漢方相談のよくある質問に答えます:50の症状別アプローチと基礎知識
こんにちは。私は漢方薬剤師として多くの方の健康相談に携わってきました。
昨今、「漢方相談のよくある質問」というキーワードで情報を探される方が増えています。
そこで本記事では、
- 漢方薬で対応できる代表的な病気・症状のリスト50選
- 漢方相談全般における疑問点
- 効果的なカウンセリング方法
- 漢方薬の特徴や選び方
- 漢方独自のアプローチでどんな変化が期待できるか
を分かりやすく解説していきたいと思います。
なぜ、ここまで漢方が注目されているのか――それは現代のライフスタイルや食生活の変化により、ストレスや生活習慣病が増え、自分の根本的な体質を整えたいと思われる方が増えているからではないでしょうか。
西洋医学は優れた即効性があり、急性疾患や緊急対応には欠かせませんが、慢性疾患や体質改善の領域では漢方の視点が役立つ場面も多いんです。
本記事はボリューム満点ですので、お茶を片手にゆっくりお読みいただければ嬉しいです。
もちろん、必要なところから読み始めていただいても構いません。それではさっそく、内容に入っていきましょう。

目次
- 1 簡単な体質セルフチェックで、あなたにピッタリの健康法がわかる
- 2 今すぐチェック!
- 3 1. 漢方相談とは?初心者にもわかる基本とメリットを解説
- 4 2. 漢方相談で得られるメリット
- 5 3. 漢方の基礎理論:気・血・水と陰陽五行
- 6 4. 漢方薬が得意とする50の症状とアプローチ
- 7 5. よくある質問(FAQ)
- 8 6. 漢方相談をスムーズに受けるためのポイント
- 9 7. 漢方薬の選び方と処方の流れ
- 10 8. 漢方薬の効果が出やすい人・出にくい人
- 11 9. 安全性と副作用について
- 12 10. 費用・保険適用・医療費控除について
- 13 11. まとめ
- 14 ■ 宮崎県川南町の自然の中で、自分を見つめ直す時間を
- 15 簡単な体質セルフチェックで、あなたにピッタリの健康法がわかる
- 16 今すぐチェック!
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1. 漢方相談とは?初心者にもわかる基本とメリットを解説

漢方相談は、体質や生活習慣を総合的に見るところから始まる
漢方相談は、西洋医学の「病名」だけにとらわれず、体全体のバランスを重視する考え方が特徴です。
例えば「肩こり」であっても、
- 食欲はあるのか
- 冷えは強いのか
- 睡眠の質はどうか
- 便通や尿の状態はどうか
など、全身の状態を細かく伺っていきます。
なぜそこまで多角的に見る必要があるのかというと、「肩こり」という表面的な症状の背後に隠れている原因が人によって違うからなんですね。
例えば、肩こりが「冷え」や「ストレス」から来ている人もいれば、「血行不良」「姿勢の悪さ」「自律神経の乱れ」から来ている場合もあります。
漢方相談は、そうした多様な原因を探り当てるためにも、じっくりと時間をかけてカウンセリングを行います。
2. 漢方相談で得られるメリット

身体の根本からのアプローチ
西洋薬は、特定の症状を素早く抑えるのに向いていますが、漢方薬は体質そのものを改善し、結果的に症状を和らげるアプローチを得意としています。
例えば冷え性であれば、体を温める生薬が含まれる処方を使いながら胃腸を強化したり、ストレスケアを同時に行ったりと、トータルケアが可能です。
副作用が比較的少ない
もちろん漢方薬も医薬品ですから、副作用が全くないわけではありません。
しかし、複数の生薬を組み合わせることで、「単一成分の薬」に比べると優しい効き方をする場合が多いとされています。
体質に合った漢方薬は、長期服用しても比較的安全といわれています。
幅広い症状・疾患に対応しやすい
