ファイトケミカルとは?薬膳と腸活で“食べる力”を整える植物の栄養ガイド
ファイトケミカルとは?色の力を薬膳と腸活で活かす食べ方
ファイトケミカルとは、野菜・果物・豆類・海藻・きのこ・ハーブなど、植物性食品に含まれる 色・香り・苦味・渋味の成分の総称です。 ほどよい堂では、ファイトケミカルを「栄養・循環・吸収=腸活」の3本柱から考えます。
大切なのは、特定の成分だけに頼ることではなく、毎日の食事で色とりどりの植物性食品を無理なく続けること。 薬膳でいう「一物全体」と、現代栄養学の「食物繊維・抗酸化成分・腸内細菌」の視点をつなげて解説します。

色とりどりの野菜・果物は、ファイトケミカルと食物繊維を一緒に摂りやすい食品です。
ファイトケミカルとは?植物が持つ“守る力”の成分
ファイトケミカルは、植物が紫外線・虫・乾燥・病原体などから自分の身を守るために作り出す成分です。 私たちが感じる野菜や果物の色、香り、苦味、渋味の中には、多くのファイトケミカルが含まれています。
たとえば、トマトの赤、にんじんのオレンジ、ブルーベリーの紫、緑茶の渋味、玉ねぎやにんにくの香りなども、植物が持つ個性の一部です。
薬膳では、食材を「栄養素のかたまり」としてだけでなく、色・香り・味・季節・体質との相性で考えます。 つまりファイトケミカルは、現代栄養学と薬膳をつなぐ大切なキーワードです。
ファイトケミカルが注目される理由
ファイトケミカルは、抗酸化、炎症、腸内細菌、生活習慣との関係など、さまざまな分野で研究が進められています。 ただし、ここで大切なのは「ファイトケミカルだけを摂れば病気を防げる」という考え方ではありません。
健康づくりでは、野菜・果物・豆類・海藻・きのこ・全粒穀物などを含む食事パターン全体が大切です。 ほどよい堂では、ファイトケミカルを次の3つの土台に分けて考えます。
1. 栄養
細胞は食べたものでしか作られません。タンパク質、良質な脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、ファイトケミカルを毎日の食事で補います。
2. 循環
血が巡ることで、栄養・酸素・いのちが全身へ届きます。薬膳では、気血水の巡りを整えることを大切にします。
3. 吸収=腸活
食べるだけでなく、吸収できる腸を育てることが大切です。食物繊維、発酵食品、よく噛む習慣が脾=消化吸収を助けます。
4. 体質に合わせる
同じ野菜でも、冷えやすい方、胃腸が弱い方、ほてりやすい方では合う食べ方が変わります。薬膳では体質に合わせて選びます。
代表的なファイトケミカルの種類と多い食べ物
ファイトケミカルは単独で覚えるより、まずは「色で選ぶ」と続けやすくなります。 赤・黄・緑・白・黒・紫を意識すると、自然に食材の幅が広がります。
| 種類 | 多い食べ物 | 薬膳的な見方 |
|---|---|---|
| ポリフェノール | ブルーベリー、ぶどう、緑茶、カカオ、大豆、黒豆 | 巡りを整えたい方、目の疲れが気になる方、年齢に応じた健康維持を意識したい方に。 |
| カロテノイド | にんじん、かぼちゃ、トマト、赤ピーマン、ほうれん草、小松菜 | 皮膚・粘膜・目の健康を支えたい方に。油と一緒に摂ると吸収されやすい成分もあります。 |
| 含硫化合物 | にんにく、玉ねぎ、ねぎ、大根、キャベツ、ブロッコリー | 香りで気を巡らせ、代謝や食欲を支えたい方に。胃腸が弱い方は加熱して少量から。 |
| テルペン類 | 柑橘類、しそ、フェンネル、ハーブ類、香味野菜 | ストレスで胸やお腹が張りやすい気滞タイプに。香りを楽しむことも養生の一部です。 |
| クロロフィル・多糖類 | 緑葉野菜、海藻、きのこ、クロレラ | 腸、巡り、細胞の基礎栄養を整えたい方に。まるごと食品としての取り入れ方がおすすめです。 |
まず1つ変えるなら、毎日の味噌汁やスープに「きのこ・海藻・豆・緑黄色野菜」を足すこと。 ファイトケミカル、食物繊維、ミネラルを一緒に取り入れやすくなります。
ファイトケミカルは“単独”より“まるごと”で摂る
食品としての野菜や果物には、ファイトケミカルだけでなく、食物繊維、ビタミン、ミネラル、水分、香り、食感などが含まれています。 そのため、単一成分だけに注目するより、できるだけ食材をまるごと活かすことが大切です。
薬膳の考え方では、これは「一物全体」に近い考え方です。 皮、葉、芯、根、種に近い部分まで、無理のない範囲で活かすことで、食材が持つ多様な成分をいただきやすくなります。
一物全体とは?
一物全体とは、食材をできるだけ丸ごと活かす考え方です。 たとえば、大根は根だけでなく葉も、にんじんは皮に近い部分も、魚は骨やだしも活かすことで、食材全体の栄養をいただきやすくなります。
身土不二とは?
