腸活しても変わらない方へ|腸内細菌の分類と特徴を薬剤師が漢方・薬膳の視点で解説
漢方薬局ほどよい堂の腸活コラム
腸内細菌の分類と特徴|善玉菌・悪玉菌・日和見菌から“育てる腸活”まで薬剤師が解説
腸内細菌は、便通だけでなく、消化吸収、免疫、代謝、肌、疲れやすさ、メンタルのゆらぎにも関わると考えられています。
以前は「腸内細菌は100兆個」と表現されることが多くありましたが、近年では成人で約38兆個前後という推計も報告されています。大切なのは数そのものよりも、どんな菌が、どんなバランスで、どんな働きをしているかです。
中医学では、胃腸の消化吸収力を「脾=土」の働きとして考えます。土が整うと、食べたものから気・血・津液を生み出し、全身に栄養と潤いが巡りやすくなります。

この記事でわかること
- 腸内細菌の基本分類、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の違い
- 腸活で注目される短鎖脂肪酸、腸管バリア、食物繊維の考え方
- プロバイオティクス・プレバイオティクス・バイオジェニックスの違い
- 中医学で見る脾虚・痰湿・気滞タイプの腸活
- ほどよい堂が考える、栄養・循環・吸収を整える腸活習慣
目次
- 1 腸活をしているのに変化を感じにくい方へ
- 2 腸内細菌とは?腸の中にすむ“もう一つの臓器”
- 3 腸内細菌の基本分類|善玉菌・悪玉菌・日和見菌
- 4 最新の腸活は「菌を入れる」より「菌が働ける環境を育てる」
- 5 腸活アイテムを見直したい方へ
- 6 短鎖脂肪酸とは?腸活で注目される“腸内細菌の働き”
- 7 中医学で見る腸内環境の乱れ|脾虚・痰湿・気滞タイプ
- 8 漢方薬を少量から試したい方へ
- 9 今日から始める腸活養生|まずは“毎日の定番”を決める
- 10 腸活・栄養補給・巡りをまとめて整えたい方へ
- 11 腸活の変化は「3日・3週間・3ヶ月」で考える
- 12 腸活セルフチェック
- 13 自分の腸タイプを確認したい方へ
- 14 よくある質問
- 15 腸活におすすめの関連ページ
- 16 まとめ|腸内細菌を整えることは“土台を育てる”こと
- 17 監修者・免責事項
腸活をしているのに変化を感じにくい方へ
便秘、下痢、お腹の張り、疲れやすさ、肌荒れ、冷え、むくみなどは、腸内細菌だけでなく、体質そのもののバランスが関係している場合があります。
ほどよい堂では、薬剤師が漢方・薬膳・腸活の視点から、あなたの体質に合わせた整え方をご提案しています。
腸内細菌とは?腸の中にすむ“もう一つの臓器”
腸内細菌とは、主に大腸を中心にすんでいる多様な微生物の集まりです。この集まりは腸内フローラ、または腸内細菌叢と呼ばれます。
腸内細菌は、食物繊維などを利用して短鎖脂肪酸を作ったり、腸内環境を弱酸性に保ったり、腸のバリア機能や免疫の働きに関わったりします。
ポイント
腸活は「乳酸菌を摂ること」だけではありません。腸内細菌が働きやすいように、食事・睡眠・運動・ストレスケア・胃腸の消化吸収力を整えることが大切です。
腸内細菌の基本分類|善玉菌・悪玉菌・日和見菌
腸内細菌は、一般的に善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3つに分けて説明されます。ただし、実際の腸内環境はもっと複雑で、多様な菌がバランスを取りながら存在しています。
| 分類 | 特徴 | 代表的な菌・働き |
|---|---|---|
| 善玉菌 | 腸内環境を整える方向に働く菌。腸内を酸性に保ち、悪玉菌が増えすぎにくい環境づくりに関わります。 | ビフィズス菌、乳酸菌、酪酸産生菌など |
