腸内細菌の多様性が健康寿命に関連している⁉長寿菌とは？

酪酸菌の特徴は次の通りです。

• 酪酸は大腸の粘膜上皮細胞の栄養分になる：IgA抗体を増やし、腸の粘膜免疫を活性化する。大腸の粘膜上皮細胞は、水分やミネラルを吸収したり、腸のバリア機能として働く粘液を分泌する。リーキーガット症候群（腸漏れ）の予防になる。
• 腸の蠕動運動の7割が酪酸をエネルギー源としている。
• 制御性T細胞を活性化する：制御性T細胞とは、自己を誤って攻撃してしまうことを防ぐために免疫応答を抑制する細胞のこと
• 大腸がんの予防：酪酸が大腸がんの細胞周期を抑制する
• 酪酸菌の好物：海藻類、玄米、もち麦

酪酸菌を増やすおすすめの方法

酪酸を唯一作りだせるのが「酪酸菌」です。

酪酸菌は、ぬか漬けなどに含まれています。

• 善玉菌のエサとなる食べ物を摂取する（プレバイオティクス）：食物繊維の多い食材（きのこや穀類など）。穀類でいえば、白米より玄米のほうが食物繊維は豊富。オリゴ糖。レジスタントスターチ（難消化性でんぷん）。
• 善玉菌の多い食べ物を摂取する（プロバイオティクス）：ヨーグルト、乳酸菌飲料、納豆、漬物などの発酵食品など。

• 酪酸菌配合の整腸剤を服用する：整腸剤や、サプリメントに使われる酪酸菌は、「Clostridium butyricum （ｸﾛｽﾄﾘｼﾞｳﾑ ﾌﾞﾁﾘｶﾑ）」 だけです。商品としては「強ミヤリサン®」「ビオフェルミン 酪酸菌サプリ®」「ビオスリー^®Hi錠」「ミヤBM」などがあります。

ビタミンDは腸内細菌の多様性を高める

ビタミンDはカルシウムの吸収促進、骨の成長促進、血中カルシウム濃度を調節する重要な役割のある栄養素で、健康な骨を維持するために欠かせない、脂溶性のビタミンです。

また、ビタミンDの血中濃度が高いと、腸内細菌の多様性が高くなり、この中でも酪酸菌が優位に増えるという報告があります。※3

ビタミンDには、免疫機能を調整する働きがあります。

殺菌作用を発揮する抗菌ペプチドを作る働きをし、体内に侵入したウイルスや細菌などに対して必要な免疫機能を促進します。

ビタミンDを多く含む食材は「いわし・キノコ類（天日干しでビタミンDアップ）・卵などです。

ビタミンDを多く含む食品は限られているため、日光を浴びないとビタミンDは不足してしまいます。

日光浴の時間は、15～30分が目安です。必要な日光浴の時間は、地域や天候、季節によって大きく異なります。