妊娠中の漢方薬は大丈夫?妊婦が注意したい生薬と安心相談ガイド
妊娠中の漢方薬と生薬の注意点|妊婦に使われる処方・避けたい処方を薬剤師が解説
妊娠中は、つわり・便秘・むくみ・冷え・不眠・風邪症状など、普段とは違う不調が出やすい時期です。 「漢方薬なら自然由来だから安心」と思われる方もいますが、漢方薬や生薬もからだに作用する“薬”です。
この記事では、妊娠中に比較的用いられることがある漢方薬、慎重に扱いたい生薬、自己判断を避けたい処方を、 薬剤師の視点からわかりやすく整理します。
```目次
- 1 妊娠中の薬は「自己判断で飲まない・やめない」が基本
- 2 中医学でみる妊娠中のからだ|気・血・水を守る時期
- 3 妊娠中に比較的用いられることがある漢方薬
- 4 妊娠中に注意したい生薬|自己判断を避けたい代表例
- 5 妊娠中は避けたい・自己判断しない方剤
- 6 妊娠中の漢方薬、飲む前に体質を整理しませんか?
- 7 症状別|妊娠中の漢方・薬膳・腸活の考え方
- 8 ほどよい堂式|妊娠中の養生3本柱
- 9 妊娠中の食事養生|まず1つ変えるなら「温かい汁物」
- 10 妊娠中のからだに合わせた薬膳茶もご相談ください
- 11 よくある質問|妊娠中の漢方薬Q&A
- 12 この記事のまとめ|妊娠中の漢方薬は「体質」と「時期」で判断
- 13 妊娠中の不調、ひとりで悩まずご相談ください
- 14 漢方薬局ほどよい堂について
- 15 監修者・免責事項
妊娠中の薬は「自己判断で飲まない・やめない」が基本
妊娠がわかると、赤ちゃんへの影響が心配になり、薬をすべてやめたくなる方も少なくありません。 しかし、持病の薬や必要な治療薬を自己判断で中止すると、かえって母体や赤ちゃんに影響する場合があります。
漢方薬も同じです。妊娠中に使用経験のある処方はありますが、「自然由来=誰でも安全」ではありません。 まずは産婦人科医・処方医・薬剤師に相談し、必要性とリスクを整理することが大切です。
- 出血がある
- 強い腹痛やお腹の張りがある
- 吐き気が強く、水分が取れない
- 急なむくみ、頭痛、血圧上昇がある
- 発熱、息苦しさ、強い咳が続く
- 便秘に腹痛・嘔吐・強い膨満感を伴う
中医学でみる妊娠中のからだ|気・血・水を守る時期
中医学では、妊娠中のからだは赤ちゃんを育てるために「血」と「津液=うるおい」を多く必要とする時期と考えます。 そのため、妊娠中の養生では強く攻めるよりも、脾=胃腸を守り、気血を育て、巡りをほどよく整えることを重視します。
| 体質タイプ | 簡単な説明 | 出やすい不調 | 養生の方向性 |
|---|---|---|---|
| 脾気虚 | 胃腸の消化吸収力が弱いタイプ | つわり、食欲低下、疲れ、軟便 | 温かく消化しやすい食事で土台を整える |
| 血虚 | 血の不足タイプ | めまい、立ちくらみ、動悸、顔色不良 | たんぱく質・鉄・葉酸・睡眠を意識 |
| 水滞 | 水分代謝が滞るタイプ | むくみ、重だるさ、吐き気 | 冷たい飲み物を控え、味噌汁やスープを活用 |
| 気滞 | 気の巡りが滞るタイプ | 喉のつかえ、胸の苦しさ、イライラ | 深呼吸、軽い散歩、香りのよい食材を少量 |
| 陰虚 | 潤い不足タイプ | ほてり、口渇、便が硬い、眠りが浅い | 潤いを補う食材と睡眠を整える |
妊娠中は、からだが日々入れ替わる動的な時期です。 3日で体感の変化、3週間で習慣の変化、3ヶ月で体質の土台の変化を目安に、無理なく整えていきましょう。
妊娠中に比較的用いられることがある漢方薬