| 悪玉菌 | 増えすぎると腐敗産物や有害物質の産生に関わり、便やお腹の不快感につながりやすいと考えられています。 | 一部のウェルシュ菌、大腸菌群など |
| 日和見菌 | 腸内環境によって働きが変わる菌。食生活の乱れ、ストレス、睡眠不足などで悪玉菌側に傾きやすくなります。 | バクテロイデス属など |
善玉菌|腸内環境を整える味方
善玉菌は、腸内を酸性に保ち、悪玉菌が増えすぎにくい環境づくりに関わります。代表的なものに、ビフィズス菌、乳酸菌、酪酸産生菌などがあります。
悪玉菌|増えすぎると腸内環境を乱しやすい菌
悪玉菌は、すべてをゼロにすればよいわけではありません。腸内細菌は多様な生態系なので、問題は特定の菌が増えすぎてバランスが崩れることです。
日和見菌|腸内環境によって働きが変わる菌
日和見菌は、腸内環境が整っている時にはおとなしく、食生活の乱れ・ストレス・睡眠不足・便秘などが続くと悪玉菌側に傾きやすくなります。
最新の腸活は「菌を入れる」より「菌が働ける環境を育てる」
以前の腸活は、乳酸菌やビフィズス菌を摂ることが中心でした。もちろんプロバイオティクスは大切ですが、それだけでは不十分な場合もあります。
今の腸活では、プロバイオティクス・プレバイオティクス・バイオジェニックスを三位一体で考えることが大切です。
| 腸活の視点 | 意味 | 食材・素材例 |
|---|---|---|
| プロバイオティクス | 健康維持に役立つと考えられる生きた有用菌 | ヨーグルト、発酵食品、乳酸菌、ビフィズス菌など |
| プレバイオティクス | 善玉菌のエサになる成分 | 食物繊維、オリゴ糖、海藻、きのこ、豆類、野菜など |
| バイオジェニックス | 菌体成分や発酵代謝物など、菌が関わる有用成分 | 乳酸菌生産物質、発酵由来成分、不活化菌体成分など |
ほどよい堂の腸活の考え方
腸活は「菌を入れる」だけでなく、菌が働きやすい腸内環境を育てること。さらに、食べたものを吸収できる胃腸、栄養が巡る血流、休めるからだを整えることが大切です。
腸活アイテムを見直したい方へ
乳酸菌、食物繊維、発酵食品、クロレラ、玄米×麴など、腸活にはさまざまな選択肢があります。体質に合ったものを選ぶことが、続けやすさにつながります。
短鎖脂肪酸とは?腸活で注目される“腸内細菌の働き”
短鎖脂肪酸とは、腸内細菌が食物繊維などを発酵することで作る成分です。代表的なものに、酢酸・酪酸・プロピオン酸があります。
短鎖脂肪酸は、腸内を弱酸性に保つ、腸粘膜のエネルギー源になる、腸管バリアや代謝に関わるなど、さまざまな働きが研究されています。
つまり、腸活では「乳酸菌を摂る」だけでなく、「短鎖脂肪酸を作りやすい食事をする」ことが大切です。

短鎖脂肪酸を意識した食材
| 食材 | 腸活でのポイント | 中医学的な見方 |
|---|---|---|
| 海藻 | 水溶性食物繊維を含み、腸内細菌のエサになりやすい食材です。 | 余分なものを流し、巡りを助けるイメージで使いやすい素材です。 |
| きのこ | 食物繊維やβグルカンを含み、毎日の汁物にも取り入れやすい食材です。 | 胃腸に負担をかけにくく、土台づくりに使いやすい素材です。 |
| 豆類 | 植物性タンパク質と食物繊維を一緒に摂りやすい食材です。 | 気血をつくる材料として、日々の養生に取り入れやすい食材です。 |
| 味噌汁 | 発酵食品と温かい汁物を同時に取り入れやすい定番です。 | 温かい汁物は脾を助け、消化のスイッチを入れやすくします。 |
