中医学における『脾』の役割と健康への影響~五行の『土』と消化吸収の要~

中医学でいう『脾(ひ)』って、西洋医学の脾臓とは全然違うんです!

実は、消化や吸収の中心的な役割を担い、私たちのエネルギーや生命力を支えている、とっても大事な存在なんです。

五行では『土』に属し、胃と一緒に働きながら、食べたものを体に必要な栄養素に変えて、全身に届けてくれると考えます。

さらに、気や血を作ったり、体内の水分バランスを調整したりと、その働きは多岐にわたります。

だけど、脾は湿気やストレスに弱くて、生活習慣が乱れると機能が低下しやすいんです。

この記事では、中医学の視点から『脾』の役割と健康への影響について、わかりやすくお話ししていきますね!

目次

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解剖学的な脾臓の働きとは?免疫と血液を支える重要な臓器

出典:鳥取大学医学部 器官制御外科学講座

脾臓(ひぞう)は、左上腹部、胃の外側から裏側に位置する約120グラムの臓器で、体の健康維持に欠かせない働きをしています。

造血・リンパ器官の最大器官とされる脾臓の主な役割を以下にまとめます。

  1. 老化した赤血球の除去
    脾臓は、血液中の老化したり異常がある赤血球を破壊・除去します。健康な赤血球は脾臓内を通過しますが、異常な赤血球は網目構造に引っ掛かり、そこで分解されます。
  2. 血小板の貯蔵
    全血小板数の約3分の1を脾臓に貯蔵し、必要に応じて放出することで、止血や血液の恒常性を保ちます。
  3. 免疫機能の要
    脾臓は体内最大のリンパ器官で、多くのリンパ球や抗体を作り、血液中の異物を処理する役割を担います。特に感染症に対する防御に重要で、小児期にはその機能が顕著です。
  4. 緊急時の造血
    乳幼児期や骨髄機能が低下した場合、大量出血時には血球を産生する能力も発揮します。

