
「同じ症状を繰り返す」
「季節やストレスでぶり返す」
そんな時は、症状を“点”ではなく“流れ”で整理すると、ケアの優先順位が見えやすくなります。
このページは、犬・猫のよくあるサインを 中医学の視点で“傾向”として整理するセルフチェックです。
※診断ではありません。安全のため、最初に「受診目安」を確認してください。
最初に|受診を優先したいサイン

次のような場合は、セルフケアより先に動物病院での確認をおすすめします。
- ぐったりして動かない/水も飲めない
- 血便・黒い便
- 繰り返す嘔吐、吐しゃ物に血が混じる
- 呼吸が苦しそう/舌の色が悪い
- 強い痛み(触ると怒る、丸まって動かない)
- けいれん、麻痺、急なふらつき
- 子犬・子猫、高齢、基礎疾患がある
このセルフチェックの使い方(3ステップ)

このセルフチェックの使い方(3ステップ)
症状を「点」ではなく「流れ」で整理すると、ケアの優先順位が見えやすくなります。
※本ページは診断ではありません。強い症状や急な悪化がある場合は、セルフケアより受診を優先してください。
STEP1:気になる症状カテゴリを選ぶ
まずは「いちばん困っているサイン」を 1つ に絞るのがおすすめです(迷いが減り、改善の手順が作れます)。
STEP2:当てはまる項目にチェックを入れる
当てはまる項目が多いほど、その傾向が強い可能性があります。
※ただし 強い症状・急な悪化 は数に関係なく 受診優先 で判断してください。STEP3:体質チェック(8タイプ)で“土台”も確認する
症状の背景(脾=胃腸/肝=ストレス/腎=加齢の土台)を見ると、再発予防の方向性が立ちやすくなります。
気になる症状にチェック → 漢方薬候補がわかる|症状カテゴリ別チェック

