腸活を東洋医学的に考えてみた!【五臓六腑と現代医療】

陰陽五行思想

五行相関図

現代医学×東洋医学

健康な未来への架け橋
東洋医学と現代医学の
インテグレーション

人間の免疫細胞の70%(小腸に50%、大腸に20%)が腸に集中していると言われています。

つまり、腸内環境を整えることで、私たちは多くの恩恵を受けることが出来るのです。

バランスの取れた腸内環境は消化や栄養吸収を助け、免疫機能を強化し、心身の健康にも良い影響を与えます。

また、健康な腸内環境は、炎症を軽減し、アレルギーや自己免疫疾患のリスクを低減させてくれます。

「腸脳相関」という言葉があるようにメンタルヘルスにも重要であり、腸内細菌が生み出すセロトニンの原料となるトリプトファンなど化学物質は心の健康に影響を与えます。※1

バランスの取れた腸内環境は、体全体の調和を保ち、健康な生活をサポートしてくれるのです。

今回は、「腸活」×「東洋医学」という視点でお話さていただきます。

バランスを重視する東洋医学とは

東洋医学は、中国や日本などの東アジア地域で発展した伝統的な医学体系です。

その根本には体のバランスやエネルギーの流れを重視し、自然療法や漢方薬、鍼灸、気功などの治療法を用います。

東洋医学では病気を体全体の不均衡と捉え、症状の根本原因を探求します。

治療には個々の状態に合わせた総合的なアプローチが特徴であり、食事、運動、精神的な側面も考慮されます。

近年、西洋医学との統合や相補的な利用が進み、健康維持や疾患治療の選択肢として広く受け入れられています。

東洋医学の基本概念とは【陰陽五行説】

東洋医学の基礎理論である陰陽五行説は、自然界のエネルギーを陰と陽の二つの要素に分類し、五つの要素(木、火、土、金、水)に関連付けています。

健康はこれらの要素のバランスに依存し、病気はその不均衡から生じると考えられます。

治療は、体の不調和を調整し、バランスを取り戻すことに焦点を当てます。

陰陽五行説は東洋医学の中核をなし、漢方薬、鍼灸、気功などの治療法に基づいて病気の治療や健康の維持に応用されます。

五行色体表を利用して、オーダーメイドの漢方的養生を実践!

五行色体表とは、五行(木・火・土・金・水)と万物の関係を表した表です。

それぞれの要素が五行のどれに当てはまるのか、どの臓腑(ぞうふ)と関係しているのかが分ります。

ここで、五行色体表からも五腑の「小腸」は五臓の「心」と関係が深く、五腑の「大腸」は五臓の「肺」と関係が深いことが分かります。

東洋医学の五臓六腑は、体内の臓器や器官を独自の概念で分類したもので、体の機能や健康に対する役割を理解するための基礎となります。

以下に、五臓と六腑の基本的な概念を説明します。

五臓(ごぞう)

  1. 肝(かん):血液の貯蔵や流れ、筋肉の調整、感情の安定などを担当します。ストレスや怒りが肝の機能に影響を与えると考えられます。
  2. 心(しん):五臓の中心に位置し、血液の循環や情緒の管理など、身体と心の活動を司るとされます。また、東洋医学では心は意識の中心でもあります。
  3. 脾(ひ):消化吸収や水代謝、筋肉の形成など、身体の栄養を維持する働きを持ちます。また、東洋医学では脾は思考や記憶の働きも担当するとされます。
  4. 肺(はい):呼吸や気の流れ、水分の代謝、皮膚の状態などを調整します。また、肺は人体に取り入れる「気」を管理するとされます。
  5. 腎(じん):体内の水分やホルモンのバランス、生殖機能などを管理し、生命の根源とされます。腎は体内の「気」を蓄える役割も担います。

