漢方相談のよくある質問に答えます:50の症状別アプローチと基礎知識

こんにちは。私は漢方薬剤師として多くの方の健康相談に携わってきました。

昨今、「漢方相談のよくある質問」というキーワードで情報を探される方が増えています。

そこで本記事では、

  • 漢方薬で対応できる代表的な病気・症状のリスト50選
  • 漢方相談全般における疑問点
  • 効果的なカウンセリング方法
  • 漢方薬の特徴や選び方
  • 漢方独自のアプローチでどんな変化が期待できるか

を分かりやすく解説していきたいと思います。

なぜ、ここまで漢方が注目されているのか――それは現代のライフスタイルや食生活の変化により、ストレスや生活習慣病が増え、自分の根本的な体質を整えたいと思われる方が増えているからではないでしょうか。

西洋医学は優れた即効性があり、急性疾患や緊急対応には欠かせませんが、慢性疾患や体質改善の領域では漢方の視点が役立つ場面も多いんです。

本記事はボリューム満点ですので、お茶を片手にゆっくりお読みいただければ嬉しいです。

もちろん、必要なところから読み始めていただいても構いません。それではさっそく、内容に入っていきましょう。

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目次

1. 漢方相談とは?初心者にもわかる基本とメリットを解説

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漢方相談は、体質や生活習慣を総合的に見るところから始まる

漢方相談は、西洋医学の「病名」だけにとらわれず、体全体のバランスを重視する考え方が特徴です。

例えば「肩こり」であっても、

  • 食欲はあるのか
  • 冷えは強いのか
  • 睡眠の質はどうか
  • 便通や尿の状態はどうか

など、全身の状態を細かく伺っていきます。

なぜそこまで多角的に見る必要があるのかというと、「肩こり」という表面的な症状の背後に隠れている原因が人によって違うからなんですね。

例えば、肩こりが「冷え」や「ストレス」から来ている人もいれば、「血行不良」「姿勢の悪さ」「自律神経の乱れ」から来ている場合もあります。

漢方相談は、そうした多様な原因を探り当てるためにも、じっくりと時間をかけてカウンセリングを行います。


2. 漢方相談で得られるメリット

身体の根本からのアプローチ

西洋薬は、特定の症状を素早く抑えるのに向いていますが、漢方薬は体質そのものを改善し、結果的に症状を和らげるアプローチを得意としています。

例えば冷え性であれば、体を温める生薬が含まれる処方を使いながら胃腸を強化したり、ストレスケアを同時に行ったりと、トータルケアが可能です。

副作用が比較的少ない

もちろん漢方薬も医薬品ですから、副作用が全くないわけではありません。

しかし、複数の生薬を組み合わせることで、「単一成分の薬」に比べると優しい効き方をする場合が多いとされています。

体質に合った漢方薬は、長期服用しても比較的安全といわれています。

幅広い症状・疾患に対応しやすい

後述のリストにあるように、漢方薬は実にさまざまな疾患や症状に使用できます。

急性の症状から慢性疾患、女性特有の不調、メンタル面のサポートまで、とても汎用性が高いんです。

また、複数の症状が重なっているときにも、一人ひとりに合わせた処方を組み立てられるのが大きな強みと言えます。


3. 漢方の基礎理論:気・血・水と陰陽五行

五行相生・相剋の関係を図解した中医学の体質改善に役立つ基本チャート

少しだけ、漢方理論のお話をしておきましょう。

漢方医学には、

  • 気(き):生命エネルギーや活動力
  • 血(けつ):身体をめぐる栄養素や血液、潤い成分
  • 水(すい):リンパ液や体内の水分代謝に関わるもの

といった概念があります。

さらに「陰陽五行説」という考え方では、五臓六腑を木・火・土・金・水という5つの要素に分類し、バランスをとることで健康を維持すると考えられています。

例えば、胃腸は「土」のグループに属するとされ、消化器系の状態を整えることが他の臓腑にも好影響を与える――こんなふうに、人体を一つの大きなシステムとしてとらえているのが漢方医学のユニークなところです。