後述のリストにあるように、漢方薬は実にさまざまな疾患や症状に使用できます。
急性の症状から慢性疾患、女性特有の不調、メンタル面のサポートまで、とても汎用性が高いんです。
また、複数の症状が重なっているときにも、一人ひとりに合わせた処方を組み立てられるのが大きな強みと言えます。
3. 漢方の基礎理論:気・血・水と陰陽五行

少しだけ、漢方理論のお話をしておきましょう。
漢方医学には、
- 気(き):生命エネルギーや活動力
- 血(けつ):身体をめぐる栄養素や血液、潤い成分
- 水(すい):リンパ液や体内の水分代謝に関わるもの
といった概念があります。
さらに「陰陽五行説」という考え方では、五臓六腑を木・火・土・金・水という5つの要素に分類し、バランスをとることで健康を維持すると考えられています。
例えば、胃腸は「土」のグループに属するとされ、消化器系の状態を整えることが他の臓腑にも好影響を与える――こんなふうに、人体を一つの大きなシステムとしてとらえているのが漢方医学のユニークなところです。
4. 漢方薬が得意とする50の症状とアプローチ

ここからは、漢方薬で対応可能な病気や症状50個を、系統別に分けてご紹介します。
実際の相談では、以下のリストにない症状でも対応できる場合がありますので、あくまで目安としてご覧ください。
A. 全身症状
症状(例) | 漢方的アプローチのポイント |
---|---|
1. 冷え性 | ・「血」や「気」の巡りを改善する生薬を中心に、体を温める補陽薬などを使用する・胃腸機能を整え、食事や生活習慣のアドバイスも重要 |
2. むくみ | ・水分代謝を促す「利水剤」や、血行を促進する処方・軽い運動や食事指導(塩分の摂りすぎなど)との併用で効果を高める |
3. 多汗症・寝汗 | ・体力や気力を補う「補気剤」や、体の余分な熱を冷ます生薬を使ってバランスを取る・ストレス性の寝汗には自律神経を整える処方の検討 |
4. 倦怠感 | ・気を補う「補気薬」が中心。とくに胃腸が弱っているときは補脾(ほひ)系の処方を検討・慢性的な倦怠感には生活習慣の見直しや睡眠の質改善も重要 |
5. イライラ・不安感 | ・肝(かん)の機能調節がポイント。肝気のうっ滞を解く処方(疏肝薬)や精神安定系の処方・ストレスを発散する習慣づくりも併せて提案 |
6. 動悸・息切れ | ・気血不足の補強を重視。心を安定させる生薬や、血流を改善する生薬を組み合わせる・不整脈や心疾患の可能性も否定せず、西洋医学との連携が必要な場合も |
B. 呼吸器系
症状(例) | 漢方的アプローチのポイント |
---|---|
7. 風邪(初期症状) | ・葛根湯や麻黄湯など、発汗を促して体表部の邪気を払い除く処方・高熱や寒気など症状によって処方を切り替える |
8. 喘息 | ・気管支を広げる生薬や、痰を除く化痰薬など・長期的には肺と脾の機能を補強して体質を改善するアプローチが求められる |
9. 花粉症 | ・体内の余分な「熱」と「湿」を排出し、免疫バランスを整える・鼻水や鼻づまりが強い場合は辛夷清肺湯など、症状に合わせた処方を検討 |
10. アレルギー性鼻炎 | ・花粉症と似たアプローチで、抗炎症作用や免疫調節作用を持つ処方・慢性化している場合は、体質改善を目指し根本的に免疫の偏りを正す |
11. 慢性閉塞性肺疾患(COPD) | ・肺の機能を補う生薬を活用しつつ、痰や炎症を改善する・高齢者の場合、腎や脾のケアも同時に行うと相乗効果 |
12. 夜間の咳 | ・寝る前に発作的に咳き込む場合、冷えや気管支の過敏性を抑える処方が有効・就寝環境の見直しや姿勢・室温など生活面でのアドバイスも行う |
C. 消化器系
症状(例) | 漢方的アプローチのポイント |
---|---|
13. 胃腸虚弱 | ・脾胃(ひい)を補う処方が中心。四君子湯(しくんしとう)などをはじめ、エネルギー不足を補い消化吸収を高める |
