がん術後の疲れが抜けない方へ|漢方で考える体力回復と人参養栄湯・八味地黄丸の使い分け
がん術後の疲労感に漢方でできること|人参養栄湯・八味地黄丸の使い分け
がんの手術を終えたあとに、「治療は一段落したのに疲れが抜けない」「以前のように動けない」「食欲や気力が戻らない」と感じる方は少なくありません。
このような疲労感は、単なる気合い不足ではなく、手術による体力消耗、栄養状態、貧血、睡眠、筋力低下、不安、消化吸収力の低下などが重なって起こることがあります。
この記事では、宮崎県川南町の漢方薬局ほどよい堂が、がん術後の疲労感を中医学と現代医学の両面から整理し、代表的な漢方薬である人参養栄湯と八味地黄丸の使い分け、薬膳・腸活・休養の考え方をわかりやすく解説します。

目次
- 1 自分に合う漢方を相談したい方へ
- 2 がん術後の疲れは「休めば戻る疲れ」とは違うことがあります
- 3 まず病院に相談した方がよいサイン
- 4 中医学でみる、がん術後の疲労タイプ
- 5 人参養栄湯とは|気血両虚タイプの術後疲労に
- 6 八味地黄丸とは|冷え・足腰・夜間尿を伴う腎虚タイプに
- 7 人参養栄湯と八味地黄丸の使い分け
- 8 漢方薬は1包から相談・購入できます
- 9 薬膳・腸活・休養で整える回復の土台
- 10 体質に合わせた薬膳茶・漢方相談も承っています
- 11 よくある質問
- 12 まとめ|がん術後の疲労は「体力・栄養・腸・心」を一緒に整える
- 13 ほどよい堂へ相談する
- 14 この記事を書いた人
- 15 医療情報についての注意
- 16 参考情報
- 17 監修者・免責事項
自分に合う漢方を相談したい方へ
がん術後の疲労感は、同じ「疲れ」でも、気虚・血虚・脾虚・腎虚など体質によって整え方が変わります。 ほどよい堂では、漢方薬・薬膳・腸活を組み合わせて、今の状態に合わせた養生をご提案しています。
がん術後の疲れは「休めば戻る疲れ」とは違うことがあります
がん治療後の疲労は、医学的にはがん関連疲労として扱われることがあります。 これは、がんそのものや治療に関連して起こる、身体的・精神的・認知的な疲れのことです。
一般的な疲れは、睡眠や休息で軽くなることが多いですが、がん関連疲労は休んでも十分に回復しにくい場合があります。 そのため、「なまけている」「気持ちが弱い」と考えるのではなく、体の内側で何が起きているのかを丁寧に見ていくことが大切です。
がん術後の疲労に関係しやすい要因
- 手術による体力消耗
- 抗がん剤・放射線治療後の回復途中
- 貧血、炎症、感染、脱水
- 食欲低下、体重減少、タンパク質不足
- 筋力低下、活動量の低下
- 睡眠の質の低下
- 痛みやしびれ
- 不安、気分の落ち込み
- 腸内環境や消化吸収力の低下
ほどよい堂では、このような状態を「体力だけの問題」とは考えません。 栄養を入れる力、血を巡らせる力、腸で吸収する力、休む力を一緒に整えることが、術後の回復には大切だと考えています。
まず病院に相談した方がよいサイン
漢方や薬膳を考える前に、次のような症状がある場合は、自己判断せず、主治医や医療機関へ相談してください。
- 急に強いだるさが出てきた
- 息切れ、動悸、めまいが強い
- 発熱がある
- 食事や水分がほとんど取れない
- 体重が急に減っている
- 痛みが強くなっている
- 以前より明らかに歩けなくなった
- 尿量が少ない、脱水が心配
- 気分の落ち込みが強く、日常生活に支障がある
- 抗がん剤、ホルモン療法、免疫療法などの治療中である
疲労の背景に、貧血、感染、脱水、電解質異常、栄養状態の悪化など、検査や治療が必要な原因が隠れていることがあります。 漢方薬や健康食品を使う場合も、治療内容や服用中のお薬との兼ね合いを確認することが大切です。
