【薬剤師監修】災害時の常備薬リスト|持病薬は何日分?家族を守る備え方
災害時の常備薬リスト完全版
持病薬・市販薬・お薬手帳の備え方
地震・台風・大雨で通院や薬の受け取りが難しくなったとき、 家族の治療と体調を守るために必要な「薬+情報+管理」を、 宮崎県川南町の漢方薬局ほどよい堂が分かりやすくまとめました。
最初に結論|持病薬は「最低3日、できれば1週間」を相談
食料や生活用品の家庭備蓄は、最低3日分、できれば1週間分が一つの目安です。 持病薬も同じ時間軸を参考に、 少なくとも3日分、可能なら1週間程度の余裕を持てるかを、 主治医やかかりつけ薬剤師へ相談しておきましょう。
服用量を減らして薬を残す、他人の薬を使う、 自己判断で中止することは避けてください。

目次
- 1 災害時に最優先で備えるもの
- 2 持病薬は何日分用意すればよい?
- 3 お薬手帳は「紙・写真・電子」で残す
- 4 家庭で備えたい市販薬・救急用品リスト
- 5 下痢止め・便秘薬・脱水対策の注意
- 6 家族構成・体調別に追加する備え
- 7 薬の保管方法と持ち出し方
- 8 災害時に薬がなくなったら
- 9 災害時に避けたい薬の使い方
- 10 漢方薬を防災用に備えるときの考え方
- 11 迷わず119番を呼ぶ主な症状
- 12 3日・3週間・3か月で防災の土台を整える
- 13 災害時の常備薬についてよくある質問
- 14 薬の備えに迷ったら、平時に薬剤師へ相談
- 15 河邊 甲介 |漢方薬局ほどよい堂
- 16 自分に合う備えを、災害前に確認しませんか?
- 17 平時の栄養・腸活を整える関連ページ
- 18 参考にした公的情報
- 19 監修者・免責事項
災害時に最優先で備えるもの
防災用品というと解熱鎮痛薬や胃腸薬を思い浮かべがちですが、 最優先は毎日欠かさず使っている処方薬と、 その内容を第三者へ伝えるための情報です。

薬・医療用品
- 毎日服用している処方薬
- 吸入薬・点眼薬・塗り薬
- 発作時に使用する薬
- インスリンなどの自己注射薬
- アナフィラキシー用自己注射薬
- 医療機器の予備電池・電源
治療情報
- 紙のお薬手帳
- 最新の薬剤情報提供書
- 薬の一覧を撮影した写真
- 病名・アレルギー・副作用歴
- かかりつけ医・薬局の連絡先
- 家族・緊急連絡先
急な中断に注意が必要な薬があります
てんかん、心臓病、糖尿病、ぜんそく、精神疾患、腎臓病などの治療薬は、 急な中断が体調悪化につながる場合があります。 災害時の対応を平常時に確認してください。
持病薬は何日分用意すればよい?
全国共通で全ての処方薬に一律の備蓄日数が定められているわけではありません。 薬の種類、処方日数、病状、使用期限、温度管理によって、 確保できる量は異なります。
最低ラインの考え方
まず3日分を途切れず持ち出せるようにし、 薬袋・お薬手帳と一緒に防水ポーチへまとめます。
より安心な備え
道路や物流の停止が長引く可能性を考え、 可能なら合計1週間程度の余裕を持てるか、 主治医・薬剤師へ相談します。
薬もローリングストックで管理
- 新しく受け取った薬を備蓄側へ入れる
- 古い薬から普段の服用に使う
- 処方内容が変わったら備蓄も入れ替える
- 半年に一度、期限と保管状態を確認する
注意: 災害備蓄のために服用回数を減らしたり、 飲み忘れた薬を無計画にためたりしないでください。 要冷蔵薬、麻薬・向精神薬、注射薬などは、 個別の保管・管理方法を確認します。
お薬手帳は「紙・写真・電子」で残す
災害時は、停電、通信障害、スマートフォンの故障や 電池切れが起こる可能性があります。 どれか一つに頼らず、複数の方法で服薬情報を残しましょう。
紙
最新のお薬手帳と薬剤情報提供書を、 防水袋に入れて持ち出します。
写真
薬袋、お薬手帳の最新ページ、 薬の現物をスマートフォンで撮影します。
電子
電子版お薬手帳やマイナポータルの情報も、 補助的に活用します。
薬の一覧表に書く項目
- 氏名・生年月日・緊急連絡先
- 治療中の病気
- 薬の商品名または一般名、規格
- 1回量、1日の回数、服用時間
- 薬を使う目的
- 薬・食べ物のアレルギー
- 過去に起きた副作用
- かかりつけ医療機関・薬局