ここから下は、症状にチェックを入れて「候補(相談用のたたき台)」を整理できます。
漢方薬の自己判断投与は避け、必ず獣医師に相談してください。
※特に猫は代謝の特徴があるため要注意です。
犬・猫の症状別|漢方薬セルフチェック(下痢・便秘・嘔吐・皮膚・外耳炎・尿トラブル・不安など)
漢方(中医学)は、病名よりも体質(気・血・津液)と症状の組み合わせから方剤(漢方薬)を選びます。
このセルフチェックは、犬・猫で使用頻度が高い方剤を中心に「症状→候補」を整理するためのツールです(診断・処方確定ではありません)。
重要:自己判断の投与は避け、必ず獣医師に相談してください。特に猫は代謝の特徴があるため要注意です。
代表的な組み合わせ(症状→漢方薬候補)
| 主な症状 | 候補になりやすい方剤(例) |
|---|---|
| 下痢・軟便 | 平胃散/半夏瀉心湯/五苓散/乙字湯/桂枝人参湯 |
| 便秘 | 潤腸湯/大柴胡湯/小柴胡湯 |
| 嘔吐・ムカムカ | 胃苓湯/甘草瀉心湯/香砂養胃湯 |
| 食欲不振・元気がない | 小建中湯/黄耆建中湯/六君子湯/藿香正気散 |
| 乾燥肌 | 温清飲/滋陰至宝湯/四物湯 |
| ジュクジュク湿疹 | 越婢加朮湯/十味敗毒湯 |
| かゆみが強い | 白虎加人参湯/黄連解毒湯/消風散 |
| 外耳炎 | (湿)越婢加朮湯/(乾)十味敗毒湯/(耳だれ)竜胆瀉肝湯 |
| 鼻炎・アレルギー | 小青竜湯/柴胡清肝湯/葛根湯加川芎辛夷 |
| 頻尿・尿失禁 | 八味地黄丸/牛車腎気丸/六味丸 |
| 関節痛・腰痛 | 八味地黄丸/疎経活血湯/当帰芍薬散/桂枝茯苓丸/麻杏薏甘湯/薏苡仁湯 |
| 不安・過敏 | 甘麦大棗湯/桂枝加竜骨牡蠣湯/柴胡加竜骨牡蛎湯/抑肝散 |
※表は候補の一例。実際の選方は体質・検査・併用薬で変わります。
犬猫の症状別に使用される漢方薬の代表例|まず押さえる定番方剤ガイド
| 主な症状 | 対応する漢方薬 |
|---|---|
| 下痢 | 平胃散、半夏瀉心湯、五苓散、乙字湯、桂枝人参湯など |
| 便秘 | 潤腸湯、大柴胡湯、小柴胡湯など |
| 嘔吐 | 胃苓湯、甘草瀉心湯、香砂養胃湯 など |
| 皮膚の炎症やかゆみ、脱毛 | 皮膚がカサカサ(乾燥肌)しているときに:温清飲 ジュクジュクした湿疹に:越婢加朮湯、十味敗毒湯 痒みが強い場合に:白虎加人参湯、黄連解毒湯 炎症がひどい場合に:消風散(しょうふうさん) |
| 外耳炎 | 湿った耳垢:越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう) 乾燥した耳垢:十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう) 耳垂れ:竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう) |
| がん | 茵陳五苓散、桂枝加黄蓍湯、牛膝散 など |
| 食欲不振や元気がない | 小建中湯、黄耆建中湯、六君子湯、藿香正気散など |
| 興奮しやすい、光や音に過敏 | 黄連解毒湯、甘麦大棗湯、桂枝加竜骨牡蠣湯 、柴胡加竜骨牡蛎湯など |
| イライラしやすい | 加味逍遙散、黄連解毒湯など |
| 不安、不安分離症 | 加味帰脾湯、帰脾湯、十全大補湯など |
| 認知症 | 柴胡加竜骨牡蛎湯、抑肝散など |
| 加齢により足腰が弱ってきた | 八味地黄丸、六味丸、十全大補湯など |
| 風邪症状 | 葛根湯、小青竜湯、麻黄湯、柴胡桂枝湯など |
| 鼻炎などのアレルギー | 小青竜湯、紫胡清肝湯、葛根湯加川芎辛夷など |
| 毛並みの悪化 | 滋陰至宝湯、四物湯 など |
| むくみや腹水 | 牛車腎気丸、五苓散、防已茯苓湯、柴苓湯 など |
| 痩せてきたり太ってきたりした | 帰耆建中湯、生姜瀉心湯 など |
| 膀胱炎、肺炎、外耳炎などの炎症や感染症、フィラリアの予防 | 黄連阿膠湯、荊防敗毒湯、五物解毒湯 など |
| 結石(ストラバイト結石) | 猪苓湯(ちょれいとう)など |
| 頻尿・尿失禁 | 八味地黄丸、牛車腎気丸、六味丸など |
| 心臓・循環器の病気 | 甲字湯、当帰散、補気建中湯、柴朴湯、柴苓湯、木防已湯 など |
| 関節痛、腰痛、ヘルニア | 『八味地黄丸』:しびれや筋力低下、痛みなどが加齢が原因であるもの 『疎経活血湯』:変形性脊椎症など腰の痛みがある場合 『当帰芍薬散』・『桂枝茯苓丸』:血行不良があって痛がるような場合 『麻杏薏甘湯』・『薏苡仁湯』:関節などが熱を持っているような場合。触ると痛みが強くなるような場合 |
ペットの漢方薬投与量を正しく計算するためのガイド