4. 漢方薬が得意とする50の症状とアプローチ

ここからは、漢方薬で対応可能な病気や症状50個を、系統別に分けてご紹介します。

実際の相談では、以下のリストにない症状でも対応できる場合がありますので、あくまで目安としてご覧ください。

漢方薬剤師
河邊

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A. 全身症状

症状(例)漢方的アプローチのポイント
1. 冷え性・「血」や「気」の巡りを改善する生薬を中心に、体を温める補陽薬などを使用する・胃腸機能を整え、食事や生活習慣のアドバイスも重要
2. むくみ・水分代謝を促す「利水剤」や、血行を促進する処方・軽い運動や食事指導(塩分の摂りすぎなど)との併用で効果を高める
3. 多汗症・寝汗・体力や気力を補う「補気剤」や、体の余分な熱を冷ます生薬を使ってバランスを取る・ストレス性の寝汗には自律神経を整える処方の検討
4. 倦怠感・気を補う「補気薬」が中心。とくに胃腸が弱っているときは補脾(ほひ)系の処方を検討・慢性的な倦怠感には生活習慣の見直しや睡眠の質改善も重要
5. イライラ・不安感・肝(かん)の機能調節がポイント。肝気のうっ滞を解く処方(疏肝薬)や精神安定系の処方・ストレスを発散する習慣づくりも併せて提案
6. 動悸・息切れ・気血不足の補強を重視。心を安定させる生薬や、血流を改善する生薬を組み合わせる・不整脈や心疾患の可能性も否定せず、西洋医学との連携が必要な場合も

B. 呼吸器系

症状(例)漢方的アプローチのポイント
7. 風邪(初期症状)・葛根湯や麻黄湯など、発汗を促して体表部の邪気を払い除く処方・高熱や寒気など症状によって処方を切り替える
8. 喘息・気管支を広げる生薬や、痰を除く化痰薬など・長期的には肺と脾の機能を補強して体質を改善するアプローチが求められる
9. 花粉症・体内の余分な「熱」と「湿」を排出し、免疫バランスを整える・鼻水や鼻づまりが強い場合は辛夷清肺湯など、症状に合わせた処方を検討
10. アレルギー性鼻炎・花粉症と似たアプローチで、抗炎症作用や免疫調節作用を持つ処方・慢性化している場合は、体質改善を目指し根本的に免疫の偏りを正す
11. 慢性閉塞性肺疾患(COPD)・肺の機能を補う生薬を活用しつつ、痰や炎症を改善する・高齢者の場合、腎や脾のケアも同時に行うと相乗効果
12. 夜間の咳・寝る前に発作的に咳き込む場合、冷えや気管支の過敏性を抑える処方が有効・就寝環境の見直しや姿勢・室温など生活面でのアドバイスも行う

C. 消化器系

症状(例)漢方的アプローチのポイント
13. 胃腸虚弱・脾胃(ひい)を補う処方が中心。四君子湯(しくんしとう)などをはじめ、エネルギー不足を補い消化吸収を高める
14. 慢性胃炎・胃の粘膜を保護し、炎症を抑える生薬を含む処方・ストレスやピロリ菌等の影響も念頭に置き、西洋薬との併用も検討する
15. 逆流性食道炎・胃の熱や炎症を冷ます清熱剤と、逆流を抑える生薬の組み合わせ・食事内容や時間、睡眠時の姿勢の調整といった生活指導が重要
16. 過敏性腸症候群(IBS)・ストレス性の要素が強いケースが多いので、自律神経を整える処方・下痢型、便秘型、混合型などタイプ別に細かい調整が必要
17. 便秘・潤腸通便薬や、腸を温める薬、気を巡らせる薬など原因別に処方を検討・水分摂取や食物繊維の摂取の見直し、運動指導も併せて行う
18. 下痢・体を温めて胃腸を強化するもの、あるいは余分な湿を取り除く利湿薬・脱水にならないよう水分補給と電解質バランスの管理も重要
19. 潰瘍性大腸炎・炎症を抑えつつ、腸粘膜の修復を促す生薬・西洋薬のステロイド等との併用も考慮しながら体力を維持し、免疫バランスを整える
20. クローン病・潰瘍性大腸炎と同様に、腸の炎症コントロールと全身状態の改善・長期服用を視野に、定期的な検査や専門医との連携が欠かせない

D. 泌尿器系

症状(例)漢方的アプローチのポイント
21. 慢性膀胱炎・利水薬や抗炎症作用を持つ生薬を活用し、膀胱の熱と湿を除く処方が基本・再発を繰り返す場合は免疫力アップや体質強化の視点も必要
22. 夜間頻尿・腎を補う処方や、膀胱の機能を安定させるアプローチ・原因として、前立腺肥大や膀胱過活動なども考慮し、生活習慣の改善を併用
23. 前立腺肥大・血流改善や利尿作用を持つ生薬が中心・進行度合いによっては西洋医学の手術や薬物療法との併用を検討