漢方でいう「肝」とは

東洋医学における肝は、西洋医学の肝臓とは異なる概念です。

肝は、気の流れを通じて感情の調節や自律神経系を調整し、体全体の機能が順調に行われるように働きます。

肝は樹木に例えられ、大地の養分を吸い上げ、太陽のエネルギーを吸収して育ち、枝葉を伸ばし、広げる性質を持っています。

大地の養分は腎や脾が作り出す精に相当し、太陽のエネルギーは心の陽気に相当します。

肝は気血を体の隅々まで配り、外向きの力を提供します。

肝が提供する力は、発汗や排尿、射精時の外向きの力に関与し、肺や腎がその力に拮抗して調節します。

肝の機能には以下のようなものがあります。

  1. 疎泄を主る:体全体に気、血、津液を順調に巡らせる機能を担います。肝の疎泄機能が異常になると、気の流れが悪化し、気機不暢や気機鬱結などの症状が現れます。現代医療における自律神経系に相当します。
  2. 肝と脾胃:肝の疎泄機能は、脾胃の気の昇降を助けます。肝と脾の連携が乱れると、胃腸の不調や消化器系の問題が生じます。
  3. 情志(気持ち・情緒)を暢達する:肝の疎泄が正常に働くと、情緒が安定し、気持ちが晴れやかになります。肝の疎泄機能が低下すると、抑うつ状態や不安感が現れることがあります。
  4. 肝と排卵・射精:肝の疎泄機能は排卵や射精を調節します。肝の異常が排卵や射精に影響を与えることがあります。
  5. 血を蔵す:肝は血液の調節を行います。肝血の不足は、皮膚や毛髪の異常、睡眠障害などを引き起こす可能性があります。
  6. 筋をつかさどる:肝は筋肉の収縮と弛緩を調節します。肝血不足は、筋肉のけいれんやしびれ感を引き起こすことがあります。
  7. 爪の健康:「肝の華は爪にある」といわれ、肝の機能が良好な場合、爪は艶がありピンク色を呈しますが、肝血不足では爪の色や形が変化することがあります。
  8. 目に開竅する:肝は目の健康にも関わります。肝血が不足すると、目の乾燥や炎症が起こる可能性があります。

