痛みの種類と漢方での対策:体質別の漢方処方で根本改善を目指す

痛みは私たちの日常生活に大きな影響を与えるものですよね。

肩こりや腰痛、頭痛など、様々な痛みがありますが、その痛みの種類によって原因は異なることをご存知でしょうか?

痛みの感じ方や部位は、実は私たちの体質や体内の状態を反映しています。

そこで、漢方の出番です。

漢方は、体質を考慮した自然なアプローチで、痛みの根本原因にアプローチすることができます。

たとえば、おもだるい痛みは「痰湿」が原因かもしれませんし、張った痛みは「気滞」が関係していることがあります。

また、ピンポイントで痛む場合は「血瘀」の可能性があり、筋に沿った痛みは「血虚」が影響していることが多いです。

この記事では、これらの痛みの種類に応じた漢方処方をご紹介し、体質改善を目指すためのヒントをお届けします。

体質別に漢方薬を取り入れ、根本からの改善を目指しましょう。

さあ、一緒に痛みのメカニズムを探っていきましょう!

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1. 痰湿とは?重だるい痛みを引き起こす原因を解説

  • 痰湿とは?
    体内に余分な水分や湿気が溜まることで、重だるい痛みを引き起こします。冷えが伴いやすく、動きにくさを感じることも。
  • おすすめの漢方処方
    • 薏苡仁湯:痰湿を解消し、体の余分な水分を取り除きます。
    • 防已黄耆湯:痰湿の体質改善をサポート。
    • 桂枝加朮附湯:痰湿に冷えが伴う場合に効果的です。
    • 麻黄附子細辛湯:冷えが顕著な時に用います。
  • 応用ポイント
    症状が重い場合や体質に合わせて、複数の漢方を組み合わせて使用することもあります。

2. 気滞とは?張った痛みや違和感の背景を解説

  • 気滞とは?
    気の巡りが滞ることで、張ったような痛みや違和感が生じます。ストレスや疲労が原因になることが多く、感情や気分にも影響を与えます。
  • おすすめの漢方処方
    • 逍遙散(加味逍遙散):気の巡りを改善し、ストレス緩和にも効果的。
    • 四逆散+香蘇散:胃腸の不調や気分の浮き沈みもサポート。
    • 疎経活血湯:気滞とともに血の滞りがある場合に併用。
  • 応用ポイント
    気滞がある場合、血瘀(血の巡りが悪くなること)も伴うことがあるため、疎経活血湯を加えて効果を高めることが推奨されます。

3. ピンポイントで痛む / 血流を良くする漢方処方:痛みを軽減する具体的アプローチ

  • 血瘀とは?
    血の流れが滞り、特定の場所に痛みが集中すること。打撲や冷え、長時間の同じ姿勢が原因で、特に夜間に悪化しやすい傾向があります。
  • おすすめの漢方処方
    • 折衝飲・冠元顆粒・血府逐瘀湯:血流を促進し、痛みを緩和。
    • 芎帰調血飲・温経湯:血の巡りを整え、冷えを改善。
    • 桂枝茯苓丸・桃核承気湯:血の滞りを解消し、体を温めます。
  • 応用ポイント
    血瘀の原因を特定し、改善を図ることも重要です。生活習慣の見直しも含めたアプローチが効果的です。

4. 筋に沿った痛みの原因:血虚とその対策

  • 血虚とは?
    血が不足している状態で、筋肉の張りや痛みを感じることが多いです。特に長時間のデスクワークや運動不足が原因で、疲労感が抜けない場合に起こりやすいです。
  • おすすめの漢方処方
    • 疎経活血湯・芎帰調血飲:血の不足を補い、筋肉の張りを和らげます。
    • 折衝飲:血の巡りを良くし、痛みを緩和。
  • 応用ポイント
    疎経活血湯を基盤として、他の漢方薬を組み合わせると、血虚による痛みや疲労に効果が期待できます。

【疎経活血湯とは?〜血行を促し、痛みとしびれに寄り添う漢方薬〜】

疎経活血湯は、血の巡りを改善し、痛みを和らげるために広く用いられる漢方薬です。

この基本処方を元に、体質や症状に応じた組み合わせを行うことで、さらに効果を高めることができます。

今回は、痛みやしびれに悩む方にとって心強い味方となる漢方薬「疎経活血湯(そけいかっけつとう)」について、分かりやすく、そして中医学的な視点からも深掘りしてご紹介します。

この記事では、

  • 疎経活血湯の特徴
  • 中医学的な捉え方と作用メカニズム
  • 構成生薬の役割
  • 他の漢方処方との違い
  • 注意点や活用のポイント

これらを詳しく解説していきます。どうぞ最後までお付き合いくださいね。

疎経活血湯とは?