E. 婦人科系

症状(例)漢方的アプローチのポイント
24. 生理不順・ホルモンバランスを整えつつ、血行を促進する処方・ストレスや冷えも大きく影響するので、まずは全身の状態をチェック
25. 月経困難症(生理痛)・痛みの程度や経血量に応じて処方を選択・体を温める生薬、活血化瘀(かっけつかだ)する生薬が中心。子宮内膜症等の器質的原因にも注意
26. 月経過多・出血量が多い原因を、「血熱」「瘀血」「気虚」など複数の視点から分析・必要に応じて貧血対策や体力回復を目的とした処方の併用
27. 更年期障害・ホルモンバランスの乱れや気血の不足が原因・加味逍遥散(かみしょうようさん)や温経湯(うんけいとう)、当帰芍薬散など代表処方が多彩
28. 不妊症(男女ともに)・女性は卵巣機能や子宮内膜の環境、男性は精子の質向上を目指す補腎薬など・生活習慣全般の見直しが必須。ストレスコントロールも欠かせない
29. 妊娠悪阻(つわり)・小半夏加茯苓湯など、吐き気を抑え胃の働きを助ける処方・妊娠中なので安全面に配慮し、西洋医学と連携しながら慎重に服用

F. 皮膚科系

症状(例)漢方的アプローチのポイント
30. アトピー性皮膚炎・体質的に湿熱や血虚、瘀血などが関与。肌の炎症やかゆみを抑えつつ、根本的に免疫バランスを整える・ステロイド外用との併用や生活指導も並行して行う場合が多い
31. 蕁麻疹(じんましん)・急性の痒みや発疹を抑える抗アレルギー的な処方。皮膚の表面から「風邪(ふうじゃ)」を追い払う概念・冷えやストレスにも対策が必要なことが多い
32. ニキビ・体内の熱や湿を取り除く清熱利湿薬が中心。思春期のホルモンバランスや、大人ニキビの場合はストレスや生活習慣の影響も検討
33. 酒さ(赤ら顔)・皮膚の血流が過剰になっている場合は凉血薬や活血薬。胃腸の調子が関わるケースもあり、内臓ケアを並行して行う・外用スキンケアの見直しも重要
34. 慢性湿疹・湿熱や瘀血が長期化している状態。かゆみや炎症を抑える抗炎症生薬を中心に、体質改善をはかる・生活習慣や食事の見直しが結果を左右する
35. 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)・ストレスや金属アレルギー、免疫異常など複合的要因。皮膚症状を抑えるだけでなく、肝・脾・腎の機能強化を総合的に行うことが多い

G. 神経・精神系

症状(例)漢方的アプローチのポイント
36. 自律神経失調症・気血の巡りを改善し、ストレスへの抵抗力を高める処方・生活リズムや睡眠を整える指導を組み合わせる
37. 不眠症・心身を安定させる安神薬や、緊張を和らげる疏肝薬など・寝る前のスマホ・カフェインなど生活習慣の見直しを徹底
38. うつ状態・神経症・専門医の治療と並行して漢方を用いるケースも多い。体力維持や気分の落ち込みを軽減する処方・合わない場合や症状が重篤な場合は必ず精神科と連携
39. 線維筋痛症・全身の痛みや疲労感を伴う難治性疾患。痛みやこわばりを和らげる処方と体質改善の両立・ストレスケア・睡眠改善・適度な運動など総合アプローチ

H. 筋骨格系

症状(例)漢方的アプローチのポイント
40. 慢性頭痛(緊張型頭痛など)・首肩の血流を良くする活血薬や、気の巡りを整える疏肝薬・姿勢改善やストレッチなど物理的なアプローチも同時に行う
41. 腰痛・痛みが強い場合は鎮痛作用を持つ生薬や血行促進薬・慢性的な腰痛には腎の不足を補う処方や、ストレス緩和も重要
42. 五十肩(肩関節周囲炎)・血行促進と炎症緩和を行う活血化瘀系の処方・リハビリや運動療法との併用で早期回復を目指す
43. 関節痛・神経痛・冷えによる痛みか、熱による炎症かを見極め、適切な処方を選択・慢性化した場合、全身の気血水のバランスを重視

I. 循環器系

症状(例)漢方的アプローチのポイント
44. 高血圧症・血行促進と利水、ストレス緩和など多角的にアプローチ・軽度の高血圧なら生活習慣の改善との組み合わせで効果が期待できる
45. 虚血性心疾患(狭心症など)・動悸や息切れ、胸痛の改善を図る処方を検討・重症の場合は西洋医学の治療が優先されるが、体力維持や合併症予防に漢方を併用するケースもある