ペットに漢方薬を与える場合、正しい量を守ることが重要です。
以下の換算式を参考にすることで、ペットに適切な漢方薬の1日量を計算できます。
漢方薬の投与量換算式
ペット投与量(1日量)= 漢方薬エキス剤 0.15g × ペットの体重 (kg)
この計算式は、成人人間の1日量(7.5g)を基にしたもので、体重1kgあたりのエキス剤の量を0.15gと設定しています。
以下の例を参考にしてください。
- 例)5kgの犬の場合:0.15g × 5kg = 0.75g(1日量)※1日量を2~3回に分けて与える
犬・猫の漢方薬エキス剤|投与量の目安 計算(0.15g×体重kg)
体重を入力すると、1日量(g)と、1日2回/3回に分けた場合の1回量(g)の目安が表示されます。
※このツールは一般的な換算式の計算補助であり、診断・処方・投与量の確定ではありません。
与え方の例:算出した1日量を 2〜3回に分けて与える(方剤・体質・病態で調整が必要)。
漢方薬を使うときの注意点(犬・猫)

1)体重に合わせて“目安量”を考える
漢方薬の量は、基本的に 体重を目安に調整します。
体重が増減したり、成長・加齢で体格が変わった場合は、同じ量のまま続けずに見直すのが安心です。
- 体重が変わったら、量の目安も変わる可能性があります
- 子犬・子猫/高齢/持病ありの場合は、特に慎重に
2)「小数点レベルの厳密さ」より“反応を見ながら調整”
漢方は国や流派、使う製剤で量の考え方が違うことがあります。
そのため、計算上の数字だけに縛られすぎず、体調の反応(便・食欲・元気・皮膚など)を見ながら、専門家と一緒に調整していくのが現実的です。
※ただし、これは 自己判断で増量してよいという意味ではありません。「合っているかどうか」を確認しながら、段階的に整えていくイメージです。
3)必ず獣医師(または経験のある専門家)に相談する
犬・猫は体質や持病、併用薬によって注意点が変わります。
漢方薬を使う場合は、必ず獣医師の指導のもとで、状態に合ったものを選びましょう。
特に次に当てはまる場合は、自己判断を避けて相談が必須です。
- 腎臓・肝臓・心臓などの持病がある
- ほかの薬を飲んでいる/治療中
- 子犬・子猫/高齢
- 体重が軽い(小型)
- 猫(代謝の特徴があり、より慎重さが必要)
ペットに漢方薬を飲ませるコツ:美味しく簡単に与える方法

漢方薬は「良さそうだけど、苦くて飲ませにくい…」と感じる方が多いポイントです。
そこで、チーズ・かぼちゃ・肉団子など“混ぜ方の工夫”や、主食に混ぜない方がいい理由、嫌がる時の対処法までまとめた記事をご用意しました。
1. 愛犬・愛猫が喜ぶ!漢方薬を食べ物に混ぜるアイデア