| 野菜スープ | 胃腸が弱い方でも、加熱することで食物繊維を取り入れやすくなります。 | 冷えや脾虚がある方には、生野菜より温かい形がおすすめです。 |
中医学で見る腸内環境の乱れ|脾虚・痰湿・気滞タイプ
腸内環境の乱れは、現代医学では便通、炎症、腸管バリア、免疫、代謝の視点で考えます。中医学では、主に脾・肝・腎と気血水の乱れとして整理します。
脾虚タイプ|食べても吸収できない
脾虚=消化吸収力が弱いタイプです。食後に眠い、軟便・下痢しやすい、疲れやすい、甘いものが欲しい方に多く見られます。
養生では、冷たい飲み物を減らし、温かい味噌汁や野菜スープを増やし、食物繊維は急に増やしすぎないことが大切です。
漢方では、胃腸虚弱・食欲不振・胃もたれなどの脾胃気虚に用いる六君子湯、疲れやすく気が不足して下がるような証に用いる補中益気湯などを検討することがあります。
痰湿タイプ|重だるく、巡りが滞る
痰湿=余分な水分・老廃物がたまりやすいタイプです。体が重い、むくみやすい、舌の苔が厚い、甘い飲み物が多い方に見られます。
養生では、甘い飲み物を水・お茶・薄い味噌汁に置き換え、夜遅い食事を控え、軽い散歩で巡りを作ることが大切です。
漢方では、痰湿が多く胃もたれ・吐き気・痰・重だるさがある証に用いる二陳湯、胃腸に湿がたまりやすい証に用いる平胃散などを検討することがあります。
気滞タイプ|ストレスでお腹が張る
気滞=気の巡りが滞るタイプです。お腹が張る、便秘と下痢を繰り返す、喉のつかえ、ため息、イライラなどが目安になります。
養生では、陳皮・しそ・柑橘など香りのある食材、深呼吸、食事中のスマホを控えること、夕方の軽い散歩がおすすめです。
漢方では、喉のつかえや緊張、胃腸の不快感など気滞と痰が絡む証に用いる半夏厚朴湯、ストレスで気の巡りが滞る証に用いる四逆散などを検討することがあります。
漢方薬を少量から試したい方へ
ほどよい堂では、体質やお悩みに合わせて、漢方薬を1包からお試しいただける相談導線もご用意しています。
今日から始める腸活養生|まずは“毎日の定番”を決める
腸活は、特別なサプリを足す前に、毎日の食事の土台を整えることが大切です。まず1つ変えるなら、毎日1杯の味噌汁または野菜スープがおすすめです。
ほどよい堂の腸活3本柱
| 3本柱 | 考え方 | 今日からできること |
|---|---|---|
| 栄養 | 細胞は食べたものでしか作られません。カロリーだけでなく、タンパク質・良質脂質・ビタミン・ミネラル・食物繊維・フィトケミカルを意識します。 | 味噌汁に豆腐、きのこ、海藻を入れる |
| 循環 | 血が巡ると、栄養・酸素・いのちが全身に届きやすくなります。 | 食後に5〜10分歩く、湯船に浸かる |
| 吸収=腸活 | 食べるだけでなく、吸収できる腸を育てることが大切です。 | よく噛む、冷たい飲み物を減らす |
噛むことも腸活|1口30回が消化のスイッチ
腸活というと乳酸菌や食物繊維に目が向きますが、実はよく噛むことも大切です。よく噛むことで唾液が出て、胃腸が消化の準備をしやすくなります。
- 最初の一口だけ30回噛む
- 汁物を先に飲んで胃腸を温める
- スマホを見ながら食べない
- 早食いの日は食物繊維を急に増やしすぎない
- 甘い飲み物は、水・お茶・薄い味噌汁へ少しずつ置き換える
クロレラを腸活にどう位置づけるか
クロレラ、とくにバイオリンクは、ほどよい堂では“緑のまるごと食品・細胞の基礎食”として位置づけています。
腸活は菌だけでなく、腸粘膜・血液・肝臓・代謝・栄養状態とも関わります。バイオリンクは、タンパク質、クロロフィル、ビタミン・ミネラル、食物繊維、多糖体などを含む食品として、つくる/守る/巡らすを支える選択肢の一つです。