以下は、妊娠中に使用経験がある代表的な漢方薬です。 ただし、自己判断での服用は避け、妊娠週数・症状・体質・既往歴・併用薬を確認したうえで使用を検討します。

| 症状 | 漢方薬の例 | 証の目安 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| つわり・吐き気 | 小半夏加茯苓湯 | 胃の水滞・胃気上逆タイプ | 脱水や体重減少がある場合は産婦人科へ |
| 喉のつかえ・不安感 | 半夏厚朴湯 | 気滞・痰気互結タイプ | 症状が落ち着いたら継続の必要性を見直す |
| むくみ・めまい | 当帰芍薬散 | 血虚水滞タイプ | 急なむくみや血圧上昇は医療機関へ |
| 胃腸虚弱・疲れ | 六君子湯 | 脾気虚・胃もたれタイプ | 食欲や便通の状態を見ながら調整 |
| 空咳・喉の乾燥 | 麦門冬湯 | 肺胃陰虚=潤い不足タイプ | 発熱や強い咳が続く場合は受診 |
| 冷え・胃腸虚弱 | 人参湯 | 脾胃虚寒=胃腸冷えタイプ | 強い温補が合わない場合もあるため体質確認 |
妊娠中に注意したい生薬|自己判断を避けたい代表例
妊娠中は、強く下す、強く巡らせる、強く発汗させる、強く温める生薬は慎重に扱います。 特に市販薬やネット購入品では、含まれる生薬を確認せずに使ってしまうケースがあるため注意が必要です。
大黄・芒硝|強く下す生薬
大黄や芒硝は、便秘に使われることがある瀉下作用のある生薬です。 妊娠中の便秘では、まず食事・水分・運動・産婦人科で相談しやすい便秘薬を優先し、 大黄含有漢方は自己判断で使わないことが大切です。
桃仁・牡丹皮・紅花|血を強く巡らせる生薬
桃仁・牡丹皮・紅花は、瘀血=血の滞りに用いられる生薬です。 妊娠前の月経痛やPMS、冷えのぼせなどで使っていた処方でも、妊娠がわかったら継続可否を相談しましょう。
麻黄|発汗・動悸・血圧に注意
麻黄は風邪の初期などに使われる処方に含まれることがあります。 動悸、発汗、血圧、睡眠への影響が出る場合があるため、妊娠中は特に慎重に判断します。
附子|強く温める生薬
附子は強い冷えや虚寒タイプに使われることがありますが、薬性が強いため専門家の管理が必要です。 冷えが強い場合でも、まずは温かい食事、腹巻き、足首を冷やさない工夫などから整えます。
甘草|むくみ・血圧・低カリウムに注意
甘草は多くの漢方薬に含まれる生薬です。 複数の漢方薬を併用すると甘草の量が重なることがあり、むくみ、血圧上昇、低カリウム血症などに注意します。
妊娠中は避けたい・自己判断しない方剤
以下の漢方薬は、妊娠中や妊娠の可能性がある時期には自己判断での使用を避けたい代表例です。 妊娠前から服用していた場合も、妊娠がわかった時点で必ず相談してください。
| 方剤 | 注意したい生薬 | 使われやすい場面 | 妊娠中の考え方 |
|---|---|---|---|
| 防風通聖散 | 大黄・芒硝・麻黄など | 便秘、肥満傾向、実証タイプ | ダイエット目的の自己判断使用は避ける |
| 桃核承気湯 | 桃仁・大黄・芒硝 | 強い瘀血、便秘、のぼせ | 攻める処方のため妊娠中は慎重 |
| 桂枝茯苓丸 | 桃仁・牡丹皮 | 瘀血、月経痛、冷えのぼせ | 妊娠判明後は継続可否を相談 |
| 加味逍遙散 | 牡丹皮など | PMS、イライラ、のぼせ | 妊娠前からの服用も一度確認 |
| 大柴胡湯 | 大黄・枳実など | 実証、便秘、腹部膨満 | 専門家管理が必要 |
| 麻黄湯 | 麻黄 | 風邪初期、発熱、悪寒 | 発汗や動悸に注意し自己判断は避ける |
妊娠中の漢方薬、飲む前に体質を整理しませんか?
