災害時の受診の目安|我慢しない方がいい“危険サイン(レッドフラッグサイン)”

災害時は、いつもより病院に行きにくく、周囲に迷惑をかけたくなくて「もう少し様子を見よう」と我慢しがちです。

でも避難生活では、脱水・感染症・熱中症・持病の悪化が重なりやすく、軽症が短時間で悪化することもあります。

この記事では、
救急車(119)を迷わない危険サイン
子ども・高齢者の注意ポイント
病院に行くまでの応急対応
を、チェックリスト形式でまとめます。

※本記事は一般的な目安です。緊急時は迷わず医療機関へ相談してください。

受診が必要なサイン一覧

まずは結論から。

以下に当てはまる場合は、「我慢しない」が正解になりやすいです。

【最優先】救急車(119)を呼ぶ目安

  • 意識がない/呼びかけに反応が鈍い
  • 息が苦しい/呼吸が明らかにおかしい
  • 胸の強い痛み、冷や汗、強い動悸
  • けいれん、激しい頭痛、急な麻痺(手足が動かない)
  • 立てないほどのふらつき・転倒を繰り返す
  • 皮膚や唇が紫っぽい、顔色が明らかに悪い
  • 熱中症で 意識障害・まっすぐ歩けない・水分が飲めない など重い症状がある (厚生労働省)

✅迷ったら「相談窓口」も使えます

下痢・嘔吐で危険になりやすいサイン(脱水に注意)

災害時の下痢・嘔吐で一番怖いのは、脱水です。

WHOも、下痢で最も深刻な脅威は脱水だと述べています。 (世界保健機関)

  • 水分がほとんど摂れない/飲むと吐く
  • 尿が極端に少ない(半日以上ほぼ出ない)
  • ぐったりして動けない、意識がぼんやり
  • 血便/吐血(血が混じる)
  • 高熱が続く+下痢・嘔吐が止まらない
  • 口がカラカラ、皮膚が乾く、脈が速い(脱水サイン) (archive.cdc.gov)

高熱で危険になりやすいサイン(感染症・熱中症)

  • 高熱+意識が変(受け答えがおかしい)
  • 高熱+強い頭痛/首が硬い/けいれん
  • 発汗が止まらない・または汗が出ない+体が熱い(熱中症を疑う) (厚生労働省)
  • 呼吸が苦しい、唇が紫、ゼーゼーが強い
  • 持病(心臓・腎臓・糖尿病など)があり急に悪化している

子ども・高齢者で注意すべき症状

重要なポイントを強調して伝えるためのPointマークのイラスト

子どもと高齢者は、脱水が早く進みやすいのが最大のポイントです。

子ども:脱水が早い(小児は“ぐったり”が重要サイン)

  • ぐったりして元気がない/反応が弱い
  • 泣いても涙が出ない
  • 口が乾く、目がくぼむ
  • おしっこが少ない(オムツが長時間ぬれない) (Mayo Clinic)
  • 水分が飲めない/吐き続ける/下痢が止まらない
  • 呼吸が速い、顔色が悪い

迷ったら #8000(子ども医療電話相談) を使うと判断しやすくなります。 (厚生労働省)


高齢者:気づかぬうちに脱水・熱中症が進む

(箇条書きブロック)

  • ふらつき・転びそうになる
  • 食事がほとんど入らない
  • ぼーっとする/会話が噛み合わない
  • 口の渇き、皮膚の乾燥、脈が速い (Mayo Clinic)
  • 暑いのに汗が出ない、体が異常に熱い(熱中症サイン) (日本生気象学会)

※利尿薬・血圧の薬を使っている方は、脱水の進み方が変わることがあります。体調が崩れたら早めに相談が安心です。

病院に行くまでの対応策

受診までの時間にできることは、基本はこの3つです。

  1. 脱水を止める(少量をこまめに)
  2. 体温を調整する(冷ます/温める)
  3. 無理に食べない(胃腸を守る)

① 下痢・嘔吐:まずは“少しずつ補水”

下痢・嘔吐は、いきなり普通食に戻すより、まずは脱水を防ぐのが先です。
NHSも「一番大事なのは脱水を防ぐために水分をとること」と案内しています。 (nhs.uk)

  • 一気飲みせず、ひと口×回数
  • 可能なら経口補水液(ORS)
  • 吐き気がある時は 5分おきに少量 でもOK
  • 飲めない/吐き続ける → 早めに受診

② 熱中症・脱水:冷やす+補水(危険なら救急)

  • 風通しの良い日陰へ移動
  • 衣服をゆるめる
  • 首・わき・足の付け根を冷やす
  • 水分と塩分を少しずつ
  • 意識が変/飲めない → 救急(119) (厚生労働省)

③ 発熱:まずは「休ませる・水分・冷やしすぎない」

  • 寒気が強い時は温めすぎず「保温」
  • 汗をかいたら着替え(冷え戻り防止)
  • 水分を少量ずつ(可能なら温かい飲み物)
  • ぐったり+水分が取れない → 受診を優先

④ “食べられない時”のコツ(胃腸を守る)

  • 食事は無理に詰め込まない
  • 温かい汁物が最優先(味噌汁・スープ)
  • 「よく噛む」を意識(消化のスイッチ)
  • 甘い飲料は回数が増えるほど腸が荒れやすいので薄める

まとめ:軽症のうちに整える“備え”

漢方薬剤師が指差しで案内するオンライン漢方相談のイラスト|ほどよい堂

災害時の受診判断は、
「危険サインがあるか」→「脱水が進んでいないか」 の順で見ると迷いにくくなります。

  • 意識・呼吸・麻痺・激痛は 救急(119)
  • 下痢・嘔吐は 脱水が最大リスク(飲めない・尿が出ないは要注意) (世界保健機関)
  • 子ども・高齢者は悪化が早いので早めの相談が安心 (Mayo Clinic)
  • 応急対応は「少量こまめ補水+体温調整+胃腸を守る」

そして理想は、
重症化してから慌てるより、“軽症のうちに整えられる備え”を持つことです。