身とノンアル対応
お正月にいただくお屠蘇(おとそ)は、単なる祝い酒ではなく、一年の無病息災と長寿を願う日本の伝統的な薬草酒です。
屠蘇散(とそさん)と呼ばれる和漢素材を、日本酒や本みりんに浸して作るのが昔ながらのお屠蘇。桂皮・山椒・陳皮・桔梗・防風など、香り高い素材が使われることが多く、新年の始まりに胃腸をいたわり、からだを温め、気の巡りを整える意味合いを持つ養生文化として受け継がれてきました。
お屠蘇の意味・由来・作法・作り方、屠蘇散に使われる素材の特徴、妊娠中・授乳中・運転前・20歳未満の方が注意したいポイントまで、ほどよい堂の視点でわかりやすく解説します。

目次
お屠蘇とは?新年の無病息災を願う薬草酒
お屠蘇とは、屠蘇散という和漢素材の入った包みを、日本酒や本みりんに浸して作る新年の薬草酒です。
「屠蘇」という言葉には諸説ありますが、「屠」は邪気を払い、「蘇」は魂や生気がよみがえるという意味を持つとされています。つまりお屠蘇は、新しい一年を清らかな気持ちで迎え、家族の健康と長寿を願うための一杯です。
お屠蘇
屠蘇散を日本酒や本みりんに浸して作る薬草酒。お正月に家族の健康と長寿を願って少量ずついただきます。
屠蘇散
桂皮・山椒・陳皮などの和漢素材を組み合わせたもの。製品によって配合される素材は異なります。
お正月は冷え込みやすく、食べすぎ・飲みすぎで胃腸に負担がかかりやすい時期です。お屠蘇は、香り高い和漢素材を通して「温める」「巡らせる」「胃腸を助ける」という薬膳的な知恵が込められた風習ともいえます。
お屠蘇の由来|中国から日本へ伝わった正月の養生文化
お屠蘇の風習は、中国に伝わる薬草酒の文化が日本へ伝わったものとされています。日本では平安時代の宮中行事として取り入れられ、のちに武家や庶民のあいだにも広がっていきました。
現代では「お正月にいただく日本酒」を広くお屠蘇と呼ぶ地域もありますが、本来は屠蘇散を浸した薬草酒を指します。
なぜお正月にお屠蘇を飲むの?
新しい一年のはじまりに、邪気を払い、家族の健康と長寿を願うためです。漢方・薬膳の視点では、冷えやすい季節に香りのある素材でからだを温め、胃腸の働きを助ける意味合いもあります。
屠蘇散の中身|漢方・薬膳で見る主な素材
屠蘇散に使われる素材は製品によって異なりますが、桂皮、山椒、陳皮、桔梗、防風、白朮などが用いられることがあります。
これらは漢方・薬膳では、からだを温める、胃腸の働きを助ける、気の巡りを整える、香りで邪気を払うといった意味合いを持つ素材です。

| 素材 | 薬膳・中医学的な見方 | お屠蘇での役割イメージ |
|---|---|---|
| 桂皮 | からだを温め、巡りを助ける素材として知られています。 | 冷えやすいお正月の温養素材。 |
| 山椒 | お腹を温め、香りで気を巡らせる素材として使われます。 | 胃腸をいたわる香辛素材。 |
| 陳皮 | 気の巡りや消化を意識した薬膳素材です。 | 正月料理で重くなりがちな胃腸に。 |
| 桔梗 | のど・肺まわりを意識する素材として知られています。 | 冬の乾燥や呼吸器の養生イメージ。 |
| 防風 | 風邪・外邪を払う考え方に用いられる素材です。 | 新年の邪気払いの象徴。 |
| 白朮 | 脾胃を支え、水分代謝を意識する素材です。 | 胃腸と水の巡りを整えるイメージ。 |
胃腸の働きは「脾=土」と関係が深く、脾が整うことで気・血・水の巡りも支えられると考えます。お屠蘇は、新年のはじまりに「土を整える」薬膳文化としても捉えることができます。
お屠蘇の作り方|日本酒と本みりんで簡単に