基本的に、漢方薬は食べ物と混ぜて与えても問題ありません。
愛犬や愛猫が好む食材を利用して、以下のような方法で飲ませることができます。
- チーズ:漢方薬を包み込むと、ペロッと食べてくれることが多いです。
- 自家製クッキー:生地に漢方薬を混ぜ込むことで、楽しく食べられます。
- カボチャや肉団子:これらの食材に混ぜると、喜んで食べてくれることが多いです。
2. ペットに漢方薬を与える際の注意点:主食には混ぜない理由
ペットに漢方薬を与える際には、いくつかの注意点があります。
- メインの主食には混ぜない:いつも食べている主食に突然混ぜると、その主食自体を嫌がる原因になることがあります。まずはおやつなどに混ぜることから始めましょう。
3. 愛犬・愛猫に最適な漢方薬の与え方:個体差に基づくアプローチ
ペットによって好みや反応は異なります。
さまざまな方法を試しながら、愛犬や愛猫が最も飲みやすい方法を見つけてあげてください。
動物の体質に応じた漢方薬選び:健康改善の鍵を握る方法
動物の体質に合った漢方薬は、免疫力や抵抗力を高め、病気や体調不良を改善し、徐々に元気な状態へと導きます。
犬や猫も個々に体質が異なるため、その動物に最適な漢方薬を選ぶことが重要です。
漢方の専門家に相談し、愛犬や愛猫の健康を漢方薬で支えてあげましょう。
大切な家族のために:漢方薬を取り入れた動物の健康管理ガイド
漢方薬は、慢性的な症状や体質改善を目指すため、動物の健康管理に有効です。
病気の再発を防ぎ、元気な日常を取り戻すために、漢方治療を検討してみてはいかがでしょうか。
大切な家族である愛犬、愛猫の健康維持のために、漢方薬の活用をお勧めします。
症状ケアを“土台”につなぐ|体質チェック(8タイプ)へ
症状ケアを“土台”につなぐ|体質チェック(8タイプ)へ
症状が落ち着いても、またぶり返すなら「土台(体質傾向)」がヒントになります。
中医学では、体の状態を 気・血・水(働かせる/運ぶ/巡らす) と、 脾・肝・腎(胃腸/ストレス/加齢の土台) で整理します。
よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)|犬猫の症状別セルフチェック
「下痢・嘔吐・皮膚・外耳・尿トラブル・不安」など、犬・猫のよくあるサインを 中医学(気・血・水/脾・肝・腎)の視点で“傾向”として整理するためのFAQです。 ※診断・治療を目的とするものではありません。
Q1. この「犬猫の症状別セルフチェック」は診断ですか?
Q2. どの症状カテゴリから見ればいいですか?(下痢・嘔吐・皮膚など)
Q3. チェック数が多いほど重症という意味ですか?
Q4. 受診を優先したいサインは?(緊急受診の目安)
- ぐったりして動かない/水も飲めない
- 血便・黒い便/吐しゃ物に血が混じる
- 繰り返す嘔吐、呼吸が苦しそう、舌の色が悪い
- 強い痛み(触ると怒る、丸まって動かない)
- けいれん、麻痺、急なふらつき
- 尿が出ない・血尿・強い排尿痛
- 子犬・子猫、高齢、基礎疾患がある
Q5. 「同じ症状を繰り返す」のはなぜ?中医学ではどう考えますか?
Q6. 中医学の「脾・肝・腎」は犬猫でも同じ意味ですか?
Q7. 「気・血・水(津液)」って何ですか?
Q8. 「湿(しつ)」「湿熱(しつねつ)」とは?皮膚や耳のトラブルと関係しますか?
Q9. 食事を変えるとき、いちばん大事なポイントは?
Q10. 下痢・軟便があるとき、家庭で見直しやすいことは?
- 食事の量・回数を見直し(1回量を減らして回数を分ける等)
- 脂っこいおやつ・急なトッピングの追加を一段階だけ減らす
- 冷え・室温の差、ストレス要因(来客・環境変化)の確認
Q11. 皮膚がかゆい/赤いとき、まず何から見直すと良い?
- おやつの頻度を決め、主食の栄養密度を守る
- 室温・湿度(梅雨〜夏の蒸れ)と寝具の清潔を見直す
- 洗いすぎ・こすりすぎを避け、皮膚バリアを守る
Q12. 外耳(におい・赤み・掻く)は、なぜ皮膚とセットで起こりやすい?
Q13. 尿トラブル(頻尿・にごり・舐める)で注意すべきことは?
- 痛がる、血尿、尿が出ない、何度もトイレに行く
- 元気がない、食欲が落ちる、嘔吐を伴う
Q14. 不安・興奮・吠えなど“メンタル”の揺れは中医学でどう見ますか?
Q15. 症状チェックと「体質セルフチェック(8タイプ)」は両方やるべき?
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・犬(猫)の体質セルフチェック(8タイプ)はこちら
・中医学の基本(気・血・水/脾・肝・腎)を読む
免責・著者情報
本記事は一般的な情報提供であり、診断・治療を目的としません。
不安が強い場合、急な悪化がある場合は動物病院での確認を優先してください。
運営:ほどよい堂
