フォドマップ(FODMAP)を理解する:腸内環境を改善する食事のポイント
目次
- 1 FODMAPとは?食事での健康増進に役立つ知識
- 2 消化吸収されにくい糖質!フォドマップ(FODMAP)ってなに?
- 3 低フォドマップ食とはフォドマップを控えた食事のこと
- 4 低フォドマップ食と高フォドマップ食をチェック!
- 5 過敏性腸症候群(IBS)を改善させる低フォドマップ食の実践方法
- 6 腸内フローラ改善のためのFODMAP食一覧表とおすすめ食材
- 7 フォドマップ量の変化を知って賢く調理!同じ食材でも調理法で差が出る理由
- 8 食物繊維・オリゴ糖・糖質とFODMAP:IBS患者と腸活を意識する人のための重要な注意点
- 9 宮﨑氏と共同開発したFODUPの低FODMAP認証商品:腸内環境を整える新しい選択肢
- 10 簡単な体質セルフチェックで、あなたにピッタリの健康法がわかる
- 11 今すぐチェック!
FODMAPとは?
食事での健康増進に
役立つ知識
消化吸収されにくい糖質!フォドマップ(FODMAP)ってなに?
フォドマップとは、「小腸で消化吸収されにくい糖質」の総称です。フォドマップは英語で「FODMAP」とあらわし、以下の頭文字から名付けられています。
- F:fermentable 発酵性の
- O:oligosaccharides オリゴ糖
- D:disaccharides 二糖類
- M:monosaccharides 単糖類
- And
- P:polyols ポリオール(糖アルコール)
糖質を含む食べ物には、腸内で発酵しやすいものと発酵しにくいものがあります。
- 発酵しやすい糖質を含む食べ物:「高FODMAP食」
- 発酵しにくい糖質を含む食べ物:「低FODMAP食」
これは、低FODMAPの食品における世界的な研究機関であるMonash大学で提唱された考え方です。
低フォドマップ食とはフォドマップを控えた食事のこと
「低フォドマップ食」とは、小腸で消化吸収されにくい糖質であるフォドマップを控えた食事のことをさします。
フォドマップを多く含む食品を摂りすぎると、腹痛や下痢を引き起こしたり、お腹にガスが溜まりやすくなったりするとされています。
さらに、過敏性腸症候群(IBS)の原因になっているというデータもあります。
低フォドマップ食と高フォドマップ食をチェック!
- 低フォドマップ食材の例:
野菜では「にんじん・なす・ピーマン・大根・キャベツ」など、穀類では「玄米・白米・オートミール・蕎麦」など、果物では「バナナ・イチゴ・キウイ」などです。
- 高フォドマップ食材の例:
野菜では「玉ねぎ・にんにく・さつまいも・ごぼう」など、穀類では「小麦・大麦・ライ麦」など、果物では「りんご・マンゴー・ライチ・柿」などです。
ここで、メニューのポイントですが「高フォドマップ食は絶対に食べない」という考え方ではなく、「身体の不調の原因となり得る食品は控える」という心持ちが大切です。
薬膳や漢方の基本的な考え方のなかに「中庸(ちゅうよう)」という言葉がありますが、どちらにも偏らず「ほどよい」状態が良いという意味です。
ちなみに、当店の名前(ほどよい堂)の由来でもあります。
過敏性腸症候群(IBS)を改善させる低フォドマップ食の実践方法
Step1:高FODMAP食品を控える(目安期間:約3週間)
※お腹の不調に改善が見られれば、このまま継続してステップ2に移ります。一方、何も変化がない場合は、不調の原因は高フォドマップ食ではない可能性が高いため、ここで中断しましょう。
Step2:FODMAPを試す(目安期間:約5週間)
