妊活＆精子力アップ！当帰芍薬散と人参養栄湯の使い分けを薬剤師が解説

妊活に取り組む中で、「精子の質」に注目が集まっています。

実は中医学では、妊娠力は女性だけでなく、男性の「腎精」や「脾」の働きとも深く関わっていると考えます。

本記事では、精子力アップにも役立つ漢方薬「当帰芍薬散」と「人参養栄湯」の使い分けを、漢方薬剤師が中医学的視点でやさしく解説。

体質に合わせた漢方選びのヒントと、妊活成功に導くための食事や腸活のポイントもご紹介します。

目次

• 1 簡単な体質セルフチェックで、あなたにピッタリの健康法がわかる
• 2 今すぐチェック！
• 3 「妊活は女性だけじゃない」精子力を高める漢方的アプローチ｜中医学で読み解く男性不妊の体質改善法とは？
• 4 【中医学から見た妊活の基本理論】五臓六腑の中で重要な「腎・脾・肝」の役割とは？自然妊娠力を高める漢方の知恵
  • 4.1 ● 腎（じん）…“精”を蔵し、生殖を司る
  • 4.2 ● 脾（ひ）…“気血”を生化し、妊娠の基盤をつくる
  • 4.3 ● 肝（かん）…血を蔵し、情緒と月経を調節する
  • 4.4 ● 妊活における「気・血・精」の調和が大切
• 5 【精子力アップと腸活の関係】妊活に必要な「腎精」と「腸内環境」の整え方｜中医学と現代医学で考える精子の質改善法
  • 5.1 ● 腸＝脾＝「気血生化の源」
  • 5.2 ● 腸内環境が精子に与える影響
  • 5.3 ● 中医学×腸活＝「脾を補い、腎を養う」戦略
• 6 【妊活漢方の選び方】当帰芍薬散と人参養栄湯の使い分けとは？体質別・精子力アップのための漢方薬ガイド
  • 6.1 ■ 当帰芍薬散（とうきしゃくやくさん）
  • 6.2 ■ 人参養栄湯（にんじんようえいとう）
  • 6.3 ◯ まとめ：当帰芍薬散 vs 人参養栄湯の違い
• 7 妊活と精子力改善に効く漢方薬はどっち？当帰芍薬散vs人参養栄湯の使い分けを弁証論治の視点で比較！
  • 7.1 ▼ あなたの“証”はどれ？ 使い分けチェックリスト
  • 7.2 ▼ こんな風に選ぼう！弁証論治のポイント
  • 7.3 ▼ ダブルで使える？ 併用の考え方
• 8 【妊活×薬膳】脾胃を整えて妊娠力アップ！精子力・ホルモンバランスを支える食材と生活養生の基本
  • 8.1 ● 「血」を補う薬膳食材
  • 8.2 ● 「気」を補う薬膳食材
  • 8.3 ● 腸活におすすめの日常食材
  • 8.4 ● 習慣・生活面での養生ポイント
• 9 まとめ / 体質に合った漢方で妊娠力を底上げ！妊活を成功に導く「腎・脾・肝」の整え方と中医学的体質別処方の選び方
  • 9.1 ● まずは自分の体をよく知ることから
• 10 体質チェック＋オンライン相談で妊活・腸活を強力サポート！自然豊かな漢方薬局「ほどよい堂」の中医学的アプローチ
• 11 ■ 宮崎県川南町の自然の中で、自分を見つめ直す時間を【無料相談：漢方・薬膳・腸活】
  • 11.1 ■ アクセス・営業時間
  • 11.2 ■ ご相談・ご予約はこちらから
• 12 簡単な体質セルフチェックで、あなたにピッタリの健康法がわかる
• 13 今すぐチェック！
  • 13.1 🌿「通常の無料漢方相談」をご希望の方へ
  • 13.2 🌸「性のお悩み・デリケートな体調相談」をご希望の方へ

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「妊活は女性だけじゃない」精子力を高める漢方的アプローチ｜中医学で読み解く男性不妊の体質改善法とは？

