中医学の補益類とは?疲れ・冷え・乾燥に体質別で選ぶ薬膳養生ガイド
中医学の「補益類」とは、からだに不足した気・血・陰・陽を補い、日々の元気や巡り、潤い、温める力を支える食薬の分類です。 ただし、体質に合わない補い方は、胃もたれ・重だるさ・のぼせにつながることもあります。
漢方薬局ほどよい堂では、漢方・薬膳・腸活の視点から、まず「脾=土」、つまり消化吸収の土台を整えることを大切にしています。
目次
中医学の「補益類」とは?
補益類とは、からだに不足したものを補う食薬のグループです。 中医学では、私たちのからだは「気・血・津液」、そして「陰陽」のバランスによって保たれていると考えます。
疲れやすい、顔色がすぐれない、乾燥しやすい、冷えやすいなどの不調は、単なる年齢や体力の問題だけでなく、 気血水の不足や巡りの乱れが背景にあることがあります。
補益類は4タイプに分けて考える
| 分類 | 体質イメージ | 代表的な食材 |
|---|---|---|
| 補気類 | 気虚=元気不足タイプ | 山薬、大棗、米、かぼちゃ、鶏肉 |
| 補血類 | 血虚=栄養・血の不足タイプ | 黒ごま、にんじん、なつめ、枸杞子 |
| 滋陰類 | 陰虚=潤い不足タイプ | 白きくらげ、黒豆、梨、百合根 |
| 補陽類 | 陽虚=温める力不足タイプ | くるみ、えび、にら、シナモン |

補気類|疲れやすい・胃腸が弱い方に
補気類は、からだを動かすエネルギーである「気」を補う食薬です。 気虚とは、元気を作る力や巡らせる力が弱っている状態を指します。
朝から疲れやすい、食後に眠くなる、声に力がない、便がゆるい、胃腸が弱い方は、補気の養生が合うことがあります。 ただし、甘いものや濃厚な補い方を増やす前に、温かい汁物とよく噛む食事で脾を助けることが大切です。
補血類|顔色・髪・爪・眠りが気になる方に
補血類は、血を補い、肌・髪・爪・眠り・女性のリズムを支える考え方です。 血虚とは、血の量や質、栄養の届き方が不足しているタイプです。
顔色が青白い、髪や爪が弱い、眠りが浅い、目が疲れやすい、立ちくらみしやすい方は、血を養う食事を意識すると整えやすくなります。 たんぱく質、鉄、ビタミンB群、ミネラルも現代栄養学の視点では大切です。
滋陰類|乾燥・ほてり・潤い不足が気になる方に
滋陰類は、からだの潤いを補う食薬です。 陰虚とは、体内の水分や潤い、クールダウンする力が不足している状態を指します。
口や喉の乾き、肌の乾燥、寝汗、ほてり、空咳、目の乾きが気になる方は、潤いを補う薬膳が合うことがあります。 白きくらげ、黒豆、梨、百合根などを、季節や体調に合わせて取り入れるのがおすすめです。
補陽類|冷え・腰のだるさ・温める力不足に
補陽類は、からだを温める力を支える食薬です。 陽虚とは、冷えやすく、代謝や活動力が落ちやすいタイプです。
手足の冷え、寒がり、腰や膝のだるさ、朝がつらい、むくみやすい方は、温める養生が合うことがあります。 ただし、のぼせや炎症感がある方は温めすぎに注意が必要です。
体質別に見る|補益類の選び方
気虚タイプ|疲れやすい・胃腸が弱い
気虚は、元気を作る力が不足しやすいタイプです。 まずは温かい味噌汁、野菜スープ、米、山薬、大棗などで脾を助ける食事を意識しましょう。
血虚タイプ|顔色・髪・爪・眠りが気になる
血虚は、血や栄養の不足が背景にあるタイプです。 黒ごま、にんじん、なつめ、枸杞子、たんぱく質を意識し、夜更かしを控えることも大切です。
陰虚タイプ|乾燥・ほてり・潤い不足
陰虚は、潤い不足タイプです。 白きくらげ、黒豆、梨、百合根などを取り入れ、辛いもの・お酒・夜更かしを控えめにしましょう。
陽虚タイプ|冷え・寒がり・温める力不足
陽虚は、温める力が弱いタイプです。 冷たい飲食を控え、くるみ、えび、にら、シナモンなどを体調に合わせて取り入れます。
補えばよいとは限らない|痰湿・湿熱タイプは注意
体が重い、胃もたれしやすい、舌苔が厚い、むくみやすい方は、痰湿=余分な水分や老廃物がたまりやすいタイプかもしれません。 この場合、甘味の強い補益食材を増やすより、まず消化を助け、巡りを整えることが大切です。
また、口の苦み、のぼせ、ニキビ、イライラ、脂っこい食事が多い方は、湿熱=余分な熱と湿がこもるタイプの可能性があります。 この場合は、補う前に食生活や睡眠、飲み物の見直しから始めましょう。
ほどよい堂式|補益の3本柱
① 栄養|細胞は食べたものでしか作られない
たんぱく質、良質な脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、フィトケミカルを不足させないことが、体質づくりの基本です。 カロリーは足りていても栄養が不足する「新型栄養失調」にも注意しましょう。
② 循環|血が巡ると栄養・酸素が届く
血の巡りが整うと、食べた栄養が全身に届きやすくなります。 軽い散歩、深呼吸、入浴、ストレッチなど、無理のない巡りケアを毎日に取り入れましょう。
③ 吸収=腸活|食べるだけでなく吸収できる腸へ
腸は、現代栄養学でも中医学でも大切な土台です。 発酵性食物繊維、海藻、きのこ、豆類、味噌汁、野菜スープを毎日の定番にしましょう。