※制限していたFODMAPを含む食品を1種類ずつ、少しずつ量を増やしながら試します。食べてもお腹の症状が出なければ、その食品はその量まで食べられる食品です。
Step3:原因のFODMAPだけ省く
※過敏性腸症候群(IBS)の症状を起こす原因になるものがわかったら、それを除いて食生活を組み立てましょう。
用語解説
- 過敏性腸症候群(IBS):
過敏性腸症候群(Irritable bowel syndrome :IBS)は、大腸および小腸に潰瘍や腫瘍などの器質的異常がないにもかかわらず、下痢あるいは便秘などの便通異常と腹痛、腹部膨満感などのおなかの症状がある病気です。日本における有病率(人口中、その病気を持っている割合)は10~20%と報告されています。※1
- 中庸:
孔子に由来する儒教の言葉で「かたよらずに常に変わらない」「過不足なく調和がとれている」などの意味。
腸内フローラ改善のためのFODMAP食一覧表とおすすめ食材
以下の表は、高FODMAP食品と低FODMAP食品をカテゴリごとに分類したものです。
カテゴリ | 高FODMAP食品 | 低FODMAP食品 |
---|---|---|
穀物 | ラーメン、うどん、パスタ、パン、小麦粉 | フォー、ビーフン、十割そば、もち、米 |
いも | さつまいも、さといも | こんにゃく、じゃがいも |
野菜 | グリンピース、さやえんどう、長ねぎ、にら、にんにく、たまねぎ、アスパラガス | 赤パプリカ、もやし、ほうれんそう、白菜、にんじん、なす、だいこん、かぼちゃ、トマト |
果物 | アボカド、なし、りんご、レーズン、さくらんぼ、桃、すいか、柿 | レモン、オレンジ、キウイフルーツ、ぶどう、いちご |
きのこ・海藻 | マッシュルーム、えのき、しいたけ | 焼きのり |
豆 | あずき、ひよこ豆、いんげん豆、豆乳、絹ごし豆腐、納豆、大豆 | 木綿豆腐 |
肉・魚・卵 | ソーセージ | 卵、魚、鶏肉、豚肉、牛肉 |
乳製品 | クリームチーズ、プロセスチーズ、生クリーム、ヨーグルト、牛乳 | モツァレラチーズ、チェダーチーズ、カマンベールチーズ |
油脂・調味料・甘味料 | 糖アルコールを人工甘味料として添加している加工品、濃縮果汁、高果糖シロップ、はちみつ、固形スープの素、トマトケチャップ | 砂糖、酢、しょうゆ、みそ、塩、マヨネーズ、オリーブオイル、マーガリン、バター |
菓子・その他 | キャンディ、ガム、ミルクチョコレート、プリン、アイスクリーム、ウーロン茶、あんこ、洋菓子、スナック菓子、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ | アーモンドミルク、ココア、コーヒー、紅茶、緑茶、タピオカ、せんべい、ポップコーン |
チョコレートでもカカオの割合が高いダークチョコレートで30gは低フォドマップです。
それ以外のチョコレートは高フォドマップです。
フォドマップ量の変化を知って賢く調理!同じ食材でも調理法で差が出る理由
フォドマップ(FODMAP)は、消化に時間がかかる発酵性オリゴ糖、二糖類、単糖類およびポリオールの総称で、腸内でガスを発生させやすく、消化不良や腹痛の原因になることがあります。
このため、過敏性腸症候群(IBS)やその他の消化器疾患のある人にとって、フォドマップの量を管理することが重要です。
低フォドマップ食材と高フォドマップ食材:調理方法や組み合わせで変わるフォドマップ量
同じ食材でも、調理方法や組み合わせによってフォドマップの量が変わることをご存じでしょうか?
