お屠蘇(とそ)の意味と由来、作法、作り方~健康と長寿の祈りを盃に込めて、新たな一年を迎えよう~
お正月に欠かせない「お屠蘇(とそ)」。
その由来や作法を知ることで、さらに深い意味を持って新年を迎えることができます。
この記事では、お屠蘇の意味や歴史、作り方、正しい飲み方について詳しく解説します。
目次
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お屠蘇の意味と由来 / 屠蘇の歴史を味わい、無病長寿を願う伝統の一杯
お屠蘇とは、もともと「屠蘇散(とそさん)」や「屠蘇延命散」という漢方薬を日本酒や本みりんに浸した薬酒を指します。
その名前には、「蘇」という悪鬼を屠(ほふ)る、「邪気を払って生気を蘇らせる」といった意味が込められています。
中国・唐の時代に始まり、平安時代に日本へ伝わったお屠蘇は、当時は貴族の正月行事の一部でした。
その後、江戸時代には庶民にも広まり、無病長寿を願う新年の風習として定着しました。
屠蘇散の成分と効能 / 屠蘇散の漢方素材で、健康を呼び込む新年の一杯
お屠蘇の特徴は、その原材料にあります。以下のような漢方素材が含まれています。
- 白朮(ビャクジュツ):
健胃、整腸、利尿作用があり、消化器系や水分代謝の異常を改善します。御屠蘇の原料としても知られ、正月に飲むことで邪気を払い、福寿を招くと伝えられています。古書「千金方」には疫病を防ぐ効果が記されています。 - 山椒(サンショウ):
健胃、整腸、駆風、止痛、駆虫作用があり、腹痛やお腹の張りを和らげます。身体をあたためて胃腸の働きを助け、胃下垂や便秘に効果的です。また、サンショウエキスは白髪予防にも役立ち、シトロネラールには鎮静、抗菌、抗炎症作用があります。 - 桔梗(キキョウ):
のどの痛みや腫れ、咳、痰を解消する作用があります。感冒や肺炎、気管支炎に有効で、鎮静、鎮痛、抗炎症、血管拡張作用も持ちます。キキョウサポニンにより痰がきれやすく、唾液や気道粘液分泌を促進します。 - 肉桂(ニッケイ):
血圧低下、心拍数減少、冷え性改善に効果があります。食欲不振や消化不良を改善し、腎臓機能や神経保護作用も期待できます。また、イライラや不眠の改善、月経痛や関節痛にも有効です。シナモンとして広く利用されています。 - 防風(ボウフウ):
発汗・解熱・消炎作用で風邪や痛みを緩和。湿疹やリウマチにも効果的!薬酒に最適で独特な香りが健康を引き出します。 - 陳皮(チンピ):
胃腸の調子を整え、食欲不振や消化不良を改善します。風邪による咳や痰を鎮め、冷え性や血流改善にも効果があります。リモネンによるリラックス作用や気の巡り促進、抗アレルギー作用もあり、デトックスや新陳代謝を促進します。
これらの成分を含む屠蘇散を使うことで、身体の内側から健やかな一年を願う意味があります。
お屠蘇の作り方 / 辛口・甘口お好みで調整、あなた好みのお屠蘇作り
材料 / 屠蘇散と日本酒、本みりんで作る本格お屠蘇
- 屠蘇散(ドラッグストアやスーパーで購入可能)
- 日本酒
- 本みりん(料理用でないもの)
手順 / 屠蘇散を浸して、香り豊かなお屠蘇を完成させよう
- 日本酒と本みりんを合わせて約300ml用意します(辛口がお好みなら日本酒多め、甘口なら本みりん多め)。
- 屠蘇散を酒に浸し、5~8時間抽出します。
- 抽出後、屠蘇散を取り出せば完成です。
ポイントは上質な日本酒や本みりんを選ぶこと。素材が味わいを左右します。
お屠蘇の作法と飲み方 / お屠蘇を飲んで、年中無病、幸運を手に入れよう
飲む前の準備 / 若水で手を清め、心を新たに迎えるお屠蘇
- 若水で手を清める: 元日の朝に汲んだ「その年初めての水」で清めます。
- 家族揃って新年の挨拶をする: お屠蘇はおせち料理の前にいただきます。
飲み方 / 家族全員で飲み干す、健康と幸運を呼び込むお屠蘇
- 家族全員が東を向き、年少者から順に飲みます。
- 三段重ねの盃を使い、3回に分けて飲むのが正式な方法です(略式でも問題ありません)。
- 飲む際には、「一人これ飲めば一家苦しみなく、一家これ飲めば一里病なし」と唱えるのが習わしです。
運転手も安心!ノンアルお屠蘇で新年を健康に迎えよう
未成年や運転手がいる場合は、アルコールを飛ばしたみりんやノンアルコールの屠蘇酒で代用するのがおすすめです。
また、屠蘇散はスーパーやドラッグストアで手軽に手に入るので、ぜひ自宅で作ってみてください。
お屠蘇は、新しい年を健康に迎えるための伝統的な儀式です。
その意味や作法を知り、家族で楽しむことで、より豊かな新年を迎えましょう!
邪気を払い、生気を蘇らせる。新年の一杯に選ぶなら『延寿屠蘇散』
「延寿屠蘇散」の魅力を語らせてください!お正月に飲むお屠蘇は、無病長寿を願う日本の伝統行事。
その由来には、「邪気を払って生気を蘇らせる」という説や、「悪鬼を屠る」という古代の物語が秘められています。
本来のお屠蘇とは、5~10種類の漢方素材を漬け込んだお酒のこと。
唐の時代に中国から伝わり、平安貴族の正月行事として始まりました。
江戸時代には庶民にも広がり、今では新年の健康を願うシンボルとして愛されています。
ウチダ和漢薬特製の「延寿屠蘇散」は、山椒果皮(日本産)、桂皮、みかん皮、桔梗根、浜防風、おけらの茎葉など、厳選された材料を使用し、数十年にわたり多くの方にご愛用いただいている逸品です。
新陳代謝を整え、身体を清めることで、新しい一年を健康にスタートできるよう工夫されています。
元旦から三日、または五日間、延寿屠蘇散を漬け込んだお酒で、家族や友人と祝いの杯を交わしてみませんか?
伝統の味わいと健康効果を兼ね備えた「延寿屠蘇散」で、今年も笑顔と健康に満ちた一年をお迎えください!
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著者プロフィール
河邊甲介 (薬剤師)
KOSUKE KAWABE
▷有資格
- 薬剤師
- 中医薬膳師:本草薬膳学院(学長:辰巳洋)にて資格取得
- 薬膳素材専門士:本草薬膳学院(学長:辰巳洋)にて資格取得
- ペットフーディスト
▷経歴
- 福岡大学薬学部卒
- 総合病院薬剤部・調剤薬局にて勤務
- 2024年1月より宮崎県川南町(峠の里)にて漢方×薬膳×腸活のお店「ほどよい堂」を開局
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- 薬剤師であり、漢方×薬膳×腸活の専門家として、「ほどよい堂」を運営しています。
- 中医学的体質診断を基に、個別に最適な健康アドバイスを提供し、無料相談も実施中。
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