最新情報: 電子処方せん対応施設では、災害時に本人の同意を得たうえで、 氏名や住所などから薬剤情報等を確認できる仕組みがあります。 ただし、通信状況や施設の対応状況に左右されるため、 紙や写真も併用すると安心です。
家庭で備えたい市販薬・救急用品リスト
市販薬は「多いほど安心」ではありません。 家族の年齢、持病、妊娠・授乳、アレルギー、併用薬を考え、 過去に使用して問題がなかったものを必要最小限に そろえます。
| 分類 | 備えるものの例 | 確認したい注意点 |
|---|---|---|
| 痛み・発熱 | 普段使用している解熱鎮痛薬、体温計 | 年齢、妊娠、腎機能、胃潰瘍、ぜんそく、 併用薬で適否が変わります。 |
| 胃腸 | 整腸薬、便秘薬、経口補水液 | 血便、高熱、激しい腹痛を伴う下痢では、 下痢止めを自己判断で使いません。 |
| アレルギー | 普段使用している抗アレルギー薬、外用薬 | 眠気が出る成分は、避難や運転、 転倒に注意が必要です。 |
| ぜんそく | 日常管理用と発作時の吸入薬 | 残量、使用期限、吸入手技、 スペーサーの有無を確認します。 |
| 傷・出血 | ガーゼ、絆創膏、包帯、テープ、手袋 | 清潔な水で洗浄し、出血は圧迫。 深い傷や止まらない出血は受診します。 |
| 口腔ケア | 歯ブラシ、口腔ケアシート、入れ歯用品 | 水不足でも清潔を保てる用品を準備します。 |
| 目のケア | 普段の点眼薬、予備の眼鏡 | コンタクトレンズだけに頼らない備えが必要です。 |
| 衛生・季節 | マスク、生理用品、虫よけ、カイロ、冷却用品 | 夏と冬で中身を入れ替え、 家族人数に合わせます。 |
重複成分に注意: 総合感冒薬、解熱鎮痛薬、鼻炎薬、睡眠改善薬には、 同じ成分や似た作用の成分が含まれる場合があります。 商品名だけで判断せず、 成分を薬剤師や登録販売者に確認してください。
下痢止め・便秘薬・脱水対策の注意
避難生活では、食事内容の変化、水分不足、冷え、緊張、 感染症などが重なり、下痢や便秘が起こりやすくなります。 中医学では、胃腸の働きを担う「脾=土」が弱り、 気血水をつくる力が落ちた 脾虚(消化吸収力の弱りタイプ) として捉えることがあります。
次の下痢では、下痢止めだけで様子を見ない
- 発熱、血便、粘液便がある
- 急に始まった激しい下痢
- 強い腹痛、腹部膨満、吐き気・嘔吐を伴う
- 水分が取れない、尿が極端に少ない
- 意識がぼんやりする、ぐったりしている
感染性の下痢などでは、 腸の動きを無理に抑える薬が適さない場合があります。 医師、薬剤師または登録販売者へ相談してください。
脱水が疑われるとき
下痢、嘔吐、発熱、多量の発汗では、 水分と電解質が失われます。 経口補水液は脱水時の水分・電解質補給に用いるものです。 日常の水分補給用として大量に飲むものではありません。
心臓病、腎臓病、糖尿病、塩分・水分制限がある方は、 使用量を主治医や薬剤師へ確認してください。
「温かいもの」が常に正解ではありません
寒さや冷えで胃腸が弱っている場合は、 温かいスープや薄めの味噌汁を少量ずつ取ると 負担を抑えやすくなります。 一方、夏の停電や高温環境では、 体を冷やし、暑さを避け、 適切に水分を取ることを優先します。
家族構成・体調別に追加する備え

子ども
- 子ども用の解熱鎮痛薬・整腸薬
- 吸入薬、アレルギー薬
- 計量カップやスポイト
- 母子健康手帳、現在の体重
- おむつ、ミルク、離乳食
大人用の薬を単純に半量にせず、 年齢・体重・成分に合ったものを準備します。
高齢者
- 一包化薬と服用時点の一覧
- 予備の眼鏡・補聴器・電池
- 入れ歯と口腔ケア用品
- 杖、歩行器、介護用品
- 認知症がある場合の本人情報
誰が薬を管理するか、 家族内で決めておきます。
妊娠中・授乳中
- 母子健康手帳、妊娠週数
- 産婦人科・分娩施設の連絡先
- 使用可能と確認済みの薬
- 衛生用品、栄養補助食品
市販薬や漢方薬も、 使用前に医師・薬剤師へ確認してください。
医療機器を使用中
- 在宅酸素、人工呼吸器、吸引器
- 血糖測定器、インスリン関連用品
- 経管栄養、透析関連用品
- 予備電源、充電器、設定メモ
停電時の連絡先と代替手段を、 メーカーや医療機関へ確認します。
