腸内細菌が倍増してしまう病気!「小腸内細菌異常増殖症:シーボ(SIBO)」ってなに?
目次
腸内細菌が“倍増”してしまう病気? 小腸内細菌異常増殖症(SIBO)をわかりやすく整理
腸活に良いはずの「食物繊維・発酵食品」で、むしろお腹が張る/下痢する…。 それは SIBO(Small Intestinal Bacterial Overgrowth:小腸内細菌異常増殖症) の可能性もあります。 本記事は、症状・原因・検査・治療・食事の考え方まで、実践に落とし込める形でまとめ直しました。
この記事でわかること
- SIBOの典型症状(下痢型/便秘型)
- 呼気テスト(ブレステスト)での見分け方
- よくある原因(腸の動き・胃酸・食習慣)
- 治療の全体像(抗菌・食事・生活)

※本記事は情報提供を目的としています。強い腹痛、血便、体重減少、発熱、脱水などがある場合は早めの受診をご検討ください。
SIBOとは?(症状・タイプ)
結論:SIBOは「小腸で細菌が増えすぎる状態」
SIBOは、本来は大腸に多い腸内細菌が小腸で増えすぎてしまい、ガス・膨満感・腹痛・下痢/便秘などを起こしやすくなる状態です。 さらに、栄養吸収に影響しやすい点も重要です。

下痢型・便秘型:ガスの種類で傾向が変わる
SIBOでは発酵でガスが増えます。一般に、水素(H2)優位は下痢傾向、メタン(CH4)優位は便秘傾向になりやすいとされます。 「お腹は張るのに便が出ない/逆に下痢が続く」など、タイプ整理が食事設計に役立ちます。

| タイプ(傾向) | 水素(H2)優位:下痢寄り/メタン(CH4)優位:便秘寄り |
|---|---|
| 起こりやすい体感 | ガス張り、ゴロゴロ、腹痛、食後の不快感 |
| 食事のヒント | 発酵性の糖質・食物繊維を“量とタイミング”で調整 |
腸内細菌の“数”の違い:小腸は本来、少ない
腸内細菌はどこにでも同じ量ではありません。一般に、胃は極めて少なく、小腸も大腸に比べると少ないのが通常です。 SIBOはこの「小腸の細菌量」のバランスが崩れる状態として捉えると理解しやすくなります。
診断:呼気テスト(ブレステスト)
代表的検査:呼気テスト(H2/CH4)
SIBOの診断では、呼気テスト(ブレステスト)がよく用いられます。 砂糖(検査用)を飲み、その後の呼気中の水素・メタンの増え方を見て、小腸での発酵(=細菌増殖の可能性)を推定します。
※検査の適応や具体的な手順は医療機関によって異なります。疑いが強い場合は受診で相談してください。
原因:なぜ小腸で増える?
原因① 小腸の動き(蠕動)が弱い
小腸は“流す力”で細菌が増えすぎないように保っています。この動きが弱いと、内容物が停滞し、細菌が増えやすくなります。
原因② 胃酸の低下(防御力の低下)
胃酸は、食事と一緒に入る菌を抑える防御にも関与します。胃酸が弱いと、小腸へ菌が到達しやすくなる可能性があります。
原因③ 食物繊維・発酵食品を“頑張りすぎて逆効果”
食物繊維や発酵食品は腸活の王道ですが、SIBOが疑われる場合は、発酵の場所が“ズレて”しまい 小腸でガスが増えて不調が強まることがあります。
治療:抗菌+食事+生活の組み合わせ
治療の全体像:単発でなく「組み合わせ」が基本
SIBO対策は「抗菌(必要なら)」「発酵を起こしにくい食事設計」「腸の動き・ストレス調整」を組み合わせて、 再発しにくい形へ持っていく考え方が現実的です。
| 柱 | 抗菌(医師管理)、食事(低FODMAP等)、腸の動き(生活/運動/睡眠)、ストレスケア |
|---|---|
| 狙い | ガス発生の“燃料”を減らし、腸の流れを整え、腸内環境の再構築を支える |
① 抗生物質(医師の管理下で)
SIBOでは抗生物質が使われることがあります(例:10〜14日程度のケースなど)。 種類や期間は医師判断となるため、検査結果や症状に応じて相談してください。
② 食事療法:低FODMAP・高発酵食を調整
「発酵しやすい糖(FODMAP)」を一時的に控え、ガス発生を抑える考え方が使われます。 代表例として、玉ねぎ・ニンニク・リンゴ・小麦製品などを調整する方法があります。
③ 腸の運動を整える(生活・軽い運動)
腸の“流す力”を支えるために、規則正しい食事、睡眠、軽い運動(ウォーキング・ヨガ等)が役立つことがあります。