以上のように、東洋医学では肝が体内の様々な機能に影響を与えると考えられています。

肝の機能が正常であることは、全身の健康にとって重要です。

漢方でいう「心」とは

「心」に関する東洋医学の理解では、「心」は五行の「火」に属し、単に心臓の機能だけでなく、意識や精神活動、睡眠などにも影響を与えます。

西洋医学の心臓とは異なり、心は単なるポンプ役ではなく、脳の働きにも関連しています。

心の状態は舌の先にも反映され、舌診は体の状態を理解する上で重要です。

心と小腸の関係も重要であり、心の異常が小腸に影響を与えることがあります。

舌の状態や舌診を通じて、体内の不均衡や病気の兆候を推測することが可能です。

心の機能が異常になると、循環器症状や睡眠障害などが現れる他、舌にも異常が現れる場合があります。

舌診では舌の形や色、舌苔の性状、色などを観察し、体の状態を把握します。

舌の形や舌苔の状態が異常を示す場合、体内の不均衡や病気の兆候を示す可能性があります。

舌診は体の状態を把握する上で非常に重要な手がかりとなります。

舌診は東洋医学で体の状態を把握する重要な手段です。舌の形や色、舌苔の性状や色などを観察します。

舌の形には、「胖大」と「歯痕」などがあります。

胖大は舌がふくれている状態で、脾虚や痰湿、気虚を示すことがあります。

歯痕は舌の周りがガタガタしていて、脾虚や痰湿などを示します。舌が痩せて薄い場合は血虚や陰虚を示すことがあります。

舌の色には、淡い感じや白っぽい色が陽虚や気虚、血虚を示します。

正常な舌の色は「淡紅」で、赤味が強い場合は熱証や陰虚火旺を示すことがあります。

また、紫色は血の滞りである瘀血を示します。

舌苔は舌の表面に生えている白い苔で、体の状態によって変化します。

正常な舌苔は薄くて潤いがありますが、厚い苔は病邪の勢いが強いことを示します。

舌苔の異常としては、「じ苔」があり、これは陰液過剰状態や食積を示します。

舌診を通じて体の内側の状態を推測することができます。

舌の形や色、舌苔の状態が異常を示す場合、体内の不均衡や病気の兆候を示す可能性があります。

舌診は体の状態を把握する上で非常に重要な手がかりとなります。

漢方でいう「脾」とは

「脾」は東洋医学において、「土」の属性に分類され、消化吸収に関わる臓器の一つです。

西洋医学の脾臓とは異なり、単なる消化器官ではなく、さまざまな重要な機能を担っています。

  1. 栄養供給機能:「脾」は飲食物から体に必要な栄養素を分離し、全身の各組織に供給します。これにより、体内のエネルギーや栄養のバランスを維持します。また、この栄養素は気と結合して体全体に供給されます。
  2. 血の生成:「脾」は気だけでなく血も生成します。体内で必要な血液を生成し、全身に供給します。
  3. 統血機能:血液が血管外に漏れ出さないようにする機能も担います。
  4. 津液代謝:水分の吸収と排泄を促進し、体内の水分バランスを調整します。体の水分を適切に保つことで、健康を維持します。
  5. 筋肉への栄養供給:気血を産生することで、全身の筋肉に栄養を送り、手足の力を維持します。
  6. 昇性作用::気の昇性作用により、脾から肺に栄養素が送られます。脾気が不足すると胃下垂や内臓下垂などの問題が発生する可能性があります。