ほどよい堂では、妊娠中・妊活中・授乳中の方に向けて、体質、現在の症状、食事、便通、睡眠、冷え、むくみなどを確認しながら、 無理のない漢方・薬膳・腸活の方向性を一緒に整理します。
症状別|妊娠中の漢方・薬膳・腸活の考え方

つわり|胃気上逆と水滞を整える
つわりは、中医学では「胃気上逆=胃の気が上に逆流する状態」や「水滞=水分代謝の滞り」として考えることがあります。 冷たい飲み物を一気に飲むよりも、温かい味噌汁や野菜スープを少量ずつ取り入れると、胃腸への負担を減らしやすくなります。
便秘|大黄に頼る前に、腸の土台を整える
妊娠中の便秘は、ホルモン変化、子宮による腸の圧迫、運動量低下、鉄剤などが関係します。 大黄を含む漢方薬を自己判断で使う前に、発酵性食物繊維、海藻、きのこ、豆、味噌汁、常温の水分、軽い散歩を意識しましょう。
むくみ|水滞だけでなく血圧にも注意
むくみは「水滞」として考えることがありますが、急なむくみ、頭痛、血圧上昇、尿蛋白などがある場合は、 妊娠高血圧症候群などの確認が必要です。自己判断で利水薬を増やすのではなく、まず産婦人科へ相談してください。
冷え|強く温める前に、脾胃を守る
冷えは「陽虚=温める力不足」や「血虚=血の不足」によって起こりやすくなります。 妊娠中は強く温める生薬を自己判断で使うより、温かく消化しやすい食事、腹巻き、足首を冷やさない工夫、睡眠の確保を優先します。
ほどよい堂式|妊娠中の養生3本柱
妊娠中のからだづくりは、薬だけで整えるものではありません。 ほどよい堂では、栄養・循環・吸収=腸活の3本柱で、妊娠中の不調をやさしく整えることを大切にしています。
1. 栄養
細胞は食べたものでしか作られません。 たんぱく質、良質脂質、鉄、葉酸、ビタミンB群、亜鉛、食物繊維を意識します。
2. 循環
血が巡ると、栄養・酸素・いのちが届きやすくなります。 妊娠中は強い活血ではなく、睡眠、温かい食事、軽い散歩でやさしく巡らせます。
3. 吸収=腸活
食べるだけでなく、吸収できる腸を育てることが大切です。 味噌汁、海藻、きのこ、豆、発酵食品を毎日の定番にします。

腸は中医学でいう「脾=土」の働きと深く関係します。 土が整うと、気・血・水が作られ、全身をめぐりやすくなります。 現代の腸活では、善玉菌を補うプロバイオティクス、菌のエサになるプレバイオティクス、菌が作る有用成分であるバイオジェニックスを三位一体で考えます。
妊娠中の食事養生|まず1つ変えるなら「温かい汁物」
妊娠中は、カロリーは足りているのに、たんぱく質・良質脂質・ビタミン・ミネラル・食物繊維・フィトケミカルが不足する “新型栄養失調”に近い状態になることがあります。
毎日の定番にしたいもの
- 味噌汁
- 野菜スープ
- 海藻、きのこ、豆類
- 発酵食品
- 温かいお茶や白湯
意識したい食べ方
- 1口30回を目安によく噛む
- 冷たい飲み物を一気に飲まない
- 甘い飲み物は頻度を決める
- 甘味はできるだけ噛んで食べる形にする
- 食べられる量を少しずつ分ける
よく噛むことは、消化のスイッチを入れ、脾=胃腸を助ける養生です。 つわりや胃もたれがある時期ほど、食材の良し悪しだけでなく「消化できる形」に整えることが大切です。
妊娠中のからだに合わせた薬膳茶もご相談ください
ほどよい堂では、体質や季節に合わせたオーダーメイド薬膳茶もご提案しています。 妊娠中は使う素材を慎重に選ぶ必要があるため、現在の妊娠週数や体調を確認しながら無理のない範囲で整えます。
よくある質問|妊娠中の漢方薬Q&A
Q. 妊娠中に漢方薬を飲んでも大丈夫ですか?
妊娠中に使用経験がある漢方薬はあります。 ただし、妊娠週数、症状、持病、併用薬、体質によって判断が変わるため、自己判断ではなく産婦人科医・薬剤師に相談してください。
