妊娠中の食事と漢方養生|薬剤師が体質に合わせてやさしく整える妊婦ケア
妊娠中の食事と漢方養生|補血・補気・補腎でママと赤ちゃんをやさしく支える薬膳ケア
妊娠中は「何を食べたらいいの?」「漢方や薬膳は取り入れても大丈夫?」「便秘や冷え、疲れやすさをどう整えたらいい?」と不安になりやすい時期です。
漢方薬局ほどよい堂では、妊娠中のからだを栄養・循環・吸収=腸活の3本柱で考えます。 現代栄養学の葉酸・鉄分・たんぱく質・食物繊維の視点に、中医学の補血・補気・補腎・健脾を重ね、毎日の食事と養生で無理なく整える方法をお伝えします。

目次
- 1 妊娠中のからだは「血・気・腎・脾」を整えることが大切
- 2 妊娠中の不調や食事の不安は、ひとりで抱え込まなくて大丈夫です
- 3 妊娠中に意識したい栄養素|現代栄養学と薬膳の視点
- 4 妊娠中の腸活|食べるだけでなく“吸収できる腸”へ
- 5 妊娠中に気をつけたい食品・飲み物
- 6 妊娠中の薬膳おやつ|罪悪感より“材料を見る”習慣を
- 7 妊娠中の漢方薬について|自己判断より“証”を確認
- 8 タイプ別|妊娠中に多い体質パターン
- 9 ほどよい堂の妊娠中サポート|栄養・循環・吸収の3本柱
- 10 まず今日からできる妊娠中の養生
- 11 妊娠中の食事・薬膳・漢方養生を、体質に合わせて一緒に考えます
- 12 よくある質問|妊娠中の食事・薬膳・漢方
- 13 参考情報
- 14 監修者・免責事項
妊娠中のからだは「血・気・腎・脾」を整えることが大切
妊娠中のからだは、お母さん自身の体調を守りながら、赤ちゃんの成長を支える材料も必要になります。 中医学では、妊娠期の養生を血を養う補血、気を補う補気、生命力の土台を支える補腎、消化吸収を整える健脾という視点で考えます。
補血|血と栄養を満たす
血虚=血や栄養の不足タイプでは、疲れやすい、顔色が冴えない、めまい、動悸、爪が弱い、眠りが浅いなどが出やすくなります。
妊娠中は、鉄・葉酸・たんぱく質・ビタミンB群などを意識し、赤身肉、魚、卵、大豆製品、小松菜、黒ごま、なつめ、黒豆などを無理なく取り入れましょう。
補気|毎日の元気を支える
気虚=エネルギー不足タイプでは、疲れやすい、食後に眠い、胃もたれ、息切れ、冷え、むくみなどが出やすくなります。
中医学では、食べたものから気血を作る中心を脾=胃腸の消化吸収力と考えます。食べるだけでなく、吸収できる胃腸を育てることが大切です。
補腎|妊娠期の土台を守る
腎虚=生命力・成長を支える土台の不足タイプでは、足腰のだるさ、冷え、頻尿、疲れが抜けにくいなどが出やすいと考えます。
黒豆、黒ごま、くるみ、山芋、海藻、魚介類などは、薬膳では腎を支える食材として親しまれています。
健脾|消化吸収を整える
脾虚=胃腸の働きが弱いタイプでは、食欲の波、胃もたれ、便秘や軟便、むくみ、だるさが出やすくなります。
温かい味噌汁、野菜スープ、よく噛む習慣、冷たい飲み物を控える工夫が、妊娠中の胃腸養生の基本になります。
妊娠中の不調や食事の不安は、ひとりで抱え込まなくて大丈夫です
妊娠中は、体質・週数・食欲・便通・冷え・睡眠・服薬状況によって、合う養生が変わります。 「自分には何が合うのか分からない」と感じる方は、薬剤師にLINEでご相談ください。
妊娠中に意識したい栄養素|現代栄養学と薬膳の視点
妊娠中は「カロリーは足りているのに、たんぱく質・鉄・葉酸・ビタミン・ミネラル・食物繊維が不足している」という状態にも注意したい時期です。 ほどよい堂では、これを新型栄養失調の視点からも考えます。
| 栄養素 | 現代栄養学の視点 | 中医学・薬膳の見方 | おすすめ食材 |
|---|---|---|---|