「脾」の通り道は口であり、脾の働きの異常が食欲や味覚に影響を与えることがあります。

そのため、脾の機能障害により、消化不良や胃腸の症状、気血不足の症状などが現れることがあります。

「脾」は肝との関係も重要であり、ストレスなどによって肝気が阻害されると、脾の働きが低下し、消化機能や体力の低下につながる可能性があります。

「脾」は生命力の補充や栄養素の供給に重要な臓器であり、「後天の本」として位置付けられます。

適切な食生活や生活習慣を保つことで、「脾」に負担をかけず、健康を維持することが重要です。

漢方でいう「肺」とは

「肺」は生命力を補充する重要な臓器で、五行の「金」に属します。

呼吸を通じて「清気」を体に取り入れ、「濁気」を排出する役割を持ちます。

これは西洋医学の呼吸機能に類似していますが、東洋医学では津液の散布や皮膚の調節、外邪からの防御なども担っています。

そのため、呼吸機能だけでなく水分代謝や皮膚、汗腺、免疫機能とも関連しています。

「肺」の主な機能には「宣散・粛降」があります。

体内から集められた気・血・津液を宣散によって体表や上方に向け、粛降によって内側や下方に向けて放散します。

これにより、体表を守る衛気との関連を持ちます。

粛降は気を内側・下方に誘導し、肺気を動力源として各臓器に栄養物質を分布させ、潤し、温め、栄養します。

このように、呼吸は「肺」と「腎」の共同作業によって完全なものになります。

肺と腎の共同作業がスムーズでないと、気管支炎や喘息などの症状が現れます。

そのため、治療においては肺だけでなく腎の治療も同時に考慮する必要があります。

肺の粛降作用は津液を腎や膀胱にスムーズに輸送し、不調になると浮腫や排尿困難が生じます。

また、肺の宣散作用が失調すると汗が少なくなり、浮腫を引き起こす可能性があります。

鼻の機能も肺と深く関連しており、花粉症やアレルギー性鼻炎などの症状も肺の治療対象として考えられます。

肺は大腸とも関係が深く、排便の異常とも関連します。

肺は白、辛、悲と関係し、悲しみで泣くと呼吸が乱れることがあります。

辛いものを食べると肺の汗腺機能が亢進し、発汗が増える現象が見られます。

肺の機能異常は呼吸器症状だけでなく、水分代謝や皮膚、免疫機能にも影響を及ぼし、気力が低下することもあります。

西洋医学では特定の原因物質を排除する指導が一般的ですが、東洋医学では消化機能に負担をかけないよう指導されます。

アトピー性皮膚炎や喘息、鼻炎などのアレルギー性疾患は肺と脾の機能の調和と深く関連しており、食事や生活習慣の管理が重要です。

漢方でいう「腎」とは

腎は五行の中で水に属し、西洋医学的には血液を濾過して尿を作る腎臓としての機能を含みますが、東洋医学では更に幅広い意味を持ちます。

腎は生涯を通じて成長や発育、生殖に関わる重要な生命力の元であり、「先天の本」と呼ばれます。

この「先天の本」の働きは後天の本である「脾」の働きによって補充されます。

腎の調節によって幼児期から思春期・壮年期への成長や機能の発達が促されます。

性機能や排卵・月経などの生殖機能と深く関係し、骨の発育や維持、歯・髪などにも影響します。

年齢とともに腎の勢いが衰えると老年期に移行し、幼児期には生え揃っていた髪や歯が加齢と共に抜けてくる現象と一致します。

腎の衰えは、老年期になると骨粗鬆症を引き起こしやすくなります。

骨粗鬆症を予防するためには、日常生活で腎の勢いを温存する必要があります。

腎は背筋や腰の筋肉、下半身の力と密接に関係しており、老年期になると腎の衰えに伴って腰が曲がったり、足腰が弱くなることがあります。

また、排尿異常や夜間尿も腎の機能と関連しています。

腎と外界との連絡口は、主に耳であり、他にも尿道を含む外性器と肛門の二つの口があります。

従って、腎は生殖機能だけでなく、排尿や排便の調節にも関与します。

したがって、高齢者の大小便の失禁は腎の衰えと関連しています。

また、老人性難聴や耳鳴りも腎の衰えと関連しています。

腎は、「黒」や塩辛い味、「恐」に関連し、様々な病的症状と深く関わります。

これには、生殖機能異常(無月経、子宮発育不全、排卵異常、不妊、無精子症、精子過少症、インポテンツ、早漏)や排泄異常(尿閉、排尿の勢いが悪い、頻尿、夜尿、失禁)、耳の問題(難聴、耳鳴り、眩暈)、視覚の問題(白内障)、骨粗鬆症、歯の抜け、白髪、脱毛などが含まれます。