14. 慢性胃炎 | ・胃の粘膜を保護し、炎症を抑える生薬を含む処方・ストレスやピロリ菌等の影響も念頭に置き、西洋薬との併用も検討する |
15. 逆流性食道炎 | ・胃の熱や炎症を冷ます清熱剤と、逆流を抑える生薬の組み合わせ・食事内容や時間、睡眠時の姿勢の調整といった生活指導が重要 |
16. 過敏性腸症候群(IBS) | ・ストレス性の要素が強いケースが多いので、自律神経を整える処方・下痢型、便秘型、混合型などタイプ別に細かい調整が必要 |
17. 便秘 | ・潤腸通便薬や、腸を温める薬、気を巡らせる薬など原因別に処方を検討・水分摂取や食物繊維の摂取の見直し、運動指導も併せて行う |
18. 下痢 | ・体を温めて胃腸を強化するもの、あるいは余分な湿を取り除く利湿薬・脱水にならないよう水分補給と電解質バランスの管理も重要 |
19. 潰瘍性大腸炎 | ・炎症を抑えつつ、腸粘膜の修復を促す生薬・西洋薬のステロイド等との併用も考慮しながら体力を維持し、免疫バランスを整える |
20. クローン病 | ・潰瘍性大腸炎と同様に、腸の炎症コントロールと全身状態の改善・長期服用を視野に、定期的な検査や専門医との連携が欠かせない |
D. 泌尿器系
症状(例) | 漢方的アプローチのポイント |
---|---|
21. 慢性膀胱炎 | ・利水薬や抗炎症作用を持つ生薬を活用し、膀胱の熱と湿を除く処方が基本・再発を繰り返す場合は免疫力アップや体質強化の視点も必要 |
22. 夜間頻尿 | ・腎を補う処方や、膀胱の機能を安定させるアプローチ・原因として、前立腺肥大や膀胱過活動なども考慮し、生活習慣の改善を併用 |
23. 前立腺肥大 | ・血流改善や利尿作用を持つ生薬が中心・進行度合いによっては西洋医学の手術や薬物療法との併用を検討 |
E. 婦人科系
症状(例) | 漢方的アプローチのポイント |
---|---|
24. 生理不順 | ・ホルモンバランスを整えつつ、血行を促進する処方・ストレスや冷えも大きく影響するので、まずは全身の状態をチェック |
25. 月経困難症(生理痛) | ・痛みの程度や経血量に応じて処方を選択・体を温める生薬、活血化瘀(かっけつかだ)する生薬が中心。子宮内膜症等の器質的原因にも注意 |
26. 月経過多 | ・出血量が多い原因を、「血熱」「瘀血」「気虚」など複数の視点から分析・必要に応じて貧血対策や体力回復を目的とした処方の併用 |
27. 更年期障害 | ・ホルモンバランスの乱れや気血の不足が原因・加味逍遥散(かみしょうようさん)や温経湯(うんけいとう)、当帰芍薬散など代表処方が多彩 |
28. 不妊症(男女ともに) | ・女性は卵巣機能や子宮内膜の環境、男性は精子の質向上を目指す補腎薬など・生活習慣全般の見直しが必須。ストレスコントロールも欠かせない |
29. 妊娠悪阻(つわり) | ・小半夏加茯苓湯など、吐き気を抑え胃の働きを助ける処方・妊娠中なので安全面に配慮し、西洋医学と連携しながら慎重に服用 |
F. 皮膚科系
症状(例) | 漢方的アプローチのポイント |
---|---|
30. アトピー性皮膚炎 | ・体質的に湿熱や血虚、瘀血などが関与。肌の炎症やかゆみを抑えつつ、根本的に免疫バランスを整える・ステロイド外用との併用や生活指導も並行して行う場合が多い |
31. 蕁麻疹(じんましん) | ・急性の痒みや発疹を抑える抗アレルギー的な処方。皮膚の表面から「風邪(ふうじゃ)」を追い払う概念・冷えやストレスにも対策が必要なことが多い |
32. ニキビ | ・体内の熱や湿を取り除く清熱利湿薬が中心。思春期のホルモンバランスや、大人ニキビの場合はストレスや生活習慣の影響も検討 |
33. 酒さ(赤ら顔) | ・皮膚の血流が過剰になっている場合は凉血薬や活血薬。胃腸の調子が関わるケースもあり、内臓ケアを並行して行う・外用スキンケアの見直しも重要 |