J. 免疫・代謝系

症状(例)漢方的アプローチのポイント
46. 慢性肝炎・肝を滋養する補肝薬や、体全体の免疫バランスを整える処方・アルコールや薬剤性肝障害の場合、生活指導も徹底
47. 肝硬変・漢方だけで完治させるのは難しいが、肝機能をサポートし合併症予防に役立つ・西洋医学と併用しながら、疲労軽減・食欲増進などを狙う

K. その他

症状・状況(例)漢方的アプローチのポイント
48. がん治療の副作用軽減・吐き気や倦怠感、体力低下などを補う目的で用いられる・主治医と相談しながら併用し、QOL(生活の質)を向上させる
49. 打撲や捻挫後の回復促進・活血化瘀(血液の滞りを取る)と消炎を意識した処方・固定やリハビリとの併用で早期改善をサポート
50. 小児科疾患全般(夜泣き、疳の虫)・小児用漢方を検討し、体質に合わせて調整。甘味を持たせた飲みやすい処方も・食育や生活リズム、保護者のストレスケアも重要
漢方薬剤師
河邊

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5. よくある質問(FAQ)

QA

ここからは、漢方相談においてよくいただく質問をリストアップします。

詳しくは前のセクションとも関連づけて読んでみてください。

  1. 漢方薬はどのくらいで効き始めますか?
    • 急性疾患なら、風邪の初期などでは1〜2日で効果を感じることがあります。一方、慢性疾患や体質改善には数週間〜数ヶ月かけてじっくり向き合うのが一般的です。
  2. 副作用は本当に少ないのですか?
    • 少ない傾向にありますが、絶対にないわけではありません。まれにアレルギー反応や胃腸障害が生じる場合があります。体質に合った処方を選ぶことが大切です。
  3. 西洋薬との併用は可能ですか?
    • はい、可能な場合が多いです。ただし、血圧降下剤や抗凝固薬など、相互作用が懸念される薬もあるので、必ず医師・薬剤師に相談のうえで行いましょう。
  4. 病院でもらう漢方薬と、漢方専門店や薬局で買う漢方薬は違いますか?
    • 内容は同じ処方名のこともありますが、医療用漢方と一般用漢方(OTC)では、保険適用の有無や含まれる生薬の種類・量が異なる場合があります。専門家に確認すると安心です。
  5. 漢方薬はサプリや健康食品と同じ感覚で飲んでも良いですか?
    • 漢方薬はれっきとした医薬品です。用法・用量、処方意図をしっかり守りましょう。サプリや健康食品よりも強い作用があるため、自己判断での過剰摂取は避けてください。
  6. 子供や高齢者でも漢方薬は大丈夫?
    • 体力や体質に合わせて処方や用量を調整すれば対応可能です。小児用漢方や、味の調整をした飲みやすい製剤もあります。
  7. オンライン相談は可能?
    • 近年、オンラインで漢方相談を受けられるクリニックや薬局も増えています。舌の写真を送るなど、対面でできない分工夫が必要ですが、遠方の方には便利な選択肢ですね。
  8. 費用はどのくらいかかる?
    • 漢方の種類や飲む量・期間によって幅があります。保険適用になるケースでは数百〜数千円、自由診療の場合は1ヶ月1万円以上かかることもあります(後述参照)。漢方薬局では1か月分が1~2万円程度が目薬です。
  9. どんな症状でも必ず効きますか?
    • 必ず効くとは断言できません。漢方でも得意不得意がありますし、個人差が大きいです。ただし、多角的にアプローチできるため、補助療法として活用する価値は十分にあります。
  10. 漢方薬をやめるタイミングは?
    • 症状が治まったあとも、再発予防や体質維持を目的に継続する場合があります。逆に、飲み続けて具合が変わらない場合は処方の見直しが必要です。

6. 漢方相談をスムーズに受けるためのポイント

  1. 自分の症状・体質を整理しておく
    • 気になることはメモして、どんなときに症状が強くなるか、どのような生活習慣をしているかを記録しておくと、相談がスムーズになります。
  2. 飲んでいる薬やサプリを把握する
    • 併用薬の有無は重要です。サプリの成分までわかると、相互作用のチェックがしやすいです。
  3. 恥ずかしがらずに何でも話す
    • 漢方相談では、排便状況や生理、性格的なことなどプライベートな話題も大切な情報源です。信頼できる専門家であれば、遠慮なく話してください。
  4. 定期的に経過を報告する
    • 症状の変化や新しい悩みが出てきたら、早めに相談し、処方を調整しましょう。漢方は「微調整」が肝です。