また、子供では知能の発育不全なども見られます。

さらに、腎の陰陽のバランスが体全体の陰陽を左右し、腎の異常によって全身症状が引き起こされることもあります。

腎陰虚の場合には、皮膚や唇の乾燥、口渇、熱感、足の火照り、空咳、のぼせ、不眠、夢が多い、頭痛、動悸などの熱や煩燥の症状が現れます。

対処法としては、『六味丸』や『知柏地黄丸』が使用されます。

腎陽虚では、元気がない、寒がる、手足が冷える、多尿、頻尿、夜間尿、息切れ、呼吸困難、浮腫などの症状が見られます。

対処法としては、『八味丸(八味地黄丸)』『牛車腎気丸』が用いられます。

腎の異常は加齢と関連し、腎陽不足により脾、肺、心の陽虚を引き起こすことがあります。

逆に、脾、肺、心の陽虚が続くと腎陽虚に繋がる可能性もあります。

腎は「先天の本」として、生命力の根源と深く関わります。

喘息や他の慢性病、自己免疫性疾患などの難病では、腎の関与を考慮して治療が進められることがあります。

腎を保護するためには、睡眠不足や過労、精神的なストレスなど、体に負担をかけないことが重要です。

また、早い時期からの性行為や過度の性行為を避けることも推奨されています。

江戸時代の学者である貝原益軒は、男性が40歳を過ぎたら、性行為をしても射精をなるべく控えるように述べています。

五臓(肝、心、脾、肺、腎)について話してきましたが、それぞれの臓器は単独で考えるだけでなく、相互関係を理解して診断し治療する必要があります。

たとえば、「肺(金)」の病気であるアトピー性皮膚炎や喘息の場合、ストレスや食べ過ぎなどの「脾(土)」に負担をかけないことが重要です。

五行説の理論に基づくと、「脾」が「肺」を生む「相生」の関係があります。

逆に、「肺(金)」の子である「腎(水)」を補強することで、喘息を治療する方法も存在します。

『八味丸(八味地黄丸)』などの治療法が有効であることが報告されています。

漢方でいう「肺」と「大腸」の関係とは

五臓六腑の「肺と大腸の関係」で考えていききます。

漢方でいう「肺」は難しく言うと「肺は宣発(せんぱつ)・粛降(しゅくこう)を主り、水道を通調する」とされています。

すなわち、空気を取り込み、体内に酸素を供給し、二酸化炭素を排出する呼吸機能を担います。

また、肺は水の代謝も司り、水の循環に関与します。

精神的には、悲しみや喜びと関連付けられ、感情の安定に影響を与えると考えられています。

肺の機能が正常であることは、体のエネルギーの流れを円滑にし、免疫機能を強化し、感情の安定を促進します。

東洋医学では、肺の健康を維持するためには適切な呼吸法や運動、バランスの取れた食事が重要であるとされています。

漢方でいう「肺」が弱ると次のような症状があらわれます。

  • 喉や鼻の具合が悪くなる(風邪をひきやすくなる)
  • アレルギー症状が出る(花粉症・アトピーなど)
  • ニキビが出来やすくなる

漢方では五臓の「肺」は「大腸」と経絡でつながっていると考えているので、肺の不調は大腸にあらわれ、大腸の不調は肺にあらわれると考えるのです。

ここで、現代医学で提唱されている「腸内細菌は免疫の7割を担っている」「皮膚腸相関(skin-gut axis)」という点とつながってくるのです。

免疫力が低下すれば細菌・ウイルスに感染して風邪をひきやすくなりますし、免疫力が暴走すれば花粉症・アトピーなどのアレルギー疾患の発症につながります。

昔の人は経験的・感覚的にこのようなことが分かっていたのですね!

漢方でいう「心」と「小腸」の関係とは

今度は、五臓六腑の「心と小腸の関係」で考えていききます。

漢方でいう「心」は難しく言うと「心は血脈を主り、心は神明を主る」とされています。

東洋医学では、心は「君主」と呼ばれ、全体の指揮を担います。

心は情緒や思考、意識の中心であり、血の循環と関連付けられます。

また、心は五臓の中で唯一霊魂を宿すとされ、感情や精神的なバランスに大きな影響を与えます。

東洋医学では、心の健康を保つためには適切な生活習慣やストレス管理、心身の調和が重要視されます。

ここでも、漢方では五臓の「心」は「小腸」と経絡でつながっていると考えているので、心の不調は小腸にあらわれ、小腸の不調は心にあらわれると考えるのです。

また、現代医学でいう「腸脳相関/脳腸相関」につながりましたね!

本当に昔の人は凄いと思います!

最近は、脳×腸×皮膚の3つが深く関連しているということで「脳腸皮膚相関」という言葉も使用されるようになっています。

東洋医学と現代医療の違い

東洋医学と現代医療は、それぞれ異なる視点から健康を考え、アプローチも大きく異なります。

アプローチの違い

東洋医学:

  1. 全体観:東洋医学は体全体を一つのシステムと捉え、五臓六腑や気血水のバランスを重視します。症状だけでなく、患者の体質や生活環境、精神状態も考慮します。
  2. 未病治療:病気になる前の段階、すなわち「未病」を治療することに力を入れます。日常的な健康維持や予防が重要視されます。
  3. 自然治癒力の促進:自然治癒力を高めることで体のバランスを整え、健康を回復・維持することを目指します。針灸、漢方薬、気功、推拿などの手法が用いられます。

現代医療:

  1. 病因特定と治療:病気の原因を特定し、それを直接治療することに重点を置きます。症状の軽減や原因の除去が主な目的です。
  2. 科学的根拠:薬物療法や手術、放射線療法など、科学的根拠に基づいた治療法が採用されます。臨床試験を通じて効果が確認された治療が行われます。
  3. 緊急対応:急性疾患や外傷に対する緊急対応能力が高く、迅速な処置が可能です。技術的に進んだ設備や手術技法が用いられます。

腸活におけるアプローチの違い

腸活、つまり腸内環境の改善に対しても、東洋医学と現代医療は異なるアプローチを取ります。

東洋医学のアプローチ

  1. バランスの調整:腸は「脾」と「腎」の働きと密接に関わり、全身の気血水のバランスが腸の健康に影響すると考えます。腸内環境を整えるために、食事の改善や漢方薬の使用、針灸療法などが行われます。
  2. 食養生:食べ物の性質(温・寒・平)や味(酸・苦・甘・辛・鹹)を考慮して、個々の体質に合った食事を指導します。腸の健康を保つために、消化に良い食材を取り入れることが推奨されます。
  3. 整体観:腸だけでなく、全身のバランスを見ながら治療を行います。例えば、ストレスや生活習慣の改善も腸活の一環とされます。