疎経活血湯は、古くから使われてきた漢方処方で、特に腰から下の痛みやしびれに対応する力強いブレンドです。

中医学で言うところの「痺証(ひしょう)」——すなわち、風・寒・湿などの邪気が経絡(けいらく)を塞いで気血の巡りが悪くなった状態——に働きかける、いわば"通路の詰まりをスムーズにしてくれる"お薬です。

冷えや湿気によって悪化する関節痛や坐骨神経痛、筋肉のこわばりなどに適応します。

疎経活血湯の特徴と適応症状

主な適応:

  • 腰痛
  • 坐骨神経痛
  • 膝関節痛
  • 筋肉痛
  • 手足のしびれ

特徴的な効果:

  • 血行促進(活血化瘀)
  • 経絡の疏通(疎経通絡)
  • 風・寒・湿の邪を祛す(祛風湿)

特に、夜間や冷え、湿気で症状が悪化するタイプに向いています。

中医学的メカニズム〜「気血の流れ」と「痺証」へのアプローチ〜

「疎経」とは経絡の流れを良くすること。「活血」は血液循環を促すこと。

疎経活血湯はこの両者を同時に行うことで、以下のような働きをします:

  • 経絡の詰まりを解消し、気血をスムーズに巡らせる
  • 痺証(風痺・湿痺・寒痺)に対応
  • 筋肉や関節の栄養状態を改善し、修復力を高める

痺証の分類と症状:

痺証の種類症状の特徴疎経活血湯の対応
風痺痛みが移動する・遊走性風を祛して流れを整える
湿痺重だるい・固定痛湿を取り去り軽快に
寒痺冷えによる強い痛み温めて血行を改善

疎経活血湯の構成生薬とその役割

この処方には17種類の生薬が配合されており、それぞれに重要な役割があります。

分類生薬主な作用
祛風湿薬防風、防已、羌活、威霊仙、白芷関節・筋肉の痛みやしびれを取り除く
利水薬蒼朮、茯苓浮腫や湿気を取り去る
活血化瘀薬桃仁、牛膝血流を促進、滞りを改善
清熱薬竜胆炎症を抑え、痛みを鎮める
補血行血薬四物湯(当帰、芍薬、川芎、地黄)血を補い、巡りを良くする
調和薬陳皮、生姜、甘草消化力を高め、生薬全体の調和

こうして見ると、痛みやしびれの原因に多方面からアプローチしていることがわかりますね。

他の漢方処方との比較

それでは、他の代表的な痛みに対する漢方薬と疎経活血湯の違いを比較してみましょう。

処方名主な適応特徴
五積散冷え・慢性腰痛・腹部膨満感内寒タイプ、さすると軽くなる痛みに
麻杏薏甘湯急性の関節痛・冷えによる痛み即効性あり、炎症が強いときに
桂枝加朮附湯冷え・むくみを伴う関節痛附子で温め、冷えに特化
続命湯萎縮性疾患・熱感を伴う痛み熱による慢性疾患に適応

このように比較すると、疎経活血湯は幅広い痺証に対応できるオールラウンダーであることが分かります。

使用上の注意と補足ポイント

  • 胃腸が弱い方は、一時的にお腹が張ったり下痢になる場合もあるので、様子を見ながら調整が必要です。
  • 麻黄や附子が入っていないため、刺激が強すぎない処方で、体力が中等度以下の方にも使いやすいです。

また、体質や症状に合わせて、他の漢方処方と組み合わせて使うこともあります。

まとめ

疎経活血湯は、中医学の知恵が詰まった処方であり、痛みやしびれという慢性的な悩みに寄り添う優しい処方です。

  • 経絡と気血の流れを改善
  • 痺証を多面的にアプローチ
  • 中等度体力以下の方にも優しい構成

体の声を丁寧に聴きながら、適切に選んでいくことで、日々の生活の質がぐんと高まります。

気になる方は、ぜひ信頼できる漢方薬局でご相談くださいね。

体質に応じた漢方薬の組み合わせで痛みを和らげる / 疎経活血湯をベースにした体質別漢方の組み合わせ

1. お血が顕著な場合

お血とは、血の流れが滞っている状態を指します。

お血が顕著な場合は、以下の組み合わせが効果的です。

  • 疎経活血湯 + 折衝飲
    この組み合わせにより、血流を促進し、痛みを軽減します。折衝飲は、血瘀に特に効果があり、疎経活血湯との相乗効果で体全体の血の流れを改善します。
  • 疎経活血湯 + 芎帰調血飲
    芎帰調血飲は、血を補う作用があり、疎経活血湯の効果をサポートします。特に、慢性的な痛みや疲労感を持つ方におすすめです。