中医学でみる、がん術後の疲労タイプ
中医学では、がん術後の疲労を「どこが弱っているのか」「何が不足しているのか」「冷えや熱、巡りの悪さがあるのか」という視点で見ていきます。
特に術後は、気虚=エネルギー不足、血虚=栄養・血の不足、脾虚=消化吸収力の低下、腎虚=足腰・冷え・加齢感の低下が関係しやすくなります。
気虚タイプ|エネルギー不足タイプ
気虚とは、体を動かすエネルギーが不足している状態です。手術や治療で体力を消耗し、少し動いただけで疲れやすくなります。
- 少し動くと疲れる
- 声に力がない
- 食後に眠くなる
- 汗をかきやすい
- 風邪をひきやすい
- 朝からだるい
治則は補気健脾。気を補い、胃腸の働きを助けることを目指します。
血虚タイプ|栄養・血の不足タイプ
血虚とは、血や栄養、潤いが不足し、全身に栄養が届きにくい状態です。術後の顔色の悪さ、立ちくらみ、眠りの浅さなどに関係することがあります。
- 顔色が白い、つやがない
- 立ちくらみがある
- 爪が割れやすい
- 髪が細くなった
- 眠りが浅い
- 動悸や不安感がある
治則は補血養心。血を補い、心身を養うことを目指します。
脾虚タイプ|消化吸収力の低下タイプ
脾虚とは、胃腸の消化吸収力が低下し、食べても気血を作りにくい状態です。ほどよい堂では、脾を「土台の土」として重視しています。
- 食欲がない
- 胃もたれしやすい
- 下痢しやすい
- 食後に眠くなる
- むくみやすい
- 甘いものが欲しくなる
治則は健脾益気。胃腸を整え、気血を作る力を助けます。
腎虚タイプ|足腰・冷え・加齢感の低下タイプ
腎虚とは、足腰・冷え・排尿・加齢感に関係する土台の力が低下した状態です。術後から時間が経っても足腰が戻らない方に見られることがあります。
- 足腰がだるい
- 下半身が冷える
- 夜間尿がある
- 尿が近い
- 腰痛やしびれがある
- 年齢以上に老け込んだ感じがある
治則は補腎温陽。腎を補い、体の奥の冷えを温めることを目指します。

人参養栄湯とは|気血両虚タイプの術後疲労に
人参養栄湯は、気と血の両方が不足した気血両虚、つまり「エネルギーと栄養が不足したタイプ」に用いられる漢方薬です。
病後・術後などの体力低下、疲労倦怠、食欲不振、寝汗、手足の冷え、貧血傾向などがある方で、体質に合う場合に候補になります。
人参養栄湯が合いやすい方
- 手術後から体力が戻らない
- 食欲がない
- 顔色が悪い
- 疲れやすい
- 息切れしやすい
- 眠りが浅い
- 寝汗がある
- 手足が冷える
- 貧血傾向がある
- 声に力がない
気血両虚、脾肺気虚、心血不足
補気養血、健脾、安神
人参養栄湯は、食べる力・作る力・巡らせる力が落ちている術後の疲労に向くことがあります。 ただし、体質や治療状況によって合わない場合もあるため、自己判断で長期使用せず、専門家に相談することをおすすめします。
八味地黄丸とは|冷え・足腰・夜間尿を伴う腎虚タイプに
八味地黄丸は、腎虚、とくに腎陽虚=体の奥の温める力が不足したタイプに用いられる漢方薬です。
単なる疲労感というよりも、下半身の冷え、足腰の弱り、夜間尿、頻尿、腰痛、しびれなどを伴う慢性的な疲れに向くことがあります。
八味地黄丸が合いやすい方
- 術後から時間が経っても足腰が弱い
- 下半身が冷える
- 夜間尿がある
- 尿が近い
- 腰が重だるい
- しびれがある
- むくみやすい
- 年齢とともに体力低下を感じる
腎陽虚、下焦虚寒
補腎温陽、利水
のぼせ、口渇、便秘、炎症感、ほてり、寝汗が強い方は、温める処方が合わない場合があります。 胃腸が弱い方、下痢しやすい方も注意が必要です。
人参養栄湯と八味地黄丸の使い分け
