免疫力に注目して腸内フローラに対する整腸剤の有効性を考えてみた!腸活と免疫力の関係性
目次
整腸剤・乳酸菌サプリで
免疫をUPしよう!
免疫の種類とは【自然免疫/獲得免疫】
細菌やウイルスなどからからだを守る働きが「免疫」です。
免疫には「自然免疫」と「獲得免疫」の2種類があり、それぞれ働きが異なります。
細菌やウイルスからの攻撃を防御してくれるのが白血球(好中球)、リンパ球、マクロファージなどの免疫担当細胞です。
その中で好中球、マクロファージは真っ先に働いて病原菌の侵入を防いでくれます。これを「自然免疫」と言います。
それだけでは防ぎ切れなかった細菌・ウイルスはリンパ球が反応して中和させるための抗体を作り攻撃を防ぐのですが、これを「獲得免疫」と言います。
感染症といえばインフルエンザやコロナなど肺や気管支などの「呼吸器」から侵入してくるイメージが強いかもしれませんが、実は、食べものと共に病原菌・ウイルスなどのさまざまな異物が「消化器」から入り込んでくることも多いのです。
そのため、「腸管免疫」と言って、小腸には「パイエル板」というリンパ球が密集している腸管免疫装置のTLR(Toll Like Receptor)センサーが備わっているのです。
バイオジェニックスと腸管免疫の関係
腸内細菌研究の第一人者である東京大学名誉教授の光岡知足博士は、バイオジェニックスの代表格である「乳酸菌生産物質」によって、TLRセンサーのスイッチが入ることで、自然免疫や獲得免疫が活性化されると説明されています。
ここでポイントになるのは腸内フローラを介すことは必須条件ではないため、「生きた」乳酸菌、ビフィズス菌にはこだわる必要は無く、重要なのは「菌の数」なのです。
つまり、たくさんの乳酸菌を小腸に送り込むことによって腸管免疫を刺激して免疫力を高め、健康を保つことが期待できるというわけです。
最新の研究によってバイオジェニックスこそが、生活習慣病や老化の防止に有望だという考え方が広まりつつあります。
多くの乳酸菌を摂取するにはサプリメントが効率的!
国立健康・栄養研究所のデータでは1日約100億個程度の乳酸菌摂取が必要とされています。
市販のヨーグルト(発酵乳)は、1㎖当たり1000万個以上の乳酸菌を含めることが法令で定められています。
つまり、食べきりサイズのヨーグルトは100g程度ですから1個で10億個になります。
100億個の乳酸菌をヨーグルトで摂取しようとすれば1㎏食べる必要になります。
ちなみに、光岡知足博士は免疫を高めるためには1兆個の乳酸菌を毎日摂取することを提唱されています。
こうなると、もうお手上げですよね…。
そこで、おすすめするのが整腸剤のサプリメントなのです。
摂取カロリー・脂肪分など気にせずに多くの乳酸菌を摂取することが可能です。
乳酸菌が多く含まれている商品は?1日1兆個
それでは、どの商品にどれくらいの乳酸菌が含まれているのでしょうか?
整腸剤といっても、その種類にはビフィズス菌,乳酸菌(ラクトミン),酪酸菌,糖化菌があります。
乳酸菌含量が多い商品は次の通りです。
- ワカサプリ 乳酸菌(EC-12):3粒中に乳酸菌 (殺菌) :1兆個 / アカメガシワ抽出エキス:300mg / フラクトオリゴ糖:300mg
- ラクエイド:3タブレット中に、乳酸菌(エンテロコッカス・フェカリス菌)1兆個/ビフィズス菌:200億/キシロオリゴ糖、難消化性デキストリン/乳酸菌産生物質
- いなば食品 1兆個すごい乳酸菌ドリンク:1本(65ml)中に殺菌乳酸菌EC-12株:1兆個
- いなば食品すごい乳酸菌1兆個スティック オリゴ糖プラス:殺菌乳酸菌EC-12株:1兆個/ラクトスクロース
参考文献
・日本食品科学工学会誌:2010年57巻10号p.446
・ヤクルト中央研究所HP:健康用語の基礎知識
・光英科学研究所HP
用語解説
- バイオジェニックス:
