
「同じフードなのに、時期によって調子が違う」
「お腹・皮膚・メンタルが“セット”で揺れる」
そんなときに役立つのが、中医学の“体質で整理する”考え方です。
中医学は、病名をつける前のサインを 「今の傾向」として言葉にして、食事・暮らし・環境で整えるための知恵。
体質は固定ではなく、からだは入れ替わりながら整っていく――その前提で読むと、ケアがぐっとシンプルになります。
※この記事は一般的な情報です。急な悪化、強い痛み、呼吸の異常、血便・繰り返す嘔吐などは早めに動物病院へ。
中医学は「タイプ分け」ではなく“地図づくり”

中医学の強みは、症状を単体で見るのではなく、関係性でまとめること。
- お腹が弱い(消化吸収の力が落ちる)
- 皮膚が荒れやすい(バリア・潤いが乱れる)
- 落ち着きがない(自律神経の揺れに近い反応)
こうしたサインを、「どの方向に傾いているか」で整理します。
体質は揺れる|3日・3週間・3ヶ月の目安

犬の体調も、季節・気温・湿度・運動量・年齢で揺れます。
- 3日:便・睡眠・食欲など「体感の変化」が出やすい
- 3週間:食事や散歩の“習慣”が形になりやすい
- 3ヶ月:土台(コンディションの安定感)が変わりやすい
「今の傾向」をつかんで、まずは1つだけ整える。
それが長く続くやり方です。
中医学の基本4つを犬向けにやさしく
① 気・血・水(き・けつ・すい)

- 気(き)=エネルギー/働かせる力
- 血(けつ)=栄養と潤い/運ぶ力
- 水(すい)=体液バランス/巡る水分
「元気が出ない」「冷えやすい」「むくみっぽい」などは、ここで整理しやすいです。
② 陰陽(いんよう)

- 陽=温める・動かす
- 陰=潤す・落ち着かせる
暑がり・寒がり、興奮しやすさ、乾燥しやすさなどの背景に使います。
③ 虚実(きょじつ)
- 虚=不足タイプ(パワーや材料が足りない)
- 実=滞りタイプ(余り・詰まり・熱っぽさ)
同じ下痢でも「冷えで弱っている」のか「熱や刺激で荒れている」のかでケアが変わります。
④ 脾・肝・腎(ひ・かん・じん)

犬のケアでは、この3つが軸になりやすいです。
- 脾(ひ)=消化吸収(胃腸の土台)
- 肝(かん)=巡り・ストレス反応(緊張・興奮)
- 腎(じん)=成長・加齢の土台(生命力の貯金)
「脾が整うと全身が回りやすい」――これは腸活の考え方とも相性が良いです。
犬の8タイプ(ざっくり早見)

※詳細はタイプ別ページで深掘りする想定。ここでは“方向性”だけ。
- 気虚(ききょ=エネルギー不足):疲れやすい/回復が遅い
- 陽虚(ようきょ=冷えやすい不足):寒がる/温めると楽
- 陰虚(いんきょ=潤い不足):乾燥/ほてりやすい
- 血虚(けっきょ=栄養・潤い不足):被毛のパサつき/落ち着かない
- 気滞(きたい=巡りの滞り):緊張・興奮/環境で揺れやすい
- 瘀血(おけつ=巡りの詰まり):こわばり/冷えのぼせ傾向
- 痰湿(たんしつ=湿のたまり):むくみ/ベタつき/体が重い
- 湿熱(しつねつ=湿+熱):ニオイ/赤み/皮膚トラブルが出やすい
整え方は3本柱|栄養・循環・吸収(腸)

犬の体質ケアも、結局ここに集約されます。
① 栄養(材料が足りているか)
- まずは「タンパク質の質と量」「脂質のバランス」「微量栄養」を意識
- おやつが多い場合は、回数を決めて“主食の栄養密度”を守る
② 循環(巡らせる)
- 散歩は“運動”だけでなく、気分転換とリズムづくり
- いきなり増やさず、5分だけ追加から
③ 吸収(腸が受け取れる状態か)
腸ケアは「三位一体」で考えると整理しやすいです。
- プロバイオティクス(善玉菌):発酵食品や整腸の工夫
- プレバイオティクス(エサ):食物繊維(海藻・きのこ・豆など)
- バイオジェニックス(菌が作る有用成分):発酵由来の成分など
便・皮膚・メンタルが同時に揺れる子ほど、腸の立て直しが近道になりやすいです。
まずはここから|犬の体質セルフチェックへ