妊活というと、女性側の体調管理にフォーカスされがちですが、本来は男女双方の体質改善がカギとなります。

特に近年は、男性側の“精子力”にも注目が集まっており、精子の「数」だけでなく、「運動率」や「DNAの健全性」など、質の面も重要視されています。

中医学では、妊娠に必要な体の力を「腎（じん）」が司るとされます。

「腎精（じんせい）」と呼ばれる生命エネルギーが充実していれば、男女ともに妊娠力が高まると考えられています。

また、「脾（ひ）」は後天の本（生命活動の源）として、気血の生成に深く関与し、消化吸収や栄養の運搬を支える臓腑。

さらに、「肝（かん）」は血を蔵し、情緒や自律神経にも関与するため、ストレスによる月経不順や精子質の低下にも影響を与えるとされています。

妊活においては、単に栄養を摂るだけでなく、五臓のバランスを整え、気・血・水の巡りをスムーズに保つことが大切です。

そのためには、漢方の力を活用して体質に応じたアプローチを行うことが、自然妊娠力を高めるうえでの大きな助けになります。

【中医学から見た妊活の基本理論】五臓六腑の中で重要な「腎・脾・肝」の役割とは？自然妊娠力を高める漢方の知恵

中医学における妊活では、「五臓六腑」のうち特に重要なのが「腎」「脾」「肝」です。

これらの臓腑はそれぞれ異なる働きを持ちつつも、妊娠力（生殖力）を支える三本柱として連携しています。

● 腎（じん）…“精”を蔵し、生殖を司る

中医学において「腎」は単なる腎臓ではなく、生命エネルギー＝“精（せい）”の貯蔵庫とされます。

この“腎精”は先天的な体質を決定づけるだけでなく、卵子や精子の質、発育、老化、生理周期などに深く関与します。

腎が弱ると、精子や卵子の質が低下し、妊娠しづらくなると考えられます。

● 脾（ひ）…“気血”を生化し、妊娠の基盤をつくる

「脾」は、飲食物から栄養を吸収し、それを“気血”に変える働きを担います。

脾がしっかり働くことで、妊娠に必要な気血が満ち、子宮環境も整います。

一方で、脾が虚すと（働きが低下すると）、栄養の吸収が滞り、冷え・浮腫・血虚といったトラブルに繋がりやすくなります。

● 肝（かん）…血を蔵し、情緒と月経を調節する

「肝」は血を貯蔵し、また血の巡りや精神状態（情志）をコントロールする臓です。

肝の働きがスムーズであることは、月経周期の安定、ホルモンバランスの維持にとって不可欠です。

ストレスや過労が続くと、肝気が滞りやすくなり、それが排卵障害や精子の運動低下などにも波及してしまいます。

● 妊活における「気・血・精」の調和が大切

中医学では、「気（エネルギー）」「血（栄養）」「精（生命の本質）」が三位一体となって妊娠力を支えると考えます。

このバランスが乱れると、受胎力が低下しやすくなるため、それぞれを補い、巡らせることが妊活の基本です。

【精子力アップと腸活の関係】妊活に必要な「腎精」と「腸内環境」の整え方｜中医学と現代医学で考える精子の質改善法

妊活における「精子力」は、中医学と現代医学の両面から注目されています。

中医学的には「腎精（じんせい）」の充実がカギであり、現代的には、精子の質（運動率・DNA損傷率・形態など）を左右するのが「腸内環境」と「慢性炎症」であるとされています。

● 腸＝脾＝「気血生化の源」

中医学でいう「脾」は、消化吸収を司る臓であり、食物から気・血を生み出す基礎工場ともいえます。

この働きが弱くなると、体に必要なエネルギーも栄養も不足し、結果的に「腎精」を充実させることができません。

つまり、腸の働きが弱ると、精子の質も低下しやすいのです。

● 腸内環境が精子に与える影響

近年の研究では、腸内フローラと精子の質の関連が次々に明らかになっています。

たとえば、

• 腸内細菌の乱れが慢性炎症を引き起こす
• 炎症が精巣内の精子形成環境（セルトリ細胞やライディッヒ細胞）に悪影響を及ぼす
• 腸漏れ（リーキーガット）による内毒素の流出が、精子DNA損傷や運動率の低下に繋がる