人参養栄湯と八味地黄丸は、どちらも疲労感に関連して使われることがありますが、見ている体質が異なります。 「疲れているからどちらでもよい」ではなく、症状の出方を見ながら選ぶことが大切です。
| 見るポイント | 人参養栄湯 | 八味地黄丸 |
|---|---|---|
| 主なタイプ | 気血両虚 | 腎陽虚 |
| 疲れ方 | 体力・気力が落ちきっている | 足腰から弱る、慢性的にだるい |
| 食欲 | 食欲が落ちやすい | 食欲は比較的あることもある |
| 冷え | 手足の冷え、全身の弱り | 下半身の冷え |
| 睡眠 | 眠りが浅い、寝汗 | 夜間尿で目が覚める |
| 目安 | 術後の体力低下、貧血傾向、食欲低下 | 加齢感、腰痛、頻尿、夜間尿、足腰の弱り |
| 治則 | 補気養血 | 補腎温陽 |
漢方では、同じ「疲労感」でも、気虚、血虚、脾虚、腎虚、陰虚、瘀血、痰湿など、背景によって整え方が変わります。 服用中のお薬や治療状況がある方は、必ず専門家に相談してください。
漢方薬は1包から相談・購入できます
「まずは少量で試してみたい」「自分に合うか相談してから選びたい」という方へ。 ほどよい堂では、体質や服用中のお薬を確認しながら、漢方薬を1包からご相談いただけます。
薬膳・腸活・休養で整える回復の土台
がん術後の疲労感は、漢方薬だけで整えるものではありません。 ほどよい堂では、栄養・循環・吸収=腸活の3本柱で、回復の土台づくりを考えます。
1. 栄養|細胞は食べたものでしか作られない
術後の体は、タンパク質、良質な脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、フィトケミカルを必要とします。 カロリーは足りていても栄養素が不足する「新型栄養失調」に注意が必要です。
2. 循環|血が巡ると、栄養と酸素が届く
軽い散歩、呼吸、ストレッチ、入浴、睡眠によって巡りを助けます。 中医学では、気が巡ると血も巡りやすくなると考えます。
3. 吸収=腸活|食べるだけでなく吸収できる腸を育てる
胃腸が弱っている時期は、何を食べるかと同じくらい、消化できるか、吸収できるか、便通が整っているかが大切です。
まず整えたい食事の基本
- 温かい味噌汁
- 野菜スープ
- 卵、豆腐、魚、鶏肉などの消化しやすいタンパク質
- きのこ、海藻、豆類
- 発酵食品
- よく煮た野菜
- 少量をよく噛んで食べる
目安は1口30回。 よく噛むことは、消化のスイッチを入れ、脾を助ける養生です。
腸活は3つをセットで考える
さらに、腸のバリア機能が低下するリーキガットの視点も大切です。 術後や治療後は、腸粘膜・食欲・便通・免疫のバランスが揺らぎやすいため、まずは温かく、消化しやすく、続けやすい食事から整えていきましょう。
休養も回復を支える戦略です
疲れている時は、ただ寝るだけでなく、休養の種類を分けて考えると整えやすくなります。
- 睡眠:夜の回復時間を守る
- リラックス:深呼吸、音楽、香り
- 軽い運動:歩く、伸ばす、日光を浴びる
- 栄養の立て直し:温かい汁物、タンパク質
- つながり:家族、友人、ペットとの時間
- 娯楽:好きな映画、読書、自然を見る
- 創作:料理、手仕事、日記
- 情報の休養:スマホや不安な検索を減らす
回復は一気に変えるよりも、3日で体感の変化、3週間で習慣の変化、3ヶ月で体質の土台の変化を目安に、無理なく積み重ねることが大切です。
体質に合わせた薬膳茶・漢方相談も承っています
がん術後の疲労感は、体力だけでなく、胃腸の吸収力、冷え、巡り、睡眠、ストレスなどが重なります。 ほどよい堂では、漢方薬だけでなく、オーダーメイド薬膳茶や腸活の視点も合わせて、日々の養生をサポートしています。