脾臓の健康がもたらす影響

脾臓が弱ったり、摘出すると免疫力が低下し、感染症のリスクが高まります。

特に免疫系が重要な小児期には脾臓の働きが健康に直結します。

脾臓の健康維持には、規則正しい生活とバランスの取れた食事が大切です。

これらを意識することで、免疫機能や血液の質を守り、健康的な体を維持できます。

参考資料

  • 東京慈恵会医科大学外科学講座HP
  • 日本消化器学会HP

中医学における「脾」の役割とは?陰陽五行で見る消化と生命力のつながり

1. 西洋医学と異なる中医学の「脾」の役割~五臓六腑の消化吸収~

中医学における「脾」は、五臓六腑の一つであり、五行では「土」に属します。

西洋医学での「脾臓」と混同されがちですが、その生理機能は大きく異なります。

中医学では、「脾」は胃とともに消化吸収を担い、生命活動を支える中心的な役割を果たします。

2. 中医学で見る「脾」の働き~血の生成・統血作用と水分代謝~

2.1. 消化吸収と栄養供給の中心

「脾」は、飲食物を消化し、「水穀の精微」と呼ばれる体に必要な栄養素を生成します。

この栄養素は、他の臓腑の働きと連携しながら、全身の気血を生み出し、生命活動を支えます。

2.2. 気・血の生成と運行

「脾」には、血液を生成し、血管内にとどめる「統血」の作用があります。

この働きが低下すると、皮下出血や血便、不正出血などの症状が現れます。

また、津液代謝にも関わり、体内の水分バランスを調整します。

2.3. 筋肉や手足への栄養供給

「脾」は、全身の筋肉に栄養を供給することで、手足の力を維持します。

そのため、「脾」の機能が低下すると、倦怠感や筋力低下が生じやすくなります。

2.4. 昇性作用による全身の活性化

「脾」は、消化吸収した栄養素を肺に送り届ける「昇性」作用を持っています。

この機能が弱まると、内臓の下垂や胃下垂、脱肛などの症状が現れます。

3. 気血不足のサインとは?「脾」の働き低下が引き起こす全身の不調を徹底解説

3.1. 消化機能への影響

「脾」の働きが低下すると、以下のような症状が現れることがあります。

  • 食欲不振や味覚の低下
  • 下痢、軟便、胃もたれ
  • 腹痛や消化不良

3.2. 気血不足による症状

  • 疲れやすい、元気が出ない
  • 顔色が悪い、痩せる
  • 手足に力が入らない

3.3. ストレスと『肝脾不和』

ストレスによって「肝」が影響を受けると、「脾」の機能が低下しやすくなります。

これを「肝脾不和」と呼び、食欲不振や消化不良の原因になります。

五行での相剋関係がこの現象を説明しています。

4. 日常生活でできる『脾』のケア方法~中医学で考える食事と習慣の見直し~

4.1. 食生活の改善

  • 過剰な飲食や不規則な食事を避ける
  • 消化に良い温かい食べ物を摂る
  • 甘いものを適度に摂取することで「脾」を養う

4.2. 湿気を避ける

「脾」は湿気を嫌います。

湿度が高い環境を避け、体内の水分バランスを保つよう心掛けましょう。

4.3. ストレス管理

肝脾不和を防ぐために、適度な運動や趣味で気分をリフレッシュすることが大切です。

5. まとめ~『脾』を健康に保つ重要性~

中医学で「脾」は「後天の本」と呼ばれ、生命力の維持に欠かせない存在です。

食生活や生活習慣を見直し、ストレスを軽減することで、「脾」の働きを守り、健やかな日々を送りましょう。

五行学説から学ぶ!脾を養うために積極的に摂りたい食材リスト

中医学における「脾(ひ)」は、消化吸収やエネルギー生成を担い、全身の健康に深く関わる重要な臓器です。

ここでは、五行学説の視点から「脾」の健康をサポートする食材とその効果について詳しく解説します。

食生活に取り入れることで、脾を健やかに保ち、日々の活力を高めましょう。

1. 甘味:脾を補う基本の味覚

「甘味」は脾の働きを補い、機能を強化します。

中医学における甘味とは、必ずしも甘い味ではなく、体を滋養する作用を持つ食材を指します。

主な甘味の食材

  • 野菜類:かぼちゃ、キャベツ、トマト、ニンジン、小松菜、オクラ
  • 穀類:米麹、紅麹、イモ類、アワ、キビ
  • ナッツ・種実類:アーモンド、栗、クルミ、松の実
  • 動物性食品:鶏肉、豚肉、卵、乳製品

これらの食材を日常的に取り入れることで、脾の弱りを改善し、消化機能の向上をサポートします。

2. 健脾(けんぴ):脾の正常な働きを保つ

健脾の食材は、脾の機能を整える効果があり、疲労感や食欲不振を改善します。

主な健脾の食材

  • 穀類・豆類:発芽玄米、ハトムギ、黒豆、大豆
  • 野菜類:かぼちゃ、ブロッコリー、白菜、山芋
  • 果物類:干し柿、ライチ、りんご
  • 動物性食品:鴨肉、牛肉、鶏卵の卵黄

これらはエネルギーの生成を促し、身体全体の活力を高めるのに役立ちます。

3. 利湿(りしつ):余分な水分を排出して体内のバランスを保つ

利湿の食材は、体内の余分な水分を取り除き、むくみや疲労感を軽減します。

主な利湿の食材

  • 豆類:いんげん豆、枝豆、大豆もやし
  • 野菜類:キャベツ、セロリ、空芯菜
  • ハーブ・香辛料:バジル、カルダモン、山椒
  • 魚介類:カニ、しじみ

これらを食事に取り入れることで、体の重だるさや胃腸の不快感が改善されます。

4. 疏肝理気(そかんりき):脾を圧迫するストレスを緩和

疏肝理気の食材は、ストレスによって高ぶる「肝」の影響を和らげ、脾の機能を正常化します。

主な疏肝理気の食材

  • 香味野菜・ハーブ:玉ねぎ、シソ、タイム、バジル
  • 柑橘類:レモン、グレープフルーツ、オレンジ
  • 香辛料:八角、クミン、ターメリック
  • 飲料:ワイン、醸造酒

特に柑橘系の香りは万人受けしやすく、リラックス効果も期待できます。

まとめ:脾の健康を守る食生活

脾の健康を維持するためには、甘味、健脾、利湿、疏肝理気の食材をバランスよく摂取することが重要です。

また、五行学説に基づく食生活は、単に体のケアに留まらず、心の健康にも良い影響をもたらします。

ポイント

  • 甘味で脾を補う
  • 健脾で機能を正常化
  • 利湿で余分な水分を排出
  • 疏肝理気でストレスを緩和

ぜひこれらの食材を毎日の食事に取り入れて、健康で快適な生活を送りましょう!

東洋医学に学ぶ「脾」を元気にするための心と体の養生法

東洋医学の五行論によれば、“思い煩う”ことが多い人ほど「脾」が弱りやすく、また“耐え忍ぶストレスに怒りを溜める”ことで胃腸にも悪影響を与えるとされています。

このため、食事改善だけではなく、ライフスタイル全体を見直すことが大切です。

特に、心のあり方として過度に悩まず、ストレスを発散するための適度な運動や趣味を取り入れることが、心身の健康を維持する鍵となります。

また、東洋医学の「心身一如」の考え方に基づき、体内外のバランスを整える養生法が重要です。

特に「脾」は身体のエネルギーを生み出す源であり、このエンジンを健やかに保つことで、不快な症状を改善するだけでなく、全身の健康を保ち、病気を予防する力の源となります。