現代医療のアプローチ

  1. プロバイオティクス+プレバイオティクス+バイオジェニックス:腸内の善玉菌を増やすために、「プロバイオティクス」(善玉菌を含む食品やサプリメント)や「プレバイオティクス」(善玉菌の餌となる食物繊維など)、「バイオジェニックス」(腸内フローラを介することなく、直接生体に作用し、免疫賦活、コレステロール低下作用、血圧降下作用、整腸作用、抗腫瘍効果、抗血栓、造血作用などの生体調節、生体防御、疾病予防・回復、老化制御などに働く食品成分で、乳酸菌体ペプチド、乳酸菌生産生理活性ペプチド、植物フラボノイド、DHA、EPA、ビタミンA・C・E、β-カロチン、CPPなどの食品成分)を行います。
  2. 薬物療法:便秘や下痢などの症状に対して、特定の薬物を使用して症状を緩和・治療します。例えば、便秘には下剤が用いられます。
  3. 栄養管理とライフスタイルの提案:腸内環境を整えるための具体的な栄養管理や生活習慣の改善が指導されます。バランスの取れた食事や適度な運動、ストレス管理が推奨されます。
薬剤師
河邊甲介

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小まとめ

東洋医学と現代医療はそれぞれ異なる視点と方法で健康を追求します。

東洋医学は全体的なバランスと自然治癒力を重視し、未病治療や生活習慣の改善に力を入れます。

一方、現代医療は科学的根拠に基づき、原因の特定と治療を重視します。

腸活においても、東洋医学は食事や生活習慣を通じた全体的なバランス調整を、現代医療はプロバイオティクスや薬物療法による直接的な治療を行います。

それぞれのアプローチを理解し、適切に組み合わせることで、より効果的な健康維持が可能となります。

東洋医学の視点からの腸活方法

東洋医学では、腸の健康は全身のバランスを保つために非常に重要と考えられています。

ここでは、東洋医学の視点から推奨される腸活方法を食事、鍼灸、漢方薬、生活習慣の変化という4つの側面からご紹介します。

食事

  1. 食養生:東洋医学では、食事は治療の一環と考えられています。腸の健康を保つためには、温かく消化に良い食事が推奨されます。具体的には、温野菜やスープ、粥などが良いとされています。
  2. 食材の選択:消化を助ける食材として、補気健脾などの効能がある食材が推奨されます。これらの食材は腸の動きを良くし、便通を改善します。
  3. 五味調和:酸・苦・甘・辛・鹹の五味をバランスよく摂ることで、体全体のバランスを保ち、腸の健康を維持します。

脾に効果をもたらす食材

「脾」に効果をもたらす食材は、胃腸の働きを高め、消化吸収を助け、気のエネルギーを作り出します。

これらの食材は、「補気(ほき)」と「健脾(けんぴ)」と呼ばれ、脾を健やかに保つ働きを持っています。

分類食材
穀類粟、大麦、もち米、米
きのこ類しいたけ、きくらげ、まいたけ、しめじ
野菜や根菜さつまいも、山芋、じゃが芋、キャベツ、かぼちゃ
豆類豆腐、ささげ、刀豆、豌豆、大豆
木の実類蓮の実、ナツメ、なつめ、栗
消化の良い肉類や青魚ぶり、うずら、かつお、鶏肉、さば、にしん、鮭
薬味やハーブタイム、紫蘇、黄蓍(おうぎ)、生姜、香菜、チンピ
食材の効果
  • 補気:気のエネルギーを補い、全身の活力を高めます。
  • 健脾:脾の機能を健やかにし、消化吸収を助けます。
詳細
  • 穀類:米やもち米、大麦は胃腸の働きを助け、消化を良くします。
  • きのこ類:しいたけやきくらげなどは、栄養豊富で消化を促進します。
  • 野菜や根菜:じゃが芋や山芋、キャベツは消化吸収を助ける働きがあります。
  • 豆類:豆腐や大豆などは、タンパク質を豊富に含み、気を補います。
  • 木の実類:蓮の実やナツメは、脾を強くし、気を補います。
  • 消化の良い肉類や青魚:鶏肉やさばなどは、消化が良く、脾の機能をサポートします。
  • 薬味や薬膳素材、ハーブ:生姜やタイムは、消化を助け、胃腸の働きを強化します。
  • 薬膳茶:体質に合わせた薬膳茶は、個々の体調や健康状態に応じて選ばれた漢方薬材を用いて調合されたお茶です。気血の不足、冷え、消化不良などの症状に応じて、異なる素材が使用され、健康維持や体調改善に役立ちます。