2. 気滞が顕著な場合

気滞は、気の流れが滞ることで起こる症状です。

気滞が顕著な場合には、以下の組み合わせを試してみましょう。

  • 疎経活血湯 + 加味逍遥散
    この組み合わせは、気の巡りを改善し、ストレスや緊張を和らげる効果があります。気滞による痛みを軽減し、全体的なリラクゼーションを促します。
  • 疎経活血湯 + 逍遥散
    逍遥散は、気の巡りを良くし、心身のバランスを整える効果があります。疎経活血湯との併用により、気滞による不快感を和らげることができます。

3. 痰湿が顕著な場合

  • 疎経活血湯+薏苡仁湯
    痰湿による痛みを解消し、巡りを整えます。薏苡仁湯によって痰湿を解消し、体の余分な水分を取り除き、疎経活血湯と薏苡仁湯の組み合わせにより、痰湿による痛みを効果的に解消し、体内の巡りを整えることができます。

4. 冷えが顕著な場合

  • 疎経活血湯+葛根湯・桂枝加朮附湯
    疎経活血湯を基盤に、葛根湯や桂枝加朮附湯を組み合わせることで、冷えからくる痛みや張りの改善が期待できます。葛根湯は体を温め、冷えによる症状を緩和。桂枝加朮附湯は冷えが伴う場合に効果的で、体全体の温度を上昇させる。

まとめ / 痛みの種類別漢方治療:体質を理解し根本改善を目指そう

痛みは、さまざまな原因や種類があり、その対処法もそれぞれ異なります。

漢方では、痛みの種類を基に体質を理解し、最適な処方を選ぶことが可能です。

たとえば、おもだるい痛みには「痰湿」を解消する漢方、張った痛みには「気滞」を改善する漢方が効果的です。

ピンポイントで痛む場合は「血瘀」、筋に沿った痛みは「血虚」が影響していることが多く、それぞれに合わせた漢方を取り入れることで、根本からの改善が期待できます。

さらに、日常生活における習慣や食事、運動を見直すことも大切です。

ストレス管理や適度な運動を取り入れることで、体質改善を図り、痛みの再発を防ぐことができます。

自分の体質に合った漢方を活用し、健康的な生活を送るための一助として、ぜひ実践してみてください。痛みのない快適な毎日を目指しましょう!

■ 宮崎県川南町の自然の中で、自分を見つめ直す時間を

『ほどよい堂』は、ただの漢方薬局ではありません。

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■ アクセス・営業時間

店名:漢方・薬膳処 ほどよい堂
所在地:宮崎県児湯郡川南町(峠の里展望台近く)
※詳細なアクセスは公式ホームページをご覧ください。
営業時間:10:00~18:00(月曜日定休、火曜日は不定休)
駐車場あり/予約優先制

■ ご相談・ご予約はこちらから

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・オンライン相談(Zoom対応)

[ほどよい堂の漢方相談お問い合わせ方法]

ご相談は基本的にご予約制となっておりますが、時間的な余裕がある場合は飛び入りでの相談もお受けしております。

まずは、下記のいずれかの方法でご連絡ください。

次の予約サイト、LINE、電話のいずれかの方法からアクセスをお願いいたします。

▶予約サイト: https://coubic.com/kampo-hodoyoido

▶LINE: https://lin.ee/bfO3lv9

▶電話:0983-32-7933

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薬剤師
河邊甲介

宮崎県の川南町にある峠の里からの絶景を眺めながら、漢方と薬膳を組み合わせた腸活相談が受けられる「薬局×セレクトショップ」です。

「中医薬膳師×薬膳素材専門士×ペットフーディスト」の資格を有する薬剤師が、体調不良、ダイエットやアトピーなどの悩みにも親身に対応します。

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宮崎県川南町「ほどよい堂」では、「漢方×薬膳×腸活」に関する様々な商品を揃えています。

気軽に一度、ご相談にお越しください!

著者プロフィール

河邊甲介 (薬剤師)

KOSUKE KAWABE

▷有資格

  • 薬剤師
  • 中医薬膳師:本草薬膳学院(学長:辰巳洋)にて資格取得
  • 薬膳素材専門士:本草薬膳学院(学長:辰巳洋)にて資格取得
  • ペットフーディスト

▷経歴

  • 福岡大学薬学部卒
  • 総合病院薬剤部・調剤薬局にて勤務
  • 2024年1月より宮崎県川南町(峠の里)にて漢方×薬膳×腸活のお店「ほどよい堂」を開局

身体とこころの安心をお届けします

薬剤師であり、漢方×薬膳×腸活の専門家として、「ほどよい堂」を運営しています。
中医学的体質診断を基に、個別に最適な健康アドバイスを提供し、無料相談も実施中。
健康に関するお悩みを漢方や薬膳、腸活でサポートし、体質改善を目指します。
健康維持や未病対策に関心のある方は、ぜひご相談ください。

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