お屠蘇は、屠蘇散、日本酒、本みりんがあれば自宅でも作ることができます。甘めが好きな方は本みりんを多めに、すっきりした味わいが好きな方は日本酒を多めにすると、好みに合わせて調整しやすくなります。
基本の材料
| 材料 | 目安 |
|---|---|
| 屠蘇散 | 1包 |
| 日本酒 | 150ml前後 |
| 本みりん | 150ml前後 |
| 合計 | 約300ml |
作り方の手順
- 清潔な容器に日本酒と本みりんを合わせます。
- 屠蘇散を入れ、5〜8時間ほど浸します。
- 香りと味が出たら、屠蘇散を取り出して完成です。
- 元日の朝、おせち料理の前に少量ずついただきます。
- 長く浸しすぎると苦味や渋みが出やすくなります。
- 甘口にしたい場合は本みりんを多めにします。
- 辛口にしたい場合は日本酒を多めにします。
- 作ったお屠蘇は早めに飲み切りましょう。
お屠蘇の作法と飲み方
お屠蘇は、元日の朝、おせち料理をいただく前に、家族の健康と長寿を願って少量ずついただくのが一般的です。
いつ飲む?
元日の朝、新年の挨拶を済ませたあと、おせち料理の前にいただくことが多いです。
誰から飲む?
地域や家庭によって異なりますが、若い人から年長者へ順に飲む作法が伝えられることもあります。
正式な作法でないといけませんか?
現代の家庭では、形式にこだわりすぎる必要はありません。大切なのは、新しい一年の健康を願い、家族で穏やかにいただくことです。少量を味わいながら、新年の養生として楽しみましょう。
妊娠中・授乳中・運転前・20歳未満の方への注意点
お屠蘇は基本的にアルコールを含みます
お屠蘇は日本酒や本みりんを使うため、基本的にはアルコールを含みます。そのため、20歳未満の方、妊娠中・授乳中の方、運転前の方、アルコールに弱い方、服薬中で飲酒を控えるよう指導されている方は、通常のお屠蘇は避けましょう。
「煮切れば大丈夫」と考えられることもありますが、家庭での加熱ではアルコールが完全にゼロになったか判断しにくい場合があります。安全を優先する場合は、香りを楽しむだけにする、屠蘇散風のノンアルハーブティーとして別に楽しむ、または0.00%表示のノンアル飲料を使うなど、無理のない形がおすすめです。

ノンアルコールのお屠蘇は作れますか?
本来のお屠蘇は薬酒ですが、アルコールを避けたい方は、屠蘇散の香りを楽しむノンアル風の飲み方として別に楽しむ方法もあります。ただし、運転前・妊娠中・授乳中・20歳未満の方は、安全のためアルコールを含むものは避けましょう。
ほどよい堂おすすめ|延寿屠蘇散で新年の養生を
お屠蘇は、新しい一年の無病息災と長寿を願う、日本の美しい正月文化です。屠蘇散に使われる香り高い和漢素材には、薬膳的に見ると「温める」「巡らせる」「胃腸を助ける」といった意味合いがあります。
年末年始のご家庭用に。大切な方への季節の贈り物に。新しい一年のはじまりを、からだをいたわる養生時間として整えてみませんか。
お屠蘇だけでなく、体質に合わせた養生も大切です
漢方薬局ほどよい堂では、からだを「壊れて終わり」ではなく、常に入れ替わっている動的なシステムとして捉えています。
養生の基本は、栄養・循環・吸収=腸活の3本柱です。お正月の食べすぎ・飲みすぎ、冷え、胃腸の重だるさ、疲れが抜けにくいなどのお悩みも、まずは体質を知ることから整えやすくなります。
ほどよい堂のおすすめ養生メニュー
お屠蘇は新年の養生文化ですが、体質づくりは日々の積み重ねが大切です。ほどよい堂では、漢方・薬膳・腸活を組み合わせながら、無理なく続けられる養生をご提案しています。