よくある質問
Q. がん術後の疲労に人参養栄湯は使えますか?
人参養栄湯は、病後・術後などの体力低下、疲労倦怠、食欲不振、寝汗、手足の冷え、貧血傾向などに用いられることがある漢方薬です。 特に、食欲が落ち、顔色が悪く、体力・気力が戻らない気血両虚タイプに向く場合があります。
ただし、がん治療中・治療後の方は、治療内容や服用中のお薬との兼ね合いがあるため、自己判断ではなく医師・薬剤師に相談してください。
Q. 八味地黄丸はがん術後の疲労に向いていますか?
八味地黄丸は、単なる疲労というよりも、足腰の弱り、下半身の冷え、夜間尿、頻尿、腰痛、しびれなどを伴う腎虚タイプに向くことがあります。
のぼせ、口渇、便秘、ほてり、寝汗が強い方や、胃腸が弱く下痢しやすい方には合わない場合があります。
Q. がん治療後の疲れはどれくらい続きますか?
個人差があります。原因によっては数週間で軽くなることもあれば、数カ月以上続くこともあります。 貧血、不眠、栄養状態、筋力低下、不安、脱水などが関係することもあるため、長引く場合は主治医に相談することが大切です。
Q. 漢方だけで疲労は改善しますか?
漢方が体質に合うと、回復を支える選択肢のひとつになります。 ただし、漢方だけに頼るのではなく、栄養、睡眠、軽い運動、腸活、心理的サポートを組み合わせることが大切です。
Q. まず何から始めればよいですか?
まずは、温かい味噌汁や野菜スープ、消化しやすいタンパク質を少量から取り入れ、1口30回を目安によく噛むことから始めてみてください。 体力が許す日は、3分歩く、深呼吸をする、足首を回すなど、小さな動きで巡りを助けることもおすすめです。
まとめ|がん術後の疲労は「体力・栄養・腸・心」を一緒に整える
がん術後の疲労感は、気合いや根性の問題ではありません。 手術や治療で消耗した体に、栄養を入れる、巡らせる、吸収できる腸を育てる、眠る、少し動く、不安を言葉にする。 この積み重ねが、回復の土台になります。
漢方では、人参養栄湯は気血両虚タイプの術後体力低下に、八味地黄丸は腎陽虚タイプの足腰の弱り・冷え・夜間尿にというように、同じ疲労でも体質によって選び方が変わります。
「自分はどちらが合うのか分からない」「病院では異常なしと言われたけれど疲れが抜けない」「漢方・薬膳・腸活を合わせて相談したい」という方は、ほどよい堂のLINE無料相談をご活用ください。
ほどよい堂へ相談する
宮崎県川南町の漢方薬局ほどよい堂では、漢方薬剤師が、漢方・薬膳・腸活の視点から体質を整理し、無理なく続けやすい養生をご提案しています。
医療情報についての注意
本記事は一般的な健康情報であり、がん治療の代替を目的としたものではありません。 治療中・治療後の強い倦怠感、発熱、息切れ、体重減少、痛み、食欲不振などがある場合は、必ず主治医にご相談ください。 漢方薬・健康食品を使用する際も、治療内容や服用薬との兼ね合いを確認することが大切です。
監修者・免責事項
本記事の信頼性を高めるため、監修者情報と免責事項をまとめています。 体質の整理(中医学)と、現代の栄養学・生活習慣の視点を両輪で扱い、誠実な表現を心がけています。
Supervisor / Reviewer
監修者情報

監修:河邊 甲介(薬剤師/中医薬膳師/薬膳素材専門士/ペットフーディスト)
漢方薬局「ほどよい堂」代表
宮崎県川南町にて、漢方 × 薬膳 × 腸活のトリプルアプローチによる健康相談を行っています。 体質の言語化と、日常で“続く整え方”をセットでご提案しています。
- 栄養:細胞は“食べたものでしか作られない”
- 循環:巡りが整うと、酸素・栄養が届きやすくなる
- 吸収(腸活):食べるだけでなく“吸収できる腸”を育てる
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療・処方の代替ではありません。 症状が強い/長引く/不安が大きい場合は、医療機関・専門家へご相談ください。
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