例えば、以下のような事例があります:
- 白菜や唐辛子:
- 低フォドマップ食材:白菜、唐辛子
- 高フォドマップ食材:これらを組み合わせて発酵させたキムチ
- カレー粉とカレーソース:
- 低フォドマップ食材:カレー粉
- 高フォドマップ食材:調理されてソースになったカレー
こうした食材の違いを理解することで、「低フォドマップ食のつもりで食べていたら、実は高フォドマップ食だった」とならないように注意が必要です。
調理法や製造方法で変わるフォドマップ量:豆腐の例で学ぶ
調理や製造方法がフォドマップの量にどのように影響を与えるのかを見てみましょう。
- 豆腐の例:
豆腐に含まれるフォドマップは液体に溶ける性質があります。
そのため、絹豆腐よりも水分を抜いた木綿豆腐の方がフォドマップが低いと言われています。
これは、豆腐の製造過程でフォドマップが液体と一緒に取り除かれるためです。
低フォドマップを実現するための調理・製造方法完全ガイド:効果的なポイント
低フォドマップのための調理・製造方法を把握することも、効果を引き出すためには大切です。
以下のポイントに注意しましょう。
- 食材の組み合わせ:
- 低フォドマップ食材を組み合わせる際にも、発酵や加工によってフォドマップの量が変わる可能性があることを考慮しましょう。
- 調理法の選択:
- シンプルな調理方法を選び、ソースやドレッシングなどの追加材料に注意を払いましょう。
- 製造過程の確認:
- 市販の製品を購入する際は、製造過程や成分表を確認し、フォドマップの含有量を把握することが重要です。
フォドマップ食の目的は体に合わない食材を見つけること:厳しい制限ではなく、健康的な食事選び
フォドマップ食は厳しい食事制限が目的ではなく、自分に合わない食材を見つけるために行うものです。
もし食べても身体の不調がないのであれば、フォドマップを気にせずに食べても問題ありません。
小まとめ
フォドマップの量は、同じ食材でも調理方法や組み合わせ次第で大きく変わることを覚えておきましょう。
食材を賢く選び、調理方法を工夫することで、腸内の健康を維持しながら、バラエティ豊かな食事を楽しむことができます。
フォドマップを理解し、自分に合った食事を見つけることが、健康な生活への第一歩です。
食物繊維・オリゴ糖・糖質とFODMAP:IBS患者と腸活を意識する人のための重要な注意点
食物繊維、オリゴ糖、糖質には「発酵性が高い」「低分子」「腸内細菌で急速に発酵する」といった共通点があります。
これらの特性は、過敏性腸症候群(IBS)の患者にとって注意が必要です。
IBS患者には食物繊維の摂取が推奨されることもありますが、FODMAPの理論によると、発酵性が高く低分子の食物繊維は逆にIBSの症状を引き起こす可能性があります。
腸活とFODMAPに最適な食物繊維の選び方:IBSの症状に合った食物繊維とは
「腸活」のために食物繊維を積極的に摂取する人も多いですが、自分の腸の状態に合った食物繊維を選ぶことが重要です。
発酵性が高い食物繊維は腸内で急速にガスを発生させ、腸内環境を乱す可能性があります。
特にIBSの症状を持つ人は、食物繊維の種類に注意する必要があります。
Monash大学の低FODMAP認証制度とは?安心して選べる食品のメリット
Monash大学などの機関は、FODMAPの低い食品について認証を与える制度を開始しています。
低FODMAP認証マークが付いた食品は、成分を確かめる手間なく安心して選ぶことができ、海外では徐々に広がっています。
低FODMAP食品を見分けるポイント:Monash大学の認証とグアーガム分解物の特長
低FODMAP食に対応した食品を見分けるためのポイントを紹介します。
例えば、食物繊維素材として初めてMonash大学の低FODMAP認定を受けたのが、100%グァー豆から作られた水溶性の食物繊維「グアーガム分解物」です。
Monash大学は、発酵性の低分子糖質が少量しか含まれていないことを確認し、この認定を行いました。
腸内細菌のバランスを整えるための食材選び:穏やかに発酵する食材の重要性
腸内細菌のバランスを整え、腸の働きを良くするためには、「発酵性」だけでなく、「穏やかに発酵し、急激な変化をしない」ことが重要です。
急速な発酵はガスの急増を引き起こし、腸内環境を悪化させる可能性があります。