34. 慢性湿疹 | ・湿熱や瘀血が長期化している状態。かゆみや炎症を抑える抗炎症生薬を中心に、体質改善をはかる・生活習慣や食事の見直しが結果を左右する |
35. 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう) | ・ストレスや金属アレルギー、免疫異常など複合的要因。皮膚症状を抑えるだけでなく、肝・脾・腎の機能強化を総合的に行うことが多い |
G. 神経・精神系
症状(例) | 漢方的アプローチのポイント |
---|---|
36. 自律神経失調症 | ・気血の巡りを改善し、ストレスへの抵抗力を高める処方・生活リズムや睡眠を整える指導を組み合わせる |
37. 不眠症 | ・心身を安定させる安神薬や、緊張を和らげる疏肝薬など・寝る前のスマホ・カフェインなど生活習慣の見直しを徹底 |
38. うつ状態・神経症 | ・専門医の治療と並行して漢方を用いるケースも多い。体力維持や気分の落ち込みを軽減する処方・合わない場合や症状が重篤な場合は必ず精神科と連携 |
39. 線維筋痛症 | ・全身の痛みや疲労感を伴う難治性疾患。痛みやこわばりを和らげる処方と体質改善の両立・ストレスケア・睡眠改善・適度な運動など総合アプローチ |
H. 筋骨格系
症状(例) | 漢方的アプローチのポイント |
---|---|
40. 慢性頭痛(緊張型頭痛など) | ・首肩の血流を良くする活血薬や、気の巡りを整える疏肝薬・姿勢改善やストレッチなど物理的なアプローチも同時に行う |
41. 腰痛 | ・痛みが強い場合は鎮痛作用を持つ生薬や血行促進薬・慢性的な腰痛には腎の不足を補う処方や、ストレス緩和も重要 |
42. 五十肩(肩関節周囲炎) | ・血行促進と炎症緩和を行う活血化瘀系の処方・リハビリや運動療法との併用で早期回復を目指す |
43. 関節痛・神経痛 | ・冷えによる痛みか、熱による炎症かを見極め、適切な処方を選択・慢性化した場合、全身の気血水のバランスを重視 |
I. 循環器系
症状(例) | 漢方的アプローチのポイント |
---|---|
44. 高血圧症 | ・血行促進と利水、ストレス緩和など多角的にアプローチ・軽度の高血圧なら生活習慣の改善との組み合わせで効果が期待できる |
45. 虚血性心疾患(狭心症など) | ・動悸や息切れ、胸痛の改善を図る処方を検討・重症の場合は西洋医学の治療が優先されるが、体力維持や合併症予防に漢方を併用するケースもある |
J. 免疫・代謝系
症状(例) | 漢方的アプローチのポイント |
---|---|
46. 慢性肝炎 | ・肝を滋養する補肝薬や、体全体の免疫バランスを整える処方・アルコールや薬剤性肝障害の場合、生活指導も徹底 |
47. 肝硬変 | ・漢方だけで完治させるのは難しいが、肝機能をサポートし合併症予防に役立つ・西洋医学と併用しながら、疲労軽減・食欲増進などを狙う |
K. その他
症状・状況(例) | 漢方的アプローチのポイント |
---|---|
48. がん治療の副作用軽減 | ・吐き気や倦怠感、体力低下などを補う目的で用いられる・主治医と相談しながら併用し、QOL(生活の質)を向上させる |
49. 打撲や捻挫後の回復促進 | ・活血化瘀(血液の滞りを取る)と消炎を意識した処方・固定やリハビリとの併用で早期改善をサポート |
50. 小児科疾患全般(夜泣き、疳の虫) | ・小児用漢方を検討し、体質に合わせて調整。甘味を持たせた飲みやすい処方も・食育や生活リズム、保護者のストレスケアも重要 |
5. よくある質問(FAQ)

ここからは、漢方相談においてよくいただく質問をリストアップします。
詳しくは前のセクションとも関連づけて読んでみてください。
- 漢方薬はどのくらいで効き始めますか?