| 葉酸 | 妊娠前から妊娠初期に特に意識したい栄養素です。 | 血を作る材料を支える補血の視点。 | 緑黄色野菜、豆類、海藻、必要に応じてサプリメント |
| 鉄 | 妊娠中期以降に不足しやすく、貧血対策で重要です。 | 補血の中心。巡りや温かさにも関わります。 | 赤身肉、魚、あさり、大豆、小松菜、黒ごま |
| たんぱく質 | 赤ちゃんとお母さんのからだを作る材料です。 | 気血を作る土台。 | 肉、魚、卵、大豆製品、豆腐、納豆 |
| 食物繊維 | 便通や腸内環境を支えます。 | 脾胃を整え、気血水の巡りを助ける視点。 | 海藻、きのこ、豆、野菜、雑穀、オートミール |
| 良質な脂質 | 細胞膜やホルモンの材料になります。 | 陰=潤いを支える視点。 | 青魚、くるみ、えごま油、亜麻仁油 |
| カルシウム・ビタミンD | 骨や歯の健康を支えます。 | 腎の土台を支える視点。 | 小魚、大豆製品、乳製品、きのこ類 |
※サプリメントや健康食品は、摂れば摂るほど良いものではありません。妊娠中は、産婦人科の方針や現在の服薬状況も確認しながら、必要量を守って活用することが大切です。
妊娠中の腸活|食べるだけでなく“吸収できる腸”へ
妊娠中は便秘、胃もたれ、ガス、食欲の波など、胃腸の変化が起こりやすい時期です。 中医学では胃腸を脾=土の働きとして考えます。土が整うと、食べたものから気血水が作られ、全身へ巡りやすくなると考えます。
プロバイオティクス|善玉菌そのもの
味噌、ぬか漬け、ヨーグルトなど。体質や胃腸の状態に合わせて、無理なく取り入れます。
プレバイオティクス|善玉菌のエサ
海藻、きのこ、豆、野菜、雑穀など。発酵性食物繊維を毎日の食事に少しずつ足します。
バイオジェニックス|菌が作る有用成分
発酵食品や発酵由来成分など。腸内環境を支える一つの考え方として取り入れます。
まずは、毎日1杯の具だくさん味噌汁や野菜スープがおすすめです。 豆腐、わかめ、きのこ、根菜を入れるだけで、たんぱく質・ミネラル・食物繊維をまとめて摂りやすくなります。

妊娠中に気をつけたい食品・飲み物
妊娠中の食事は、怖がりすぎる必要はありません。ただし、赤ちゃんへの影響を考えて、量・頻度・種類に気をつけたい食品があります。 「完全に禁止」よりも、安心できる置き換えを用意しておくと続けやすくなります。
カフェインは“ゼロ”より“量を決める”
コーヒーや紅茶を完全に禁止する必要はありませんが、妊娠中はカフェインの摂りすぎに注意が必要です。 コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンク、チョコレートなど、複数から重なっていないか確認しましょう。
置き換え候補としては、ルイボスティー、黒豆茶、玄米由来のノンカフェイン飲料、白湯、薄い味噌汁などが使いやすいです。
魚は大切。ただし種類と量のバランスを
魚はたんぱく質や良質な脂質を含む大切な食品です。一方で、一部の大型魚は水銀の注意が必要なため、同じ魚ばかりに偏らず、種類を分散させることが大切です。
不安な場合は、妊婦向けの公的資料や産婦人科の指導を確認しながら選びましょう。
甘い飲み物は“飲む甘さ”から“噛む甘さ”へ
妊娠中は疲れやすく、甘い飲み物が欲しくなることもあります。 完全NGにするよりも、頻度を決める、量を小さくする、甘味は果物やなつめなど“噛んで食べる形”にする方が現実的です。
生もの・加熱不足の食品は安全側で判断
妊娠中は食中毒を避けるため、肉や魚介類、卵などは十分に加熱したものを選ぶと安心です。 チーズや加工食品も、表示や保存状態を確認しましょう。
妊娠中の薬膳おやつ|罪悪感より“材料を見る”習慣を