身土不二とは、その人が暮らす土地や季節に合ったものを食べる考え方です。 宮崎の温暖な気候、旬の野菜、地域の食文化を活かすことも、ほどよい堂が大切にしている養生の一つです。
薬膳で見るファイトケミカル|体質別の選び方
中医学では、同じ「野菜を食べる」でも、体質によって合いやすい食材や調理法が変わります。 ここでは、ファイトケミカルを薬膳の体質タイプに合わせて整理します。

薬膳では、食材の色・香り・味・季節・体質との相性を大切にします。
気虚タイプ:疲れやすい・食後眠い・胃腸が弱い
気虚とは、エネルギー不足タイプです。薬膳では、まず脾=消化吸収の土台を整えることを大切にします。
おすすめは、にんじん、かぼちゃ、山芋、豆類、味噌汁、野菜スープ。 冷たいサラダばかりより、温かく煮た食材の方が胃腸にやさしく続けやすいです。
血虚タイプ:顔色が気になる・目が疲れる・眠りが浅い
血虚とは、血の材料や潤いが不足しやすいタイプです。 おすすめは、ほうれん草、小松菜、黒豆、なつめ、クコの実、にんじん。
色の濃い野菜だけでなく、魚、肉、卵、大豆製品などのタンパク質も一緒に整えることが大切です。
気滞タイプ:ストレス・イライラ・胸やお腹の張り
気滞とは、気の巡りが滞るタイプです。 おすすめは、柑橘類の皮、しそ、三つ葉、フェンネル、玉ねぎ、ピーマン。
香りのある食材は、薬膳では気の巡りを助ける食材として使われます。 食事の香りを感じながら、ゆっくり噛んで食べることも大切です。
痰湿タイプ:むくみ・体が重い・甘いものが多い
痰湿とは、余分な水分や老廃物がたまりやすいタイプです。 おすすめは、海藻、きのこ、ごぼう、大根、豆類、雑穀。
甘い飲み物や菓子パンを完全に禁止するより、頻度を決めて、具だくさん味噌汁や野菜スープに置き換えるところから始めましょう。
陰虚タイプ:ほてり・乾燥・寝汗・口の渇き
陰虚とは、潤い不足タイプです。 おすすめは、白きくらげ、黒ごま、豆腐、梨、クコの実、ほうれん草。
辛いもの、アルコール、夜更かしが続くと乾燥感が強まりやすいため、潤いを補う食材と休養をセットで考えます。
瘀血タイプ:肩こり・冷えのぼせ・くすみ・巡りが気になる
瘀血とは、血の巡りが滞りやすいタイプです。 おすすめは、玉ねぎ、黒豆、青魚、しょうが、ねぎ、にんにく、黒酢を使った料理など。
ただし、薬を服用中の方や出血傾向がある方は、サプリメントや健康食品の自己判断での多用は避け、専門家に相談してください。
腸活との関係|ファイトケミカルは“腸”で活きる
ファイトケミカルを活かすには、腸内環境も大切です。 食物繊維は腸内細菌に利用され、短鎖脂肪酸などの産生にも関わると考えられています。
ほどよい堂では、腸活を次の3つの視点で考えます。
プロバイオティクス
善玉菌そのもの。発酵食品や乳酸菌などが代表です。
プレバイオティクス
善玉菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖。野菜、海藻、きのこ、豆類に多く含まれます。
バイオジェニックス
菌が作る有用成分や、発酵によって生まれる成分。発酵食品や発酵素材の価値に関わります。
腸のバリア
腸は吸収の場であり、からだを守る境界でもあります。食事、睡眠、ストレス、咀嚼習慣を整えることが大切です。
まずは「食べる量」より「吸収できる腸」を育てること。 1口30回を目安によく噛むことは、消化のスイッチを入れ、薬膳でいう脾の働きを助ける基本の養生です。
今日からできる3日・3週間・3ヶ月の続け方
からだは常に入れ替わっている動的なシステムです。 完璧を目指すより、3日・3週間・3ヶ月の時間軸で、少しずつ土台を整えていきましょう。
3日:まずは1杯の具だくさん味噌汁
きのこ、海藻、豆腐、ねぎ、にんじん、大根、ごぼうを入れて、毎日1杯から。 温かい汁物は胃腸にやさしく、続けやすい養生です。
3週間:色を5色そろえる
赤・黄・緑・白・黒を1日または1週間単位で意識します。 食材の色を増やすと、ファイトケミカルの種類も自然に広がります。
3ヶ月:体質の土台を整える
食事、睡眠、運動、休養、腸活を合わせて整えます。 「何を食べるか」だけでなく「吸収できるからだ」を育てる意識が大切です。
クロレラ・玄米酵素・大豆食品をどう考える?