- 急性疾患なら、風邪の初期などでは1〜2日で効果を感じることがあります。一方、慢性疾患や体質改善には数週間〜数ヶ月かけてじっくり向き合うのが一般的です。
- 副作用は本当に少ないのですか?
- 少ない傾向にありますが、絶対にないわけではありません。まれにアレルギー反応や胃腸障害が生じる場合があります。体質に合った処方を選ぶことが大切です。
- 西洋薬との併用は可能ですか?
- はい、可能な場合が多いです。ただし、血圧降下剤や抗凝固薬など、相互作用が懸念される薬もあるので、必ず医師・薬剤師に相談のうえで行いましょう。
- 病院でもらう漢方薬と、漢方専門店や薬局で買う漢方薬は違いますか?
- 内容は同じ処方名のこともありますが、医療用漢方と一般用漢方(OTC)では、保険適用の有無や含まれる生薬の種類・量が異なる場合があります。専門家に確認すると安心です。
- 漢方薬はサプリや健康食品と同じ感覚で飲んでも良いですか?
- 漢方薬はれっきとした医薬品です。用法・用量、処方意図をしっかり守りましょう。サプリや健康食品よりも強い作用があるため、自己判断での過剰摂取は避けてください。
- 子供や高齢者でも漢方薬は大丈夫?
- 体力や体質に合わせて処方や用量を調整すれば対応可能です。小児用漢方や、味の調整をした飲みやすい製剤もあります。
- オンライン相談は可能?
- 近年、オンラインで漢方相談を受けられるクリニックや薬局も増えています。舌の写真を送るなど、対面でできない分工夫が必要ですが、遠方の方には便利な選択肢ですね。
- 費用はどのくらいかかる?
- 漢方の種類や飲む量・期間によって幅があります。保険適用になるケースでは数百〜数千円、自由診療の場合は1ヶ月1万円以上かかることもあります(後述参照)。漢方薬局では1か月分が1~2万円程度が目薬です。
- どんな症状でも必ず効きますか?
- 必ず効くとは断言できません。漢方でも得意不得意がありますし、個人差が大きいです。ただし、多角的にアプローチできるため、補助療法として活用する価値は十分にあります。
- 漢方薬をやめるタイミングは?
- 症状が治まったあとも、再発予防や体質維持を目的に継続する場合があります。逆に、飲み続けて具合が変わらない場合は処方の見直しが必要です。
6. 漢方相談をスムーズに受けるためのポイント

- 自分の症状・体質を整理しておく
- 気になることはメモして、どんなときに症状が強くなるか、どのような生活習慣をしているかを記録しておくと、相談がスムーズになります。
- 飲んでいる薬やサプリを把握する
- 併用薬の有無は重要です。サプリの成分までわかると、相互作用のチェックがしやすいです。
- 恥ずかしがらずに何でも話す
- 漢方相談では、排便状況や生理、性格的なことなどプライベートな話題も大切な情報源です。信頼できる専門家であれば、遠慮なく話してください。
- 定期的に経過を報告する
- 症状の変化や新しい悩みが出てきたら、早めに相談し、処方を調整しましょう。漢方は「微調整」が肝です。
7. 漢方薬の選び方と処方の流れ

- カウンセリング・問診
- まずは十分な問診を行い、病名だけでなく全身状態をチェックします。
- 四診(ししん)
- 望診(見た目、舌の状態など)、聞診(声や呼吸の状態)、問診、切診(脈や腹部の触診)を通じて体質を判断します。
- 証(しょう)の確定
- 漢方医学では「病名」だけでなく「証」を重視します。例えば「肝気鬱結」「脾胃虚弱」「腎陽虚」など。
- 処方設計
- 確定した証や症状の度合いに合わせ、生薬を組み合わせた処方を立てます。煎じ薬、エキス顆粒、錠剤などの剤形を選択。
- 服用・生活指導
- 漢方薬の飲み方や、食生活・睡眠などの生活指導を行います。
- フォローアップ
- 定期的に状態を確認し、必要に応じて処方や生活指導を調整します。
8. 漢方薬の効果が出やすい人・出にくい人
効果が出やすい人
- 生活習慣の改善に前向きな人:食事や睡眠、ストレス管理など、漢方と同時に生活を整えられると効果が倍増しやすいです。
- 体力がそこそこあり、虚弱すぎない人:虚弱すぎると漢方薬の刺激に耐えられない場合があり、最初は穏やかな処方からスタートする必要があります。
- 症状が比較的新しい人:慢性化が進んでいないぶん、改善しやすい場合が多いです。
- 腸内環境が整っている人:腸内細菌が効果に関連している場合がある。
効果が出にくい人
- 多くの持病が重なり、複数の薬を併用している人:相互作用の問題で慎重にならざるを得ず、処方の幅が制限されることがあります。