④ ストレスケア:腸はストレスの影響を受けやすい
ストレスは消化機能に影響しやすく、腸の動き・痛みの感じ方にも関与します。 「呼吸」「軽い運動」「入浴」「睡眠」「情報遮断」など、現実的にできるものを組み合わせるのがおすすめです。
潰瘍性大腸炎との関係
なぜ関連が注目される?(悪化要因になりうる)
潰瘍性大腸炎とSIBOは関連が示唆され、SIBOが症状悪化の一因になる可能性があります。 影響を最小化するには、適切な診断と治療(抗菌・食事など)を医師の指導下で進めることが大切です。
砂糖と腸内細菌の関係
砂糖が多いと:有害菌が増えやすく、善玉菌が減りやすい
砂糖の過剰摂取は、腸内の有害な菌(例:クロストリジウム、カンジダなど)の増殖を助長し、 腸内フローラのバランスを崩す可能性があります。結果として、消化不良・腹痛・ガスなどが出やすくなることがあります。
また、砂糖中心の食生活は食物繊維などの摂取が減りやすく、善玉菌が減少しやすい点もポイントです。 腸内環境の悪化は免疫機能や炎症リスクにも影響しうるため、まずは「減らし方」を設計するのが現実的です。
梅肉エキスと消化器サポート
梅肉エキス:クエン酸(抗菌)+巡り(血流)+抗炎症の示唆
梅肉エキスは、古くから健康食品として用いられ、消化器官へのサポートが注目されてきました。 主な観点として、クエン酸に起因する抗菌作用、血液の流動性(巡り)サポート、炎症反応への抑制作用が挙げられています。
| 観点 | クエン酸の抗菌作用が示唆され、腸内環境維持に役立つ可能性 |
|---|---|
| 巡り | 血流が整うと、消化器官への酸素・栄養供給を支えやすい |
| 抗炎症 | 炎症反応を抑える成分が含まれる可能性が示唆 |
※体質・胃腸の強さにより合う/合わないがあります。気になる方は個別にご相談ください。
食事療法の実践:低FODMAP・プレバイの使い方
やることはシンプル:「ガスの燃料」を一時的に減らし、段階的に戻す