これらの食材を日常の食事に取り入れることで、脾の働きを高め、健康を維持することができます。

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鍼灸

  1. 経絡の調整:腸の健康を保つために、特定の経絡(ツボ)に鍼や灸を施します。例えば、足三里(あしさんり)や関元(かんげん)などのツボが腸の働きを改善するために使われます。
  2. 気血の循環促進:鍼灸は気血の流れを良くし、腸内の血流を改善します。これにより、消化吸収がスムーズになり、便秘や下痢の改善に役立ちます。

漢方薬

  1. 腸の調整:腸の働きを調整する漢方薬が使用されます。代表的なものに、『大建中湯(だいけんちゅうとう)』『四君子湯(しくんしとう)』『六君子湯』『人参湯/理中湯(附子理中湯)』、『参苓白朮散』、『当帰芍薬散』『防已黄耆湯』などがあります。
  2. 個々の体質に合わせた処方:患者の体質や症状に応じて、オーダーメイドの漢方薬を処方します。これにより、腸内環境のバランスを整えます。

生活習慣の変化

  1. 呼吸法:腹式呼吸を取り入れることで、腸の働きを活性化します。深い呼吸は内臓のマッサージ効果があり、腸の動きを促進します。
  2. 運動:軽い運動やストレッチが腸の動きを活発にします。特に、ヨガや太極拳などの東洋医学に基づく運動は腸の健康に良いとされています。
  3. リラクゼーション:ストレスは腸の働きを阻害します。東洋医学では、瞑想や気功などのリラクゼーション法を取り入れることが推奨されます。

小まとめ

東洋医学の視点からの腸活は、全体的なバランスと調和を重視し、食事、鍼灸、漢方薬、生活習慣の変化を通じて腸の健康を維持します。

これにより、消化吸収の改善、便通の調整、全身の健康維持が期待できます。

これらの方法を組み合わせて取り入れることで、より効果的な腸活が実現できます。

東洋医学と現代医療の腸活の融合

両者のメリットを組み合わせた腸活法の提案

腸活(腸内環境の改善)は、健康維持や病気予防に重要な役割を果たします。

東洋医学と現代医療の両方のメリットを組み合わせることで、より効果的な腸活法を実現できます。

東洋医学のアプローチ

  1. 食事療法(補気健脾・疏肝理気)
    • 穀類:米、もち米、大麦、粟などを取り入れる。
    • きのこ類:しいたけ、しめじ、まいたけ、きくらげ。
    • 野菜や根菜:じゃが芋、山芋、さつまいも、かぼちゃ、キャベツ。
    • 豆類:ささげ、刀豆、大豆、豆腐。
    • 木の実類:栗、ナツメ、蓮の実、なつめ。
    • 消化の良い肉類や青魚:鶏肉、うずら、さば、にしん、かつお、鮭、ぶり。
    • 薬味やハーブ:紫蘇、チンピ、生姜、香菜、タイム、黄蓍(おうぎ)。
  2. 鍼灸:鍼灸治療で腸の機能を整え、消化吸収を促進します。
  3. 漢方薬:体質に合わせた漢方薬を用いて腸内環境を改善します。
  4. 生活習慣の改善
    • 呼吸法:深い呼吸でリラックス効果を高め、消化機能を促進。
    • 運動:ヨガや太極拳などの軽い運動で腸の動きを活発にします。

現代医療のアプローチ

  1. プロバイオティクス:腸内の善玉菌を増やし、腸内フローラを整える。
  2. プレバイオティクス:食物繊維を豊富に含む食品(例:オート麦、バナナ、アスパラガス)を摂取して腸内環境を改善。
  3. バイオジェニックス
    腸内フローラを介することなく、直接生体に作用し、免疫賦活、コレステロール低下作用、血圧降下作用、整腸作用、抗腫瘍効果、抗血栓、造血作用などの生体調節、生体防御、疾病予防・回復、老化制御などに働く食品成分で、乳酸菌体ペプチド、乳酸菌生産生理活性ペプチド、植物フラボノイド、DHA、EPA、ビタミンA・C・E、β-カロチン、CPPなどの食品成分を積極的に摂取する。
  4. バランスの良い食事:栄養バランスを考慮した食事を心がけ、腸の健康を維持する。
  5. 定期的な検診:健康診断や腸内フローラの検査を受けることで、腸内環境の状態を把握。

