災害時の下痢・腹痛対策|“脱水”を防ぐ初動マニュアル
災害時や避難生活で増えやすい体調トラブルのひとつが、
下痢・腹痛・吐き気 といった胃腸の不調です。
普段は平気な人でも、
- 冷え(お腹の冷え)
- 食事の変化(いつもと違う食べ物)
- ストレス・緊張(交感神経が高ぶる)
- 衛生環境の変化(手洗い不足になりやすい)
こうした条件が重なると、腸は一気に乱れやすくなります。
そして下痢で一番怖いのは、
体力を奪うことよりも、
脱水(+電解質の不足) が進んでしまうこと。
この記事では、災害時にできる
下痢・腹痛対策の初動 を、わかりやすくまとめました。
目次
下痢で一番怖いのは「脱水」

下痢は、腸が「外に出して守ろう」としている反応でもありますが、
水分がどんどん失われるため、短時間でしんどくなりやすいのが特徴です。
特に避難生活では、
- 水分が取りにくい
- トイレが落ち着かない
- 冷える
- 眠れない
といった条件も重なり、回復が遅れやすくなります。
✅脱水のサイン(チェック)
- 口が乾く/唇がカサカサする
- 尿の回数が減る、色が濃い
- 立ちくらみ、ふらつく
- 体がだるい、力が入らない
- 脈が速い感じがする
※小児・高齢者は特に注意が必要です。
まず確認したい危険サイン(受診の目安)

下痢は多くが一時的なものですが、
危険サインがある場合は我慢しないのが大切です。
✅受診を考えたいサイン
- 水分がほとんど取れない(飲むと吐く)
- 高熱が続く
- 血便がある
- 激しい腹痛で動けない
- 意識がぼんやりする
- 子ども・高齢者でぐったりしている
自宅・避難所でできる対策(初動の優先順位)

ここからは、下痢・腹痛が出たときの対策を
「やるべき順番」 でまとめます。
全部できなくてOK。
まずは 脱水を防ぐこと が最優先です。
① 水分・電解質(まずはここ)
下痢のときに最優先は、水分+電解質(塩分など)を少しずつ補うこと です。
✅飲み方のコツ
- 一気に飲まず「少量を回数多く」
- 冷たい水より、できれば常温〜温かめ
- ひと口ずつ、ゆっくり
✅取りやすいもの
- 経口補水液(あれば最強)
- スポーツ飲料(濃い場合は薄めてもOK)
- 具なし味噌汁・スープ(塩分+水分+温め)
- お湯+塩を少し(環境が厳しい時の代替)
※「お腹が痛いから飲まない」は、脱水を進めやすいので注意。少しずつでも回数で稼ぐのがコツです。
② 食べ方(腸を休ませる)
下痢のときは
腸をいったん休ませる食べ方 が回復を早めます。
✅まずおすすめ
- おかゆ
- やわらかいうどん
- スープ
- バナナ(合う人は)
✅控えたいもの(悪化しやすい)
- 脂っこいもの
- 冷たいもの
- 刺激が強いもの
- 甘いものの食べすぎ
③ 体を冷やさない(お腹を守る)
下痢のときは、お腹が冷えると悪化しやすいです。
避難所・車中泊は冷えが重なりやすいので、ここが重要です。
✅温める優先順位
- お腹(カイロ・腹巻)
- 足(靴下・レッグウォーマー)
- 首(ネックウォーマー)
✅ポイント
- 温かい汁物は “腸への保温” にもなる
- 冷たい飲み物は控えめに
④ 衛生(感染性胃腸炎の予防)
下痢が流行る場面では、手洗いが十分にできない状況も起こりえます。
✅できる範囲で意識したいこと
- 食事前とトイレ後は手指消毒
- 共有物の扱いは慎重に
- タオルはできれば共有しない
- 使い捨て手袋があると安心
便秘との分岐(止めすぎ注意)

災害時は「便秘」と「下痢」が交互に来ることもあります。
特に、腸が弱っているときは揺れやすいです。
- 下痢がひどい → まず脱水対策
- 落ち着いてきた → 食べ方を整える
- その後便秘になりやすい → 水分と温めを続ける
中医学で見る下痢・腹痛(冷え/ストレス/胃腸虚弱)

下痢や腹痛も、原因は1つではありません。
中医学では「タイプ(証)」で整え方を変えると、無理が少なくなります。
✅タイプ別の目安
| タイプ(証) | かんたん説明 | こんなサイン | 初手の養生 |
|---|---|---|---|
| 寒湿(かんしつ) | 冷え+水分がたまるタイプ | お腹が冷える・水っぽい便 | 温める・温かい汁物 |
| 気滞(きたい) | ストレスで腸が乱れるタイプ | 緊張で下痢・お腹が痛い | 深呼吸・安心環境・ゆるめる |
| 脾虚(ひきょ) | 胃腸が弱っているタイプ | 食後に下痢・疲れやすい | 消化にやさしい食事・少量 |
※避難生活では「冷え(寒湿)」と「緊張(気滞)」が重なりやすく、胃腸が弱い方は「脾虚」がベースになりやすい傾向です。
まとめ:胃腸を守る備えが“回復力”を作る

災害時の下痢・腹痛は、
体の防御反応でもありますが、
脱水が進むと一気にしんどくなる のがポイントです。
まずは優先順位をシンプルに。
- 水分・電解質を少しずつ
- 腸を休ませる食べ方
- お腹を冷やさない
- 衛生をできる範囲で守る
- 危険サインは我慢しない
そして、避難生活で胃腸が崩れやすい方は
“備え”の段階で体調管理の道具をセット化しておくと安心です。