宮崎県の子ども救急医療電話相談: 15歳未満の子どもの急病で判断に迷うときは 「#8000」。 IP電話・ダイヤル回線は「0985-35-8855」です。 平日・土曜は18時~翌8時、 日曜・祝日は8時~翌8時に相談できます。 緊急時は119番を優先してください。
薬の保管方法と持ち出し方
薬は、直射日光、高温、多湿、水ぬれを避け、 薬袋や添付文書に記載された条件で保管します。 車内は季節によって高温になるため、 長期保管には向きません。
保管の基本
- 薬袋・元の包装から出さない
- 説明書も一緒に入れる
- 透明な防水ポーチを使う
- 使用期限・開封日を見える化
- 子どもの手が届かない場所へ
- 要冷蔵薬は停電時の手順を確認
分散して備える
- 毎日持ち歩く薬
- 非常持ち出し袋の3日分
- 自宅備蓄の追加分
- 家族が場所を共有
- 浸水しにくい高さへ保管
- 全てを同じ場所へ集中させない
要冷蔵薬・インスリンを備えるときの注意
薬ごとに保管条件や常温で扱える時間が異なります。 保冷剤を薬へ直接当てて凍結させると、 品質に影響することがあります。 製品名、保管温度、停電時の対応を、 事前に医療機関・薬局・メーカーへ確認してください。
災害時に薬がなくなったら
薬が不足しても、服用回数を減らしたり、 家族から似た薬をもらったりせず、 医療従事者へ相談してください。
相談先の例
- 避難所の救護所・医療救護班
- 災害拠点病院・臨時診療所
- 災害時に開局している薬局
- かかりつけ医・かかりつけ薬局
- 自治体が案内する医療相談窓口
持参できると役立つもの
- お薬手帳
- 薬袋・空の包装・現物
- スマートフォンに保存した写真
- 薬剤情報提供書
- マイナンバーカードまたは資格確認書
災害時には、地域や災害規模に応じて 通常と異なる医薬品の取り扱いが示されることがあります。 行政、医療機関、薬局からの最新案内に従ってください。
災害時に避けたい薬の使い方
- 家族や他人の処方薬を使う
- 持病薬を自己判断で中止する
- 薬を名前が分からない状態で小分けする
- 総合感冒薬と解熱鎮痛薬を重ねる
- 使用期限切れの薬を自己判断で使用する
- 血便や高熱があるのに下痢止めだけで様子を見る
- 避難中に初めて睡眠改善薬を使用する
- 災害時に初めての漢方薬や健康食品を試す
漢方薬を防災用に備えるときの考え方
漢方薬は、症状名だけでなく、 その人の体質とその時点の状態である「証」を組み立てて選びます。 避難生活では、緊張、睡眠不足、食生活の変化、 冷え・暑さなどが重なり、 複数のタイプが現れやすくなります。
気滞タイプ
気滞=ストレスで気の巡りが滞るタイプ。 胸や喉のつかえ、ため息、緊張、 腹部の張りなどが目安になります。
水滞タイプ
水滞=体内の水分が偏るタイプ。 めまい、頭重感、むくみ、 天候変化で悪化する不調などが目安です。
脾虚タイプ
脾虚=胃腸の消化吸収力が弱るタイプ。 食欲低下、胃もたれ、軟便、 疲れやすさなどが目安です。
陰虚・津液不足タイプ
陰虚=潤い不足タイプ。 口や喉の乾燥、ほてり、寝汗、 便の乾燥などが目安です。
防災用に検討されることがある漢方薬の例
例として、五苓散は水滞(水分の偏り)に、 苓桂朮甘湯は脾虚・水滞に伴うめまいなどに、 半夏厚朴湯は気滞と痰が絡む 喉のつかえ・不安感などに用いられる方剤です。
ただし、同じ症状でも証、持病、妊娠・授乳、 併用薬により適否が異なります。 災害が起きてから初めて試すのではなく、 平常時に専門家へ相談し、 自分に合うことを確認したものだけを備えましょう。
ほどよい堂の養生の軸: ①栄養=細胞をつくる材料、 ②循環=栄養と酸素を届ける巡り、 ③吸収=食べたものを力に変える腸。 この3本柱を平時から整えることが、 災害時の体調管理の土台になります。
迷わず119番を呼ぶ主な症状
常備薬で様子を見ず、救急要請を優先
- 意識がない、反応がおかしい、けいれんが続く
- 急な息切れ、呼吸困難、唇が紫色
- 突然の激しい胸痛・背中の痛み
- 顔や手足の片側が動かしにくい、ろれつが回らない
- 突然の激しい頭痛、支えなしで立てないほどのふらつき
- 突然の激しい腹痛、血を吐く、血便・黒い便
- 出血が止まらない
- アナフィラキシーが疑われる
- 嘔吐や下痢が続き、水分が取れない