といったメカニズムが指摘されています。

● 中医学×腸活＝「脾を補い、腎を養う」戦略

このような背景を踏まえると、妊活においては中医学で「脾を補う」ことと、現代医学でいう「腸活」が重なることが分かります。

具体的には、

• プロバイオティクス（有用菌そのもの）
• プレバイオティクス（有用菌のエサ）
• バイオジェニックス（腸内で働く有効代謝物）

これらをうまく組み合わせて腸内フローラを整えれば、腸→脾→腎精→精子力という流れを底上げできるのです。

【妊活漢方の選び方】当帰芍薬散と人参養栄湯の使い分けとは？体質別・精子力アップのための漢方薬ガイド

妊活において漢方薬を用いる場合、体質（証）に合った処方を選ぶことが何よりも重要です。

ここでは、精子力アップや体調改善に役立つ代表的な2つの処方「当帰芍薬散」と「人参養栄湯」について解説し、それぞれの特徴と適応タイプを明確にします。

■ 当帰芍薬散（とうきしゃくやくさん）

《主な効能》：補血・活血・利水
《構成生薬》：当帰、芍薬、川芎、茯苓、白朮、沢瀉

▼ 特徴と中医学的解釈

当帰芍薬散は、「血虚（水様の血の不足）」と「水滞（水分代謝の停滞）」の両方を改善する処方です。

血を補いながら巡らせ、余分な水分を取り除いて身体を温める働きがあります。

▼ 適応タイプ

• 顔色が青白く、疲れやすい
• 手足の冷えやむくみがある
• 月経不順や月経痛、PMSがある
• 精子数はあるが、元気がない／運動率が低め
• やや胃腸虚弱タイプで水分代謝が悪い

▼ キーワード：血虚＋水滞タイプ／冷えとむくみがあるタイプ

■ 人参養栄湯（にんじんようえいとう）

《主な効能》：補気養血・健脾益肺・強精強壮
《構成生薬》：人参、当帰、白朮、茯苓、黄耆、熟地黄、遠志、五味子、陳皮、桂皮、甘草、生姜、大棗

▼ 特徴と中医学的解釈

人参養栄湯は、気と血を同時に補い、脾肺を強くして生命力全体を底上げする処方です。

慢性的な疲労、虚弱体質、免疫力低下に有効で、「精を補う力」も非常に高い処方とされています。

▼ 適応タイプ

• 疲れやすく、風邪をひきやすい
• 冷えやすく、食が細い
• 気力・活力が低く、ストレスに弱い
• 精子の運動率や活動性が低い
• 加齢による虚弱・慢性疾患による衰えがある

▼ キーワード：気虚＋血虚タイプ／全体的な体力不足タイプ

◯ まとめ：当帰芍薬散 vs 人参養栄湯の違い

妊活と精子力改善に効く漢方薬はどっち？当帰芍薬散vs人参養栄湯の使い分けを弁証論治の視点で比較！

中医学では、「証（しょう）」＝その人の体質や症状の状態を見極めた上で、最適な漢方薬を選ぶ「弁証論治（べんしょうろんち）/ 八綱弁証」の考え方が基本です。

「当帰芍薬散」と「人参養栄湯」はどちらも妊活や精子力の改善に役立つ処方ですが、適応する証（体質・状態）が異なるため、きちんと見極めて選ぶことが成功への第一歩です。

▼ あなたの“証”はどれ？ 使い分けチェックリスト

▼ こんな風に選ぼう！弁証論治のポイント

• 冷え＋血不足＋むくみ → 当帰芍薬散
  　→ 血と水のバランスを整えて、巡りをよくする処方
• 疲労感＋虚弱＋精子力の全体的な低下 → 人参養栄湯
  　→ 気と血を同時に補い、体力・活力の土台から改善する処方

▼ ダブルで使える？ 併用の考え方

場合によっては、当帰芍薬散で血と巡りを整えた後に、人参養栄湯で全体的な補強をするというステップも可能です。

ただし、併用や切り替えのタイミングは、必ず中医学に精通した薬剤師や専門家の指導のもとで行うのが安心です。

【妊活×薬膳】脾胃を整えて妊娠力アップ！精子力・ホルモンバランスを支える食材と生活養生の基本

漢方薬の力を十分に活かすには、日々の食事や生活習慣＝「養生（ようじょう）」を整えることが大切です。

とくに妊活においては、「脾胃（消化器系）を健やかに保つこと」が、精子力やホルモンバランスにも良い影響を与えます。

ここでは、薬膳的観点から妊活に役立つ食材や生活習慣をご紹介します。

● 「血」を補う薬膳食材

血虚タイプ（当帰芍薬散が合う方）におすすめの食材は以下の通りです：

• 黒ごま（補血・潤腸・アンチエイジング）
• クコの実（養肝明目・精血を補う）
• 鶏レバー（血の源を強化）
• ほうれん草・小松菜（造血を助ける緑の葉物）
• なつめ・棗（脾を補い血を養う）

● 「気」を補う薬膳食材

気虚タイプ（人参養栄湯が合う方）におすすめの食材は以下の通りです：

• 山芋（健脾補気・滋腎固精）
• かぼちゃ（補中益気・脾胃を温める）
• もち米（補中益気・胃腸を補う）
• はちみつ（潤肺・補中緩急）
• さつまいも（健脾益気・整腸作用）