Q. 妊娠前から加味逍遙散や桂枝茯苓丸を飲んでいました。続けてもよいですか?
妊娠がわかった時点で、いったん処方医・薬剤師に相談してください。 桂枝茯苓丸は桃仁・牡丹皮、加味逍遙散は牡丹皮などを含むため、妊娠中は慎重に考えます。
Q. つわりにはどんな漢方薬が使われますか?
小半夏加茯苓湯や半夏厚朴湯などが使われることがあります。 ただし、吐き気が強い、水分が取れない、尿量が少ない、体重が減っている場合は早めに産婦人科へ相談してください。
Q. 妊娠中の便秘に大黄入り漢方を使ってもよいですか?
大黄は瀉下作用があるため、妊娠中は慎重に扱う生薬です。 まずは食事・水分・軽い運動を整え、必要な場合は産婦人科で相談しやすい便秘薬を確認しましょう。
Q. 妊娠中に薬膳茶は飲めますか?
素材によります。 なつめ、黒豆、ルイボスなど日常の食品として使いやすい素材もありますが、妊娠中に慎重な生薬もあります。 妊娠週数や体調に合わせて選ぶことが大切です。
この記事のまとめ|妊娠中の漢方薬は「体質」と「時期」で判断
妊娠中の漢方薬は、薬名だけで「安全」「危険」と単純に分けられるものではありません。 大切なのは、妊娠週数、今の症状、体質、出血やお腹の張り、血圧、持病、併用薬を確認したうえで、必要性を整理することです。
この記事の要点
- 妊娠中は薬も漢方薬も自己判断で飲まない・やめない
- 大黄・桃仁・牡丹皮・紅花・麻黄・附子・甘草は特に確認
- つわり、便秘、むくみ、冷えは体質ごとに考える
- 強く攻めるより、脾胃を守り気血水を整える
- 食事・睡眠・腸活・軽い運動も大切な養生

妊娠中の不調、ひとりで悩まずご相談ください
「今飲んでいる漢方薬を続けてよいか不安」 「妊娠中の便秘やつわりを体質から整えたい」 「薬膳や腸活も含めて無理なく整えたい」
そのような方は、LINE無料漢方相談をご利用ください。 宮崎県川南町の漢方薬局ほどよい堂が、薬剤師の視点から体質と生活養生を一緒に整理します。
漢方薬局ほどよい堂について
ほどよい堂は、宮崎県川南町にある漢方薬局です。 漢方・薬膳・腸活を組み合わせ、体質に合わせた健康相談を行っています。
妊娠中・妊活中・授乳中の不調は、薬だけでなく、食事、睡眠、胃腸の状態、冷え、巡り、ストレスなどを総合的に見ることが大切です。 ほどよい堂では、栄養・循環・吸収=腸活の3本柱を大切にしながら、無理なく続けられる養生をご提案しています。
所在地:宮崎県児湯郡川南町川南26197-1(峠の里内)|電話:0983-32-7933
監修者・免責事項
本記事の信頼性を高めるため、監修者情報と免責事項をまとめています。 体質の整理(中医学)と、現代の栄養学・生活習慣の視点を両輪で扱い、誠実な表現を心がけています。
Supervisor / Reviewer
監修者情報

監修:河邊 甲介(薬剤師/中医薬膳師/薬膳素材専門士/ペットフーディスト)
漢方薬局「ほどよい堂」代表
宮崎県川南町にて、漢方 × 薬膳 × 腸活のトリプルアプローチによる健康相談を行っています。 体質の言語化と、日常で“続く整え方”をセットでご提案しています。
- 栄養:細胞は“食べたものでしか作られない”
- 循環:巡りが整うと、酸素・栄養が届きやすくなる
- 吸収(腸活):食べるだけでなく“吸収できる腸”を育てる
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ほどよい堂では、体質(気・血・津液/陰陽・寒熱など)の整理と、食事・生活の整え方をセットでご提案しています。
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療・処方の代替ではありません。 症状が強い/長引く/不安が大きい場合は、医療機関・専門家へご相談ください。
- 体質・状態・既往歴により、最適な対処は異なります。
- 妊娠中・授乳中・服薬中・通院中の方は、自己判断での実施を避け、必ず確認してください。
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