バイオジェニックスとは,光岡博士が提案した言葉で,腸内フローラを介することなく,直接,免疫賦活,コレステロール低下作用,血圧降下作用,整腸作用,抗腫瘍効果などの生体調節・生体防御・疾病予防・回復・老化制御に働く食品成分のこと。
免疫強化物質,血圧降下・コレステロール低下物質を含む各種生理活性ペプチド,植物ポリフェノール,DHA(ドコサヘキサエン酸),EPA(エイコサペンタエン酸),ビタミンなどの食品成分。
- 乳酸菌生産物質:
死んだ菌も含めて乳酸菌の作り出す物質である代謝産物と菌体成分。
- TLR(Toll様受容体):
細菌やウイルスなどの特徴的な構造(分子パターン)を見分けるセンサー(受容体)で、主にマクロファージや樹状細胞などの自然免疫系の細胞が持っている。
病院で処方されている整腸剤
▷ビフィズス菌製剤(ビオフェルミン、ラックビー)
- 小腸下部〜大腸で増殖し乳酸・酢酸を産生
- 有害菌増殖抑制作用、腸管運動促進作用
▷耐性乳酸菌製剤(ビオフェルミンR、ラックビーR、レベニン錠・散) ※「R」はResistance(耐性)の頭文字
- 下記抗生物質、化学療法剤投与時の腸内菌叢の異常による諸症状の改善
ペニシリン系、セファロスポリン系、アミノグリコシド系、マクロライド系、テトラサイクリン系、ナリジクス酸
▷酪酸製剤/宮入菌(ミヤBM)
- 大腸で増殖し酪酸・酢酸を産生
- 胃酸に安定
- 抗菌薬に安定のため抗生物質と併用で処方されることも多いが、保険医療では適応外扱いになることもある
- 酪酸は腸管内の炎症を抑える
▷乳酸菌、糖化菌配合製剤(ビオフェルミン配合散)
- 小腸下部〜大腸で増殖し乳酸を産生
- 乳酸菌は有害菌の発育を阻止することにより、腸の粘膜を保護
- 糖化菌は乳酸菌の増殖促進作用がある
▷酪酸菌、乳酸菌、糖化菌配合製剤(ビオスリー配合錠・散)
- 糖化菌は乳酸菌を、乳酸菌は酪酸菌を単独時投与に比べ10倍増殖する。
- 3成分が相乗効果を発揮 ※複数菌を同時に摂る方が腸内環境改善によいとされている。
ドラッグストア・インターネットで買える市販品
▷新ビオフェルミンS
- 「ビフィズス菌」「フェーカリス菌」「アシドフィルス菌」の3種類の菌株(3種の乳酸菌が小腸から大腸まで広く腸の調子を整える)が配合。
- ヒト由来の乳酸菌なので定着性がいい。
- 赤ちゃんからお年寄りまで服用できる。
▷強ミヤリサン錠
- 芽胞と呼ばれる耐久性の高い細胞構造を形成する酪酸菌(宮入菌)は、生きたまま腸まで届き、腸内有益菌の働きを高め、有害菌の働きを抑える。
- 酪酸が腸の蠕動運動を促進してくれるため、整腸作用が期待できる。
▷ザ・ガード整腸錠α+
- 「ビフィズス菌」「乳酸菌(ラクトミン)」「納豆菌」の3つの菌にガス除去剤のジメチルポリシロキサン、生薬のセンブリ末・ケイヒ末・ウイキョウ末、胃粘膜を保護・修復するメチルメチオニンスルホニウムクロリドなどが配合されています。
▷エビオス整腸剤
- 乾燥酵母に3種の乳酸菌(ビフィズス菌、フェカリス菌、アシドフィルス菌)が配合。
- 乾燥酵母は、ビール醸造に使うビール酵母を乾燥したもので、乳酸菌の増殖に必要な栄養成分(ビタミンB1・B2・B6、アミノ酸、核酸、食物繊維等)を含んでおり、乳酸菌の発育促進に効果を発揮します。
▷強力わかもと
- ビール酵母、アスペルギルス・オリゼーNK菌、乳酸菌(ストレプトコッカス・フェカリス菌)培養末が配合。NK菌からアミラーゼやプロテアーゼといった消化酵素が生み出されて、胃腸の調子を改善する。
▷ワカサプリ 乳酸菌(EC-12)
- 3粒に約1兆個の乳酸菌、フラクトオリゴ糖300mg、アカメガシワ抽出エキス 300mgを配合。
- アカメガシワの健康効果:腸内環境を整える効果、胃炎や胃潰瘍を予防する効果
▷ラクエイド
- 3タブレット中に、乳酸菌(エンテロコッカス・フェカリス菌)1兆個、ビフィズス菌:200億、キシロオリゴ糖、難消化性デキストリン、乳酸菌産生物質を配合。
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