7. 漢方薬の選び方と処方の流れ

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  1. カウンセリング・問診
    • まずは十分な問診を行い、病名だけでなく全身状態をチェックします。
  2. 四診(ししん)
    • 望診(見た目、舌の状態など)、聞診(声や呼吸の状態)、問診、切診(脈や腹部の触診)を通じて体質を判断します。
  3. 証(しょう)の確定
    • 漢方医学では「病名」だけでなく「証」を重視します。例えば「肝気鬱結」「脾胃虚弱」「腎陽虚」など。
  4. 処方設計
    • 確定した証や症状の度合いに合わせ、生薬を組み合わせた処方を立てます。煎じ薬、エキス顆粒、錠剤などの剤形を選択。
  5. 服用・生活指導
    • 漢方薬の飲み方や、食生活・睡眠などの生活指導を行います。
  6. フォローアップ
    • 定期的に状態を確認し、必要に応じて処方や生活指導を調整します。

8. 漢方薬の効果が出やすい人・出にくい人

健康の基本となる食事・運動・睡眠のバランスを示すイラスト|生活習慣改善のサイクル

効果が出やすい人

  • 生活習慣の改善に前向きな人:食事や睡眠、ストレス管理など、漢方と同時に生活を整えられると効果が倍増しやすいです。
  • 体力がそこそこあり、虚弱すぎない人:虚弱すぎると漢方薬の刺激に耐えられない場合があり、最初は穏やかな処方からスタートする必要があります。
  • 症状が比較的新しい人:慢性化が進んでいないぶん、改善しやすい場合が多いです。
  • 腸内環境が整っている人:腸内細菌が効果に関連している場合がある。

効果が出にくい人

  • 多くの持病が重なり、複数の薬を併用している人:相互作用の問題で慎重にならざるを得ず、処方の幅が制限されることがあります。
  • 生活習慣が乱れている人:漢方薬だけに頼っても、根本原因が放置されていると効果は限定的です。
  • 短期で劇的な結果を求める人:漢方はじわじわと効き目が現れることが多いので、1週間で全て解決…というのは難しい場合がほとんどです。
  • 悪玉菌が多く腸内フローラが乱れている人::腸内細菌が効果に関連している場合がある。

9. 安全性と副作用について

  • **甘草(かんぞう)**を多く含む処方を長期間服用すると、偽アルドステロン症を起こすリスクがあります。むくみや血圧上昇、低カリウム血症がみられるため要注意。
  • アレルギー反応:特定の生薬に対するアレルギー(ヨモギ、牡蠣、蜂製剤など)で皮膚症状や呼吸困難が生じることもあります。
  • 肝機能・腎機能への影響:大量または長期間の服用、体質との相性などによっては血液検査を受けることが推奨される場合もあります。
  • 医師の指示を仰ぐ:持病や服薬歴がある方は、必ず医師や薬剤師、漢方家と相談して決めましょう。

10. 費用・保険適用・医療費控除について

保険適用の漢方薬

  • 病院やクリニックで医師が処方箋を出す場合、保険適用の漢方薬を受け取れます。ツムラ、クラシエ、コタローなどのメーカー品が有名です。
  • 処方箋がないと手に入らない医療用漢方のため、自己負担額は3割または1〜2割(年齢・収入による)で済む場合も。

保険適用外の漢方薬(自由診療)

  • 漢方専門薬局やサロンなどでは、保険適用外の漢方薬を扱うケースが多いです。
  • 費用は1ヶ月あたり1万〜3万円程度になることもありますが、処方の自由度が高く、より個人に合わせた生薬の微調整が可能です。

医療費控除の対象について

  • 病院で処方された漢方薬であれば医療費控除の対象になるケースがほとんどです。
  • 一方、ドラッグストアで購入した一般用漢方薬や健康食品は対象外の場合が多いです。
  • 自由診療の漢方相談料や調剤料は、医療費控除の対象にならないことが多いので、領収書の内容をよく確認しましょう。

11. まとめ

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「漢方相談のよくある質問に答えます」というテーマで、ここまでかなり詳細にお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。

50の症状別アプローチに加え、漢方相談の基本的な考え方やカウンセリングの進め方、費用面の注意点までをご紹介しました。

漢方は、古来より何千年も受け継がれてきた医学体系であり、現代でも西洋医学を補完する大きな存在です。

何より「体質改善」に長けている点が最大の魅力とも言えます。

また、複数の生薬を組み合わせることで、一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイド感があるのも漢方ならではですね。