穏やかな発酵を促す食材を選び、腸内環境を整えることが大切です。
小まとめ
食物繊維、オリゴ糖、糖質の選択においては、発酵性と低分子の特性を考慮することが重要です。
IBS患者や腸活を意識する人々は、自分の腸の状態に合わせた食物繊維の選択を心がけ、急速な発酵を避けるようにしましょう。
また、Monash大学の低FODMAP認証マークを活用することで、適切な食品選びが簡単になります。
腸内環境を整えるために、賢く食材を選びましょう。
宮﨑氏と共同開発したFODUPの低FODMAP認証商品:腸内環境を整える新しい選択肢
近年注目を集めている低FODMAP(フォドマップ)食ですが、アメリカではすでに病院などで広く活用されており、日本でも多くの方が関心を寄せています。
しかし、低FODMAP食を一人で実行するのは難しく、挫折してしまうという声が多く聞かれます。
これはアメリカでも日本でも共通の課題です。
そこで、少しでも多くの方をサポートしたいという思いから、低FODMAPの専門家である宮﨑氏と共同で開発したのが「FODUP」です。
FODUPの特長:お腹にやさしく、美味しさも追求した低FODMAP認証商品
- お腹にやさしい:低FODMAP食の特性を活かし、お腹に負担をかけない成分を使用しています。
- おいしい:味にもこだわり、満足感のある美味しさを実現しました。
- 低FODMAP認証取得:世界的に権威のあるMonash大学から低FODMAP認証を取得しており、安心してお召し上がりいただけます。
FODUPの開発背景と目的:忙しい現代人に最適な低FODMAP食をサポート
低FODMAP食を実践する上での困難を解消し、より多くの方が健康的な食生活を送れるようにサポートするために、「FODUP」は誕生しました。
FODUPは、忙しい現代人でも手軽に低FODMAP食を取り入れられるように設計されています。
FODUPの魅力:Monash大学認証の低FODMAP食品でお腹にやさしく、美味しさも追求
FODUPは、お腹にやさしいだけでなく、おいしさも追求した画期的な商品です。
Monash大学の低FODMAP認証を取得しているため、成分を一つひとつ確認する手間も省け、安心して低FODMAP食を実践できます。
これにより、低FODMAP食を試してみたいけれど続けられるか不安という方にも、自信を持っておすすめできます。
小まとめ
低FODMAPの専門家である宮﨑氏と共同開発したFODUPは、低FODMAP食を無理なく、美味しく続けるための新しい選択肢です。
ぜひ、FODUPでお腹にやさしい健康的な食生活を始めてみませんか?
FODUPを取り入れて、毎日の食事をもっと楽しく、もっと健康的に。
すなお食堂には、その他にも健康志向の高い商品がたくさんあるよ!
「潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)」について、もっと詳しく多くの情報を得たい場合は、潰瘍性大腸炎・クローン病患者のための「専門家・患者に相談できるIBDコミュニティ(Gコミュニティ)」があります!
参考文献
・※1:一般社団法人/日本大腸肛門病学会
・田辺三菱製薬HP/過敏性腸症候群(IBS)の改善に低FODMAP食の進め方
・過敏性腸症候群の低フォドマップ食:宇野良治編著
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著者プロフィール
河邊甲介 (薬剤師)
KOSUKE KAWABE
▷有資格
- 薬剤師
- 中医薬膳師:本草薬膳学院(学長:辰巳洋)にて資格取得
- 薬膳素材専門士:本草薬膳学院(学長:辰巳洋)にて資格取得
- ペットフーディスト
▷経歴
- 福岡大学薬学部卒
- 総合病院薬剤部・調剤薬局にて勤務
- 2024年1月より宮崎県川南町(峠の里)にて漢方×薬膳×腸活のお店「ほどよい堂」を開局
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薬剤師であり、漢方×薬膳×腸活の専門家として、「ほどよい堂」を運営しています。
中医学的体質診断を基に、個別に最適な健康アドバイスを提供し、無料相談も実施中。
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