両者の融合による腸活法の提案

  1. 統合的な食事プラン
    東洋医学で推奨される食材(穀類、きのこ類、野菜や根菜、豆類、木の実類、消化の良い肉類や青魚、薬味やハーブ)を取り入れ、現代医療で推奨されるプロバイオティクスやプレバイオティクスを併用します。
  2. 複合的な治療法
    鍼灸や漢方薬を用いて腸内環境を整えながら、プロバイオティクスのサプリメントを摂取します。
  3. ライフスタイルの調整
    深い呼吸法やヨガなどの運動を日常生活に取り入れ、定期的な検診を行い腸内環境をモニタリングします。

東洋医学と現代医療の共存の可能性の探求

  • 補完的なアプローチ:東洋医学と現代医療の双方のメリットを補完的に活用することで、より包括的な腸活法が実現します。
  • 個別化医療:個々の体質や健康状態に合わせたオーダーメイドの治療法を提供できる可能性があります。
  • 研究と教育:両者の知識を融合させた研究や教育を通じて、腸活の効果を科学的に検証し、広く普及させることができます。

東洋医学と現代医療の融合は、腸内環境の改善において新たな可能性を切り拓き、健康増進に大きく寄与するでしょう。

薬膳的に「肺」「心」におすすめな食材を帰経から選んでみた!

薬膳は、食材を組み合わせて特定の帰経(五臓六腑)に働きかける食事法です。

帰経は東洋医学の理論で、体の臓器や経絡に対応します。

薬膳は、食材の性質や味を組み合わせて体のバランスを整え、健康をサポートします。

例えば、冷え性の人には温かい性質の食材を取り入れ、消化器官に不調がある人には消化を助ける食材を選びます。

薬膳は食事を通じて体の調和を促し、健康を維持するための重要な手段です。

「肺」「心」におすすめの薬膳素材

  • ゆり根(百合):帰経(肺・心・胃)、働き(養陰潤肺止咳・清心安神)
  • 霊芝:帰経(心・肺・肝・腎)、働き(養心安神・止咳平喘・補気養血)
  • 合歓皮:帰経(心・肝・肺)、働き(解鬱安神・活血消腫・止痛生肌)
  • 三つ葉:帰経(心・肺)、働き(去風止咳・利湿解毒・活血止痛)
  • 松の実:帰経(肺・肝・大腸)、働き(潤腸通便・潤肺止咳・養陰平肝熄風)

用語解説

  • 腸脳相関/脳腸相関
    脳と腸は自律神経系や液性因子(ホルモンやサイトカインなど)を介して密に関連していることが知られている。この双方向的な関連を“脳腸相関(brain-gut interaction)”または“脳腸軸(brain-gut axis)”と言う。つまり、消化管の情報は神経系を介して大脳に伝わり、腹痛・腹部不快感とともに、抑うつや不安などの情動変化も引き起こす。そして、これらの情動変化が副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF: corticotrophin releasing factor)や自律神経を介して消化管へ伝達され、さらに消化管の運動異常を悪化させることになる。
  • 皮膚腸相関/腸皮膚相関
    腸と皮膚の関係は皮膚腸相関(skin-gut axis)あるいは腸皮膚相関(gut-skin axis)と呼ばれている。腸内細菌やその代謝物が腸管の免疫細胞や神経細胞に及ぼす作用の解析も進み、最近では、microbiota-gut-skin axisなど腸内細菌叢の重要性を強調する名称も使われるようになっている。腸内細菌叢と皮膚の関連では、アトピー性皮膚炎のほか、ざ瘡や乾癬などの炎症性の皮膚疾患の発症に腸内細菌叢の異常が関与し、プロバイオティクス摂取によるこれらの皮膚疾患の改善や予防の効果が複数の動物およびヒトを対象とする研究により報告されている。
  • 神(しん)
    神とは感情・思考・意識・判断など、全ての精神活動を意味しています。神の不調は主に目にあらわれると言われている。

参考文献

・※1:公益財団法人/腸内細菌学会
・一語でわかる中医用語辞典
薬剤師
河邊甲介

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