お屠蘇・屠蘇散についてよくある質問
Q. お屠蘇と日本酒は同じですか?
厳密には異なります。お屠蘇は、屠蘇散という和漢素材を日本酒や本みりんに浸して作る薬草酒です。地域によっては、お正月に飲む日本酒を広く「お屠蘇」と呼ぶこともあります。
Q. お屠蘇はいつ飲みますか?
一般的には元日の朝、おせち料理をいただく前に、家族の健康と長寿を願って少量ずついただきます。
Q. お屠蘇は子どもや妊婦も飲めますか?
通常のお屠蘇は日本酒や本みりんを使うためアルコールを含みます。20歳未満の方、妊娠中・授乳中の方、運転前の方は飲用を避けましょう。
Q. 屠蘇散はどのくらい浸けますか?
製品にもよりますが、5〜8時間ほどが目安です。長く浸しすぎると苦味や渋みが出ることがあります。
Q. ノンアルコールのお屠蘇は作れますか?
本来のお屠蘇は薬酒ですが、アルコールを避けたい方は、屠蘇散の香りを楽しむノンアル風の飲み方として別に楽しむ方法もあります。ただし、運転前・妊娠中・授乳中・20歳未満の方は、安全のためアルコールを含むものは避けましょう。
Q. 屠蘇散はどこで購入できますか?
ほどよい堂ECサイトにて、お正月用のお屠蘇・屠蘇散をお求めいただけます。年末は在庫が変動しやすいため、早めの準備がおすすめです。
まとめ|お屠蘇は新年に“胃腸と巡り”を整える日本の養生文化
お屠蘇は、新しい一年の無病息災と長寿を願う、日本の美しい正月文化です。
屠蘇散に使われる桂皮・山椒・陳皮などの和漢素材には、薬膳的に見ると「温める」「巡らせる」「胃腸を助ける」といった意味合いがあります。冷えやすく、食べすぎ・飲みすぎになりやすいお正月に、からだをいたわる知恵として受け継がれてきた風習ともいえるでしょう。
ただし、お屠蘇は日本酒や本みりんを使うため、基本的にはアルコールを含みます。20歳未満の方、妊娠中・授乳中の方、運転前の方、アルコールに弱い方は飲用を避け、安全な形で新年の雰囲気を楽しみましょう。
一年のはじまりに、家族の健康を願いながら、胃腸と巡りを整える。お屠蘇は、そんな“新年の養生”を形にした一杯です。
※本記事は、漢方・薬膳の考え方をもとにした一般的な養生情報です。体調不良が続く場合、妊娠中・授乳中の方、治療中・服薬中の方は、医師・薬剤師などの専門家にご相談ください。
監修者・免責事項
本記事の信頼性を高めるため、監修者情報と免責事項をまとめています。 体質の整理(中医学)と、現代の栄養学・生活習慣の視点を両輪で扱い、誠実な表現を心がけています。
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監修者情報

監修:河邊 甲介(薬剤師/中医薬膳師/薬膳素材専門士/ペットフーディスト)
漢方薬局「ほどよい堂」代表
宮崎県川南町にて、漢方 × 薬膳 × 腸活のトリプルアプローチによる健康相談を行っています。 体質の言語化と、日常で“続く整え方”をセットでご提案しています。
- 栄養:細胞は“食べたものでしか作られない”
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療・処方の代替ではありません。 症状が強い/長引く/不安が大きい場合は、医療機関・専門家へご相談ください。
- 体質・状態・既往歴により、最適な対処は異なります。
- 妊娠中・授乳中・服薬中・通院中の方は、自己判断での実施を避け、必ず確認してください。
- 記事内容は、予告なく更新・変更する場合があります。
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