もし、慢性的な不調や病院で原因がはっきりしなかったトラブル、あるいは西洋薬との併用を検討している場合は、ぜひ一度漢方の専門家に相談してみてください。

大切なのは、「症状の改善」だけでなく「自分の身体を大切にする意識」を育てること。

一歩ずつ、焦らずに、あなたのペースで進んでいけばいいのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事が、あなたの漢方ライフの一歩を後押しできると嬉しいです。

何か気になる点や、さらに知りたい症状などございましたら、お気軽にコメントやお問い合わせをお寄せください。

漢方薬剤師
河邊

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あとがき(注意事項)

  • 本記事の内容は一般的な情報提供を目的としています。実際の診断や治療は、医師・薬剤師・漢方家などの専門家にご相談ください。
  • 漢方薬の効果は体質や症状の個人差によって異なります。効果がない、もしくは副作用が疑われる場合は、必ず専門家と相談してください。
  • 記事内に紹介した処方や生薬名は一例です。自己判断での服用は避け、必ず専門家の指示に従ってください。

あなたの健康は、あなた自身の身体と向き合うところから始まります。
漢方相談を通じて、ぜひ「自分の体を大切にする」きっかけをつかんでいただければ幸いです。どうぞお大事にお過ごしくださいませ。

漢方 × 薬膳 × 腸活のトリプルメソッドでからだとこころを「ほどよく」整えるお手伝い

水平線を望む宮崎県川南町の峠に佇む漢方リトリート「ほどよい堂」の無料漢方相談案内画像

こんにちは。宮崎県川南町・日向灘を望む自然豊かな峠の里にある漢方相談薬局「ほどよい堂」代表・河邊甲介(かわべこうすけ)です。

私は、薬剤師・中医薬膳師・薬膳素材専門士・ペットフーディストとして、“漢方×薬膳×腸活”を組み合わせた独自の【トリプルメソッド】で、からだとこころを「ほどよく」整えるお手伝いをしています。

中医学の理論――気血水・陰陽五行・土王説――をベースに、食(薬膳)・腸(腸活)・心(気の巡り)をトータルで整えることで、細胞レベルからの再生と巡りの回復を目指します。

更年期・アトピー・便秘・疲労感・不眠・ストレスなど、「病院では異常がないけれど、なんとなく不調」という方こそ、ぜひご相談ください。

一人ひとりの体質と生活環境に寄り添い、自然の力で“ほどよい健康”を育てていくことが、ほどよい堂の使命です。

漢方薬剤師で中医薬膳師・ペットフーディストの資格を持つ河邊甲介(ほどよい堂代表)紹介画像

からだの内側から「ほどよく」整える


河邊 甲介(かわべ こうすけ)

  • 薬剤師(国家資格)
  • 中医薬膳師
  • 薬膳素材専門士
  • ペットフーディスト

漢方×薬膳×腸活の専門家としてのメディア実績― 活動の信頼と実績をお伝えします

📚 雑誌『Tarzan(ターザン)』に掲載されました!
2025年2月13日号 No.895「その不調は、漢方で治せる!」

当薬局「ほどよい堂」は、漢方・薬膳・腸活を組み合わせた健康相談スタイルが評価され、人気健康雑誌『Tarzan』の漢方特集号にて掲載されました。

💬 お客様の声(一部抜粋)

冷えと疲れが続いていたのですが、薬膳の食事アドバイスと漢方で毎日が楽になりました。相談もとても丁寧で、信頼できます。(30代・女性・宮崎県)

『病院では原因不明』と言われた不調も、ここで話したら納得できた!自分の体と向き合うきっかけになりました。(60代・女性・児湯郡)

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処方内容とお支払いのご案内

ご提案内容にご納得いただけましたら、処方の詳細と総額のご案内をいたします。

お支払い方法は以下の2通りからお選びいただけます。

  • クレジット決済(VISA/Mastercard/JCB/American Express/Diners Club/Discover)
     ※一回払いのみ対応
  • 代引き(ヤマト運輸)
     ※手数料はお客様ご負担(目安:500円前後)

送料もお客様のご負担となります。
内容にご同意いただいた後、発送手続きを進めます。


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アフターフォローも安心サポート

商品到着後も、体調の変化や気になることがあれば、いつでもLINEでご相談ください。
服用中の不安や生活習慣の見直しなど、薬剤師が継続的にフォローアップいたします。

あなたのペースで、無理なく体質改善を続けていけるようサポートします。



ほどよい堂
養生訓

一物全体食

- いちぶつぜんたいしょく -

食材を丸ごと使用しましょう。
野菜は皮まで、小魚は頭から尾まで
お米なら玄米、小麦粉なら全粒粉
環境にもやさしい藻類に注目!