妊娠中のおやつは、我慢しすぎるよりも「何でできているか」を見ることが大切です。 薬膳では、甘味は脾を助ける味とされますが、砂糖が多すぎると湿=余分な水分や重だるさを生みやすいと考えます。
おすすめしやすい素材
- 黒豆、黒ごま、くるみ
- なつめ、桑の実、竜眼肉
- さつまいも、小豆、きなこ
- 寒天、果物、蒸し野菜
選び方のポイント
- 甘さを足すより、素材の甘みを活かす
- 飲み物の甘さより、噛んで食べる甘さへ
- たんぱく質や食物繊維も一緒に摂る
- 空腹で甘いものだけを食べすぎない
妊娠中の漢方薬について|自己判断より“証”を確認
妊娠中でも漢方薬が使われる場面はありますが、すべての漢方薬が誰にでも合うわけではありません。 大切なのは、症状名だけで選ぶのではなく、今の体質である証を確認することです。
証を組み立てる
冷え・疲れ・便通・食欲・睡眠・むくみ・ストレス・妊娠週数などを確認します。
背景を説明する
血虚、気虚、腎虚、脾虚、気滞、瘀血など、どのタイプが中心かを整理します。
治則・養生を決める
補血、補気、補腎、健脾、理気など、食事・薬膳・生活養生・必要時の漢方相談につなげます。
※妊娠中に漢方薬を使う場合は、産婦人科の方針、服薬中のお薬、妊娠週数を確認しながら、医師・薬剤師など専門家に相談してください。
タイプ別|妊娠中に多い体質パターン
同じ「妊娠中の不調」でも、体質によって整え方は変わります。ここでは代表的なパターンを簡単に整理します。
血虚タイプ|ふらつき・顔色・爪・眠りが気になる
血虚は、血や栄養が不足しやすいタイプです。補血を意識し、鉄・葉酸・たんぱく質を食事からしっかり補います。 赤身肉、魚、卵、大豆製品、黒ごま、なつめ、小松菜などがおすすめです。
気虚タイプ|疲れやすい・胃もたれ・食後に眠い
気虚は、エネルギー不足タイプです。食べたものを気血に変える脾胃を守ることが大切です。 冷たい飲み物を控え、具だくさん味噌汁、野菜スープ、やわらかく炊いたご飯を意識しましょう。
腎虚タイプ|冷え・足腰のだるさ・疲れが抜けにくい
腎虚は、生命力や成長を支える土台が弱りやすいタイプです。 黒豆、黒ごま、くるみ、山芋、海藻、魚介類などを日々の食事に取り入れます。
気滞タイプ|イライラ・張り・ストレス食いがある
気滞は、気の巡りが滞りやすいタイプです。深呼吸、軽い散歩、香りのよい柑橘類、温かいお茶などで、巡りを助けます。 ストレスを我慢しすぎず、相談できる環境を作ることも養生です。

ほどよい堂の妊娠中サポート|栄養・循環・吸収の3本柱
漢方薬局ほどよい堂では、妊娠中の養生を「栄養」「循環」「吸収=腸活」の3つに分けて整理します。
1. 栄養|細胞は食べたものでしか作られない
葉酸・鉄・たんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維を、毎日の食事の中で無理なく整えます。 サプリメントや健康食品は、必要性と体質に合わせて選ぶことが大切です。
玄米×麹 クロレラ 大豆食品 ワカサプリ
2. 循環|血が巡ると栄養・酸素・いのちが届く
冷え、肩こり、睡眠不足、ストレス、運動不足などは、巡りを妨げる要因になります。 温める、呼吸を整える、軽く歩く、睡眠を整えるなど、小さな習慣から始めましょう。
3. 吸収=腸活|食べるだけでなく“吸収できる腸”を育てる
胃腸は中医学でいう脾=土の働きです。土が整えば、全身の気血水が巡りやすくなります。 味噌汁、野菜スープ、海藻、きのこ、豆類を毎日の定番にしましょう。
まず今日からできる妊娠中の養生
体質は一度で変わるものではありません。ほどよい堂では、からだを動的に入れ替わるシステムとして考え、 3日・3週間・3ヶ月の時間軸で整えることをおすすめしています。
