慢性的に調子が悪いのに原因が分からない…。もしかしたら腸が原因かもしれません!腸漏れ(リーキーガット症候群)

リーキーガット症候群
(腸管漏出症候群)

原因不明の症状や
長引く体調不良

リーキーガット症候群と
腸内細菌

腸内環境悪化が
様々な不調に
つながる理由とは⁉

慢性不調は腸漏れの初期症状かも(リーキーガット症候群)

腹痛、下痢、便秘、お腹のはり、消化不良、原因不明の熱、筋肉痛、関節痛、胸やけ、息切れ、吐き気、抜け毛、不眠症、記憶力低下、集中力低下、不安感、疲労感、口臭、神経過敏、食欲不振、ニキビ、じんましん、喘息、アトピー性皮膚炎など慢性的に様々な症状があるのに通常行われている病院での検査(血液検査・画像検査)では異常がない場合は「リーキーガット症候群(腸管漏出症候群)」の可能性があります。

腸管は「絨毛」という無数のヒダが覆っており、正常な場合はその表面は「上皮細胞」と呼ばれる細胞が隙間なく密接していて、不要な異物を体内に入れない関門としての役割を果たしています。

しかし、何らかの原因によって上皮細胞間に隙間ができて異物が侵入してしまうことがあります。これを「腸漏れ(リーキーガット)」といいます。

腸のバリア機能が壊れ、身体に有害な物質が体内に入り込むことによって起こるさまざまな症状をまとめて「リーキーガット症候群」と呼んでいます。

リーキーガットによって起こる不調のメカニズム

腸漏れにより、有害物質が血液中に入り込んでくると、身体はこれらの物質を「異物」と判断して免疫システムを作動させます。

バリア機能が壊れた腸では、絶えず異物が侵入してくるため、過剰な免疫反応による炎症が起こり、自己免疫疾患である「クローン病」や「潰瘍性大腸炎」といった炎症性腸疾患を発症することもあります。

また、免疫応答による炎症性サイトカインが血液の流れに沿って全身に拡がることで、身体のあらゆる部分に慢性的な炎症が起きるため、全身にさまざまな不調が現れるのです。

リーキーガット症候群の原因となる生活習慣とは

食品添加物、糖質の過剰摂取、小麦のグルテンや牛乳のカゼイン、アルコール、消炎鎮痛剤・抗生物質・ステロイド剤などの長期服用、ストレス、睡眠不足などによって腸内フローラが悪化(ディスバイオーシス)することにより、腸の粘膜を傷付け、炎症が起きるため、タイトジャンクションが緩んでリーキーガット(腸漏れ)が起きてしまいます。

また、低血糖、ストレス、慢性炎症などにより副腎由来のコルチゾールが枯渇すると腸の炎症が抑えられずディスバイオーシスが起こります。

腸漏れにより有用菌が減り、エネルギー源である短鎖脂肪酸がさらに減ることで、ますます腸漏れが進み負のサイクルに陥ってしまうのです。

リーキーガットの治療(食事・栄養成分)

腸内フローラの改善
プレバイオティクス+プロバイオティクス=シンバイオティクスを行う。

粘膜の修復
粘膜を修復してくれる蛋白質、ビタミンB、ビタミンA、ビタミンD、亜鉛などを摂取する。
※ビタミンD:腸内細菌の多様性と関連している。免疫調節作用があるため、アレルギー性疾患にも良い。

生活習慣の改善
①食事:砂糖、グルテン、カゼイン、アルコール、カフェインといった食材を減らす。
②運動:有酸素運動など適度な運動を行う。
③睡眠:睡眠の質と量どちらも大切。

腸漏れ(リーキーガット)と腸内フローラの悪化(ディスバイオーシス)には「酸素」が関連している⁉

腸内細菌は、小腸から大腸まで、自分の住みやすい場所に分布しています。

強酸である胃酸のある胃や十二指腸では菌数が少なく、小腸(空腸~回腸)、大腸と次第に多くなっていきます。

小腸には空気(酸素)が存在しやすいので、酸素の有無に関係なく生育できる細菌(通性嫌気性菌)である乳酸捍菌が多く住み着いています。

盲腸から大腸になると、殆ど無酸素状態になり、酸素の嫌いな細菌(偏性嫌気性菌)が多くなります。

ビフィズス菌は偏性嫌気性菌の代表であり、同じような性質をもつ菌としてバクテロイデス菌やユウバクテリウム菌なども有名です。

ここで問題になってくるのが、リーキーガット(腸漏れ)状態になると、酸素が腸に漏れ出てしまうことなのです。

そうして、漏れ出た酸素の影響で腸内細菌のバランスが変化し、腸内フローラはどんどん悪化していくことになります。

大腸内に酸素が入ってくると、それまでいた偏性嫌気性菌であるビフィズス菌・酪酸菌などの有用菌は生息できなくなり、逆に酸素があると生きられる好気性の「大腸菌」などの有害菌が増えてしまいます。

そうなると善玉菌が作り出していた短鎖脂肪酸が減少し、腸内を弱酸性の状態に保つことが出来なくなり、ますます有害菌が繁殖していくのです。

また、短鎖脂肪酸(主に酪酸)はエネルギー源として腸の活動を支えているため、短鎖脂肪酸の減少により蠕動運動が低下するため、有害菌が増えるという負のスパイラルに陥ってしまうのです。

酪酸菌とビフィズス菌との関係

酪酸菌によって作られた酪酸は、大腸内の酸素を多く利用し大腸の蠕動運動をサポートしています。

そのため、この酪酸の働きによって酸素があると活動が抑制される偏性嫌気性菌であるビフィズス菌が住みやすい環境となり、酪酸菌が多いとビフィズス菌も増えやすくなるのです。

酪酸菌のエサになりやすいのは、不溶性食物繊維です。

酪酸菌を増やし、育てるために酪酸菌のエサとして有効な食品は、玄米・もち麦・海藻類と言われています。これらの食材を積極的に摂るようにしましょう。

参考文献

公益財団法人 腸内細菌学会HP

酪酸菌を含んでいる整腸剤

・強ミヤリサン錠
・ビオスリーHi錠
・フェカルミンスリーE

整腸剤は菌数が多い方が効果が期待できます。また、複数の種類の菌を同時に摂取する方が腸内環境を整える効果が期待できます。

強ミヤリサン錠は1錠に約1億〜10億個の酪酸菌が含まれており、飲むだけで手軽に酪酸菌をとることができます。

薬剤師
河邊甲介

宮崎県の川南町にある峠の里からの絶景を眺めながら、漢方と薬膳を組み合わせた腸活相談が受けられる「薬局×セレクトショップ」です。

経験豊富な「薬剤師×ペットフーディスト」が対応し、体調不良、ダイエットやアトピーなどの悩みにも親身に対応します。

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