- 生活習慣が乱れている人:漢方薬だけに頼っても、根本原因が放置されていると効果は限定的です。
- 短期で劇的な結果を求める人:漢方はじわじわと効き目が現れることが多いので、1週間で全て解決…というのは難しい場合がほとんどです。
- 悪玉菌が多く腸内フローラが乱れている人::腸内細菌が効果に関連している場合がある。
9. 安全性と副作用について
- **甘草(かんぞう)**を多く含む処方を長期間服用すると、偽アルドステロン症を起こすリスクがあります。むくみや血圧上昇、低カリウム血症がみられるため要注意。
- アレルギー反応:特定の生薬に対するアレルギー(ヨモギ、牡蠣、蜂製剤など)で皮膚症状や呼吸困難が生じることもあります。
- 肝機能・腎機能への影響:大量または長期間の服用、体質との相性などによっては血液検査を受けることが推奨される場合もあります。
- 医師の指示を仰ぐ:持病や服薬歴がある方は、必ず医師や薬剤師、漢方家と相談して決めましょう。
10. 費用・保険適用・医療費控除について
保険適用の漢方薬
- 病院やクリニックで医師が処方箋を出す場合、保険適用の漢方薬を受け取れます。ツムラ、クラシエ、コタローなどのメーカー品が有名です。
- 処方箋がないと手に入らない医療用漢方のため、自己負担額は3割または1〜2割(年齢・収入による)で済む場合も。
保険適用外の漢方薬(自由診療)
- 漢方専門薬局やサロンなどでは、保険適用外の漢方薬を扱うケースが多いです。
- 費用は1ヶ月あたり1万〜3万円程度になることもありますが、処方の自由度が高く、より個人に合わせた生薬の微調整が可能です。
医療費控除の対象について
- 病院で処方された漢方薬であれば医療費控除の対象になるケースがほとんどです。
- 一方、ドラッグストアで購入した一般用漢方薬や健康食品は対象外の場合が多いです。
- 自由診療の漢方相談料や調剤料は、医療費控除の対象にならないことが多いので、領収書の内容をよく確認しましょう。
11. まとめ

「漢方相談のよくある質問に答えます」というテーマで、ここまでかなり詳細にお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。
50の症状別アプローチに加え、漢方相談の基本的な考え方やカウンセリングの進め方、費用面の注意点までをご紹介しました。
漢方は、古来より何千年も受け継がれてきた医学体系であり、現代でも西洋医学を補完する大きな存在です。
何より「体質改善」に長けている点が最大の魅力とも言えます。
また、複数の生薬を組み合わせることで、一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイド感があるのも漢方ならではですね。
もし、慢性的な不調や病院で原因がはっきりしなかったトラブル、あるいは西洋薬との併用を検討している場合は、ぜひ一度漢方の専門家に相談してみてください。
大切なのは、「症状の改善」だけでなく「自分の身体を大切にする意識」を育てること。
一歩ずつ、焦らずに、あなたのペースで進んでいけばいいのです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が、あなたの漢方ライフの一歩を後押しできると嬉しいです。
何か気になる点や、さらに知りたい症状などございましたら、お気軽にコメントやお問い合わせをお寄せください。
▶あとがき(注意事項)
- 本記事の内容は一般的な情報提供を目的としています。実際の診断や治療は、医師・薬剤師・漢方家などの専門家にご相談ください。
- 漢方薬の効果は体質や症状の個人差によって異なります。効果がない、もしくは副作用が疑われる場合は、必ず専門家と相談してください。
- 記事内に紹介した処方や生薬名は一例です。自己判断での服用は避け、必ず専門家の指示に従ってください。
あなたの健康は、あなた自身の身体と向き合うところから始まります。
漢方相談を通じて、ぜひ「自分の体を大切にする」きっかけをつかんでいただければ幸いです。どうぞお大事にお過ごしくださいませ。
■ 宮崎県川南町の自然の中で、自分を見つめ直す時間を

『ほどよい堂』は、ただの漢方薬局ではありません。
山の風、鳥のさえずり、海の輝き――この自然豊かな環境そのものが、癒しの力を持っています。
ご来店された方が、心地よい空間でリラックスしながら、自分自身の身体と心の声に耳を傾けられるような“居場所”でありたいと願っています。
日常の喧騒から少し離れ、ゆったりとした時間を過ごすことで、自然と「整う」感覚を取り戻してみませんか?