カロリーは足りているのに、タンパク質、良質な脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、フィトケミカルが不足する状態は、 現代では「新型栄養失調」として注意したい状態です。
ほどよい堂では、毎日の食事を土台にしながら、必要に応じてクロレラ、玄米酵素、大豆食品などの 「まるごと食品」を取り入れる考え方をおすすめしています。
注意点|サプリだけに頼らず、食事の土台を整える
ファイトケミカルは、まず食品として野菜・果物・豆類・海藻・きのこなどから取り入れることが基本です。 高濃度の単一成分サプリを自己判断で多量に摂ることと、食品としてまるごと食べることは意味が異なります。
がん治療中の方、薬を服用中の方、妊娠中・授乳中の方、喫煙中または喫煙歴のある方は、 サプリメントや健康食品を始める前に、主治医・薬剤師へ相談してください。
サルベストロールについて相談したい方へ
サルベストロールは植物由来成分として知られていますが、健康食品であり、病気の治療を目的とするものではありません。 治療中の方、服薬中の方は、自己判断で始めず、必ず専門家へご相談ください。
ビタミン・ミネラルの不足が気になる方へ
食事の土台を整えたうえで、不足しやすい栄養素を補う考え方が基本です。 ほどよい堂では、体質や食生活を確認しながら、必要に応じて健康食品やサプリメントをご提案しています。
よくある質問
Q. ファイトケミカルはサプリで摂った方がよいですか?
基本は、野菜・果物・豆類・海藻・きのこなどの食品から摂ることをおすすめします。 単一成分を高濃度で摂るサプリは、体質や治療状況によって注意が必要です。
Q. 一番おすすめの食べ方は?
具だくさん味噌汁や野菜スープです。 加熱するとかさが減り、胃腸が弱い方でも取り入れやすくなります。 きのこ、海藻、豆、緑黄色野菜を入れると、ファイトケミカルと食物繊維を一緒に摂りやすくなります。
Q. 薬膳ではどう考えますか?
薬膳では、同じ野菜でも体質によって合いやすさが変わります。 冷えやすい方は温かい調理、ほてりやすい方は潤いを補う食材、むくみやすい方は海藻・きのこ・豆類を意識します。
Q. 野菜をたくさん食べれば健康食品は不要ですか?
まずは食事の土台が大切です。 ただし、食事が不規則な方、胃腸が弱い方、必要な栄養が不足しやすい方は、健康食品を「不足を補うもの」として活用する選択肢もあります。
Q. がん治療中でもファイトケミカルを意識してよいですか?
食事として野菜や果物を取り入れることは、栄養の土台づくりとして大切です。 ただし、治療中は食欲、消化力、薬との関係、血液検査値などによって注意点が変わるため、健康食品やサプリメントは主治医・薬剤師に相談してください。
漢方薬局ほどよい堂の相談サポート
ほどよい堂では、漢方薬だけでなく、薬膳、腸活、栄養、休養、生活習慣を含めて、今の体質を整理します。 「何を食べるとよいか分からない」「サプリや健康食品をどう選べばよいか不安」「胃腸が弱くて続かない」という方も、お気軽にご相談ください。
ほどよい堂の養生の3本柱
- 栄養:細胞は食べたものでしか作られない
- 循環:血が巡ると栄養・酸素・いのちが届く
- 吸収=腸活:食べるだけでなく、吸収できる腸を育てる
こんな方におすすめ
- 野菜不足や食生活の乱れが気になる
- 胃腸が弱く、栄養が吸収できているか不安
- 漢方・薬膳・腸活をまとめて相談したい
- 治療中や服薬中で健康食品選びに迷っている
まずは体質を知ることから
ファイトケミカルも薬膳も、いちばん大切なのは「自分の体質に合う形で続けること」です。 気になる症状や食生活を整理しながら、無理のない養生を一緒に考えます。
本記事は、漢方薬局ほどよい堂による健康情報です。食品・健康食品・サプリメントは疾病の診断、治療、予防を目的とするものではありません。 治療中の方、服薬中の方、妊娠中・授乳中の方、体調に不安がある方は、医師・薬剤師などの専門家へご相談ください。
監修者・免責事項
本記事の信頼性を高めるため、監修者情報と免責事項をまとめています。 体質の整理(中医学)と、現代の栄養学・生活習慣の視点を両輪で扱い、誠実な表現を心がけています。
Supervisor / Reviewer
監修者情報

監修:河邊 甲介(薬剤師/中医薬膳師/薬膳素材専門士/ペットフーディスト)
漢方薬局「ほどよい堂」代表
宮崎県川南町にて、漢方 × 薬膳 × 腸活のトリプルアプローチによる健康相談を行っています。 体質の言語化と、日常で“続く整え方”をセットでご提案しています。
- 栄養:細胞は“食べたものでしか作られない”
- 循環:巡りが整うと、酸素・栄養が届きやすくなる
- 吸収(腸活):食べるだけでなく“吸収できる腸”を育てる
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療・処方の代替ではありません。 症状が強い/長引く/不安が大きい場合は、医療機関・専門家へご相談ください。
- 体質・状態・既往歴により、最適な対処は異なります。
- 妊娠中・授乳中・服薬中・通院中の方は、自己判断での実施を避け、必ず確認してください。
- 記事内容は、予告なく更新・変更する場合があります。

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