| 期間 | 目標 | 具体策 |
|---|---|---|
| 3日 | 胃腸を楽にする | よく噛む、温かい汁物を足す、甘い飲み物を減らす、白湯やお茶に置き換える |
| 3週間 | 習慣を整える | 朝食にたんぱく質、毎日味噌汁、便通リズムを観察、冷たい飲み物を控える |
| 3ヶ月 | 体質の土台を作る | 栄養・循環・腸活をセットで継続し、自分に合う養生を生活に定着させる |
妊娠中の食事・薬膳・漢方養生を、体質に合わせて一緒に考えます
妊娠中の不安は、ひとりで抱え込まずにご相談ください。 漢方薬局ほどよい堂では、薬剤師・中医薬膳師が、食事・薬膳・腸活・漢方の視点から、今の体質に合った無理のない整え方をご提案します。
よくある質問|妊娠中の食事・薬膳・漢方
妊娠中に薬膳茶を飲んでも大丈夫ですか?
食品として一般的に使われる素材でも、妊娠中は体質や妊娠週数によって合う・合わないがあります。 妊娠中は、強く巡らせる素材や刺激の強い素材を自己判断で多用せず、専門家に確認しながら選ぶと安心です。
妊娠中の便秘には何から始めればいいですか?
まずは、水分、食物繊維、温かい汁物、軽い運動、睡眠リズムを確認しましょう。 薬膳では、海藻・きのこ・豆類・根菜を入れた味噌汁や野菜スープが取り入れやすいです。
妊娠中のカフェインは完全にやめるべきですか?
完全にゼロにしなければならないわけではありませんが、摂りすぎには注意が必要です。 コーヒー、紅茶、緑茶、チョコレート、エナジードリンクなどから重なって摂っていないか確認し、ルイボスティーや黒豆茶、白湯などに置き換える方法もあります。
妊娠中に漢方薬を飲んでも大丈夫ですか?
妊娠中でも漢方薬が使われる場面はありますが、自己判断はおすすめしません。 妊娠週数、産婦人科での治療方針、服薬中のお薬、体質を確認したうえで、医師・薬剤師など専門家に相談してください。
参考情報
妊娠中の食事・栄養・食品安全については、公的機関の情報も確認しながら、体質に合わせて無理なく整えることが大切です。
本記事は、妊娠中の食事・薬膳・漢方養生に関する一般的な情報提供を目的としています。 体調不良、服薬中、妊娠経過に不安がある場合は、必ず産婦人科・主治医・薬剤師にご相談ください。
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監修者・免責事項
本記事の信頼性を高めるため、監修者情報と免責事項をまとめています。 体質の整理(中医学)と、現代の栄養学・生活習慣の視点を両輪で扱い、誠実な表現を心がけています。
Supervisor / Reviewer
監修者情報

監修:河邊 甲介(薬剤師/中医薬膳師/薬膳素材専門士/ペットフーディスト)
漢方薬局「ほどよい堂」代表
宮崎県川南町にて、漢方 × 薬膳 × 腸活のトリプルアプローチによる健康相談を行っています。 体質の言語化と、日常で“続く整え方”をセットでご提案しています。
- 栄養:細胞は“食べたものでしか作られない”
- 循環:巡りが整うと、酸素・栄養が届きやすくなる
- 吸収(腸活):食べるだけでなく“吸収できる腸”を育てる
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療・処方の代替ではありません。 症状が強い/長引く/不安が大きい場合は、医療機関・専門家へご相談ください。
- 体質・状態・既往歴により、最適な対処は異なります。
- 妊娠中・授乳中・服薬中・通院中の方は、自己判断での実施を避け、必ず確認してください。
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