■ アクセス・営業時間
店名:漢方・薬膳処 ほどよい堂
所在地:宮崎県児湯郡川南町(峠の里展望台近く)
※詳細なアクセスは公式ホームページをご覧ください。
営業時間:10:00~18:00(月曜日定休、火曜日は不定休)
駐車場あり/予約優先制
■ ご相談・ご予約はこちらから
・漢方相談(初回カウンセリングは約60分)
・薬膳アドバイス、食養生プラン作成
・オンライン相談(Zoom対応)
[ほどよい堂の漢方相談お問い合わせ方法]
ご相談は基本的にご予約制となっておりますが、時間的な余裕がある場合は飛び入りでの相談もお受けしております。
まずは、下記のいずれかの方法でご連絡ください。
次の予約サイト、LINE、電話のいずれかの方法からアクセスをお願いいたします。
▶予約サイト: https://coubic.com/kampo-hodoyoido
▶LINE: https://lin.ee/bfO3lv9
▶電話:0983-32-7933
※ご来店、オンライン相談に関わらず漢方的な体質診断が必要ですので、予め問診の提出をお願い致します。

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河邊甲介
宮崎県の川南町にある峠の里からの絶景を眺めながら、漢方と薬膳を組み合わせた腸活相談が受けられる「薬局×セレクトショップ」です。
「中医薬膳師×薬膳素材専門士×ペットフーディスト」の資格を有する薬剤師が、体調不良、ダイエットやアトピーなどの悩みにも親身に対応します。
無料の漢方相談も行っております。
また、ペットの腸活アドバイスなども行っています。
お店の特徴を活かし、人とわんこの心と身体の健康をサポートします。
宮崎県川南町「ほどよい堂」では、「漢方×薬膳×腸活」に関する様々な商品を揃えています。
気軽に一度、ご相談にお越しください!
著者プロフィール
河邊甲介 (薬剤師)
KOSUKE KAWABE
▷有資格
- 薬剤師
- 中医薬膳師:本草薬膳学院(学長:辰巳洋)にて資格取得
- 薬膳素材専門士:本草薬膳学院(学長:辰巳洋)にて資格取得
- ペットフーディスト
▷経歴
- 福岡大学薬学部卒
- 総合病院薬剤部・調剤薬局にて勤務
- 2024年1月より宮崎県川南町(峠の里)にて漢方×薬膳×腸活のお店「ほどよい堂」を開局
身体とこころの安心をお届けします
薬剤師であり、漢方×薬膳×腸活の専門家として、「ほどよい堂」を運営しています。
中医学的体質診断を基に、個別に最適な健康アドバイスを提供し、無料相談も実施中。
健康に関するお悩みを漢方や薬膳、腸活でサポートし、体質改善を目指します。
健康維持や未病対策に関心のある方は、ぜひご相談ください。

お気軽にお問い合わせください。0983-32-7933受付時間 10:00-18:00 [ 月曜定休・火曜不定休 ]
お問い合わせNHKドラマ『しあわせは食べて寝て待て』とは?薬膳と人情に癒される物語【放送中】
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