今日からできる補益薬膳のはじめ方
まず1つ変えるなら、温かい汁物を毎日1回加えることです。 味噌汁や野菜スープに、きのこ、海藻、豆、根菜を入れるだけでも、脾を助ける食事に近づきます。
さらに、1口30回を目安によく噛むことで、消化のスイッチが入りやすくなります。 補益は「高価なものを足す」ことだけではなく、毎日の食べ方を整えることから始まります。
気虚・血虚・陰虚・陽虚のどれに当てはまるか、また痰湿・湿熱が隠れていないかは、体質全体を見て判断することが大切です。
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補益類は毎日摂ってもよいですか?
食材として無理のない範囲で取り入れることはできますが、体質に合わない補い方は胃もたれや重だるさにつながることがあります。 まずは少量から、体調を見ながら取り入れましょう。
疲れやすい人は補気類を選べばよいですか?
疲れやすさの背景には、気虚だけでなく、血虚、陰虚、気滞、痰湿などが関係することもあります。 食後の眠気や胃腸の弱さがある場合は、補気と同時に脾を整えることが大切です。
薬膳茶でも補益の考え方は使えますか?
はい。薬膳茶も、体質に合わせて素材を選ぶことで、日々の養生に取り入れやすくなります。 ほどよい堂では、体質に合わせたオーダーメイド薬膳茶もご用意しています。
監修者・免責事項
本記事の信頼性を高めるため、監修者情報と免責事項をまとめています。 体質の整理(中医学)と、現代の栄養学・生活習慣の視点を両輪で扱い、誠実な表現を心がけています。
Supervisor / Reviewer
監修者情報

監修:河邊 甲介(薬剤師/中医薬膳師/薬膳素材専門士/ペットフーディスト)
漢方薬局「ほどよい堂」代表
宮崎県川南町にて、漢方 × 薬膳 × 腸活のトリプルアプローチによる健康相談を行っています。 体質の言語化と、日常で“続く整え方”をセットでご提案しています。
- 栄養:細胞は“食べたものでしか作られない”
- 循環:巡りが整うと、酸素・栄養が届きやすくなる
- 吸収(腸活):食べるだけでなく“吸収できる腸”を育てる
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療・処方の代替ではありません。 症状が強い/長引く/不安が大きい場合は、医療機関・専門家へご相談ください。
- 体質・状態・既往歴により、最適な対処は異なります。
- 妊娠中・授乳中・服薬中・通院中の方は、自己判断での実施を避け、必ず確認してください。
- 記事内容は、予告なく更新・変更する場合があります。
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