体質は「当てる」より「いまの傾向を掴む」もの。
チェック結果の上位タイプをヒントに、食事・散歩・睡眠を1つだけ整えてみてください。
よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)|犬の体質×中医学の基本
この記事は「犬の体質を中医学(気・血・水/陰陽/虚実/脾・肝・腎)で整理する」ための入門です。 体質は固定ではなく揺れる前提で、“今の傾向”をつかんで日々のケアに落とし込みます。
Q1. 中医学は犬にも使える考え方ですか?
はい。中医学は「症状を一つだけで見ないで、体質の傾向(気・血・水、陰陽、虚実、脾・肝・腎)として整理する」考え方です。 ただし診断や治療の代わりではありません。体質の目安として、食事・生活・環境を整えるヒントに使うのがおすすめです。
Q2. 犬の「体質」はずっと同じですか?
固定ではありません。季節(暑さ・寒さ・湿度)、年齢、運動量、ストレス、食事内容で揺れます。 まずは“今の傾向”をつかみ、3日(体感)→3週間(習慣)→3ヶ月(土台)の目安で整えていくと続けやすくなります。
Q3. 「中医学8タイプ(気血水など)」とは何ですか?
8タイプは、よくある傾向を「不足(虚)」と「滞り(実)」などの方向性で整理した“地図”です。 例:気虚(エネルギー不足)、痰湿(湿のたまり)、湿熱(湿+熱)など。タイプは決め打ちではなく、上位2つの傾向を見ると対策が立てやすくなります。
Q4. 気・血・水(き・けつ・すい)って何を意味しますか?
犬の体を「働かせる/運ぶ/巡らす」の3つで見る枠組みです。 気=元気や働かせる力、血=栄養と潤いを運ぶ力、水=体液バランス(巡る水分)。 便・皮膚・元気・眠りなどのサインをまとめて理解しやすくなります。
Q5. 陰陽(いんよう)は犬の体調にどう関係しますか?
陽=温めて動かす、陰=潤して落ち着かせる、というイメージです。 暑がり・寒がり、興奮しやすさ、乾燥しやすさなどの背景整理に役立ちます。
Q6. 虚実(きょじつ)とは何ですか?
虚=不足タイプ(パワーや材料が足りない)、実=滞りタイプ(余り・詰まり・熱っぽさ)です。 同じ下痢でも「冷えで弱っている」のか「熱や刺激で荒れている」のかで整え方が変わります。
Q7. 脾・肝・腎(ひ・かん・じん)は犬ではどう見ればいい?
犬のケアではこの3つが軸になりやすいです。 脾=消化吸収(胃腸の土台)、肝=巡り・ストレス反応(緊張や興奮)、腎=成長と加齢の土台(生命力の貯金)。 “お腹↔皮膚↔メンタル”が連動するときは、脾・肝のバランスを見直すと整理しやすくなります。
Q8. 体質セルフチェックはどれくらいの頻度で行うと良いですか?
まずは2〜3週間整えて再チェックがおすすめです。季節の変わり目(梅雨、夏、冬)や生活環境が変わったタイミングでも見直すと“今の傾向”が掴みやすくなります。
Q9. フードの切り替えはどれくらいかけるべき?
目安は7〜10日です。急な切り替えはお腹がびっくりしやすいので、少しずつ混ぜて段階的に。 便の状態、食欲、皮膚のサインを見ながら調整してください。
Q10. おやつは完全にやめた方がいいですか?
完全にゼロより「回数を決める」「量を固定する」が続けやすいです。 まずは“主食の栄養密度を守る”ことが優先。置き換えるなら、噛む系・シンプル素材・頻度管理から始めると整えやすくなります。
Q11. 下痢・嘔吐があるときも体質ケアをしていい?
まずは重症サインがないか確認し、強い症状や繰り返しがある場合は受診を優先してください。 軽い揺れであれば、「消化に負担をかけない」「急な変更をしない」「水分・室温・休養を整える」などの“守りのケア”が基本になります。
Q12. 皮膚の赤み・ベタつき・ニオイが強い時は中医学でどう考える?
「湿熱(しつねつ=湿+熱)」の方向性を疑うことがあります。 ジメジメする季節に悪化しやすい、耳や皮膚が赤い、ニオイが強いなどがヒント。 まずは室内の湿度対策、食べ過ぎ・脂のバランス、頻度の多いおやつを“1段階だけ”見直すと変化が出やすいです。
Q13. 乾燥・かゆみ・被毛のパサつきは何タイプのヒント?
「陰虚(いんきょ=潤い不足)」や「血虚(けっきょ=栄養・潤い不足)」の方向性がヒントになることがあります。 まずはタンパク質や脂質の“質”を整え、洗いすぎ・乾燥環境・睡眠リズムの乱れなど、生活側の要因も一緒に見直すと整いに繋がりやすいです。
Q14. 犬の腸活は必要?何から始めればいい?
便・皮膚・メンタルが連動して揺れる子ほど、腸(吸収の土台)を整えることが近道になる場合があります。 まずは「急な変更を避ける」「食物繊維を少量から」「水分・運動・睡眠のリズム」を基本に。 腸ケアは“善玉菌(プロバイオティクス)/エサ(プレバイオティクス)/有用成分(バイオジェニックス)”の三位一体で考えると整理しやすいです。
Q15. 受診を優先すべきサインは?
ぐったりして動かない、水も飲めない、血便・黒い便、繰り返す嘔吐、呼吸が苦しそう、強い痛み、けいれん・麻痺、急なふらつきなどは早めに受診してください。 子犬・高齢・基礎疾患がある場合も慎重に判断しましょう。
※本FAQは一般情報です。診断・治療を目的としたものではありません。急な悪化や不安が強い場合は動物病院での確認を優先してください。
免責・著者情報(信頼の土台)

本記事は一般的な情報提供です。診断・治療を目的とするものではありません。
不安が強い場合や急な悪化がある場合は、動物病院での確認を優先してください。
漢方×薬膳×腸活の視点で、日々のケアを“続く形”に整える提案を行っています。
運営:ほどよい堂(ペットフードの学びも含め、暮らしに落とす情報設計を重視)