よく噛んで
(噛ミング30)

- ひと口30回 -

  • 腸内環境改善⇒消化器系が元気に
  • 唾液↑⇒口腔環境改善・虫歯の予防
  • 美容効果・ダイエット効果
  • 生活習慣病の予防
  • ストレス解消(セロトニンアップ)

睡眠/運動/朝散歩

- 生活習慣改善 -

東洋医学では、病気と健康の間には「未病」という状態があると考えます。
未病は可逆的で、未病であれば、自分で生活習慣を改善するなど、適切に対処すれば元通りになれます。

休養を積極的に

- 休養の7タイプ-
休息/運動/栄養/親交/娯楽/造形・想像/転換

【休養7式の使い分け】

逆張りで抜く、土王説で支える

頭疲れに身体、身体疲れに静けさ。

“逆張り”のコツと脾胃ケアを結合。

笑顔と感謝

- Smile Thank you -

感謝することで、セロトニンやノルアドレナリン(情動や感情に作用)、サイトカイン(抗炎症および免疫力)、コルチゾール(ストレスホルモン)、血圧、心拍数 、血糖値など、様々な体内のシステムのバランスが取れ、心身の多くの機能に好影響を与えてくれます。

ほどよい堂人気カテゴリー

“未病ケア”は、調和を取り戻す学び。
ほどよい堂のカテゴリーラインは、自然素材のちからと中医学の理(ことわり)を融合。
細胞の巡りをととのえ、“消耗”ではなく“再生”の方向へ導くための提案です。

腸活

腸が変わると、毎日が軽くなる。
中医学の〈気・血・水〉と土王説にもとづく“腸活×薬膳×漢方”。
プロバイオティクス+プレバイオティクス+バイオジェニックスを、一気通貫でご提案します。

食の材料(一物全体)× 腸の吸収(腸活)× 血の巡り = 細胞力アップ
今日の選択が、明日の細胞をつくる。

薬膳茶

ほどよい堂の薬膳茶は、中医学の「気・血・水」バランスを整える発想から生まれた、“整えたい体質別ブレンド”です。
冷え・疲れ・むくみ・ストレスなど、あなたの体質に寄り添いながら、日々の一杯が“体の声を整える時間”に変わります。

中医学の理論に基づいたオーダーメイド薬膳茶で気血水を整える、ほどよい堂公式オンラインショップの紹介画像

クロレラ

筑後産の上質なバイオリンククロレラを使用。
丸ごと摂れる“一物全体食”として、たんぱく質・ビタミン・ミネラル・クロロフィルなど細胞を支える栄養素がぎゅっと詰まっています。
腸から吸収され、血の巡りと代謝を高め、毎日の“再生力”を底上げします。

防災漢方セット

被災直後の3日間(=72時間)は、避難所生活・停電・断水・物流の停止など、インフラの途絶が「脾(腸)・睡眠・水分・体温調節」を急激に崩す時間です。

そんな非常時こそ、「食べる」だけでなく「整える」備えを。
ほどよい堂監修の防災漢方セットは、被災72時間を支える“コアセット”に、あなた専用の症状別ワンセットをプラスできる“オーダーメイド型の防災セルフケア”です。

中医学の知恵を活かした「未病で守る漢方レジリエンス」を、宮崎県川南町の漢方薬局・ほどよい堂がご提案します。

サルベストロール

植物が自分を守る力を、私たちの毎日に。
サルベストロールは、果物・野菜・ハーブが外敵(カビなど)から身を守るために作り出す天然成分「フィトケミカル」の一種。
オーガニック栽培(無農薬・減農薬)の植物ほど多く含まれ、“自然のままの恵み”を体に届けるサポートをします。

💡 どう働く?