漢方による「脾」のケアは、心身の活力を高め、より豊かな生活を送るための強力なサポートとなります。

【東洋医学で読み解く「脾」と感情の深い関係|思い悩みと心身バランスを整えるヒント】

今回は東洋医学の陰陽五行説の中でも、特に注目すべき「脾(ひ)」の役割と、そこに深く関わる感情「思(し)」と「憂(ゆう)」について、やさしくお話ししていきます。

私たちが日常で感じる“なんとなく不調”や“心のもやもや”は、実はこの「脾」と深い関係があるかもしれません。

脾とは何か?東洋医学の観点から

東洋医学における「脾」は、西洋医学でいう脾臓とは少し異なり、主に以下のような機能を司っています。

機能内容
運化作用食べ物の消化・吸収・気血の生成
昇清作用栄養分を上に持ち上げ全身に送る機能
統血作用血を脈内に留める働き
肌肉の滋養筋肉や四肢の健康を支える

「脾」は五行の「土」に属し、身体の“土台”として非常に重要な役割を担っています。

脾と感情「思」「憂」の関係

東洋医学では、五臓にそれぞれ対応する感情があるとされています。

五臓感情
怒(いかり)
喜(よろこび)
思・憂(おもい・うれい)
悲(かなしみ)
恐(おそれ)

脾が元気なとき、人は思慮深く冷静な判断ができます。

しかし、脾が弱ってしまうと、「思い悩みすぎる」「心配性になる」「考えがまとまらない」といった感情の偏りが生まれてしまいます。

また逆に、心配ごとが多かったり、考えすぎる生活を続けると、それが脾の機能をさらに低下させてしまうのです。

脾が弱るとどうなる?具体的な症状

「脾気虚(ひききょ)」と呼ばれる状態になると、以下のような不調が現れます。

  • 食欲不振、胃もたれ
  • 疲れやすい、倦怠感
  • 下痢や軟便
  • 内臓下垂(胃下垂など)
  • 集中力の低下、ネガティブ思考

このような症状は、「ただのストレスかな?」と見過ごされがちですが、実は脾のSOSサインかもしれません。

五行の相生・相克から見る脾の位置づけ

東洋医学では五行の関係性も大切です。

脾のバランスが崩れると、他の臓器にも影響が及びます。

五行相生(助け合い)相克(抑制し合い)
土(脾)火(心)→土(脾)→金(肺)木(肝)が土(脾)を剋す

たとえば、ストレスによって肝(木)が昂ぶると、脾(土)を抑えてしまい消化器の不調を引き起こします。

現代でよくある「ストレス性の胃腸障害」はこの典型です。

脾を元気にする養生法

では、どうすれば脾を整え、感情のバランスを保てるのでしょうか?

① 食養生:薬膳的アプローチ

食材働き
山芋、かぼちゃ、とうもろこし脾を補い、消化機能を助ける
黒豆、はと麦、小豆水分代謝を促進し、脾を守る
生姜、ねぎ脾を温め、気の巡りを促す

★ポイント:一物全体・身土不二を意識して、よく噛んで(1口30回)ゆっくり食べることも大切です。

② 感情のケア

  • 思い悩んだときは深呼吸や軽い運動で気を巡らせましょう
  • 日記を書いたり、感情を言語化することで思考が整理されます

③ 漢方薬の活用

  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう):脾気虚による疲れ・食欲不振に
  • 帰脾湯(きひとう):脾と心を同時に補い、不安や不眠に効果的

感情と五臓の相互作用を意識した暮らしを

東洋医学では「心身一如」、心と身体はつながっています。

感情の乱れは臓腑の不調を引き起こし、臓腑の不調は感情に影響します。

少し思い悩む日が続いたときこそ、「これは脾が疲れているサインかも」と身体に目を向けてあげましょう。

脾をいたわる暮らしが、心の安定にもつながるのです。

まとめ

内容ポイント
脾の役割消化吸収・気血の生成・感情のバランス
関連感情思・憂(思い悩み・心配)
弱るとどうなる?胃腸虚弱・疲れ・ネガティブ思考
養生法食養生・漢方・感情ケア

脾を整えることは、私たちの心と体、両方の健康にとってとても重要な鍵になります。

ぜひ、今日から“脾にやさしい暮らし”を始めてみてくださいね。

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薬剤師
河邊甲介

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著者プロフィール

河邊甲介 (薬剤師)

KOSUKE KAWABE

▷有資格

  • 薬剤師
  • 中医薬膳師:本草薬膳学院(学長:辰巳洋)にて資格取得
  • 薬膳素材専門士:本草薬膳学院(学長:辰巳洋)にて資格取得
  • ペットフーディスト

▷経歴

  • 福岡大学薬学部卒
  • 総合病院薬剤部・調剤薬局にて勤務
  • 2024年1月より宮崎県川南町(峠の里)にて漢方×薬膳×腸活のお店「ほどよい堂」を開局

身体とこころの安心をお届けします

薬剤師であり、漢方×薬膳×腸活の専門家として、「ほどよい堂」を運営しています。
中医学的体質診断を基に、個別に最適な健康アドバイスを提供し、無料相談も実施中。
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