腸活・栄養補給・巡りをまとめて整えたい方へ
食物繊維や発酵食品だけで変化を感じにくい方は、栄養の土台づくりも大切です。クロレラ、玄米×麴、大豆食品など、体質に合わせて選びましょう。
腸活の変化は「3日・3週間・3ヶ月」で考える
腸活は1日で完成するものではありません。からだは常に入れ替わっている動的平衡のシステムです。焦らず、段階的に変化を見ていきましょう。
| 期間 | 見直しの目安 | チェックしたいこと |
|---|---|---|
| 3日 | 体感の変化 | 便通、お腹の張り、食後の重さ、眠気 |
| 3週間 | 習慣の変化 | 味覚、甘い飲み物の頻度、よく噛む習慣、朝食の内容 |
| 3ヶ月 | 体質の土台の変化 | 疲れやすさ、肌、冷え、むくみ、巡り、気分の安定感 |
腸活セルフチェック
以下に当てはまる方は、腸内細菌だけでなく、脾・肝・腎のバランスも見直してみましょう。
- 便秘・下痢を繰り返す
- お腹が張りやすい
- 食後に眠くなる
- 甘いものがやめられない
- 肌荒れしやすい
- 疲れが抜けにくい
- 冷えやむくみがある
- ストレスで胃腸に出やすい
- 口臭や便臭が気になる
- 食物繊維を増やすと逆にお腹が張る
自分の腸タイプを確認したい方へ
まずはセルフチェックで、今の腸と体質の傾向を確認してみましょう。結果をもとに、LINEで相談していただくとスムーズです。
よくある質問
Q. 腸内細菌は善玉菌が多ければ多いほど良いですか?
A. 善玉菌は大切ですが、腸内環境は多様な菌のバランスで成り立っています。特定の菌だけを増やすより、食物繊維・発酵食品・睡眠・運動を含めて、菌が働きやすい環境を整えることが大切です。
Q. ヨーグルトを食べていれば腸活になりますか?
A. ヨーグルトは腸活の一つですが、それだけでは不十分な場合もあります。乳酸菌などのプロバイオティクスに加えて、菌のエサになる食物繊維やオリゴ糖、海藻・きのこ・豆類などのプレバイオティクスも意識しましょう。
Q. 食物繊維を増やすとお腹が張ります。どうしたらいいですか?
A. 脾虚タイプや気滞タイプの方は、急に食物繊維を増やすとお腹が張ることがあります。生野菜よりも、味噌汁・野菜スープ・煮物など、温かくやわらかい形から始めるのがおすすめです。
Q. 漢方で腸内環境は整えられますか?
A. 漢方は腸内細菌そのものを直接増やすというより、消化吸収力、冷え、巡り、ストレス、余分な水分などを体質に合わせて整える考え方です。脾虚、気滞、痰湿、陽虚などのタイプを見立てて、食事や養生と組み合わせることが大切です。
Q. 腸活サプリや健康食品はどれを選べばいいですか?
A. 便秘タイプ、下痢タイプ、冷えタイプ、ストレスタイプ、疲労タイプなどで合うものが変わります。乳酸菌、食物繊維、クロレラ、玄米×麴、大豆食品、薬膳茶などを、体質に合わせて選ぶことが大切です。
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まとめ|腸内細菌を整えることは“土台を育てる”こと
腸内細菌は、善玉菌・悪玉菌・日和見菌のバランスだけでなく、食物繊維、短鎖脂肪酸、腸管バリア、消化吸収力、ストレス、睡眠、運動とも関わっています。
漢方では、胃腸は脾=土。土が整えば、気・血・津液が生まれ、全身に栄養と潤いが巡りやすくなります。
腸活で大切なのは、菌を入れることだけではなく、菌が働けるからだの土台を育てることです。
監修者・免責事項
本記事の信頼性を高めるため、監修者情報と免責事項をまとめています。 体質の整理(中医学)と、現代の栄養学・生活習慣の視点を両輪で扱い、誠実な表現を心がけています。
Supervisor / Reviewer
監修者情報

監修:河邊 甲介(薬剤師/中医薬膳師/薬膳素材専門士/ペットフーディスト)
漢方薬局「ほどよい堂」代表
宮崎県川南町にて、漢方 × 薬膳 × 腸活のトリプルアプローチによる健康相談を行っています。 体質の言語化と、日常で“続く整え方”をセットでご提案しています。
- 栄養:細胞は“食べたものでしか作られない”
- 循環:巡りが整うと、酸素・栄養が届きやすくなる
- 吸収(腸活):食べるだけでなく“吸収できる腸”を育てる
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