サルベストロールは、体内でCYP1B1酵素と反応して活性化されるとされる成分(基礎研究段階)。
「がん細胞内でのみ反応する可能性」が研究テーマとなっており、植物が持つ自己防御の知恵が注目されています。
(※臨床応用は進行中であり、治療効果を保証するものではありません。)

植物由来成分で抗酸化をサポートする「サルベストロール」紹介画像(ほどよい堂)

海玉膏

海玉膏は、からだの“中心(土)”=消化吸収の要をいたわり、冷えによる停滞をやさしく整える膏方です。温める・巡らせる・育むの三方向から、日々の体調管理を後押し。妊活期の土台づくり、季節の冷え対策、腸活の習慣化に“ひと匙ルーティン”。朝晩スプーン1杯の積み重ねで、内側からポカポカのめぐりと健やかなリズムへ。

まろやかな蜂蜜ベースの自然な甘さに、生薬特有のクセがほとんどなく、“濃いハチミツ”のようなコクととろみが特徴。
口に含むと、クコのやさしい甘味に続いて、陳皮の爽やかな柑橘香と桂皮(シナモン)のほんのり温かいスパイス感が広がり、後味はすっきり。
誰でも飲みやすく、“薬膳スイーツのような膏方”として日々の温活・妊活・腸活に続けやすい味わいです。

和漢発酵素材を配合したペーストサプリ「海玉膏」紹介画像(ほどよい堂)

和漢みらいペットフード

和漢みらいは、医食同源の思想を犬猫の毎日に落とし込んだ薬膳ペットフード。不要な添加物を避け、素材の力をいかす設計で日々の体調の波をならす“整うごはん”を提案します。
気血水の巡りと脾(胃腸)を意識した中医学ベースの食養生で、今日からできる未病対策を。

GREEN DOG & CAT

GREEN DOG & CATは、初回送料無料と初回500円OFFの特典でスタートしやすい公式通販。独自の安全基準と賞味期限公開で“見える安心”を提供し、15時までの注文は当日発送にも対応(条件あり)。
GDCメンバーには“6つの購入サポート”。ドライフード全額返金サポートや、専門家の無料食事相談「ごはんの窓口」、オンラインのフード診断、少量お試し・お試しセット、翌月クーポンまで。試しやすく続けやすい仕組みが整っています。ほどよい堂紹介コードでお得にゲット!紹介コード:fd4789

宮崎県川南町 ふるさと納税

宮崎県川南町は、温暖で災害の少ない気候に恵まれ、海と山の幸が一度に楽しめる自然豊かな町。全国有数の農業・畜産の町として、宮崎牛・ブランド豚・地鶏、旬野菜や果物、新鮮な魚介まで“川南ならでは”の味をふるさと納税返礼品でお届けします。観光・移住の検討にも役立つ地域情報も満載。川南町の“おいしい日常”を、まずは返礼品から体験しませんか。

ほどよい堂
LINE無料漢方相談

宮崎県川南町「ほどよい堂」のLINE無料漢方相談は、ニックネームだけの匿名OK。中医学の八紘弁証(八綱弁証)×気血水×腸活で体質を見極め、薬膳の考えで“出す→入れる→巡らす”を設計。まずは症状やお悩みをトークで送るだけ。細胞力を底から引き上げるプランをご提案します。

ほどよい堂のブログ記事

「不調になる前に整える」――ほどよい堂のブログ記事では、気血水・八綱弁証・土王説(脾=腸)をベースに、薬膳・発酵・一物全体食の実践法をやさしく解説。睡眠・便通・肌・メンタルまで、今日からできる養生を生活言語で読めます。

気になるキーワードで記事を検索できます。お探しの情報がすぐに見つかるかも!

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Access

住所〒889-1301
宮崎県児湯郡川南町大字川南26197-1
(店舗は井尻太郎茶園 峠の里さんと同じ敷地内にあります)
TEL0983-32-7933
営業時間10:00~18:00
定休日月・火(※火曜日は不定休、祝祭日は月曜日営業あり)
詳しくはホームページ内カレンダーでご確認ください
駐車場店舗横に無料駐車場あり
支払い
方法
現金、地域通貨「chiica(チーカ)」
アクセス川南町中心街より車で約10分

お気軽にお問い合わせください。0983-32-7933受付時間 10:00-18:00 [ 月曜定休・火曜不定休 ]

お問い合わせ

「何をしても痛みが改善しない…」
「季節の変わり目に体調を崩しやすい」
「疲れがとれず朝からダルい」
そんなお悩み、
実はあなたの「体質」が根本原因
かもしれません。
中医学では「気・血・水」「陰陽」の乱れが
様々な不調を引き起こすと考えます。
体質に合わないケアは逆効果になることも…。
だからこそ、
まずは自分の体質を知ることが大切。
ほどよい堂オリジナル体質診断なら、
たった数分で
今のあなたの「証(しょう)」が見える化され、
本当に必要なケアのヒントが手に入ります。
痛み・疲労・冷え・胃腸トラブルに悩む方こそ、
ぜひ一度お試しください。
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