● 腸活におすすめの日常食材

腸内環境の改善は、妊活や精子力アップに直結します：

• 発酵食品（味噌、ぬか漬け、納豆、キムチなど）
• 食物繊維（ごぼう、きのこ、海藻類）
• 水溶性食物繊維（オクラ、長芋、もち麦）
• 毎日のお味噌汁や野菜スープ（脾胃を温める）

● 習慣・生活面での養生ポイント

• 1口30回を目安にしっかり噛む（脾を助ける）
• 冷たい飲食は避け、温かいものを中心に
• 睡眠は23時前に就寝が理想（腎精の回復時間）
• スマホやPCの使い過ぎで「肝血消耗」→注意
• 適度な運動と深い呼吸で気の巡りを整える

まとめ / 体質に合った漢方で妊娠力を底上げ！妊活を成功に導く「腎・脾・肝」の整え方と中医学的体質別処方の選び方

妊活は、単なる一時的な取り組みではなく、心と体の土台から整えていく「体質改善の旅」とも言えます。

中医学では、妊娠力を高めるために、腎を養い、脾を強め、肝の巡りを整えるという総合的なアプローチを重視します。

その中で、今回ご紹介した二つの処方――

• 当帰芍薬散：血虚と水滞があり、冷えやむくみが気になる方へ
• 人参養栄湯：気血ともに不足し、体力や精力の底上げが必要な方へ

これらはどちらも精子力の改善や妊娠力アップに貢献する処方ですが、その選択には「あなた自身の証（体質）」を見極めることが不可欠です。

また、漢方薬だけに頼るのではなく、腸活・薬膳・生活養生といった日々の積み重ねも、妊活成功への大きな鍵となります。

体を内側から整えることで、ホルモンや精子・卵子の質、そして心の安定にもつながっていきます。

● まずは自分の体をよく知ることから

• なんとなくの不調は「証」のサイン
• 自己判断ではなく、漢方の専門家と一緒に体質を見極めることが近道

体質チェック＋オンライン相談で妊活・腸活を強力サポート！自然豊かな漢方薬局「ほどよい堂」の中医学的アプローチ

ほどよい堂では、妊活・腸活・薬膳の三本柱をベースに、中医学的な体質診断と弁証論治に基づいたオーダーメイド処方を行っています。

• ✔ 体質チェックやオンライン相談も受付中
• ✔ 食事・生活習慣のアドバイスまでトータルサポート
• ✔ 自然豊かな環境で、心と体のバランスを整えるお手伝いをします

■ 宮崎県川南町の自然の中で、自分を見つめ直す時間を【無料相談：漢方・薬膳・腸活】

『ほどよい堂』は、ただの漢方薬局ではありません。

山の風、鳥のさえずり、海の輝き――この自然豊かな環境そのものが、癒しの力を持っています。

ご来店された方が、心地よい空間でリラックスしながら、自分自身の身体と心の声に耳を傾けられるような“居場所”でありたいと願っています。

日常の喧騒から少し離れ、ゆったりとした時間を過ごすことで、自然と「整う」感覚を取り戻してみませんか？

■ アクセス・営業時間

店名：漢方・薬膳処 ほどよい堂
所在地：宮崎県児湯郡川南町（峠の里展望台近く）
※詳細なアクセスは公式ホームページをご覧ください。
営業時間：10:00～18:00（月曜日定休、火曜日は不定休）
駐車場あり／予約優先制

■ ご相談・ご予約はこちらから

・漢方相談（初回カウンセリングは約60分）
・薬膳アドバイス、食養生プラン作成
・オンライン相談（Zoom対応）

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著者プロフィール

河邊甲介 （薬剤師）

KOSUKE KAWABE

▷有資格

• 薬剤師
• 中医薬膳師：本草薬膳学院（学長：辰巳洋）にて資格取得
• 薬膳素材専門士：本草薬膳学院（学長：辰巳洋）にて資格取得
• ペットフーディスト

▷経歴

• 福岡大学薬学部卒
• 総合病院薬剤部・調剤薬局にて勤務
• 2024年1月より宮崎県川南町（峠の里）にて漢方×薬膳×腸活のお店「ほどよい堂」を開局

身体とこころの安心をお届けします

薬剤師であり、漢方×薬膳×腸活の専門家として、「ほどよい堂」を運営しています。
中医学的体質診断を基に、個別に最適な健康アドバイスを提供し、無料相談も実施中。
健康に関するお悩みを漢方や薬膳、腸活でサポートし、体質改善を目指します。
健康維持や未病対策に関心のある方は、ぜひご相談ください。