救急車を呼ぶべきか迷う場合は、 総務省消防庁の全国版救急受診ガイド「Q助」なども 判断材料になります。 ただし、緊急性が高いと感じたときは 119番を優先してください。
3日・3週間・3か月で防災の土台を整える
まず3日
持病薬3日分、お薬手帳、薬の写真、 連絡先を防水ポーチへまとめます。
次の3週間
市販薬、救急用品、家族別用品をそろえ、 薬の保管場所を共有します。
3か月後
実際に持ち出して重さを確認し、 期限、処方変更、季節用品を更新します。
半年に一度の点検チェック
- 使用期限が切れていない
- 処方内容が最新になっている
- 薬の写真を更新した
- 家族のアレルギー情報を更新した
- 電池・充電器が使える
- 子どもの体重を更新した
- 夏・冬の用品を入れ替えた
- 家族が保管場所を知っている
災害時の常備薬についてよくある質問
持病薬を多めに処方してもらえますか?
病状、薬の種類、処方日数、保管条件によって対応が異なります。 「災害に備え、数日から1週間程度の余裕を持ちたい」と 主治医・薬剤師へ相談してください。 自己判断で服用量を減らして残すことは避けます。
電子版お薬手帳だけでも大丈夫ですか?
停電、通信障害、端末の故障や電池切れを考え、 紙のお薬手帳と写真も併用するのがおすすめです。 家族のスマートフォンにも必要な情報を共有しておくと安心です。
市販薬は家族で共用できますか?
同じ症状でも、年齢、体重、持病、妊娠・授乳、 アレルギー、併用薬によって適する薬が異なります。 対象年齢と注意事項を確認し、 安易な共用は避けてください。
睡眠改善薬も防災袋に必要ですか?
全ての家庭に必要な標準備蓄ではありません。 眠気、ふらつき、口の渇きなどが起こる場合があり、 避難時の転倒リスクにも注意が必要です。 耳栓、アイマスク、防寒、照明調整などを優先し、 薬は事前に専門家へ相談します。
漢方薬を非常持ち出し袋に入れてもよいですか?
普段から使用し、自分に合うことを確認できている 漢方薬であれば候補になります。 どの症状で使うか、何日服用するか、 受診へ切り替える目安まで事前に確認してください。
ペットの薬も同じように備えた方がよいですか?
はい。継続中の動物用医薬品、処方内容、 動物病院の連絡先、療法食、投薬補助用品を準備します。 人用の薬を自己判断でペットへ与えないでください。
薬の備えに迷ったら、平時に薬剤師へ相談

防災用の薬は、一般的なリストをそのまま購入するより、 普段の処方薬、既往歴、アレルギー、 家族構成に合わせて選ぶことが大切です。
平時の栄養・腸活を整える関連ページ
災害時に新しい食品や健康食品を初めて試すのではなく、 平時から自分に合うものを確認しておくことが大切です。
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参考にした公的情報
医療上の注意: この記事は一般的な情報提供を目的としており、 個別の診断・治療・処方に代わるものではありません。 持病、妊娠・授乳、アレルギー、服用中の薬がある方は、 医師または薬剤師へご相談ください。 緊急性が高い症状では119番を優先してください。
監修者・免責事項
本記事の信頼性を高めるため、監修者情報と免責事項をまとめています。 体質の整理(中医学)と、現代の栄養学・生活習慣の視点を両輪で扱い、誠実な表現を心がけています。
Supervisor / Reviewer
監修者情報

監修:河邊 甲介(薬剤師/中医薬膳師/薬膳素材専門士/ペットフーディスト)
漢方薬局「ほどよい堂」代表
宮崎県川南町にて、漢方 × 薬膳 × 腸活のトリプルアプローチによる健康相談を行っています。 体質の言語化と、日常で“続く整え方”をセットでご提案しています。
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療・処方の代替ではありません。 症状が強い/長引く/不安が大きい場合は、医療機関・専門家へご相談ください。
- 体質・状態・既往歴により、最適な対処は異なります。
- 妊娠中・授乳中・服薬中・通院中の方は、自己判断での実施を避け、必ず確認してください。
- 記事内容は、予告なく更新・変更する場合があります。

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