SIBOが疑われる場合でも、適切な食事設計で腸内環境を整えることは可能です。 ただし、最初から食物繊維・発酵食品を増やすのではなく、段階設計が重要です。
- 低FODMAP食を試す:発酵性の糖(FODMAP)を一時的に制限し、ガス・膨満感を軽減しやすくします。
- プレバイオティクスは慎重に:イヌリン等は逆効果になりうるため、控えめ→様子を見て増やす。
- 消化酵素の活用:食事と一緒に取り入れ、消化プロセスを助ける選択肢。
- 抗菌療法(医師管理):必要に応じて抗菌剤(例:リファキシミン等)を検討することがあります。
①定期的な食事(規則正しいタイミングで小腸運動を支える)
②ストレス管理(リラックス法や軽運動を取り入れる)
③適度な運動(ウォーキング・ヨガ等を日常に)
「何を減らして、何を増やす?」を一緒に設計します
ほどよい堂は ①栄養(つくる)②循環(巡らす)③吸収=腸活(受け取る) の3本柱で、無理なく続く設計に落とし込みます。
イヌリン(食物繊維)で悪化する人の特徴
食後2〜3時間でガス張り/下痢が出るなら要注意
イヌリン(菊芋などに多い水溶性食物繊維)はプレバイオティクスとして有名ですが、 SIBOがある場合は小腸で過剰発酵が起きやすく、ガス・不快症状を強めることがあります。
(参考)不溶性デキストリンとの違い・発酵の速さ
食物繊維でも発酵のされ方が異なります。自分の腸の反応に合わせて選ぶことが大切です。
| 水溶性食物繊維 | 腸内細菌の“エサ”になりやすい(発酵性が高いものも) |
|---|---|
| 不溶性食物繊維 | 便のかさ増し・通過を支える方向(発酵性は相対的に低いことが多い) |
| 発酵速度(イメージ) | 早い:ガスが出やすい/遅い:比較的マイルド |
※症状が強い場合は、自己流で食物繊維を増やしすぎず、段階調整をおすすめします。
漢方×薬膳×腸活:ほどよい堂の整え方(参考)
漢方の見立て:まず「脾(ひ)=消化吸収の土台」を立て直す
中医学では、消化吸収は脾(ひ)=土の働きが中心です。 ここが弱ると、気(エネルギー)・血(栄養)・津液(うるおい)の巡りに影響し、不調が長引きやすくなります。
・脾虚(ひきょ)=消化力低下タイプ:食後のだるさ、胃もたれ、軟便
・肝気鬱結(かんきうっけつ)=ストレス停滞タイプ:緊張で腹が張る、げっぷ、痛みが波打つ
・湿熱(しつねつ)=ベタつき炎症タイプ:下痢、におい、口の粘り、熱っぽさ
・寒湿(かんしつ)=冷え滞りタイプ:冷え+下痢、温めると楽
体質(証)は人により異なります。無理な制限より「合う食材・合う整え方」を一緒に見つけます。
よくある質問(FAQ)
Q. 腸活(発酵食品・食物繊維)で逆に悪化するのはなぜ?
SIBOが疑われる場合、発酵の主戦場が小腸側に寄り、ガスが過剰に出てしまうことがあります。 量・種類・タイミングを調整し、段階的に戻す設計が役立つ場合があります。
Q. 低FODMAPはずっと続けるもの?
多くの場合、ずっと続けるより「一時的に整える→反応を見ながら戻す」設計が現実的です。 体質や症状に合わせた調整が大切です。
Q. まず何から始めればいい?
「甘い飲み物を減らす」「食後のガス張りが強い食材をメモする」など、1つからでOKです。 迷う場合はセルフチェック→相談の順に進めると整理しやすくなります。
お腹の不調を「体質×腸×栄養」でほどよく整える
“禁止だらけ”にしないで、続けられる形へ。状況整理から食事設計、必要なら漢方(1包〜)や腸活アイテムの選び方までご相談いただけます。
※症状が強い/血便・発熱・体重減少などがある場合は、医療機関での評価もご検討ください。
参考文献
・MSD マニュアル
・小腸内細菌異常増殖(SIBO)における診断と治療の標準化を目指して/10.32264/shocho.3.0_45_1
・図解ストレス解消大全 科学的に不安・イライラを消すテクニック100個集めました
・Microbiome. 2022 07 29;10(1);114. doi: 10.1186/s40168-022-01307-x.
・Critical Reveiews in Food Science and Nutrtion, 35(6):525-552(1995)
実験的潰瘍性大腸炎に対する梅肉エキスの医学的効果:紀州梅効能研究会HP
監修者・免責事項
本記事の信頼性を高めるため、監修者情報と免責事項をまとめています。 体質の整理(中医学)と、現代の栄養学・生活習慣の視点を両輪で扱い、誠実な表現を心がけています。
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監修者情報

監修:河邊 甲介(薬剤師/中医薬膳師/薬膳素材専門士/ペットフーディスト)
漢方薬局「ほどよい堂」代表
宮崎県川南町にて、漢方 × 薬膳 × 腸活のトリプルアプローチによる健康相談を行っています。 体質の言語化と、日常で“続く整え方”をセットでご提案しています。
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療・処方の代替ではありません。 症状が強い/長引く/不安が大きい場合は、医療機関・専門家へご相談ください。
- 体質・状態・既往歴により、最適な対処は異なります。
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